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2010-02-24

『アサルトガールズ』は、「戦隊もの」の戦闘場面のみ映画

 押井守監督の『アサルトガールズ』を観た。
 正直、もう押井監督には期待していない。『Ghost In The Shell 攻殻機動隊』以降のまともな長編は皆駄作。『アヴァロン』、『イノセンス』、『立喰師列伝』、『スカイ・クロラ』、みーんな酷い。『立喰師列伝』だけは表現の新しゆえに少しだけ面白かったけど、その「表現の新しさ」にしたって、たとえばチェコの昔のアートアニメなんかと比較したら全く面白味がない。そもそも物語が面白くないので観ている間に飽きてしまう。娯楽映画としては赤点続きだ。本当にどれも酷いけど、最も酷かったのは、『Ghost In The Shell 攻殻機動隊』を修正した『Ghost In The Shell 攻殻機動隊2.0』。出だしをCGで全面修正したはいいが、そのCGの出来が悪い。手書きのセルアニメのままの方が何倍も表現として優れていた。所々に施されたCG修正のことごとくが改悪としか言い様のないもので、音響だけは改良されていたけど、詐欺紛いの作品だった。
 そんなものだから、押井監督作品は観る前から脱力してしまう。またもや駄作なんだろうなぁ、と。あらすじを読んだだけで「ああ、またかぁ……」と脱力できてしまう監督も珍しい。

 物語は物凄く単純。とっても進化したネトゲの中でワイワイ遊ぶ話
 ネトゲ世界は現実同様に現実味があり、プレイヤーはそこでモンスター(標的)を倒しながらポイントを稼ぎ、稼いだポイントを道具やプレイヤーの性能に割り振り、さらに上のレベルを目指す。登場するモンスターは、『砂の惑星』や『トレマーズ』に出てきたような巨大ミミズのみ。その大ボスを倒すことがクライマックス。
 主人公を演じるのは、黒木メイサさん、菊地凛子さん、佐伯日菜子さん、藤木義勝さんの4人。最初はバラバラにプレイしていたこの4人が最後には一致団結して大ボスを倒す。
 この物凄く簡単な展開の物語には、物凄く深遠な設定がある。社会が云々、技術が云々、進化が云々、精神が云々、虚構が云々と、相変わらずの小難しい理論武装的設定が、冒頭で延々と十分間も使って台詞と字幕と静止画のみで説明される。上映時間が70分と短いのに、その1割強を設定説明に費やしているのだ。しかし、物語に全く何一つ貢献していない。映画が終わってから、「あの説明は何だったのだ……!?」と衝撃を受けてしまう。

 全体的に無駄だらけで、無駄を全部切り詰めると上映時間は20分くらいになるだろう。使い回しのショットがあるし、そうでなくても舞台がどっかの岩山だけで画面に変化がないし、菊地さんの死霊の盆踊り』より苦痛で意味不明なダンス場面が長々あるし、α波でも出ているのかと思うくらい誘眠効果がある。実質的には20分で済む映画なのに、体感時間は2時間を超える
 最近の邦画同様、CGがPS2レベルなのも困ったものだ。しかも画面全体がソフト・フォーカス気味にCG加工してあり、それが『エマニエル夫人』みたいで、どうせ殆どの画面をCG加工してあるんだから、誰かをCGで脱がすような展開があれば良かったのに。菊地さんが「裸を見せるからポイントを寄こせ」とか。それで脱いだらセガサターンの『バーチャファイター』レベルのポリゴンで出来た裸だったりしたら、「押井監督凄ぇ!」と思うけど、もちろんそんな展開はない。『スカイ・クロラ』の時に宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』を揶揄したけど、表現力としては『崖の上のポニョ』の足下にも及んでおらず、あれから何の進歩も見出せない。画面がぼんやりとしているから、これまた誘眠効果抜群。
 音楽がまた酷くて、川井憲次さんが二日酔いで作ったのかというような自己模範の曲ばっか。基本がアンビエントで、アップテンポの曲も叙情的で、いつもの川井節。押井監督は、川井さんにどんな注文をしたんだろうか? もちろん誘眠効果抜群。

 見所は……主演3人の女優を楽しめること? しかし、美人女優で揃えたってーのに、その魅力を全く活かしてない。全く躍動感がないのだ。身体的な動きでもって“美女の性能”を活かすべきなのに、肝心のアクション場面では、カットを切って編集でごまかしている。髪が風でたなびくショットは盛り沢山なので、「たなびく美女の黒い長髪」フェチならご飯何杯でもいけますわ
 使い回しといえば、終盤に黒木さんと藤木さんの対決場面があって、そこの演出が懐かしい「格闘ゲーム」風味。センスの古さが十年以上前で、ギャグのつもりなんだろうけど、苦笑すらできなかった。安いくせに「安っぽく撮る」ことができない押井監督の演出力ゆえだ。

 押井監督は、「頼まれれば何でも撮る」みたいな発言をしているけど、そりゃー無理でしょう。「安っぽく撮る」を知らないみたいなんだもの。とはいえ、「高いものを撮る」もできないだろう。『アサルトガールズ』の製作費は1億円らしいけど、それだけあればもっと面白いものを作れる監督はいくらでもいるだろう。
 ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』の製作費は、『アサルトガールズ』の約300倍もあって、だから押井監督が『アバター』に「勝てない」と思うのは当然なんだけど、じゃあ押井監督に300億円渡したら『アバター』よりも面白いものを作れるのだろうか?
 押井監督は、『アバター』に対して、「違う土俵でなら勝ち目がある」ような発言もしていたけど、それは絶対にアニメにしかない。実写では無理だ。根本的にアニメで培ったセンスしかないと思われる。もしも実写で勝負をしたいのなら、せめて『サロゲート』くらいの脚本を用意しておかないと駄目でしょ。根本的に脚本が駄目なんだよな、押井監督作品は最初期から。
 もうそろそろ「虚構と現実」から離れた物語を作るべきだ。そうでなくとも、『アサルトガールズ』みたいな「ゲーム・オーバー→コンティニュー=虚構」という安易さはTVゲームでやるべきことだ。オースン・スコット・カードさんの『エンダーのゲーム』よりも時代遅れで発想が陳腐なものを今さら作ることはないだろうに。

 舞台が岩山のみで物語が戦闘のみなので、殆ど「戦隊もの」の戦闘場面としか思えないんだけど、それに1億円もかけたんだと思うと、“無駄遣い度”は『アバター』に勝っていると思う。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : アサルトガールズ

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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