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2010-05-06

中川あゆみにもっとS.L.A.C.K.成分を

 中川あゆみさんの「事実 ~12歳で私が決めたコト~」を聴きました。何というかアレですね、TVで特番している「貧乏大家族」みたいな歌です。
 掃いて捨てる程どこにでも転がっている現実と、理想、それらがせめぎ合い、明らかな駄作になるギリギリのところでポップスとして成立しています。みんなに聴いてほしいという想いと、自分自身を鼓舞するために創った想いが、これまた押し付けがましくなるかならないかギリギリのところでポップスとして成立しています。正直、巧いなぁ、と思いました。

 離婚して犠牲になる人なんて世の中にはたくさんいすぎて気にもならない話ですけど、しかし当事者にとっては大きな問題で、そんなどうでもいいくらい小さい個人的なことを、大人が歌うのでなく、子供が歌うって点に意味があります。気付かされるというか、大人の事情の身勝手さを、それを理解する気はないけど理解して、「いつまでも子供扱いすんじゃねぇ、こっちはこっちで生きてんだ」という強い表現。

私は目に付いた三原の2文字を無我夢中で消した
ノートも筆箱も体操着も
そして「あゆみ」という名前だけが残った

というラインが見事です。正直、その他の部分はありきたりすぎて駄目な歌詞だと思いますが、この部分は素晴らしく、こんな描写をできただけでも賞賛に価すると思います。

 駄目だと思った主な部分。
 「誰が付けたのだろう「あゆみ」という私の名前」は、「いや、そりゃあんたの親だろ、何いってんの?」と冷静にツッコミを入れたくなりますし、単なる皮肉にしか思えず、面白味がありません。
 「生まれた後は全部私の責任でしょ」は、発想の稚拙さが表出してしまい、一気に台無しです。世の中そんなわけないことくらい理解してるでしょうに。
 「ソレイユの丘では今日も大人たちが無責任な愛情を押し付けてる」は、「いきなり何いい出したんだ」と思うと同時に、大きく間違ってると思いました。愛情に責任も無責任もないでしょうが。全体の流れというか意味で考えれば、「無責任愛情を押し付けてる」が正しいと思うのです。助詞1文字で大きく意味が変わります。

 そして。
 何でありきたりのポップスにしちゃったんでしょ? 今ならヒップホップでやった方が圧倒的に面白いと思うのです。そっちの方が歌詞をもっと自由に面白くできますし。ありきたりのポップスな歌詞で表現しようとした時点で、大失敗だと思います。
 それに正直、曲も酷い。馬耳東風というか、すぐに忘れそうなくらいに引っかかりのない曲。これまたありきたりのポップスで表現しようとした時点で失敗だと思います。どうしても中川さんの背景と歌詞内容だけに注目が集まってしまって、大損しています。
 たとえば、日本のストリーツであるS.L.A.C.K.みたいな表現なら、もっともっと凄かったと思うのです。S.L.A.C.K.だって歌詞だけを見ればありきたりなんですが、そう思えないプロデュースになっています。また、同じポップスというか弾き語りなら七尾旅人さんの独自性、前野健太さんの妙な新しさなんかに比べると、中川さんは、子供のくせに古くさすぎます。いや、だからこそ普遍的で誰にでも伝わって良いのだ、という意見が大多数なのだとは思うのですが、そんな面白くもないポップスを子供が歌うって点に物凄い不満を感じます。もっとちゃんとプロデュースすべきなのに。
 真摯に歌うというのも良し悪し。歌詞も曲もありきたりである以上、世間から登場するのは「不幸自慢」という言葉でしょう。もちろん中川さんはそんな批判は承知の上で歌っているのでしょうし、素のままの自分を表現することが良いと思われているのでしょうが、そんなのは馬鹿の考えることです。そんなのちっともポップじゃない。ポップでない以上、「不幸自慢」しか売りがないといっても過言でありません。それは、大人が中川さんを弄んでいるだけなんじゃないか。何かムカつきます。真摯な気持ちも、ろくにプロデュースされないと、あっという間に消費されてしまうだけ。この曲をカラオケで熱唱する人がたくさん現れるのかと思うとゾッとします。

 中川さんが何を伝えるために歌うのか、正直よくわかっていないのですが、なんかもったいないと思ってしまいました。もっと立派に面白く「あゆみ」をプロデュースして、簡単に消費されてやらない気概を見せてもらいたいものです。それができなければ、単なる「不幸自慢」に終始してしまうでしょう。歌う事実がなくなったら引退するそうですが、それも全く面白味のない話です。
 マドンナさんにしろレディ・ガガさんにしろ「素の自分」を物凄く加工して世間に提供してますけど、だからといって「素の自分」は損なわれていません。中川さんが売れることによって、もしかしたら日本のポップスは今以上にガラパゴス化どころか単なる閉鎖性を高めることになるかもしれません。ため息しか出ませんね。願わくば、「事実 ~12歳で決めたコト~」がカラオケでヒットしませんように……
 
S.L.A.C.K. 「Hot Cake」

誰がどう聴いてもストリーツです。日本からもようやく現れたか、と思いたくなるくらいに見事。中川さんと同様に、普通のことをラップしているだけないのに、このビート、このフロウがあるだけでかなり新しい!

S.L.A.C.K. 「Good More」


S.L.A.C.K. 「Next」


S.L.A.C.K. 「Train To Tokyo」

面白い!

七尾旅人×やけのはら 「Rollin' Rollin'」

去年のアンセム。何度聴いても飽きずに素晴らしい。30代以上なら、間違いなく「今夜はブギーバック」と比較しちゃうでしょうけど。

前野健太 「東京の空」

前野さんの新しさや独自性は、正直よくわかりません。何で新しくて独自性があると思えるのか……自分でも謎。「こころに脂肪がついちゃった」という曲が最高なんですけど、YouTubeにはありませんでした。ので、歌詞だけでも。

前野健太 「こころに脂肪がついちゃった」

こころに脂肪がついちゃって
街がおもちゃに見えちゃうよ
映画館に入っても
なんだかすぐ眠くなって

ぼけてる
ぼけてる

こころに脂肪がふえちゃって
きみ 人形にみえちゃうよ
きみ泣いたり 笑ったりしてるのに
ぼくはテレビを見ているだけ

ぼけてる ぼけている
ぼけてく ぼけていく

よく晴れた日曜日
きもちよすぎる日曜日
風がぼくをなめてゆく
ああ このまま溶けていくの
このまま溶けてなくなっちゃうの

体に脂肪がふえちゃって
みっともなくてふけてゆく
ロックだファンクだヘビメタル
メンタル面だけは鍛えておきたい

ぼけてく ぼけてく
ぼけていく ぼけていく

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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