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2010-12-23

責任放棄という責任の取り方

 『GAMER』か『ロビン・フッド』か『トロン:レガシー』のどれかを観ようと映画館に行ったら、店員の1人が「ヤマト」のコスプレをしていました。木村拓哉さんが着ていた、紅白で、胸に矢印のあるアレです。夕方だったのですが、お客さんが少なく、妙に目立っており、正直、可哀相に……と思ってしまいました。
 結局、『GAMER』を観、余りの面白くなさにしょんぼりしながら帰ろうとしたら、「ヤマト」コスプレをしてた店員は普通のユニフォームに着替えていました。恥ずかしかったのでしょうか。

 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、内容の酷さと裏腹に、ヒットしているようです。スポンサーの力もあり、TVを見たりコンビニに入ると嫌でも『SPACE BATTLESHIP ヤマト』関連の何かを見せられます。嫌がらせです。あんな面白くないものが全年齢向けで全国上映しているのですから、日本の青少年の感受性が心配になります(ま、殆どの人が面白くないと思っているだろうから、心配するまでもないだろうけど)。
 前作(といっていいのかわからないけど)の「復活篇」は、石原慎太郎都知事が原案を出したようで、当然のように前時代的な遺物としかいえない駄作でした。ただの原案担当とはいえ、あの駄作に名前をデカデカと表示される恥辱はガラガラの映画館で「ヤマト」コスプレをさせられている店員のそれを超えると思うのですが、石原都知事はどう思ったのでしょうか? まあ、でも、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』に石原都知事が絡んでいないのは、石原都知事を救っていると思います。『俺は、君のためにこそ死ににいく』を作ったような人が(脚本と製作総指揮)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』に加担していたとなると、それこそ戦犯ものでしょうから。
 しかし『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、石原都知事が係わっていないのに、上下関係を無視した話し方を許し、実力を無視した人材評価をし、隠れてはいますがネオナチも真っ青な民族主義を全面に押し出し、現実味を持たせたつもりで何もかもが都合の良い展開で、最後は神風特攻万歳な前時代的物語でした。そのくせ緊張感が全くなく、戦争が「主人公カップルを盛り上げるためのアクセント」程度にしか扱われていません。さらに主題歌を外人に歌ってもらってるのですから、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』には大和魂の欠片も入っていません。これはもう「有害」指定しても問題ないでしょう。

 乱りに暴力を描くことは「有害」だと思います。間違った考えを与えるのも「有害」でしょう。日本人の尊厳を著しく下げるのも「有害」でしょう。ならば『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は間違いなく「有害」です。が、それは『SPACE BATTLESHIP ヤマト』だけの責任ではないと思います。TVを見れば平然と「有害」なドラマやバラエティ番組が放送されており、感覚が麻痺します。その最たるものが国会中継です。
 国会で繰り広げられる様は、時として学級崩壊を優に超えています。国民から信任を得た立派な大人たちの行動とは思えず、こんなことをしてもらうために投票したのじゃないのに……とガッカリさせられることが頻繁にあります。国会中継は、大人にガッカリしない大人になるまで見せてはいけないものNo.1です。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の橋爪功さん演じる首相の駄目さ加減は、そんな現実を見事に反映していました。地球の危機も納得。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、見事に今の日本の駄目な部分を描いていたのです。そーゆー意味では傑作かもしれません。

 技術が優れてきたからって演出を過剰にして大失敗する例は多く、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』もそうですけど、漫画にもよく見られます。ので、漫画などを規制する東京都の青少年育成条例には賛成できる点もあります。
 今、大手出版社が売れるからって過激な作品を掲載することが多く見受けられます。物語は全く面白くないのに、無意味に扇情的で猥褻な描写を入れて人気を稼いでいるだけの作品が少年誌にも増えています。それらが漫画表現に対するカウンターだとは思えませんので、そんなにエロ描写で人気を獲得したいなら、最初から18禁雑誌で描けばいいのに、とも思います。たとえば私は『To LOVEる ダークネス』が大好きなので、あの画力で本気の18禁漫画なら、単行本が2千円でも買います(大人ですから!)。
 世の大半の漫画やアニメやゲームに於いて、過激な描写が重要不可欠な要素となっている作品は18禁作品を除けば極僅かでしょう。石原都知事じゃなくとも「こんなもんが規制されたからって何が困るのか?」と思います。「規制に反対する意義がある作品を作れ」といわれても文句いえないんじゃないでしょうか? 表現の自由ったって、そんな何でも自由ってわけにはいかないでしょ。映画『』を観ればわかりますが、規制する感情はとっても微妙なものです。本当に表現の自由を理解して、その自由を“我慢”できる人は多くないと思います。『靖国』や『ザ・コーヴ』での低レベルな大騒ぎを見ればそれがよーくわかります。場合によって、自由には過大なストレスがかかります。

 多様性を知るためにも、内容規制をするのは間違っています。誰もが「表現の自由」を唱えるのも間違っていますが、基本的に誰もが大きく困っていないのなら、自由の権利は守るべきです。規制することで、誰が得をするのか。強引な規制は、一部の人々だけが得をします。それ以外はみんな損。社会全体を見て平均的に得できる方法を考えるべきなのに、真に討議する場を設けようとしない。問題になっている青少年育成条例は、そこが駄目なのでしょう。賛成派と反対派の情報が非対称的なままの強行採決でしたし。
 ストレスのない自由は、表現を制限せず、販売を制限するのが最も簡単です。ので、青少年育成条例も販売店への規制であるなら大いに賛成できます。が、青少年育成的に推奨している映画に『武士の家計簿』を選んでいる時点で、信用なりません。あらゆる意味で子供にも大人にも推奨できない『武士の家計簿』を選ぶ神経……無理、絶対に信用できない。加賀の話なのに。大変だなぁ、東京都民は。

 責任を放棄することで責任を取るという本末転倒なテクニックを駆使する大人たちに振り回される子供が大変です。私が子供でも『武士の家計簿』を観せられたら途中で絶対にムカつきます。拾ったお金をプライドが許さないからって捨てさせる内容なんだよ!? それこそ絶対に許せん! 教育として間違ってるよ! あんな「有害」な映画を推奨されて観せられる子供が可哀相だ!!
 で、そんな間違った自由の解釈の末にできたのが『SPACE BATTLESHIP ヤマト』なのですから、責任放棄は立派な責任の取り方なんでしょう。『無責任艦長タイラー』のタイラーさんの方が人物的にも物語的にも遥かに責任感がありましたよ。
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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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