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2010-09-25

カナザワ映画祭2010体験記:2日目

 <カナザワ映画祭2010 世界怪談大会>は、9/18から普通の上映会が始まった。こっからが映画祭の本番だ。
 観たのは『チャウ』、『ゼイリブ』、『巨大生物の島』、『女優霊』、『クトゥルーの呼び声』、『邪願霊』の6本。トーク・イベント抜きだけど、朝から晩までだ。
 
 1本目、韓国映画の『チャウ』。
 全く面白くなかった。老猟師の孫娘が車に撥ねられる場面と、その孫娘が巨大猪に食べられる場面は少し面白かったけど。それ以外は全く面白くなく、観るのを途中で止めて劇場から出てしまおうか悩みながら観ていた(ケチな性格なので最後まで観た)。
 物語は『ジョーズ』と同じようなもの。事件らしい事件が十年間全くない平和な田舎村に殺人事件が発生し、調べたら巨大猪が犯人だった。そこで警察、プロの狩猟隊、狩猟から引退した老猟師、学者が退治に乗り出す。
 韓国映画らしく、演出や展開に“ハズし”がたくさんあり、それが味といえば味なのかもしれないけど、私の印象は、すっごい面白くないコントを見せられている感じ。「韓国映画の駄目な面」を全面展開していた(なぜか日本で人気あるんだよね、その面が)。物語が面白くないのは構わない。問題なのは、とにかく画面が面白くないことだ。
 殺人巨大猪の視点による演出があるんだけど、『ジョーズ』や『プレデター』みたいな主観視点として本来は追い詰める緊張感を高めなければならないのに、全く効果なし。というか、不用でしょ殺人巨大猪視点。画面中ではとにかく大変なことが起きているようなんだけど、その実、登場人物がギャーギャーと騒いでいるだけで、面白いことは全く起きていない。そもそも殺人巨大猪が普通だ。サイズは物語に現実味を持たせるためには3mくらいで適正だけど、風貌が怖くない。今時の映画としてそれはどうなんだろう? そのくせ大声で鳴くと超音波のようにガラスが割れたり、意味のない演出をしている。狩猟隊のリーダーの男が狩猟犬と超能力で話せるんだけど、その設定は全く物語に活かされていない。ただ話せるだけ。何じゃそりゃ。ナウシカみたいに殺人巨大猪との対話に挑んでみるとか、使い道あるだろうに。最後、中途半端に猪親子の親子愛なんざ描いて、無駄に時間長いっての。で、「生き残ったウリボウが親の敵を取る……っ!」みたいな終わり方をするんだけど、いらないよそんな展開。そして、エンドクレジットも流れる本当の最後、登場人物に存在価値の全くないキチガイ女が登場していたんだけど、それが「実はシリアルキラーでした!」みたいなオマケが付く。この演出が最も不快だった。気の利いたオモシロ演出をして得意がっている感じがして。
 まさに時間の無駄だった。

