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2011-02-19

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、品質がMADE IN CHINA以下

yamato
 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観た。
 観る前から駄作は決定していたんだけど、昨年の元日に予告編が解禁されてから1年近く、待ちに待ち、その間に期待値は上がりに上がり、気付けば他のどの作品よりも期待していた。だって、絶対に駄作にしかならないのに、「2010年『ヤマト』YEAR始動!」なんてぶち上げられたら期待するなって方が無理。
 果たして、期待通りに酷――くはなかった。思ったよりもマトモで、マトモゆえに普通に酷かった。つまり、何の変哲もない普通の駄作だった。
 
 物語は単純。地球が滅亡の危機に陥っているのを救うため、人類最後の希望である宇宙戦艦ヤマトで最後の旅に出る。
 この物語が全く面白くない。ちなみに私は元々のTVシリーズをまともに観たことがない。映画版は小さい頃に全部観ているようなのだが、全く記憶に残っていない。一昨年に観た「復活篇」も出来の悪さ以外覚えていない。だから思い入れが何もない上での感想になる。
 そもそもこれは今作られるべき物語なんだろうか? 戦争を描いているわけでないし、戦いを描いているわけでもないし、登場人物の成長物語はあるけれど超テキトー。
 古代進は退役していたようだけど、復活するや否やリーダー登用。ブランクとか誰も気にしないのか? 瞬く間に艦長代理になる。作品そのものはダラダラしているのに、展開は凄い早い。部下を切り捨てることでヤマトを守ろうとする場面や、沖田十三艦長とのやり取りにて艦長らしさを身に付け、最後には全責任を一身に引き受けるわけだけど、成長した感じは殆ど見られない。物語をそーゆー方向に向かわせているだけ。
 たとえばヤマトをもっと凄いものに作れなかったのか。みんなが自滅覚悟で闘わないという展開を考えられなかったのか。原作の展開がそうだから、というのはわかるんだけど、それはもう30年以上前のこと。完全無欠の「ヤマト」を実写で作ったって良かったんじゃないか? そーゆー根本的な見直しを本気でやるべきだったんじゃないか?

 物語の中では、地球上には日本しかいないようだ。日本以外の政府がどうなっているのか描写されないから。原作ではちゃんと描かれているのかもしれないけど、とりあえず本作には描かれていない。大日本帝国の色濃い時代ならまだしも、“今の日本”の未来として考えれば、日本政府に地球の命運を握らせることは危険極まりない。下手すると日本は先進国の座から落ちている可能性だってある。そんな日本に宇宙戦艦ヤマトを建造することができるとは到底思えない。材料や予算はどこから集めたのか? 地球が滅亡の危機に瀕している最中、困難な事業を完遂させるリーダーシップの持ち主が現れた? 橋爪功さん演じる首相がそんな人には見えない(超頼りなさそう)。つまり、宇宙戦艦ヤマトの存在自体に説得力がないのだ。
 ローランド・エメリッヒ監督の『2012』に登場する人類の存亡をかけた巨大な避難船は、中国産だった。現実的にSF設定を考えると、日本政府に宇宙戦艦ヤマトを建造する力はない。もしも日本で作るとしたら、それは前田建設ファンタジー営業部によるだろう!
 本格的なSF映画を作ろうってんなら、そーゆー部分も考慮しなきゃ。設定が30年以上前の古臭い原作のままってのは、それだけで駄目といえる。森雪と佐渡先生の設定を改良(改悪?)する以前にもっと別の設定を見直すべきだよ。全世界の総意で作ったのが宇宙戦艦ヤマトであり、全世界の総意で選ばれたのが沖田艦長で、その下に色んな人種の乗組員がいて、その中で古代進が大活躍するってんなら日本人の感動も違ったろうに。
 ま、根本的に、なぜ今さら「ヤマト」なのかが疑問なんだけどさ。平成生まれの子供が観たら「ヤマト」に対する思い入れもないのに。作る意味がないよね。

