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2010-04-05

『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』は、父親の気持ちを味わえる

 『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』を観た。オタクアニメ映画連続鑑賞第3弾! 『劇場版 Fate/stay night - UNLIMITED BLADE WORKS-』、『涼宮ハルヒの消失』同様、評判が良かったので観ようと。
 「Fate」はPCゲーム版『Fate/stay night』をやっていたから物語と設定は全て理解していたし、「涼宮ハルヒ」はTVアニメを見てどんな作品かは概ね知っていたが、今度の「リリカルなのは」は、全くちっともさっぱり知らないで観た。フェイトってキャラが出るから『Fate/stay night』と関係あるのかと思ったくらい、無知な状態。わかっていたのは、題名に「魔法少女」とあるから、「魔法で変身する少女が主人公の物語」ってことくらい。よくわからんが「セーラームーン」や「プリキュア」みたいなもんなんだろうな、と。ただ、同じ「魔女っ子もの」でも、昔々の「魔女っ子もの」とは違うだろうし、「リリカル」なんて題名にあるけど『姫ちゃんのリボン』みたいな少女漫画とも絶対に違うだろうってのは、ポスターの「格ゲー」的な絵柄を見てわかっていた。

 物語は、典型的な最近の「魔女っ子もの」。変な動物が魔法世界の住人で、それを助ける過程で魔法少女になっちゃって、何か重要なものを集める手助けをするために戦う、ってやつ。今さらすぎて、またか、と思う。物語や設定に斬新さがないなら、キャラクター造形の強度はどうか。
 『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』は、物語を戦闘に特化している。変身ヒロインになるきっかけや過程はどうでもよくて、変身して戦って、ライバルキャラのフェイトが現れて戦って、フェイトと友達になろうとしてまた戦って、フェイトを助けるためにさらに戦って、遂にはフェイトと手を組んで戦って、友達になってハッピーエンド。
 物凄い端折りっぷりに、「ああ、これは総集編なんだ」ということがよーくわかる。また、私みたいな無知状態で見ても、いわゆる「魔女っ子もの」がどんなものなのかはわかっているから、特に説明がなくても戸惑ったりしないくらいの典型ぶり。
 典型的であるからか、とても古臭い。キャラの動き、敵のデザイン、演出、みーんな古臭い。十年以上昔のアニメを見せられているのかと思った程。何で今さらこんなものが人気あって映画にまでなっているんだ? キャラ造形の強度が上がっているとも思えない。キャラデザは全員、顔が似たり寄ったりだし、髪型がもっさりしていて前髪が触覚みたい。高町家の人々を見た時、特に「うわっ、古臭っ」と思った。同時に、古臭さの理由がわかった。「リリカルなのは」は少年漫画っぽい。

 基本的に「魔女っ子もの」って女子向けコンテンツで、当然ながら女子の願望が反映されているのに(潜在的な男子願望だったりもするけど)、「リリカルなのは」にはそれが全くない(超極端な『少女革命ウテナ』みたいな作品もあるけど)。「リリカルなのは」は男子向けすぎる。変身場面の露骨なサービスショットや、フェイトの折檻場面が、ではない。『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』は、とっても「熱血」だ(女子だって「熱血」好きだけど)。
 「リリカルなのは」の主人公は題名通りなのはなんだろうけど、『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』の主役はフェイトだ。なぜフェイトが悲しい気持ちで望まぬ戦いを繰り広げているのか、フェイトと母親、仲間、それぞれの背景描写と心情が丁寧に描かれており、それはなのはに関する描写を大きく上回る。フェイトの描写なしにフェイトとなのはの友情物語を2時間程度で描くことは難しいから、なのはに関する描写は省いてでも、フェイトに感情移入できるように多くの描写をフェイトに割いている。
 なのはなんて、命がけでフェイトと友達になろうとする理由がわかる描写は数カット程度。TVアニメ版を観てないと理解できないのかもしれないけど、そこは「典型的作品」なだけに、推測で補填。なのははとっても優しい家族に育てられ、素直で優しい娘に育ち、ゆえに他人の痛みや寂しさも理解できる――と。「だからって、友情を芽生えさせるために死闘を繰り広げるかぁ?」とは思うけど、そこは典型的な熱血物語だから気にしちゃいけない。
 女子向けコンテンツであれば、ライバルキャラは男子が好ましいような気がする。恋愛感情を芽生えさせ、それぞれが所属する集団が対立するゆえに『ロミオとジュリエット』みたいな典型的な展開になって。しかし、『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』は恋愛要素を避けている。そんなもの余計だとばかりに。それはとても納得できる。アクション映画とか観ていると、「何でここで余計なラブシーン入れてんだよ!」とかイラつくことがよくある。『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』は、熱血友情ロマン物語なので、男女の恋愛感情なんていらん。あるとしても、それは、百合だ!