 2本目は、ジョン・カーペンター監督の大傑作『ゼイリブ』。
 文句なしの大傑作。長髪のダサくてムサいオッサンが主人公だってのに、『チャウ』の後だと一服の清涼剤のようだ
 物語は単純(カーペンター監督作に複雑なものは皆無)。宇宙人が地球を知らない間に侵略していて、それをプロレスラー(肉体労働者)がサングラス片手に肉弾戦で阻止する。
 そんな粗筋で「物凄い面白い映画なんだ!」と他人に薦めてみても、誰もが「は? 何その変な映画?」と思うだろう。しかし、実に面白いのだから凄い。そんなアホみたいな物語を面白く撮れるのはカーペンター監督以外にいない。
 カーペンター監督は画面が面白い。余計なことをしない。時に余計なことをする場合は、余計過ぎるくらいにする。『ゼイリブ』でいうと、中盤の、ムサいオッサン2人がサングラスをかけるかけないで延々と殴り合う場面だ。何の映画を見ているのか忘れてしまう程で、途中からおかしくて爆笑してしまう。映画を観ている筈なのに、プロレスを観ているような。しかも喧嘩の理由が、サングラスをかけるかけないというどうでもいい理由。TV局勤務の女性も意地になって嫌がるし、いいじゃんサングラスくらい、と誰もが思うから、次第に喧嘩が滑稽に見えてくる。しかし、登場人物に優柔不断な性格がいないのがカーペンター監督作だ。迷わず、突き進む。
 カーペンター監督作の展開は、基本的に急転直下。ズドンッと。冷静に考えれば意味不明な物語なのに、余りの急転直下ぶりに観ている間は意味不明ぶりが気にならない。国家中枢にも宇宙人の侵略は進んでいるようで(資本主義批判になっている)、そこを掘り下げることもできるのに、あくまでも画面内の運動によって物語は展開する。台詞による展開が殆どない(だから意味不明なんだけど)。台詞による説明があっても、「俺たちの知らない間に宇宙人に侵略されてたんだよ!」→「な、何だってーっ!? そりゃ大変だ! 許せん!」と訝しがる暇もなく納得し、物語は粛々と急転直下を進める。『ゼイリブ』を下手な監督が撮ったら、絶対に2時間以上かかるだろう。
 たぶん何十回と観ている『ゼイリブ』だけど、全く飽きることなく観られた。爆音上映のお陰で、今まで観たことのない『ゼイリブ』になっていた。『ゼイリブ』を体感したというか……今まで観ていた『ゼイリブ』は何だったんだ!?
 驚愕の上映、かつ至福の時間だった。

 3本目は、バート・I・ゴードン監督の『巨大生物の島』。
 ま、有名な作品ですな。
 物語は単純(この手の映画に複雑な物語なんて存在するわけないけど)。怪しい液体で生物が巨大化している島に遊びに行って大変な目に遭う。
 色んな生物が巨大化する「巨大化もの」で、見るからにアホそうな作品なんだけど(H・G・ウェルズさんの『神々の糧』という原作付きだけど)、意外や特撮の出来は良い。とはいえ、後半は可愛いネズミさんが大暴れするだけの展開で、それはミニチュア・セットの中をたくさんのネズミさんがチューチューと遊んでいるのを撮っているだけ。
 ゴードン監督は巨大化させるのが大好きで、自ら特撮も担当している。だって、名前の頭文字を並べると、「BIG」だし。「巨大化もの」が好きだからその名前なのか、名前がそれだから「巨大化もの」を好んでいるのか、どっちなんだろう?
 題名が題名だから初っ端から躊躇なく巨大生物が襲ってくる。展開の早さはこの手の安物映画には必須項目。さすがにどう見てもチャチだけど、爆音上映のお陰か、妙に面白かった。ネズミさんが撃ち殺される場面は、残酷にも見えたし。最後に「まだまだ続く……」というオマケ付きな商売っ気も微笑ましい。
 まあまあ楽しめた。

