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2009-05-18

『バンコック・デンジャラス』は、男子中学生の妄想

 ニコラス・ケイジさん主演の『バンコック・デンジャラス』を観た。びっくりするくらい、内容が皆無の、行き当たりばったりな、アクション映画もどき。

 凄腕の冷徹で完璧主義な殺し屋が主人公なんだけど……どこが?
 まず、見た目が駄目。ケイジさんじゃ凄腕の殺し屋に見えない。冷徹な感じは、単なる無表情な演技のため、見ようによっては表現できている。完璧主義は、これが全くもって完璧どころか失敗の連続。カッコつけられてんのは出だしのみ。そこで高らかに自慢げに宣言されるのが、殺しの4ヶ条だ。
 1・理由を訊かない
 2・一般人と付き合わない
 3・痕跡を残さない
 4・引き際を知る
 1と4はそれなりに守られている。が、2と3は開始早々から守られず、物語が進むにつれてグダグダになってゆく。
 殺し屋ジョーは、必ずアシスタントを雇うんだけど、仕事が終わると同時に殺してしまい、痕跡を残さない。アシスタントをどーやって見つけるかというと、散歩しながらナンパする。いや、まあ、ナンパじゃないけど、見た目はナンパだ。街中で、いきなりケイジさんに声をかけられたら、どう考えても怪しいぞ。それで見つけたアシスタントは、単なるチンピラ。だから、良好な展開にならない。当然だ。さらに、なぜかチンピラに若かりし頃の自分を見出し、格闘技を伝授する。もうこの時点でルール3を守れてない。だって、最後には殺しちゃう相手に格闘技を伝授してどーすんの?
 ルール2は、実質的にはルール3と被る。一般人と関わると、余計な騒動の種になるし、痕跡を残す原因になったりする。なのに、殺し屋ジョーは、薬局に勤める美女をナンパしてしまう。またナンパだ。しかもその美女は、聴覚障害者。面白いのは、この聴覚障害が物語に何の貢献もしないところ。さらに殺し屋ジョーは、その美女にフられてしまい、心乱れてちゃんとした仕事ができなくなる。凄腕とは思えない純情さ。
 物語は、悲劇的かつ感動的な終わり方をするんだけど、悲劇的な展開になったのはどう考えても自業自得なので、全く感動的でない。
 さらに、想定外の出来事が発生した時、あたふたしすぎ。街中で乱射戦をするんだから(命中率の低い)、これまた凄腕には全く見えない。
 その上、馬鹿。敵のアジトに乗り込んでの銃撃戦で、棚を隔てて敵と真正面から2挺拳銃スタイルで撃ち合って負傷する場面があるんだけど、どれだけ凄腕でもさ、真正面から撃ち合ったら負傷するに決まってるでしょ。

 殺し屋ものやスパイものは、マット・デイモンさん主演の「ジェイソン・ボーン」シリーズの前後でかなり出来が変わってしまった。あの「007」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズですら「ジェイソン・ボーン」シリーズを意識している。『バンコック・デンジャラス』を「ジェイソン・ボーン」シリーズと比較してしまうと、足下にも及んでないとしかいえない。
 駄目な理由は、脚本が男子中学生の発想で作られているところ。そもそも「凄腕の殺し屋」って発想が男子中学生っぽい。それが弟子を作り(ジャッキー・チェンさんの映画みたいな特訓場面まである)、耳の聴こえない美女と恋愛して、最後は悲劇で終わる……どう考えても男子中学生だ。男子中学生の考える「かっこいい物語」は、殆ど漫画。
 だから『バンコック・デンジャラス』には、オリジナリティが全くなく、日本の東映映画や角川映画、ジョン・ウー監督映画、もしかしたら男子中学生マインド全開なリュック・ベッソン監督の『レオン』などから影響を受けまくって、「これってカッコイイよな!」と兄弟でわいわい話し合ってるうちにできてしまった映画だ。
 演出は単調だし、意味なしジャンプショットを使ったり、トニー・スコット監督的な演出したりしてて、全体的に古臭い。ケイジさんが主演だからハリウッド大作っぽく思う人がいるかもしれないけど、スター俳優どころかアメリカ人の主要俳優はケイジさんしかいない。あとはみんなアジア人だ。しかも、まともな台詞のあるのはアシスタント役のシャクリット・ヤムナームさんくらい。ウォン・カーウェイ監督作品にも出ているチャーリー・ヤンさんは台詞すらない(聴覚障害者役だから)。
 地味ぃ~で、結末は北野武監督の『ソナチネ』そのまんまで、観ている最中からして賞味期限切れしている映画だと思った。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : バンコック・デンジャラス

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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