fc2ブログ
2008-10-04

『ハウルの動く城』を何となく見る

 読書をしようにも、腰が痛くてうつ伏せができず、私は読書といえばうつ伏せだったので、読書ができず、何となくTVを点けたら、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』が放送されていたので、それを見た。

 『ハウルの動く城』は、公開当時、批判が多かった。厳密にいえば、公開前から批判が多かった。曰く、「ジャニーズ効果を狙ってる。宮崎駿も終わったな」とか、「キムタクが声優? 観るまでもなく、駄作決定」とか。私の職場の上司にもそうゆうことをいう者がいた。
 私は別に声優にこだわらない。作品に合えばそれでいいのだ。まあ、何十年と同じ役柄を演じてきた声優を変えて、アイドルやお笑い芸人を起用するのは正直、腹が立つけど。でも、そーゆー事情でもない限り、どんな者が声優をしようとどうでもいい。要は、結果だもの。
 キムタクは嫌いどころか結構好きなので、『ハウルの動く城』に対しても前述したような反感は抱かなかった。実際、別に変じゃないどころか、合ってた思う。職場の上司は、アニメオタクでもあるので、キムタク起用が気に入らないらしいが、観もしないで判断するのは何よりも馬鹿のすることだ。駄目だ駄目だと批判したのなら、とりあえず観てみるべきだろう。私は、批判したら必ず観るようにしている。たまーに、私が間違っていることもあるもの。
 『ハウルの動く城』の批判はもう1つ決定的なものがあって、それは「物語が破綻している」だ。それに関してはその通りだと思うけど、破綻していることが落ち度になるとは思えないのだけど。

 私は宮崎駿監督の映画が大好きだ。初めて観たのは、小学生の頃の3本立て上映の1本、『ルパン三世 カリオストロの城』だ。他の2本は、『ルパン三世 ルパンvs複製人間』と『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』だ。
 3本とも面白かったけど、『ルパン三世 カリオストロの城』は特別に面白かった。その面白さを表現すると、「映画」だったから、となる。
 子供の頃の私は、「よくわからないけど、カリオストロは他のアニメ映画と何かが違う。何が違うのかはわからないけど」と考えていた。それは今でも同じで、他の数多あるアニメ映画と宮崎駿監督作品が決定的に違うのは、「映画」を作ろうとしているかいないかだろう。アニメという枠組みで語ろうとするのは、何となくズレがあると思う。
 例えば、方向性は力一杯異なるが、クエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ』がそれまでの作品と異なり、初めて「映画」となったのと同じだ。宮崎駿監督の映画は、『ルパン三世 カリオストロの城』の頃から『デス・プルーフ』だったのだ。渡辺文樹監督の映画が「映画」としての感動を備え、クリスピン・グローヴァー監督の2作品がとんでもなく「映画」であったように。物語の破綻なんて、どうでもいい些細なことだ。そんなことを気にする人は、映画を一生観る必要はないし、本当に凄い映画を一生観ることが叶わない。

 私はよく、職場のオタクの上司と軽い口論になる。その内容は、アニメ映画について。あのアニメ映画はどうだった? このアニメ映画は面白かった? と訊かれ、それに答えると、大抵の場合、意見が相違する。
 私の答えは大抵こんなだ。
 「アニメとしては好きなんで、映画でなければベタ褒めしますけど、映画としては大嫌いですね」
 これが理解されない。
 考えたら、映画がどのようにすれば「映画」になるのか、そんなことを何となく考えるきっかけになったのは、宮崎駿監督の映画を観てからだった。『ハウルの動く城』を何となく見ながら、想い出した。
スポンサーサイト



テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

comment

管理者にだけメッセージを送る

No title

はじめまして。
私は宮崎駿作品をそれほど見ているわけではないのですが、
多分この「ハウルの動く城」がいちばん好きなんじゃないかな、という感じがしています。
そしてルパン3世もそう見てはいないのですが、「カリオストロの城」は見ましてとてもよかった。
ばっどていすとさんどいっちさんが仰るように、私も宮崎作品はいわゆるアニメを超えていると思います。
キムタクの声優で話題をさらいましたけど、私もキムタク好きなほうなので同じ感覚でした。
そんなバッシングがあったとは知りませんでしたが、今日この映画を見れたこと、とても幸運でした。
私も記事を書いてみました。もしよかったら読んでやってくださいね。

http://hotarunkyoudeki.blog107.fc2.com/
プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する