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2010-01-30

『ラブリーボーン』は、『チェンジリング』+『オールウェイズ』

 ピーター・ジャクソン監督の『ラブリーボーン』を観た。
 宣伝は「感動作」として紹介しているし、スティーヴン・スピルバーグさんが製作に名を連ねているし、これは『乙女の祈り』みたいな映画なのかなぁ、と思っていたら、もっともっと普通に感動作だった。
 ジャクソン監督は、世間的には「『ロード・オブ・ザ・リング』の監督」なんだろうけど、私には未だに「『ブレイン・デッド』の監督」なので、でもまあ『乙女の祈り』もなかなかに凄かったので、パッと見は「感動作」っぽいけど、ジャクソン監督なんだから生半可な「感動作」ではないだろう、と期待していた。していたのに、ちっとも感動できなかった

 物語は、単純だけど、面倒っちい。構成は大まかに3つに分けられる。まず、少女が変態オッサンに拉致られて殺される、連続殺人鬼の話。次に、殺された少女がいる「あの世」の話。最後に、家族の愛情の話。それら3つの話がごちゃごちゃと入り乱れて展開する。
 殺人鬼の話は、最初から犯人が判明しているので、ミステリーではなく、サスペンスとして作られている。殺された娘を思う余りに家庭崩壊する遺族の、家族愛の話もサスペンスを盛り上げる要素として巧く機能し、単なる「感動もの」にはなってなかった。この2点は良かったんだけど。
 「あの世」の描写が、酷かった。はっきりいって、丹波哲郎大先生の『大霊界』と何も変わらんかったぞ。いや、下手すると幸福の科学の映画と何も変わらんかったぞ! それらの何十倍もの製作費を注ぎ込んだ結果があれとはねぇ。がーっかり。それに、凄い無駄だらけ。上映時間が2時間10分あるんだけど、長いよ! 「あの世」の場面は30分は短くできる。感動的で幻想的な映像にしてあるけど、CGの出来が悪かったなぁ。ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』を観た後では、『ラブリーボーン』の「あの世」は惑星パンドラよりも出来が悪い。だから『ラブリーボーン』は、『アバター』を観る前に観た方がいい

 正直、最初から全然面白くないんだけど、物語として致命的に駄目なのは、死んだ少女の設定がちゃんとしていない点だ。最後に同級生に少女が憑依するんだけど、そんなことができるんならもっと早くやってろよ! お前のお父さんが殺されそうになってまで頑張って犯人探しをしてたってのに、憑依して犯人を教えるのかと思えば、好きだった男子に一言いいたかったって……馬鹿だろお前! 馬鹿が無残に死んでもね、可哀相だとは思えねーんだよ! 普通のホラー映画なら、変態にほいほいと着いてって悲惨な目に遭うのは、馬鹿って決まってんだよ! パッケージが感動作になってても、馬鹿は馬鹿なんだよ! 死んで当然だ!! お前のせいでお父さんとお母さんが離婚寸前だったってのに! 強姦された末に惨殺されたってのに、犯人を捕まえることができるってのに!
 「あの世」の描写で最も酷いと思ったのが、何でも思ったことが実現できるからって思いのままに遊ぶ場面の、MTV風の演出。時代設定が40年近く昔だからか、凄いダサい。観てて恥ずかしくなるくらいに。

 とはいえ、私が駄目だと部分が『ラブリーボーン』の面白い部分でもある。
 強姦されて惨殺された少女は、自分が殺されたことに気付くのに、犯人を逮捕することに大して執着しない。それどころか、自分の遺体が隠されてしまうってのに、心爽やかに天国へと旅立ってしまう。あえていうなら、主人公の少女は天然ボケ少女なのだ。「あの世」でキャッキャと遊んでいる場合じゃないのに、楽しんでしまう。この主人公の設定を受入れることができれば、『ラブリーボーン』は面白いと思うだろう。
 サスペンスとして作るなら、お父さんを主人公にして、捜査を主軸にした物語で構成すればいい。残された家族が崩壊する様はちゃんと描かれてて良いのだけれど、合間合間に「あの世」描写が割り込んでテンポを悪くしている。この手の映画で傑作は、昨年のクリント・イーストウッド監督の『チェンジリング』がある。ジャクソン監督は、イーストウッド監督程に巧くないので、本当に無駄だらけの映画となってしまっている。『チェンジリング』にスピルバーグ監督の『オールウェイズ』を足したような感じ。出来の良い部分と超大雑把な部分がごっちゃごちゃ。
 サスペンス+ファンタジー+家族愛という豪華な物語なんだけど、まとめきれてない。「あの世」ではないけど、「死後の世界」の取扱いは、ジャクソン監督の過去作『さまよう魂たち』の方が圧倒的に巧かった。結果的に、何だか輪郭がぼんやりとした仕上がりになってしまっている。その原因は間違いなく上映時間の長さにあると断言する。絶対に30分は長いって!

 最後は涙が止まらなかったけど、それはダラダラしてるから眠くて欠伸が止まらなかったからだ。エンドロールがまた長ぇっつーの。普通の2倍はあったような気がする。音楽がブライアン・イーノさんだから睡魔を誘う誘う。
 期待していただけに、ガッカリ感が大きかった。これなら『大霊界』の方が面白いわ。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : ラブリーボーン

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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