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2008-11-08

電気グルーヴの『YELLOW』は最高傑作!

 前作から間髪空けずに発売された『YELLOW』は電気史上最も力の抜けたイージーリスニングな作品だ。
 毒や笑い、てらいや気負い、狙った感や感動、それら全てを電気から取り除いた結果が、『YELLOW』だ。傑作ぶりなら、前作『J-POP』の方が作品としてまとまっているけど、石野卓球さんとピエール瀧さんの手癖だけで仕上がった感じがする『YELLOW』の方が素晴らしい。短いのもいい。『J-POP』よりも短い。何となく聴けて、何となくリピートするのが苦にならない。

 だらだらと続けてきた電気の、そのだらだらした気分と楽観的な享楽性が、そして少しだけの諦念が入り混じった感じ。原初に戻っているようないないような。人生時代も含めると、20年以上のキャリアがあり、それが軽く滲み出ている。じっとりと、ではない。
 テーマは、アシッド(後半が)。アシッドなのは、『DRAGON』の方がハードフロア直系でビキビキだけど、『YELLOW』の「Acid House All Night Long」の炭酸の抜けたコーラみたいなアシッド・ハウスは、その音だけでギャグとして通用する。しかも、「おーるないとろんぐ」だよ? 今さら? リバイバルの脇をすり抜けて、転んでしまって、照れ笑いしているような曲。
 それにしても、石野さんはポップ・ウィル・イート・イットセルフが本当に好きだなぁ。「Acid House All Night Long」で、また「Can U Dig It」の「We Like Music. We Like Discosound Hey!」使ってるよ(「We Like Da Music. We Like Di Acid House!」と替歌してる)。
 『YELLO』は、前半と後半で雰囲気が変わる。前半は、「さんぷんまるのうた」も入っていて、軽い感じ。後半は、「Acid House All Night Long」から歴史が始まる。エレクトロニックなポップスの歴史が、ほんの6曲くらいに凝縮されている。単なる懐古趣味じゃないし、枯れてきたってわけでもなさそう。懐かしいようで、微妙に想い出と相違する新しさ。

 同じ年に発売されたこともあるけど、『J-POP』と『YELLOW』は2枚で1組な感じがする。『J-POP』に淡いグラデーションをかけたのが、『YELLOW』だ。だから、『J-POP』が地味であまり好きになれなかった人は、『YELLOW』も好きになれないかもしれない。でも、ある意味、『YELLOW』の後半は全曲が「」みたいでもあるので、人によっては大好きになれるかもしれない。
 長年続けてきた者の余裕みたいなものが聴こえる。ゆとりのあるエレクトロニックなポップス。私は超大好きだ。
 ところで、先日にも感じた「明暗がハッキリ」は、小室哲哉さんと電気の関係にも感じる。
 TMNの「Rhythm Red Beat Black」のリミックスでメジャーデビューして以降、好きなダンスミュージックの道を猪突猛進してきた石野さんと(瀧さんは除く)、よそ見してしまった結果、逮捕されてしまった小室さん……小室さんは嫌いだったけど、大っ嫌いだったからこそ、その動向は気になるものだった。
 ジャングルを間違った認識で広めた時には、本当にムカついた。バイトしていたレンタルビデオ店で、小室さん絡みのCDを借りる客に呪詛を振り撒いたね。アンダーグラウンドから上澄みだけを掠め取っただけの曲を乱発して、しかもそれが大ヒットするもんだから、世間一般はみんな敵だったな、あの頃。「まーたパクっただけの、中身なし音楽作りやがって!」とムカつく存在、私にとっての小室さんは、そんな存在だった。
 嫌いだからこそ、逆に何をしているか妙に知っていた。モーニング娘。が台頭してきてからは、一気に落ちぶれ度が急上昇して、その辺りからは「どーなったのかなぁ?」と動向が不確かになってしまったけど、久しぶりに見たら、逮捕。音楽家なら、音楽家として活動すべきだったね。

 石野さんは<WIRE>を作り、十年間、成功させてきた(今後も続く……筈)。そして、昔の作品の焼き直しや再発なんてものと違う、老けたからこそ出せる余裕でもって、電気史上最高にリラックスした傑作を作った。
 小室さんもまた、ムカつくようなパクリまくりの中身なし音楽を作って、大ヒットさせるべきだ。で、「あーっ! またこんなクソ音楽がヒットしてやがる! こんなものを聴く奴らはクソだ!」と思わせてもらいたい。そんな世の中の方が、私は好きかもしれない。
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テーマ : 音楽のある生活
ジャンル : 音楽

tag : 電気グルーヴ

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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