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2010-10-05

夢は踏みにじられ、砕けるものだ。その残滓にこそ価値がある

 韓国映画『TSUNAMI-ツナミ-』を観たら、その余りの駄作っぷりに驚いてしまった。上映時間が3時間もあるダラダラと長い作品で、肝心要の巨大津波が登場するまでに1時間以上はかかるため、前半ですぐに飽きてしまう。しかし、観終えて上映時間を確認したら、実は2時間しかなく、さらに驚いた。体感的に1時間も余計に長いと感じるなんて、余程の駄作だよ?
 本当につまらなくて下らない物語が、本当につまらなくて下らない人物によって構成されており、ずーっと「死ね、早く死ね、みんな死ね」と呪詛の念をスクリーンに送っていた。韓国映画の悪い部分を総動員したような駄作。
 そんな駄作をさらに駄作色に上塗りしたのが、主題歌。エンド・クレジットが始まったら日本語の歌が流れ出す。「超日本語吹替え版」とはいえ、ED曲まで日本語に吹替えたなんてことはさすがにないと思われるので、「最近話題になっている韓国のアイドルグループが特別に日本語で歌ってるのかな」と思ったら、AKB48の曲だった。これがまた酷い曲でねぇ。つーか、韓国のアイドルが人気なら、そのアイドルに頼んで日本語で歌ってもらえば良かったのに。AKB48とは意味がわからん。
 さっさと死んでほしいムカつくキャラ満載のアホみたいな映画の主題歌として楽曲を提供しちゃ駄目でしょ。私のように全くAKB48に興味のない奴が間違って聴いてしまい、こんな感じに罵倒しちゃうんだから。

 その歌詞に「夢は逃げたりしない、諦めなければ~」というのがあった(確かそう聴こえた)。みんな好きだねぇ、そんな感じのフレーズが。松本零士さんと槇原敬之さんによる、「夢を裏切る裏切らない論争」がまだ記憶に新しいし、「夢は逃げない」ってフレーズは高橋歩さんの「夢は逃げない、逃げるのはいつも自分だ」が有名だ。だからAKB48による主題歌は物凄く安直な歌にしか聴こえない。
 夢の自己実現かぁ……大量殺戮が夢の奴いたらどーすんだよ。「あのフレーズに励まされてここまできました」なんて犯行後にニコニコと語られても困る。叶ってほしくない夢もあるだろーに。そもそも夢は必要かなぁ? それがモチベーションに繋がるなんて、『BECK』の感想でも述べたけど、説得力ないと思うのだ。
 たとえば小さい頃から何らかの夢を抱いていたとして、その夢を実現できなかったら、自分から諦めたり逃げたことになるだろうか? もちろんそれはある。しかし、そもそもその夢が自分に向いていなかった可能性だってある。それなのに、「諦めなければ~」や「逃げるのはいつも自分だ」なんて言葉が流通していると、実現できなかった責任は自分にあるみたいだ。

 身の程を知ることは重要だと思う。努力を重ねて叶えられる夢があれば、どれだけ諦めずに努力を重ねても絶対に無理な夢もある。「諦めなければ~」や「逃げるのはいつも自分だ」という言葉は、人によってはとっても励まされる強い言葉となるだろうけど、逆に絶望の底に追い込む強迫観念ともなる。そんな時に重要なのは「身の程を知る」だ。
 たとえば『BECK』で最も駄目なのは、「身の程を知る」ことに対する恐怖感が真摯に描かれていない点。何者かである主人公が大活躍する物語は面白いけど、何者でもないことを知った主人公が頑張る物語だって面白い。『BECK』が描くべきだったのは、後者であるべきだった。そうでないから最後まで仲間の大切さを描き切れなかったのだ(それはそのまま映画版に悪化して受け継がれている)。『BECK』は、音楽を描くことには成功したかもしれないけど、「バンドとしてのケミストリー」を描くことには大失敗していた。
 諦めたり逃げたりしなければ見えないことだってあるだろう。それが本来の自分の姿だったりするかもしれない(良し悪しは別にして)。日本人の大半は直接的にも間接的にも仏教徒だろうに、こだわりを捨てることを真摯に教えない今の教育や風潮はいかがなものかと思ってしまう。肩の荷を下ろさせてくれない社会があったら嫌だよ。
 社会的に考えれば、順風満帆に社会を動かそうと思えば経済成長をしなければならないんだから、誰も彼もが肩の荷を下ろすようじゃ困ってしまう。でも、疲れた時にふと休めるくらいの余裕を与えてくれる社会であってほしいものだとも思う。結局それは流動性を高めるということでもある。そう考えると、『BECK』は既得権益にとってもこだわる古臭い思考の物語であることがわかる。

 映画の出来はさて置き、「夢の自己実現」を巧く描けていたのは、『ロード・オブ・ザ・リング』かなぁ。あの作品の大ヒットにより、少しは改善されたかと思ったけど、強迫観念な「夢の自己実現」はまだまだ健在だ。
 ボロボロになりながらも、小さな欠片となってでも残った夢があれば、それこそが大事で大切なものだと思う。でも、人の心は難しいもので、夢がボロギレのようになってしまえば今まで以上に必死にこだわり、身を滅ぼすこともある。
 そして、最後に残るのは「何もない自分」だと思うので、いってしまえば「諦める自分」や「いつも逃げてばかりいる自分」かもしれないので、そんな自分を労わり、その上で途方に暮れず、とりあえず一歩を踏み出せることだと思う。そーゆー意味では、AKB48の主題歌は「戻る場所がある安心感、それゆえに辛い時でも挫折せずに頑張れた」という内容なので、映画の内容に照らし合わせば、「愛する人は亡くなったけど、常に心に想いはあり、辛いけど前を向いて頑張れる」という主題を代弁するピッタリな曲と思える。が、それなら「夢は逃げたりしない、諦めなければ~」という部分が余計だ。
 どうでもいい微妙なことだけど、なーんか気になってしまい、ちょっと嫌だなぁと思ってしまった。
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テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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