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2009-01-20

JusticeとMichel Polnareff

 ジャスティスのライヴを収録したDVD&CDの『A Cross The Universe』を購入。かなりガッカリする出来だった。CDの方だけは

 正直いって、デジタリズムシミアン・モバイル・ディスコサーキンボーイズ・ノイズなんかの音には飽きた。アーティストが悪いんじゃなく、シーンが終わりに近付いているってだけのこと。
 エレクトロではミスター・オイゾが変わらず良かったことに驚いたし、昨年のクラークのアルバムがフレンチエレクトロの影響を受けつつもそれらを上回る地力で圧倒的な存在感を放っていて良かった。いわゆるフレンチエレクトロのブームで人気を誇ったアーティストは、今かなり影が薄く感じる。シングル曲としても、リミックス仕事としても。
 フレンチエレクトロ系の勢いが落ちているのは、ロック・バンドがディスコとハウスとエレクトロを巧く取り込んだせいもある。昨年だけでも、フレンドリー・ファイアーズブラック・キッズティン・ティンズがその最先端だし、ジーズ・ニュー・ピューリタンズの落ち着きつつもはっちゃけた感じもそうだし、CSSカット・コピーはそのまんま、オアシスもダンス・ミュージック寄りだったし(しかもケミカル・ブラザーズ寄り)、あのカイザー・チーフズですら見事にダンス・ミュージックだったし、ブロック・パーティはちょっと失敗してたけど、ヴァン・シーネオン・ネオンはギリギリセーフって感じの時代錯誤感が良かったような悪かったような盛り上がったもん勝ちだったし、そして、明日発売されるフランツ・フェルディナンドのアルバムはロックとダンス・ミュージックが見事に融合した新たな金字塔となるのは間違いないし(「Ulysses」最高!)、来月発売されるプロディジーのアルバムはハドーケン!なんかの追い風によるベテランの意地を見せてジャスティスなんか子供騙しに思えるだろう。U2が『Zooropa』や『Pop』で試行錯誤していた時代と隔絶の感がある。
 昨年のフレンチエレクトロ系(フランスのアーティストでなくても、とりあえずそのようにカテゴライズ)で最も聴いたのは、ミニテル・ローズの『The French Machine』とブラック・ゴースツのミックスCDだった。それ以外には、特に記憶に残るものはなかった。フィジェットハウスが売れ、ミニマルが変わらず盛況で、エレクトロ系は特になし。私的に昨年最もヒットしたのは、カウント&シンデンの「Beeper」だった。あの「ひみおまびーぱーひみおまびーぱー、びーぱーびーぱーびーぱーびーぱー」は耳垢となるくらいこびり付いた。

 というわけで、ジャスティスのライヴDVD&CDは、ブームが過ぎ去り、忘れた頃にやってきた感が強い。CDを聴くだけでは、ダフト・パンクの『Alive2007』とヴィタリックの『V Live』に比べて出来が非常に悪い。1回も聴き通すことなく途中で飽きた。しかし、重要なのはDVDの方だ
 ヤバイよジャスティス。アメリカでのライヴDVDかと思いきや、ライヴ映像は殆どなし。アメリカでライヴをするジャスティスのドキュメンタリー・フィルムだった。映されるのは、移動時の映像とトレーラーの運転手のぼやき

