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2008-12-28

ロブ・ゾンビ監督版『ハロウィン』は、かなり腰抜け

 ロブ・ゾンビ監督の『ハロウィン』を観た。『デビルズ・リジェクト』の傑作ぶりに、物凄く期待していたんだけど、かなり期待を裏切られた。
 日本劇場公開版はゴア場面が修正されておとなしくなっているらしいので、本来の実力を発揮していないものを見せられているせいもあるだろうけど、全然面白くない。

 まず、見せ方が凡庸すぎる。ショットが、TVドラマ並みに魅力ない。
 あえて安っぽいイメージで70年代風を演出しようとしたのかもしれないけど、元々のジョン・カーペンター監督版は、今観ても魅力が落ちてないから、古臭く作る意味がないので、単に演出力がないだけなんだろう。
 ホラー映画で見せ方に面白さがないのは致命的に駄目だ。

 次に、物語が面白くない。ゾンビ監督版『ハロウィン』が面白くない最大の要因。
 カーペンター監督版『ハロウィン』は、ハロウィンという祝祭ムードそのものが主役であり、殺人鬼ブギーマンの正体そのものは正直どうでもいい。ブギーマンであることが重要なのだ。ファンからすれば、「ブギーマンの仮面の下、心の中はどんなだろうか?」という興味はあるけど、それは永遠の謎であるべきだ。正体がわかってしまえば、何てこたないキチガイなんだもん。それは、『羊たちの沈黙』のレクター博士だって同じ。
 キチガイキャラを物語的に深く掘り下げることは、致命的な失敗に陥り易い。物凄いストーリーテラーでない限り、確実に大失敗する。で、『ハロウィン』は失敗した。
 
 マイヤーズがどのように熟成されて稀代の殺人鬼へと成長したか――カーペンター監督版『ハロウィン』は、幻想的なイメージを持つ、殺人鬼が主役の映画にしては他に類を見ない映画だったのだから、そこを掘り下げるのなら、殺人鬼のモチベーションはピーター・ジャクソン監督の『乙女の祈り』みたいにロマンチックかつ狂っているべきだ。しかし、ゾンビ監督はそうしなかった。最も安易な、誰でも思いつくレベルのものにしてしまった。
 幼少期のマイヤーズの描写を増やすことで、どうして殺人鬼となってしまったのか、その謎と正体を解き明かす。つまり、ブギーマン=マイヤーズであることを描く。いや、「ブギーマンがマイヤーズなのはわかってるじゃないか」といわれそうだけど、私は違うと思っている。
 ブギーマンはマイヤーズでなくてもいいのだ。ブギーマンという仮面の殺人鬼が、単なるマイヤーズという魅力のない男である必要はどこにもない。それなのに、ゾンビ監督はブギーマンをつまらないマイヤーズと同等にしてしまった。マイヤーズがつまらないのは、どこにでもいるシリアルキラーだからだ。幽霊の正体が枯れ尾花ってのはよくある話だ。わかってしまえば、なーんだ、とガッカリするし、安心する。ホラー映画に「安心」は禁物。
 どうせ幼少期のマイヤーズを描くなら、徹底的に幼少期だけを描けば良かった。その際には、マイヤーズ家の設定を、アメリカのど田舎ならどこにでも転がってそうなホワイト・トラッシュの家庭から変えるべきだろう。あの家庭だと、殺人くらいしたって当然に思えるもん。それがブギーマンなんてのは、全く面白くない。それに、『悪魔のいけにえ』のレベルダウン版にしか思えないし。題名も『ハロウィン・ゼロ』とかに変更して(安直すぎか)。物語は……たぶん『オーメン』みたいなものになりそうだけど。
 百歩譲ってゾンビ監督版『ハロウィン』の幼少期の描写が必要だったとしても、大人になったらとんでもなくデカくなっている意味がわからん。いきなり変貌しすぎだろ。笑ってしまったよ。馬鹿はデカくなるとでもいいたいのか。中途半端に現実的なら、最初っから幻想に突っ走れば良かったのに。脚本、良いアイデアが浮かばなかったんだろうなぁ。

 あと、上映時間が長い。どうせゴア場面に見る価値ないんだし、まだ10分は縮められた。
 正直いって、殺人場面のワンパターンさに途中で飽きる。楽しみにしていたのに、「まーた殺人場面か。もういいからさっさと物語を進行させてくれ」と思ってしまう。たぶん、ゴア場面の無修正版も同じだろう。
 ワンパターンなのが苦痛な理由は、これまた幼少期を描いたためだ。中途半端に幼少期を現実的に描いたものだから、ブギーマンとなってしまった「その後」が全く魅力的でない。どん臭そうなガキんちょが稀代の殺人鬼になる過程(鬱屈した感情の爆発力)こそが必要だったのだ(例えば『タクシー・ドライバー』のトラヴィスみたいに猛特訓したとか)。「子供の心の闇」なんざどうでも良かった。

 ゾンビ監督版『ハロウィン』は、最初から失敗するのが明確な企画だ。続編・関連・バッタモン作品が大量に作られている人気作だから、物語にはこだわったんだろうけど、むしろ監督の技量として、演出・見せ方にこそこだわるべきだった。カーペンター監督版が演出にこだわっていたように、真っ向から挑戦すべきだった。そうでなくては、ゾンビ監督が監督をする意味がない。
 でも、まあ、何だかんだと批判したけど、『ハロウィンⅢ』、『ハロウィン5』、『ハロウィンH20』よりは面白い。かもしれない。それだけつまらないってことで。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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