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2009-07-05

新劇場版はやはり面白くない

 先日、TVで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を放送していたので、「破」を観た後だから初見の時と感想が変わるかな、と改めて観てみたら、やっぱり面白くなかった。

 旧劇場版である「Air/まごころを、君に」はとても大好きなんだけど、「新劇場版」はそこまで好きになれない。大っ嫌いなタイプだ。どうしてこんなにも好きになれないのかと「序」を観ながら考えていたら、そもそも私はTV版が大っ嫌いだったことを想い出した。
 ほぼリアルタイムでTV版を観ていたんだけど、石川県ではその頃はまだ放送しておらず、『新世紀エヴァンゲリオン』の放送地域に住む友人から録画ビデオを郵送してもらっていたバイト仲間がいたので、そのビデオを借りて観ていた。バイト仲間同士で「物凄い作品がある!」と話題になっており、強く勧められたのだ。
 正直、最初の印象は、「これのどこが面白いの?」だった。映像は面白かったけど、物語がメチャクチャだったから。バイト仲間が興奮している理由は、台詞、固有名詞、構造、展開などによる。それにしたって、雰囲気はあるけど、意味が皆無。子供向けアニメとは思えないくらい小難しい哲学じみた会話があったりするけど、やはり意味が皆無。それに基本的には良い表現でいえば引用だらけで、悪い表現でいえばパクリまくり。ちっとも面白くなかった。
 しかし、その評価が真逆になったのが、第弐拾伍話と最終話。物凄く評判の悪かった、ファンの怒りを呼んだ、あのメチャクチャな最後の2話だ。最後の最後になって、私はハマった。「あ、こいつぁ凄ぇや」と。何だかんだと高尚なネタを揃えたわりに、どうにもこうにもまとめられなくなって、かつ製作状況が追い詰められて、遂に底が見えてしまって初めて『新世紀エヴァンゲリオン』が面白いものだと思った(一応、あれは追い詰められて底が見えたんでなく、最初から計画されていたものらしいけど)。

 『新世紀エヴァンゲリオン』を好きなれなかった最大の原因は、ポストモダンな作りにあった。アラン・ソーカルさんの『知の欺瞞』を髣髴とさせるような物語に、「何て時代遅れなんだろう」と思った。実際、よく理解してもいない一知半解の解説がたくさん登場し(一知半解でない玄人まで間違えて解説してたけど)、素人も玄人も巻き込み、物語解釈が大論争になった。でも、そのポストモダンな姿勢について解説したものは、多くなかったと記憶している。
 そもそも、登場人物に全く共感できなかった。みんな病的で、しかも大人が大人として機能していない。イライライライラ、ムカムカムカムカした。まあ、好きになった人にはそこが共感できて良かったんだろうけど、私には向いてなかった。
 ならば何で最後の2話が面白かったかというと、本当にメッチャクチャだったから。呆気にとられたもの。広げまくった風呂敷をたたむことが明らかに無理だとわかりきっていたから、どのように決着を付けるのか期待があり、多くのファンは腹を立てたんだろうけど、私はむしろ大喜び。大人気のTVアニメで「アニメーションの表現の可能性」を模索したような演出に、とっても感動した。自己啓発セミナーみたいだといってる人もいたけど、確かにそんな演出はあったけど、そこはどうでもいい部分。「新劇場版」でいわれている「ライヴ感覚」は「新劇場版」には全く当てはまらず、唯一、TV版の最後の2話にだけ当てはまる。あの「やっちゃった」感は最高だった。
 私が旧劇場版に期待したのも当然、メチャクチャさだった。それは見事に満足させてもらえた。

 で、「新劇場版」だ。TV版から十年以上経ち、再びポストモダンな物語を見せられたのが辛かった。相変わらず大人は子供っぽいし、子供は自我のない子供みたいな大人だし。根本的に再構築する必要があるのに、TV版のままだったから、「序」は大嫌いだ。見ててイライラする。
 「破」にしても同様で、はっきりいって新キャラは全くいらないし、旧来からの登場人物でもいらないのは何人もいる。リツコやリョウジは確実にいらない。元々がシンジの思い込みだけで構築されたような世界の話だったんだから、その視点をその外側へ向けなければ、どれだけ展開を変えても新展開を加えても、結局は『新世紀エヴァンゲリオン』と同じようなものになる。
 庵野秀明監督は、「現在の閉塞した日本アニメ界に新たなムーブメントを起こしたい」と語っているけど、それは今さらのポストモダン宣言だ。それに、「新劇場版」そのものが「閉塞した日本アニメ界」を代表するものじゃないか。「新劇場版」で突き抜けるものが作れるとは思えない。そんな宣言をするのなら、「エヴァ」と無関係のオリジナル新作で勝負すればいいのに。まあ、『新世紀エヴァンゲリオン』以降は駄作しか作っていない庵野監督には、完全オリジナル新作は難しいのかもしれない。自分で作ったムーブメントを壊す、それが父殺しにも似た『新世紀エヴァンゲリオン』を作った庵野監督の作るべきものだと思うんだけど。

 結果的に私は『新世紀エヴァンゲリオン』が大好きになったけど、それを下手なリミックスしているだけの「新劇場版」は、ガッカリ感が溢れてため息になってしまうくら、駄目な作品だと思う。エヴァ好きバイアスがかかっているから、新作が作られれば期待を込めて迷わず観てしまうけど。「破」の後半にはポストモダン決別宣言に近い展開がありつつも、カヲルの登場によって優柔不断な展開になる悪い予感もある。
 下手なリミックスは、オリジナル以下だ。「新劇場版」は今のところ面白くない、と断言してしまえる。
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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

comment

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全く同感です

下手なリミックス、まさにその通りですよね。絶賛の嵐がうすら寒いです。

Re: 全く同感です

コメントありがとうございます。
「うすら寒い」とまでは思ってませんけど……批判派は少数派でしょうかねぇ。でも、そーはいっても「Q」を楽しみにしている私がおります。

120%その通りです

序が面白くなかったので、破を見ていませんでした。今日、日本テレビで新劇場版をやっています。

本当につまらない。アフレコも酷く(声優のせいではありません)、音響演出が従来のアニメ映画そのまんまになっています。もはや、庵野監督はプロデューサー殿の言いなりの様です。

1枚1枚の作画はきれいでも、画面転換がこれまた最近流行の傾向におもねており、旧作の瑞々しいリズムは消滅しています。極端な画面転換は、画像を理解不能にするだけです。

旧作が碇指令の作ったものだとしたら、新作はゼーレ制作と言えましょうか。商業主義がエヴァの良い所を全て侵蝕してしまったのでしょう。もはや、新劇場版に魂は無い!
プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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