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2009-11-01

『あなたは私の婿になる』は、物凄い詐欺映画

 サンドラ・ブロックさん主演の『あなたは私の婿になる』を観た。
 アメリカが得意とする軽い恋愛喜劇で、女性のための恋愛喜劇だ。得意とするだけでなく、人気のあるジャンルでもあるから、安定感のある巧さで、物凄く無理のある設定と展開でも、なぜか面白く見られるのだから素晴らしい。

 物語――というか設定。ブロックさん演じるマーガレットは、社内で密かに鬼や悪魔とあだ名されるくらいのデキる女なんだけど、ビザの申請にミスがあり、外国人のために国外退去を命じられてしまう。このままでは積み上げたキャリアからも退去することになってしまうから、窮余の一策、奴隷同然にこき使っている部下のアメリカ人男と強制結婚し、難を逃れようとする。が、当然、事態は大混乱に陥る。
 という設定があって、展開は、大雑把にたとえるなら、『プリティ・ウーマン』みたいな感じ。『プリティ・キャリア・ウーマン』とでもいうか。ちっともプリティじゃないけど。つまり、王子様が現れて自分を救ってくれる話。『あなたは私の婿になる』でいうなら、高学歴で就職して働きまくって役職にまで辿り着いたはいいけど、気付けばいい歳で孤独で、結婚しようにも自分に見合うような相手がおらず、しかしそんな自分を幸せにしてくれる相手はどっかにいる筈だ! というシンデレラ物語を捨てきれない人が楽しむ物語。全世界に何億人といるだろう、そんな老若男女に一時の夢を与える映画。
 作り慣れたというか、使い古されたジャンル映画だけに、展開はパターン化されたツールが用意されているも同然で、新鮮味が殆どなく、しかしその代わりに演出は手堅く安定感があり、「たぶんこんな映画なんだろうなぁ」という予想を全く裏切ることなく、笑わせてほしいところで笑わせてくれ、泣かせてほしいところで泣かせてくれ、最後まで予想通り、想像通りの展開を続け、観客の期待を上回ることも下回ることもない。だから傑作には程遠く、長く記憶に残るような映画でもない。予定調和と批判してもいいんだけど、こーゆー映画は予定調和でいいのだ。観ている間だけ楽しませてもらえばいいのであって、その夢心地を観終わった後にまで引きずるようなものであってはいけない。誰だってこれが下らない荒唐無稽の夢物語だってことはわかっていて、だからこそ無理矢理な展開でも許して楽しめる。

 ブロックさんは熱演で、その力の入ったコメディエンヌぶりは、全裸を惜しみなく披露し、かつその大切な全裸で笑いを取るくらいのご立派さ。日本の女優にも見習ってもらいたいもんだ。
 わけわからないままに鬼上司と結婚する羽目に陥ってしまう、ブロックさんの相手は、ライアン・レイノルズさんで、役名はアンドリュー。こちらは冷静な常識人ぶりで、ブロックさんを引き立てる役。アンドリューなんて役名ピッタリな設定で、貧乏で能無しの部下かと思いきや、実は実家は富豪で、いいとこのおぼっちゃん。
 主人公らの名前がマーガレットにアンドリューという、物凄くありふれた名前であることから、ハーレクイン小説そのまんまって感じ。主人公らが出版社勤務という設定もハーレクインっぽい。上流っぽくもなく、下流っぽくもない。知性が溢れ過ぎもせず、アホ過ぎもせず。本を作るという、「夢を作る商売」という設定はハーレクイン小説を読む女性には馴染み易いし。ハーレクインっぽいキャッチコピーをそのまま使えそうだもん。「今ここにある危機」。じゃなかった、「今ここにある恋」か。どこの国でもそーゆーとこは似たり寄ったりだ。

 物語がベタにわかり易いなら、音楽の使い方だっても同じだ。
 男性ストリップ小屋の場面があって、そこで流れるのがフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「Relax」で、それに続くのが、MCハマーの「U Can't Touch This」。男性ストリップに「Relax」という組み合わせだけで笑ってしまう。「Relax」といえば私は『ズーランダー』なので、やはり「Relax」はアホな場面によく似合うなぁ、と思った。
 主人公が大好きな歌がロブ・ベース&DJイージー・ロックの「It Takes Two」。口ずさむ場面がある。エンド・テロップにもそれが流れる大サービスぶり。
 ブロックさんが森の中で腰振って祈祷する変な場面では、リル・ジョンの「Get Low」をブロックさんがカラオケする。
 もうね、音楽1つで笑いを取ろうとしていて、それが見事に成功している。30代以上の人にはど真ん中の選曲でしょう。と思いきや、ケイティ・ペリーの「Hot & Cold」なんかも使っていて、これまた超ど真ん中。本当にベッタベタ。

 とまあ、基本的に大好きな類の映画で、佳作狙いの佳作映画なので、不満は特にないんだけど、ないんだけどぉ、映画本編以外に大いに不満あり!
 まず、邦題。嘘偽り大いにあり! だってさぁ、「私があなたの嫁になる」話なんだよ? 婿? どこにもそんな展開ないよ! JAROに訴えてもいいレベルだよ!
 次いでチラシ! 嘘偽り大いにありすぎ! 「新・婚活=“草食系”男子部下&“アラフォー”バリキャリ女子の場合」と書かれているけど、どっこにも“草食系”男子は登場しない。レイノルズさんが“草食系”? いやいや、めちゃくちゃ肉食系だよ! 「婚活」と強調されているんだけど、誰も“婚活”なんてしてないし! 結婚したくて困ってる人なんて全く登場しないから!
 配給会社がチラシを作ってるのか知らないけど、いくら何でも嘘だらけすぎ! 酷いもんだよこれは! 普通に作っても面白くて客が入りそうなのに、「婚活」だとか「草食系」だとか「アラフォー」だとか今時の言葉を使えば客の関心を集められるとか思ってるようだけど、むしろ時代遅れっぽいし、ダサいんだよ! 女性客が飛びつくとか思ってんだろうけど、むしろ「婚活」と「アラフォー」なんて書かれてたら、女性客は観辛くないかい?
 せっかくの能天気なご都合主義ラヴコメってのに、邦題やチラシで大失敗しているよ! もうちょっと頭使え!!

 『プリティ・キャリア・ウーマン』と前述したように、マーガレット役には最初はジュリア・ロバーツさんが考えられていた。だから本当に『プリティ・ウーマン』のような感じなのだ。ただ、『あなたは私の婿になる』には、『プリティ・ウーマン』程の夢物語感はなく、面白味もない。主人公らの障害となるような要素が殆どないのが要因。忘れ難い名場面といえるようなものがないのも悪い。曲を聴いただけで映画を想い出せるような挿入歌がないのも悪い(エンド・テロップで流れる「It Takes Two」がテーマ曲だとしたら凄いけど)。
 全国一斉ロードショーの直球ど真ん中ラヴコメ洋画は久々だから、とっても楽しめた。大好きだ。でも、物足りない。だからか、『プリティ・ウーマン』というよりは、『能登の花ヨメ』に近いかもしれない。邦題とチラシの作り方がそんな物足りなさを悪化させてるし。配給会社のせいなのかわからないけど、そーゆー細かい部分で手抜きをしないでもらいたい。いくら能天気ラヴコメといえども、誠実な仕事を心がけてほしいもんです。
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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : あなたは私の婿になる

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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