 物語や設定が駄目でも画面の面白さで魅せるのがSF映画の醍醐味なのに、それも駄目。関連商品を集めたくなるようなガジェットとしての面白さがないし、ため息が出るような特撮もない。
 何箇所かある戦闘場面は、さすがに最新のSF映画くらいは参考にしているようで、結構良いと思うけど、カメラ視点の移動が杜撰なので、何がどうなっているのか把握し辛い。「スター・ウォーズ」シリーズも宇宙戦がふんだんにあったけど、画面の中でどこに主役格の船が動いているか、激しい動きの中でも的確に演出していた。本作はそれができていない。光源の使い方が悪いため、漆黒の闇である宇宙空間の映し方も非常に悪い。
 艦内は一見して安っぽく思えるセットで、やたらと照明が明るく、その安っぽさが強調されている。司令室とか、手元の端末からの光だけで撮れば雰囲気も出るのに。俳優の顔をはっきり映さなきゃ駄目なんだろうけど、それで作品の質を落としちゃ意味ないよ。
 木村拓哉さんの演技は非難される程悪いとは思わなかった。「SMAPのキムタク」そのままではあるけど、木村さんに頼むってのはそれを頼むってことだし。これがたとえばクリント・イーストウッド監督に撮らせるなら、『硫黄島からの手紙』みたいなもので、今までにない木村さんの魅力を引き出せたかもしれない。が、山崎貴監督にそれは無理だろう。木村さんの映画を1本だけ選ぶなら、異色のトライ・アン・ユン監督の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』が良い。変わった役だけど、面白い役なので儲けものだ。
 色んな人が非難している「ワープ中のラヴシーン」は、私は別に気にならなった。そもそもワープって設定自体が架空のものなんだし、ワープ中にラヴシーンをしていけないって決まりはない。むしろ斬新で面白いじゃないか。問題あるとすれば、レイプ一歩手前のラヴシーンってことくらい。落ち込んでいる人に対していきなりキスして慰めるって、展開を急ぐのも程々にしなきゃねぇ。脚本家は何考えてるんだろ? 古代進と森雪が熱烈に相思相愛でなければ最後の盛り上がりを演出できないのはわかるけど、だからといってあれは急かしすぎ。失笑させてどーすんの。
 あと、音楽も悪かった。あのテーマ曲の使い方が超下手糞。作品は知らなくてもテーマ曲は知っている人って多いんだから、出し惜しみせずに長々と使えばいいのに、妙に出し惜しみしちゃう。そんなところで日本人らしい遠慮をしなくても。で、エンディング曲がスティーヴン・タイラーさんって、斬新なギャグだ。シルベスター・スタローンさんの『エクスペンダブルズ』で長渕剛さんの曲が流れた時くらいに笑っちゃった。

 批判ばかりしたけど、それでも感動した場面だってある。古代進が地球と最後になるかもしれない通信をする場面だ。古代進は、家族を全てなくし、身近な者がアナライザーしかいないことがわかる。通信室で手持ち無沙汰にしている時の木村さんの演技は、演技らしい演技をしていないけど、いつもの木村さんのキャラクターにピッタリ合った寂しい場面だったのでボロボロ泣いてしまった。
 でも、良かったのはそこだけ。あの場面は木村さんだけでなく、緒方直人さんの助力も大きい。他の場面がボロボロだったとしても、あの場面は巧くピタッとハマっていた。

 どうしたら面白くなったのだろうか? とりあえず監督と脚本家を変えたら良かった。
 こーゆー映画こそ樋口真嗣さんを監督にすればいいのに。ガイナックスに任せてみるとか。
 せっかくの実写版ヤマトなのに、CGの出来が悪いとはいえ、ヤマトをもっとカッコ良く映せる人が監督でなきゃ駄目でしょ。極論をいえば物語はもっと杜撰な出来あっても、ヤマトさえカッコ良く映ってりゃ楽しめるかもしれない。地上に埋もれているところからの発進場面の演出が最も酷い。煙の中から颯爽と登場するんだけど、それをモニター上の映像として見せられる。何考えてんだろ? あの場面こそ最もカッコ良く演出しなきゃ駄目なのに。そこが腰砕けな選出なんだから、その後も全て腰砕けなんだと予感させられる。
 佐藤嗣麻子さんの脚本も悪いし。山崎監督とは『BALLAD 名もなき恋のうた』に引続き組んで漫画実写化となったけど、相性が良かったのかもしれないけど、作品の質は低い。そういや『BALLAD 名もなき恋のうた』もSMAPメンバーの主演作だ。佐藤さんは稲垣吾郎さんの「金田一」シリーズでも脚本担当している。SMAPと相性が良いのか?

 主演たちを映すことに一生懸命になりすぎて、その他を描写し切れず、結局何が大変なのかさっぱりわからない作品になってしまった。類似の『アルマゲドン』なんかと比べてもその点で大きく差がある。状況を的確に、そして大袈裟に描写せずしてスペクタクルは描けない。その1点を欠いただけでも本作は大失敗といえる。
 原作と比べることには殆ど意味がない。いち映画作品として悪いのだから。「2010年『ヤマト』YEAR始動!」だったらしいけど、全くそんなことはなかった。力を入れる場所を間違えた作品。1年間どころか、観ている最中に賞味期限が切れてしまう(観る前から?)、不味ぅ~い作品だった。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : ヤマト

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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