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2009-01-13

日本とは何なんだろうねぇ

 現代アートの村上隆さんが嫌いだ。単なるオタク文化の上澄みを掠め取ってるだけなのに、現代アートでございますと偉そうに語っているのが嫌いだ。という私のこの感情は、オタク文化好きのひがみだ。あんな作品が何千万円以上で売れるなら、外人の現代アートバイヤーどもはコミケに逝って漁ってこいよ、と思っている。
 で、『東洋経済』に載ってた村上さんのインタビュー記事に、当然のように不満があるのでございます。

東洋経済Online→日本とは何かを語れないのに日本の役割は議論できない

 上記リンク先の記事内容を抜粋しつつ、ツッコミを。
 「現在の世界的な経済危機は創作活動に影響を与えていますか」という質問に、村上さんは、「バブル崩壊とは、若いアーティストたちがデビューし、今までの概念を全部ぶち壊して新しい価値観を作り出せるという、クリエーターにとってすばらしい瞬間です」と答えている。
 さっぱりわけわかんねー。バブル崩壊は価値観の転換じゃないでしょうが。
 確かに、バブル時期は芽が出たばっかの若いアーティストの作品に注目は集まらないし、バブル崩壊すれば、安く買える若いアーティストに注目は集まるだろう。でも、それは「今までの概念をぶち壊す」ことと何の関係もない。ただ単に購入側の懐具合の問題にすぎないし、購入した若いアーティストの作品が世間的な注目を浴びるか浴びないかは、その後のプロモーションに左右されるだけのこと。実際、村上さんの作品が日本のアートの価値観を変えただろうか? 売れる現代アートとはこんなものか、というのを知らしめた功績は間違いなくあるけど。そこでしか語れない。
 
 「村上さんはルイ・ヴィトンとコラボレートするなど、ビジネスセンスが旺盛です。これは世界のアートシーンでは異端ですか」という質問には、「アップルの創始者、スティーブ・ジョブズは異端ですか。はい、もちろん異端です。そして彼はビジネスセンスが旺盛です。では彼の存在は社会の中でどのような意味を持っているのか。それは『英雄』です。継続した成功を維持すれば英雄、短期で終われば現象として閉幕するだけです」と答えている。
 もっとさっぱりわけわかんねー。スティーブ・ジョブズさんが何の関係あるの? ジョブズさんはアーティストでなく、ビジネスマンだ。村上さんと何の比較にもならん。
 それに、ジョブズさんは異端なんかじゃない。単にアメリカによくいる凄い経営者ってだけだ。確かに、主流でない道を歩み、気付いたら主流になっている、という点で村上さんと似ているかもしれない。かもしれないけど、ジョブズさんのアップルは、iPodがなかったら主流にはなれてなかった。Macだけじゃ無理だった。その意味ではまだ主流ではない。そのiPodとiTunesにしても、常に背後からせっつかれている状態で、大変だ。
 英雄ねぇ。自分をジョブズさんと同列に語りたいのかな? 村上さんこそ「現象」にすぎないでしょーに。村上さんと比較するなら、ジョブズさんでなく、ライブドアの元社長である堀江貴文さんだよねぇ。

 「日本人アーティストの作品が世界で評価されにくいのは、評価基準の違いによるもの?」という質問には、「評価基準が日本と海外とで違うのは自明のことで、その基準をどこに置くのかが争点でしょう」と答えている。
 つまり、よくわからない、と。はっきりいや、オタクっぽいのはどこの国に出しても人気あるけど、旧来通りの日本人アーティストの作品はお呼びじゃない、ってことか。

