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2008-11-20

『アイアンマン』は、スケバン刑事の凄い版

 主人公は男ですけどね。
 ロバート・ダウニー・Jrさん主演の『アイアンマン』を観た。
 まさか今頃ダウニー・Jrさん主演で大ヒットになる映画を観られるとは想像もしなかった。『トロピック・サンダー』もあるし、ちょっとしたダウニー・Jr旋風が巻き起こる……わけはないか。何となーく、落ち目から復帰した頃の、ドリュー・バリモアさんを彷彿とさせるけど、今後も人気を維持できるかどうかは、続編次第。

 出だしはアフガンを舞台にアメリカが果たす「責任」とやらが批判される。最近のパターンだね。ま、原作はベトナム戦争時代が舞台となっていたから、時代を移しただけ。で、このままアメリカ政府の批判を含めた展開になるかというと――全くならない。清々しいばかりに、突き抜けた晴天を思わせる、アホとすら思う展開になる。『ダークナイト』とは正反対のヒーロー映画だ。そう、何が素晴らしいかというと、主人公が何も悩まないヒーローってとこだ。
 大企業の社長だから、企業倫理みたいなものは出るけど、隠し味にする気もなし。「よっしゃ、ヒーローにでもなってみっか!」という物凄い軽い気持ちで主人公はヒーローになる。というか、ヒーローになった自覚すら抱いていない。実際、ヒーローらしい描写は殆どない。上映時間の半分以上は、アーマー作りに費やされている。
 そのアーマーも、とんてんかんてん、と手作り。アーマー第1号はスケバン刑事の鉄仮面みたいというか鉄人28号みたい。本当に手作り感が溢れていて、魅力的だ。続編まではずーっと第1号のアーマーで頑張ってもらいたかったなぁ。完成版であるホットロッド風の第3号まで、試行錯誤を繰り返す過程が面白い。爆発したり、おばかなお手伝いロボットがヘマしたり……ちょーっとだけ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を想い出した。そういえば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも核融合チックな業物が登場していたな。やっぱ、ニトロとかウランとかアトムとかいう3文字カタカナ危険言葉には男の子マインドを刺激するものがある。あと、第3号のホットロッド風の口元、『鋼の錬金術師』のアルも想い出す。
 続編を作ることが最初から決定しているからか、とにかくアーマー作りが丁寧かつ雑に描かれていて楽しい。丁寧なのは、細かい機能開発にこだわる描写があるからで、雑なのは、技術的に物凄くテキトーな描写だから。アーマー開発機材がそもそも凄いんだもん。
 
 アーマーだけが面白いのかというと、そうでもなく、意外と物語も面白い。
 人間関係が、見りゃ一発で誰が悪党かわかるけど、ちゃんと伏線も張ってあって、意外と心の機微なんかも描かれていて、物語に貢献している。グウィネス・パルトロウさん演じる主人公の秘書と主人公の恋愛が、定番的なヒーローものから脱線しない程度の、描かれるようで描かれない微妙な匙加減で、とても良い。
 何よりも素晴らしいのは、ダウニー・Jrさんだ。何も考えない能天気なヒーローを演じるのにピッタリ。一見、怪し気で、ヒーローたる主人公には見えないのに、最後には、アイアンマンはダウニー・Jrさんが演じる以外に考えられなくなる。できれば、続編もこのままのアホっぷりで突き進んでもらいたい。『Dr.スランプ』の則巻博士並みに。そうそう、考えたら、『Dr.スランプ』っぽくもあるな、『アイアンマン』は。
 ただし、最後の敵との一騎討ちは、迫力がなくて面白くない。ガチャガチャとロボットが戦っているだけにしか見えない。あの場面で使われているのが第1号のアーマーだったら、また印象が違ったろうけど。

 それにしても、『インクレディブル・ハルク』といい『トランスフォーマー』といい、CGを派手に使った戦闘場面は、デカイ鉄の塊がぶつかり合ってるだけで、面白味がない。あーゆーのは日本のロボアニメやヒーローものがお得意分野なので、ハリウッドはもっと日本の研究をした方がいいでしょうね。
 CGを使えばどんな無茶な場面でも作れる以上、歌舞伎のように見得を切るのはとんでもなく重要だ。実際、ショットとしては平凡でも、アイアンマンが空を飛んでジェット機と競う場面は面白く、あーゆー単純な場面では上手なんだよ、ハリウッド映画は。逆に日本は下手だし。『ダークナイト』も戦闘場面は下手クソだった。印象的なショットはみんな派手じゃない場面だった。
 戦闘場面を魅せるセンスに関しては、日本の方が上手だ。香港映画はそれ以上に上手だから、アジアにその点だけは見習ってもらいたい。西洋で黒澤明監督や北野武監督が人気あるのだって、ショットの力ゆえ。いや、北野監督は違うか……あれはフィックスの面白味だ。
 派手なCGの戦闘場面が『アイアンマン』の魅力ではない、と少なくともパート1に関しては思う。とはいえ、対決場面は「お約束」だし、なきゃないで苦情が出るか。続編では改善してもらいたいですね。どうせヒーローの数が増えて登場するに決まってるし。

 さてさて、アメリカでは大ヒットした『アイアンマン』だけど、日本では大ヒットに至らなかった。今、日本でヒットしているヒーローものといえば、仮面ライダー系か戦隊系、あとはウルトラマン系とアンパンマンくらいのものだ。漫画やアニメを原作とした実写映画もたまに作られるけど、妙にリアルで暗ぁ~いものが多い。何でだろ?
 今の日本には、『空想科学読本』的な方向性はあっても、『すごい科学で守ります!』的な方向性がない。作品世界の中で馬鹿になる――それが弱いように思える。全くないといわないけど、メジャーな大作には殆どない。だからたぶん、日本では『アイアンマン』のような大作映画は作られないだろう。全く関係ないけど、『少林サッカー』が超駄作の『少林少女』へと関連付けて作られる国だ、作品世界の中で馬鹿になるということが全く理解できていないんじゃないか? 少なくとも大作映画では。その点、アメリカはよくわかってらっしゃる(香港映画も)。
 アメリカは、『ダークナイト』で現実を違う形で見せ、同時に何も考えていない能天気なヒーロー『アイアンマン』も見せる。その現代的なバランスは、今の日本にはないものだ。だからか、アメリカでは『アイアンマン』を超えられなかった『インディー・ジョーンズ4』が、懐古主義な内容(ではないんだけど)ゆえに日本では逆の興行成績となった。お国柄がよく表れてる。

 私は……どうせなら、右肩上がりの経済成長を遂げるヒーローものが見たい。だから、映画として賞味期限は長くないけど、『ダークナイト』よりも『アイアンマン』を応援するね。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : アイアンマン

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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