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2008-12-25

『1408号室』の正しいやり過ぎっぷり

 『1408号室』を観た。スティーヴン・キングさんの原作を映画化したものでは、面白さは上位5本に入ると思う。
 私が惹句を付けるなら、部屋に入ると、そこは戦場だった――! そんな感じだ。ホラー映画を超越しているね。

 物語は単純。単なるお化け屋敷ものだ。お化け屋敷ミシュランの主人公が、「ここだけは行くな」と念を押された物件に興味を抱き、行ってみたら本当に大後悔する羽目になる、というそれだけのもの。そこにキングさんお得意の家族愛を隠し味に振りかけてあるので、何とな~く感動っぽい展開もある。
 キングさんのでお化け屋敷といえばスタンリー・キューブリック監督が映画化した『シャイニング』が代表作で、『1408号室』は元々は短編だから、長編の『シャイニング』に比べると、映画的にも『1408号室』は小粒。しかしまあ、小粒だからこそできる味わいがある。
 『1408号室』の魅力を一言でいうと、やり過ぎ。怖いを通り越して、呆気に取られるくらい、超やり過ぎ。出だしは小さなモーテルから物語が始まるから、『地獄のモーテル』っぽい気もするんだけど、件の「1408号室」があるホテルに入ると一変。『ポルターガイスト』と『CUBE』をディズニーランドのアトラクションにしたような物凄い演出展開が繰り広げられる。その一部分は、次のような。

 窓から出て隣室へ助けを請おうとすると、隣室がなくなっている。というか、窓の外が果てのない無限地獄になってる。
 「1408号室」の歴代の犠牲者が次々と現れ、再び次々と自殺する。
 壁に飾られた、海を描いた絵画から水が怒涛の如く溢れ出し、部屋の中で『ポセイドン・アドベンチャー』。
 壁を叩いても、誰も「252ぃー! 生存者ありぃー!」と助けに来てくれない。
 自分の偽物が現れる。
 部屋の中が氷点下になる。
 部屋から自殺を推奨され、あっちこっちに首吊り紐がぶら下がる。墓や棺桶まで用意してくれる親切設計。
 最後は爆発。

 文章にすると平凡な感じだけど、演出がティム・バートン監督の『ビートルジュース』に近いので、テンションが高く、最初は「ありえねー」と思っていたのが、途中から「やりすぎだよ!」になり、観終わる頃には力技で「これは正しい!」と思わされる。
 元々が簡単なアイデアで作られた短編小説を長編映画にしているわけだから、そこは余分なほどに肉付けしないと面白くならない。だから映画では、映像面が豪華アトラクション並みの演出となっている。同時に物語は、余韻のある原作通りに、余韻が残るというかわけわからんものになっている。
 こーゆー小粒な映画は、下手に伏線をちゃんと回収したりキレイにまとめたりするより、途中放棄するくらいの方が印象に残るので、『1408号室』の演出はとても正しい。実際、受賞はしなかったけど、アメリカの映画サイトのロッテン・トマトが選ぶゴールデン・トマト賞やイギリスの映画雑誌『エンパイア』が選ぶエンパイア賞、アメリカのSFファンタジー&ホラー映画アカデミーが選ぶサターン賞などのホラー部門でノミネートされていたから、人々の記憶に残るくらい印象深かったのは間違いない。
 殆どジョン・キューザックさんの劇団ひとりと化している高テンション映画なので、一般的な面白い映画として推薦できるかといわれたら少し悩むけど、大作でない地味なホラー映画としては、またキングさん原作映画としてもかなりの高水準映画であることも間違いなし。
 でも、見せ方が、ショットが凡庸すぎてTV映画レベルの画面のため、正直いって、年間ベストに入るくらい記憶に残るものではない。一室が舞台となっているだけに、もっと見せ方そのものに凝ってほしかったなぁ。

参照リンク→ROTTEN TOMATOES : 9th Annual Golden Tomato Awards
参照リンク→The Sony Ericsson Empire Awards 2008
参照リンク→The Academy of Science Fiction Fantasy & Horror Films
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 1408号室

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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