 「経済危機やテロとの戦いの中で、世界における日本の役割とは」という質問には、つーか、単なる現代アートのアーティストに過ぎない村上さんにそんな質問するなよ東洋経済! 村上さんは、「日本で住み暮らす人間の最大の武器は『優しい心』だと思います。アイデンティティがなくても、隣人を愛する優しさはこの国土に住む者へなぜかあてがわれている不思議な力なのです。その優しさの意味を徹底的に研究し、国際社会での日本国民の役割をキャラクタライズすれば、もっと皆にありがたがられる存在になるはずです。テロにしても、イソップの寓話、『北風と太陽』を思い出せばいい。強い風を吹き荒らしてもテロはなくなりません。われわれは太陽になればいいのです。
 日本はアメリカの傀儡(かいらい)国家としての居場所に慣れすぎてしまい、すき間だらけのルールの中で恩恵を得る一部の人によってオーガナイズされています。しかしその恩恵も、実はささいなアメリカからのおこぼれにすぎない。一生懸命カネを稼いでも、自分たちの家族に財産も残せない。アートのコレクションのレベルの低さがそのひもじさを物語っています
」と答えている。
 本当にわけがわからん。日本人の最大の武器が「優しさ」ってどーなのよ? それって、騙され易いってのと同義じゃないの? また、「優しさ」で日本人をキャラクタライズしろってのもなぁ。ありがたがられてどーすんだよ。何だよそれ。それに、隣人に優しい国民は、『嫌韓流』とか出さないと思うなー。北朝鮮にも優しくないよね、日本人は。日本人をキャラクタライズするとしたら、むしろ「気弱」なんじゃないのかな。
 テロを『北風と太陽』に譬えているのもわけわからん。北風だろうが太陽だろうがどっちでもいーじゃないか。あの寓話をちゃんと考えてみましょう。条件の立て方を変えれば、立場は逆転するじゃない。「服を着させるのはどっちだ?」という条件なら、間違いなく北風の圧勝だ。日本の役割は、「どちらにも偏らず、冷静に状況を見て判断する」だ。日本が小泉内閣時にイラク戦争へ加担してしまったのは、正にその意味で失敗だったと思う。あの時も金だけ出してりゃ良かったんだ。どんだけ「金出すだけなのは、汚い」といわれようがね。それにしても、「太陽になればいいのです」は、怪しい新興宗教じみた発言だ。
 経済がアメリカの「おこぼれ」とかいってるけど、それは村上さん自身の評価のことでしょ。金稼いで財産も残せないとかいうけど、ちゃんと残している人はいるし、逆に使い道もないのに残している年配者の多さが問題になってるくらいだ。
 「アートのコレクション」がひもじさを物語ってるらしいけど、そうかな? 近所をちょっとうろつけば歴史のある寺や神社が見られる。地域社会にちゃんとコレクションされている立派なアートだよ。何百年と残っているそれらは、世界に誇れるバブリーなアートじゃないし、西洋文化にゃ理解されないかもしれないけど、村上さんなんかの作品の何億倍も優れたものだ。
 例えば円空上人。円空上人が作られた仏像には、3世紀以上も前のものとは思えぬ、現代アートといっても過言でない魅力がある。私が最も驚いたのは、不動明王立像だ。もしかしたらその衝撃は、外国から見た村上さんの作品に対する衝撃と似ているのかもしれない。でも、村上さんの作品の価値が1世紀以上も持続するとは思えない。それが現代アートなのかもしれないけど。

 正直いって、村上さんの作品は嫌いでない。村上さんの作品がコミケなんかで売ってる同人作品なら、何点かは素直に「面白い」や「凄い」と思っているだろう。村上さんの作品は可愛いからだ。萌え要素を巧みに利用しつつも、魅力の基本は「可愛い」にある。それこそが現代日本の側面の1つかもしれない。
 日本は、可愛い。国は小さいし、人間も小さい、小さい物を作ることに優れているし、小さくすることにも優れている(省エネとか)。日本は、何もかもを可愛くできる。今の日本とは何か? そんな質問に、村上さんなら「可愛いは正義」と答えるべきなんじゃないかなぁ?
 だのに村上さんは、オタク文化に何かをフィードバックさせることはないし、オタク文化を尊敬しているわけでもなさそうだし、オタク文化をキャッチアップするわけでもない。コミケで売ってる(行ったことないけど)作品とデザインに何の違いもないくせに、現代アートという詐欺紛いのビジネスをしているだけ。どうしても、そこが好きになれない。
 しかし今回の村上さんの発言は、『東洋経済』のインタビューだからビジネスに偏った発言となっていただけ、だとは思う。これが『美術手帖』だったら違っていただろう。それに私は、同じようなオタク的現代アートでも、会田誠さんの作品は大好きだったりする。作品集だって持っている(当然のように『ミュータント花子』からハマった)。それに、日本の漫画市場には、村上さんから影響を受けたであろうデザインだって見受けられる。だから私の村上さんに対する評価は、偏見がかなり入っているのは間違いない。間違いないけど、嫌い。

 ところで、円空上人の不動明王立像は、これ↓
enku
 可愛い。特に左右の二童子が(左が矜羯羅童子、右が制多迦童子)。人物像とは思えない。鳩だよ。
 不動明王立像は、見るからに木っ端だ。背後の火焔の部分だけを見ると、特にそう見える。火焔に注目して全体像を眺めると、火焔みたいな薪を背負っているというか、肩に火が点いているというか、火焔にぶら下がっているというか、コントの安い小道具みたいに見える。二童子だってめちゃくちゃだ。絶対に鳩の置物にしか見えない。こんな仏像、円空上人が作る以外には、後にも先にもないでしょ。これこそが村上さんいうところの「異端」じゃないのかな?
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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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