 ところで、「リリカルなのは」と同じ「魔女っ子もの」の『カードキャプターさくら』の映画版第2弾である『カードキャプターさくら 封印されたカード』には、「あなたに伝えたい、本当の想い」という惹句があった。『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』のは、「伝えたいことが、あるんだ」。文章は似ているけど、その内容が全く違うということが面白い。前者は異性間、後者は同性間。どちらも熱血な戦闘場面があるけど、目指すところが全く異なっているし、見終えた感覚も全く異なっている。
 フェイトは、実の母親に虐待され、母親のいうがままに戦ったのに、「失敗作」と烙印を押し付けられ、それでも母親に感謝と思慕の気持ちを伝える。が、母親は鬼畜のような人でなく、母親には母親の譲れない想いがあり、それも本当に優しい想いなのに、ちょっとしたすれ違いにすぎないのに、過去に囚われたままの母親は、フェイトを見捨ててしまう。母親は、最期に正しい想いに気付くが、フェイトに想いを伝えられないまま終わってしまう。その先に幸せな未来が待っていたかもしれないのに、母娘として失敗したまま終わってしまう。
 辛い物語だけど、フェイトの不屈の精神があってこそ、なのはとの初めての共同作業で「うん、うんうん」と感涙する場面が活きる。また、戦いの悲しい終結があったからこそ、最後のフェイトとなのはのやり取りが感動的になる。
 フェイトみたいなキャラは、他の「魔女っ子もの」にいそうでいないと思う。なのはは普通すぎて、むしろ主人公とは思えないくらいに強度が弱い。なのはを支えているのは、少年漫画的な熱血魂だけ。フェイトという強度の強すぎるキャラがいなかったら、「リリカルなのは」は面白くなかったんじゃないか。観る前は「萌える」映画だと思っていたから、まさか「燃える」映画だったとは、予想外。

 物語は典型的すぎだけど、キャラの強度でそれを乗り越えている。冷静に考えれば、あんな辛い物語にする必要はないし、そもそもフェイトの母親が馬鹿すぎだし、何だかよくわからない話だけど、「細けぇこたぁどーでもいーんだよ!」とばかりに熱血友情物語に絞ったため、冷静に考える暇を与えない。面白かった。
 問題があるとすれば、観に来ている客の全員が青年以上の男子で、女性はおろか子供が1人もいなかったことか。しかも最後にゃ場内のあちこちからすすり泣きの音が聞こえたからなぁ。それが悪いとかキモいとかはいわないよ。だって、私も泣けたし。
 最後の、フェイト「なのは」⇔なのは「うん」という応酬が素晴らしすぎ。そこへ到達させるためだけの2時間だったといっても過言でない。アニメ映画の新しい名場面として残ると思うくらい。もうね、その場面を見た感想は、何というか、愛娘を見守る父親の気分。「良かったな、なのは!」みたいな。
 最初は「Fete」、「消失」、「なのは」の中で「なのは」が最も面白くないと思っていたんだけど、単なる「萌え」のオタクアニメだろ、と思っていたんだけど、まさかこんなことになるとは……本当にキャラの強度の力技でねじ伏せられたって感じだ。「萌え」から「燃え」(少年漫画)になり、最後には父親の気分になれる「魔女っ子もの」。たった2時間弱で、娘の成長を楽しめるような。これは、オタクだったお父さん向けアニメなのかもしれない。でも、これが「リリカルなのは」の魅力なんだろうか? 映画版だけなのかもしれない。だから、TVアニメ版を観たことがなくても、映画版だけで十分に楽しめることは間違いない。
 ところで、主人公が美少年同士の物語であれば、青年男子よりも青年女子がたくさん劇場に詰め寄っているのかなぁ?
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : リリカルはのは

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[リリカルなのは]劇場版なのはの感想

今更ながら、劇場版リリカルなのはThe MOVIE 1stについて。 ちなみに私はとらハ時代からの年季の入ったファンです。 私自身は映画館で映画を見るということは、数年に一度でしたが、今年に入ってからは「ハルヒ」「なのは」「Fate」とアニメ映画を立て続けて観ました 観た感

comment

管理者にだけメッセージを送る

石川で『なのは』が上映されてる事に驚きました。
これってそんなに需要あったんですね。

Re: タイトルなし

>まくさん
「リリカルなのは」の人気は正直よく知りませんけど、グッズ売り場は盛況でした。砂糖に群がる蟻のように。田舎街もみんな都会化しているとはいえ、石川県は田舎ですので、今やネットのおかげで情報に関しては腹一杯になれても、所詮それは絵に描いた餅だから、本物の餅がやってくれば群がるのかと。
「Fate」→「ハルヒ」→「なのは」というコンボ上映が実現されたことに田舎街に住むオタクとしては盛り上がった感が。上映したユナイテッド・シネマ金沢は、「東のエデン2」も上映が決まってるようですし、石川県でオタクアニメを独占上映することに独自性を見出したのでしょう(映画館における「ブック宮丸」というか)。良いことです。
プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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