--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009-01-31

『トロピック・サンダー』は、ガッツポーズをとりたくなる馬鹿映画

 ベン・スティラーさん主演の『トロピック・サンダー』を観た。期待を裏切らない、観ても何のためにもならない立派な馬鹿映画だ(しかも大作だ)。全世界の馬鹿映画ファンの希望の星といっても過言でない、安心安全保証の馬鹿映画作家として、スティラーさんの実力を改めて示した傑作

 物語は単純。戦争映画を撮るため、俳優の演技に緊張感を出そうとして、主演俳優たちをジャングルへ置き去りにし、隠しカメラで撮影するというセミ・ドキュメンタリーにしようとしたら、そこは本当に戦場だった、という話。
 主演は、超激烈馬鹿&落ちぶれ(スティラーさん)、かなり馬鹿&ジャンキー(ジャック・ブラックさん)、やや馬鹿&演技馬鹿(ロバート・ダウニー・Jrさん)の3人。3人とも甲乙つけ難い馬鹿っぷり。スティラーさんは、真面目にやればやるほど馬鹿が滲み出るお得意の馬鹿演技。ブラックさんは、クスリに目がなくて、窮地に追い込まれて死にそうだってのクスリに泣きむせびながら飛び付く、過剰演技がぴったりの役。ダウニー・Jrさんは、黒人役のために手術して黒人になってしまうという設定勝ちの馬鹿演技(しかし、本物のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた!)。

 特筆すべきは、徹底的に馬鹿をしている点。
 まずは、オープニング。主演陣の偽予告篇が流れる。これが実際の映画会社のロゴをちゃんと使った本格的な作りで、『トロピック・サンダー』の予備知識が全くなければ、本編が始まっていることに気付かない出来。その中では、スティラーさんの『アルマゲドン』モドキの『スコーチャー』が最高。地球の自転を止めて地球を救う男の話……観てぇっ!
 偽オープニングに続く『トロピック・サンダー』の撮影場面がまた圧巻(『トロピック・サンダー』は、『トロピック・サンダー』という戦争映画を撮っているという設定)。これまた物凄い本格的な戦争場面がしばらく続く。はっきりいって、無駄に金を使っている。単なるコメディ映画とは思えないくらい、凄すぎる。こーゆー部分に手を抜かないからこそ、コメディ映画として面白いのだ。
 地雷で監督がバッラバラに吹っ飛ばされるんだけど、スティラーさんはそれも撮影中の特撮だと疑わず、監督の生首を持って遊ぶ場面とか、敵のゲリラ集団は幼児まで凶暴で、幼児を全力で投げ飛ばす場面とか、少し引きつってしまうような笑いがあるのもいい(つーか、そもそも根本が引きつってしまうような話ではあるんだけど)。
 そして何よりも素晴らしいのは、主演3人のことを忘れさせるくらいインパクトのある、単なる友情出演というにはやり過ぎな、ハゲデブメイクをしてサミュエル・L・ジャクソンさん並みに「ファック」を連発するトム・クルーズさんの狂った演技だ今までのキャリアを吐き捨ててミキサーにかけて飲み込んでしまったような、開き直ったクルーズさんに一目惚れですよ。物凄く楽しそうに演じてて、『マグノリア』以来の見事な役だった。なるほど、これなら公開前にパパラッチにクルーズさんの役をスクープされて怒ったのも納得。これは公開されるまでの楽しみにしとくもんだ。パパラッチは粋じゃないねぇ。私としては、クルーズさんの出演作ベスト2に『トロピック・サンダー』を選びたい。もちろんベスト1は『マグノリア』。ベスト3は『マイノリティ・リポート』。偏ってますか?
 手抜きせず、金をかけて、徹底的に真面目に馬鹿をやる(偽予告篇の公式サイトや、主役3人の公式サイトまで作り、『トロピック・サンダー』の偽ドキュメンタリー「Rain Of Madness」まで作ってネットで公開した)。それを実現可能なスティラーさんの人脈と実力には、感嘆しますよ、本当に。

 惜しむらくは、自殺未遂で出演することができなかった、オーウェン・ウィルソンさんがいないことか。ウィルソンさんがいるのといないのとでは、雰囲気がかなり違う。ウィルソンさんの代役であるマシュー・マコノヒーさんが悪いわけじゃないけど、スティラーさんとの共演作が大好きなので、やはりウィルソンさんの存在感は必須。
 スティラーさんとは『ナイト・ミュージアム』の続編(今年公開予定)で共演が復活するので、そちらを期待して待ちましょう。

 さて、自信を持って誰にでも推薦できる『トロピック・サンダー』だけど、しかしバランスにちょっと難がある。「映画を撮っている」場面とそうでない場面との落差だ。
 劇中劇や、戦闘場面場面はテンションが高くて面白いんだけど、単なる移動中とかはテンションが低い。その部分にはトリビア的な話――アカデミー賞を獲る演技と獲れない演技の違いとか――をしたりして、間を持たせてはいるけど、熱心な映画ファンでなければ、中盤で「何かだらけてきたなぁ~」と感じるかもしれない。無駄と感じる会話部分を削れば10分は短くできる(上映時間は107分)。
 コメディにしては面倒臭い話なんだけど、もうちょっと絞ってほしかった。大作でもあるから色々と力を入れたんだろうなぁ。ちなみに『ズーランダー』は、上映時間が89分で、コメディ映画として理想的な長さだと思う。そのため、『ズーランダー』よりは馬鹿映画として格が落ちる。

 たぶん日本ではヒットしなかったと思うけど、景気の悪い話ばかりの昨今こそ、こーゆー徹底的に馬鹿な映画がもっと観られるべきだと思う。『ズーランダー』と並んで、見事な馬鹿映画として、後年に語り継ぐべき映画でしょう。
 それにしても、ダウニー・Jrさんが今作の馬鹿演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるとは、アカデミー賞もやるなぁ。劇中でダウニー・Jrさんが、知的障害者の役で、なぜ『アイ・アム・サム』のショーン・ペンさんはアカデミー賞を獲れず、『レインマン』のダスティン・ホフマンさんや『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクスさんは獲れたのかを説明する場面がある。理由は、「本物すぎると駄目」だから。なるほど、だからレオナルド・ディカプリオさんも『ギルバート・グレイプ』の演技は本物すぎて獲れなかったのか。となると、今作でのダウニー・Jrさんの演技は、どう評価されるのだろう? そもそも冗談でノミネートされたのか……? まあ、授賞させるつもりがないから話題作りとしてノミネートしたんだろうな。
 
トム・クルーズさんのハゲデブダンス

 絶対にこれで男性客からの人気が上がったと思う。

『トロピック・サンダー』の名(?)場面集

 クルーズさんの「ファック」連発も見られる。
スポンサーサイト

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : トロピック・サンダー

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。