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2009-01-03

『私は貝になりたい』がミュージカルだったらいいのに

 中居正広さん主演の『私は貝になりたい』を観た。観る前は、中居さんの演技力がとんでもなく心配だったけど、それは杞憂だった。熱演だったし、「SMAPの中居くん」というイメージがむしろ貢献していた。
 でも、全体的に見ると、失敗作だと思う。

 まず、音楽がうるさい。とにかく全編ずーっとうるさい。何でもない場面までクライマックスとばかりに音楽で盛り上げようとするのだ。例えば、仲間由紀恵さんが吹雪の中で署名を集めている場面、ずーっとワルツ調の音楽が大音量で鳴っている。音楽と場面が力一杯合致してない。もっと静かな音楽で、文字通りの伴奏として鳴らすべき場面だと思うのだけど。うるさいのとメロディとオーケストレーションから、久石譲さんだろうなぁ、と思っていたらその通りだった。アニメなら納得できるものも実写となると逆の効果しか生まない。『おくりびと』の時にも思ったことだけど、久石さんに実写の音楽を担当させるべきじゃない。ただやかましいだけなんだもの。
 音楽といえば、主題歌もどうかと思った。Mr.Childrenって。好きでないけど、中島みゆきさんや長渕剛さんやさだまさしさんなんかに歌ってもらえば良かったのに。アメリカでいうところのブルース・スプリングスティーンみたいな。戦争の映画とミスチルって、合わないこと合わないこと。

 物語は、悪くない。戦争の悲惨さは全く描かれていないけど、戦犯裁判のムチャクチャさはそれなりにちゃんと描かれているので、アメリカの身勝手さを知るにはいいことではないだろうか。
 しかし、無駄な場面だらけなのは何とかしてもらいたかった。例えば、署名集めの場面なんて、半分以下で描けるだろうし、収容所での描写もばっさりカットしたって構わないだろう。特に笑福亭鶴瓶さんとの場面も半分以下でいい。戦中の訓練場面だっていらない。つーか、足に障害を持っているのにこき使う軍隊ってあるか? それに、軍部に女性がいるのっておかしくないか? そもそも下っ端兵士が死刑にされるのがおかしくないか? 物語的にマトモなのかが疑問。なんだけど、私の歴史知識ではそこら辺に細かくツッコミを入れられないので、疑問でしかない。
 『私は貝にないたい』の最大の注目点は、脚本家の橋本忍さんだ。黒澤明監督作品の脚本家として有名な橋本さんだけど、『幻の湖』という邦画史上に燦然と輝く超有名なトンデモ映画も作っている(製作と監督も兼務している)。『幻の湖』以降はマトモな作品を作れていなかった橋本さんが、自身の歴史で初めて自身の作品をリテイクすることが話題にもなっていたんだけど……リテイクしてこれか、というのが正直な感想。物語が面白いか面白くないか以前に、無駄が多すぎる。そこが何よりも駄目。
 何で無駄が多くなったかというと、観客の情感に訴えるために他ならない。つまり、感動させよう感動させようとしている。本来なら、戦犯裁判を扱っている以上、殊更に情感に訴える必要はなかった筈だ。例えば、収容所で米軍兵士と心を通わせる描写があるけど、あんなの丸ごといらない。「米軍にも良い人はいるんだけど、どうにもならなかった」といいたいのはわかるけど、なくても物語を盛り上げることはできた。また、中居さんの死刑と対比的に仲間さんの生活を描くのは、泣かせるためのベタな演出ではあるけれど、テーマ的に必要ない。反戦を冷徹に描くべきなのに、情感に訴える泣かせ展開ばかり。徹底的に間違っている。これでリテイクしたとは信じられん。巨匠もボケたんでしょーね。

 そして、最後の「私は貝になりたい」という台詞に説得力が全くない。というか、意味がわからない。その台詞のインパクトに集約するように物語を組み立てた筈なのに、台詞だけがやたらと浮いている。戦争そのものが不条理なんだから、フランツ・カフカさんの『変身』ばりに不条理な展開を考えた方が良かったんじゃないかなぁ。愚直に泣きのベタを考えてしまった時点で、『私は貝になりたい』は失敗作になることが決定していたと思う。黒澤監督の『羅生門』の脚本を書いた人とは思えないくらい、凡庸すぎる完成度だ。
 福澤克雄監督は初映画監督作品としては良い場面を撮っているんだけど、それはロケだけ。セットとなると途端にTVドラマ的になり、安っぽさが最後まで拭えなかった。ま、監督の腕が良くても脚本の出来があれじゃあ、マトモなものにはならんか。

 どうせならミュージカルにすれば良かったんだ。だって、絞首刑&理不尽な死刑で真っ先に想起するのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だもん。そっちの主演が歌手のビョークさんなら、『私は貝になりたい』の主演だって歌手の中居さんだし。
 大戦を舞台に、ディズニー映画並に歌って踊る反戦映画。それなら音楽のやかましさはむしろピッタリだろう。署名集めの場面なんか、雪山で踊りまくるわけだ。最後が絞首刑で終わるから、パクリっていわれそうだけど、どうせ「私は貝になりたい」って台詞自体借り物なんだし、「何だこりゃ?」といわれるくらいで丁度良い。うん、「歌って踊る反戦死刑映画」はとっても面白いと思うんだけど。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 私は貝になりたい

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
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2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
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