 4本目は、中田秀夫監督の『女優霊』。
 誰もが知ってる有名作。と思いきや、意外と観ていない人が多かったようだ。DVDもとっくの昔に発売されているのかと思っていたけど、まだだったのね(11月発売のチラシが置いてあった)。
 物語は単純。映画撮影所で撮影中に女性の霊が出現し、現場を恐怖に陥れる。
 『シェラ・デ・コブレの幽霊』の影響下にある作品なんだけど、それぞれの作品を観ただけでそれを理解するのは難しい(そこら辺の説明を前日の野外上映トラブル時の時間稼ぎに説明してくれれば良かったのに)。『女優霊』で、主人公は「思い出せるようで思い出せない、もやっとした記憶」のことを話す。即ちそれが『シェラ・デ・コブレの幽霊』の放送を指しているんだと思う。小さい頃に偶然、TVで『シェラ・デ・コブレの幽霊』を観て、凄く怖かった。しかし小さいゆえに記憶が曖昧で、怖かった記憶だけが残った。思い出そうとして思い出せない、その「もやっと感」を上手に表現したのが『女優霊』だ。脚本は高橋洋さんだけど、原案は中田監督なので、物語の核はどちらの考えに比重があるのかわからないけど。
 さすがに今観ると古臭く、面白味がない。とはいえ、フィルムに古い映像が割り込んでくるタイミング、映像の濃度など、不安にさせる演出は今観ても巧い。落下した女優の死体をじっくり映す気の利いた演出も好き(ピクピク痙攣しているのが良い)。ちなみに私は初見の際、最後の屋根裏部屋での展開は『赤い影』の影響があるのかと思っていた。それゆえ、ちょいと演出がクドくて長いと思った。ズバっと出してズバっと終わらせた方が良かったと。
 画面の陰影が活きていないのも今観ると安っぽさを倍増している。中田監督のセンスが悪いのか、画面全体が明るすぎる。まあ、全体が見渡せるくらい明るい中で心霊を映すことが重要でもあるんだけど。画面の構図は、縦に奥行きを持たせ場面は、不安を煽り、巧いと思う。
 また物語がちゃんとしているのも古臭い要因なんだろうと思う。たぶん高橋さんと中田監督は真面目なので、そうなってしまうのかも。カーペンター監督程に思い切りの良さがあれば、賞味期間の長い作品になったろうけど。ただそれでも、『女優霊』が発火点となったことを確認するだけでも、十分に鑑賞の価値はある。爆音上映でさらに価値は高められ、楽しめた。

 5本目は、『クトゥルーの呼び声』。
 日本初上映作品。
 ちっとも面白くない。『チャウ』よりはマシだけど、雰囲気だけ。2005年の作品なのにモノクロと無声にした演出にも全く効果なし。かなり眠くなる。

 6本目は、『邪願霊』。
 日本の幽霊映画を語る上で絶対に知っておくべき作品。日本恐怖映画史の義務教育レベルの必須鑑賞作品。
 怖さも面白さも価値も、さすがに低くなっているけど、意外や『女優霊』より上。心霊写真の不気味さをそのまま映画の演出にした、「あれ? 何かあれおかしくない?」と気付く人は気付く演出が巧い。ちゃんと最後にネタバラしを行い、気付かなかった人にもサービスをしている律儀さが安っぽさと古臭さに繋がっているんだけど、仕方ないか。
 何で『女優霊』よりも面白いと思えたのだろう? 久しぶり(十数年ぶり)に観て初めてわかったことがある。カーペンター監督作に近いのだ。先に『ゼイリブ』を観ていないとそんなこと思わなかったかもしれない。物語に理屈はあるけど、『女優霊』よりもオカシイんだよね。そして、安っぽいけど「そこまでやるか!?」という過剰演出が賞味期間を長くしている秘訣だと思う。作品の賞味期間を長くするには、やり過ぎることが重要なんだなぁ。
 『邪願霊』が叩き台となって『女優霊』が生まれたんだな、とよくわかる有意義な鑑賞だった。爆音上映の効果は……大してなし。でも、面白かった。観て良かった。

 トーク・イベントは観る気ないので、18日はこれにて終了。飲み物は買ってあったら喉の渇きは大丈夫だったけど、さすがに腹減った。
 再見しても何一つ威力が落ちてなかったのは、『ゼイリブ』。やはり凄い作品だ。やはり思い切りが重要なんですね、何事も。

 今回の爆音上映は、昨年のよりも良くなっていた。というか、爆音上映をナメてた。わかった気になって「爆音上映、大したことないね~」とイキがっていたのが恥ずかしい。すみませんでした。
 爆音上映、凄いです! 凄かったです!!
 低音域の出も良かったし、高音域の耳障り加減も良くなっていた。ただ、正直、爆音上映の意味、殆どないよね今年のラインナップだと(カーペンター監督作は別)――と思っていたら、翌日にそれも大きな勘違いだということがわかるのだった。
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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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