 はっきりいって、めっちゃくちゃ。北米ツアー中の20日間を1時間に凝縮してあるのだから、本当はもっと間延びしているんだろうけど、たぶん、アメリカだからこそのめっちゃくちゃさなんだろう。
 移動先で1千万円近い別荘を買おうと見て回るわ、ファンの女の子といちゃつきまくるわ、やたらとホットパンツをはいた女の子のお尻ばっか撮ってるわ、ゲイごっこするわ。
 ツアー・マネージャーは拳銃に夢中で、拳銃の薀蓄をジャスティスの2人に垂れるわ、拳銃を買うわ、行くとこ行くとこで試し撃ちをするわ、レストランで拳銃の所持をウエイトレスに通報されて警察に捕まるわ
 トレーラーの運転手は、運転中に頻繁に携帯で風景を記念撮影してるわ、低音で歌うギネス記録に挑戦しようとして運転中にカントリーを歌うわ。
 ジャスティスのギャスパールさんは、何となくファンの女の子と結婚するわ翌日にはその女の子がいなくなるわ
 ジャスティスのグザヴィエさんは、客と乱闘になって警察に逮捕されるわ、ついでにギャスパールさんとツアーマネージャーまで連行されるわ、しかもそのパトカーに連れ去らわれてく姿がDVD最後の映像だわ!
 おいおい、ちょっと待て、フレンチエレクトロって、Kitsuneを代表として、おっしゃれ~な感じじゃなかったのかよ。これじゃあ、アメーリカンなセックス&ドラッグなロケンロールだよ! 
 客だって、おフランスな客は当然いる筈もなく、アメリカーンでギンギンにモッシュとヘッドバンキングをかます奴らばっか。男も女も上半身裸で雄叫び頭を上下にブンブン振りまくる。AC/DCのライヴと勘違いしてんじゃないか、といいたくなるが、ジャスティスもフロアにダイブし、サーフする。最早、エレクトロやダンスミュージックといえん。品のない、ハード・ロックなライヴだ。

 間違いなくフレンチエレクトロというシーンは衰退した。生き残るのは僅かだろう。ダフト・パンクが切り開いたそのシーンは、しかしダフト・パンクとは真逆のジャスティスを生んだ。仮面に隠れるダフト・パンクと違い、ジャスティスは前へ前へと出る。洗練されたダフト・パンクと違い、ジャスティスは狂気の盛り上がりを見せる。
 そもそも、トラッシュから始まったといっても過言でない何でもありDJが、エロール・アルカンさんや2ManyDj'sを世界的スターにし、そこから影響を受けた様々なアーティストがさらに盛り上げた。その音楽世界は――ディープ・パープルパブリック・エナミーリル・ルイスさんが共存する――たまらない世界だ。交じり合わなかった世界が交じり合う、オモシロ音楽世界。ジャスティスは、イロモノとして、その筆頭に立つアーティストだ。デジタリズムやシミアン・モバイル・ディスコには出せないイロモノ風味を存分に発揮し、追い風を受けて、ダッシュしている。
 『A Cross The Universe』は、ニュー・エキセントリックやニュー・レイヴと共に、ここ2年くらいのロックとダンスミュージックを代表する作品だと思う。歴史的価値はない。たぶん今年中には忘れてしまいそうな内容。だからこそ、夢中になった人々は見逃してはいけない。盛り上がり、チヤホヤされ、酒と女に溺れ、デカイ音に溺れ、最後に逮捕されて消えて行くジャスティスの姿に、シーンの行方そのものが被る。
 最後、ジャスティスが警察に連行されて行く場面に被るさるエンドクレジットの曲は、ミッシェル・ポルナレフさんの「愛の願い」だ。ポルナレフさんといえば「シェリーに口づけ」なのに、「愛の願い」とは。出だしのラインだけが英語で、「ラヴ・ミー、プリーズ・ラヴ・ミー」と歌い、後はフランス語の「愛の願い」を使うジャスティスは、最後まで自分たちを見世物にしようとする。「カッコイイ」や「オシャレ」に姿を隠さず、醜態すらも前面に出す。それこそがジャスティスの魅力なんだと気付かされたドキュメンタリーだ。
 ホント、CDは聴かなくても、DVDは超必見!

 ちなみにDVDは、海外版でもちゃんと日本語字幕が付いているので、買うなら安い方を迷わずに買うべし。

 ポルナレフさんの「愛の願い」を、YouTubeで。
Michel Polnareff 「Love Me, Please Love Me」

 もうね、涙が出るくらい良い曲。出だしのピアノの旋律が、某クラシック曲そっくり。私は超有名な「シェリーに口づけ」よりもこの「愛の願い」の方が大好き。初めて聴いた時は、エルヴィス・プレスリーさんかと思ったけど。

 ついでに「シェリーに口づけ」の方も。
Michel Polnareff 「Tout Tout Pour Ma Chérie」

 この曲のせいか、1人でビートルズとかいわれてたような……

 さらについでに「Beeper」も
The Count & Sinden 「Beeper」
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テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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