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2008-09-27

Friendly Firesの『Friendly Fires』はポップスとして大傑作のデビューアルバム

 今年は豊作の年だ。と、いっつもいってる気がするけど、今年は新人アーティストのアルバムに好きなのが多い。ウィークエンド・ヴァンパイアラスト・シャドウ・パペッツブラック・キッズ、そしてフレンドリー・ファイアーズだ。

MySpace→Friendly Fires
ここでアルバムから、「Jump In The Pool」、「Paris」、「On Board」、「Ex Lover」の4曲が試聴できる。

 フレンドリー・ファイアーズの『Friendly Fires』は、今年一番の収穫かもしれない。もう、今年はこれ以上好きな作品は出ないんじゃなかろうか。
 とにかく、日本でも春先からクラブでも大ヒットしていた「Paris」が素晴らしい。シングルと違うミックスで、もっと良くなっている。当ブログで以前に紹介した際には、ケミカル・ブラザーズの「Star Guitar」のパクリと書いたけど(今でもそう思っているけど)、パクリだろうが何だろうが、良いものは良い。聴いているだけで、いてもたってもいられなくなる。
 もしかしたら「Paris」は、アンダーワールドの「Born Slippy」になるかもしれない。ならないかもしれない。なるとしたら、享楽性ゆえ。ならないとしたら、ロマンチックすぎるため。「Born Slippy」は、駄目人間のアンセムだからだ。イギリスでは今でも駄目人間用のアンセムはそこら中で作られているけど、「時代を動かした」とまでいえるアンセムとなると、「Born Slippy」以上のものはないだろう。それでも、「Paris」は間違いなくアンセムになる(なった)。

 ロックからダンスミュージックに入る人は、一昔前ならストーン・ローゼズだったり、プライマル・スクリームの『Screamadelica』の「Higher Than The Sun」だったりしたもんだ。ダンスミュージックからロックに入るなら、最もわかり易いのはケミカル・ブラザーズだろう。今は、ロックもダンスも関係なく、それぞれが近寄り、手を結び、殆ど差がなくなっている(ロックだって昔から「踊る」音楽だったけど)。それでも、ただ単にどっちかの「要素を混ぜた」だけのつまらない音楽の方が掃いて捨てる程に多い。フレンドリー・ファイアーズは、当然違う。
 去年はクラクソンズがいたけど、フレンドリー・ファイアーズは彼らとも違う。もっとダンスミュージックへの親和性が強い。しかし、ポップで、わかり易く、どの曲も4分間で収まっている。アルバム全曲(10曲)でも37分間だ。曲の良さは、貧弱なラジオのスピーカーから聴こえても、何ら魅力を損なうことがないだろう。1曲目から、終わりまで、あっという間。気付いたら、何度も何度もリピートしている。
 アンダーワールドやケミカル・ブラザーズが時代遅れとなった今、次を代表するのはフレンドリー・ファイアーズだ、というのは大袈裟だろうか? フレンドリー・ファイアーズに匹敵するのは、ベースメント・ジャックスになるかもしれない。それはさすがに大袈裟か。ジャンルも違いすぎるし。じゃあ、ポップスとしての腕をさらに磨き上げれば、ワム!にはなれるかもしれない。それならちっとも大袈裟じゃない。
 
 アルバム冒頭の「Jump In The Pool」が素晴らしい。出だしを飾る曲としては文句なしで、それがデビューアルバムならば、完璧な1曲目だ。まずボイスシンセの和音が鳴り、幻想的な雰囲気を醸し出す。その音色から、10ccの「I'm Not In Love」を想起する人も多いだろう。しかし、そう思ったのも束の間。途端にサンバのリズムのパーカッション連打が入る。しっとり始まったかと思えば、一気にハイテンションにギアチェンジで、「これこれこれ、こーゆーのを待ってたんだよ!」と思わずガッツポーズをしてしまう。
 その後も、名曲だらけで、捨て曲は皆無。本当に最後まであっという間だ。
 全体的な特徴としては、コーラスに艶があり、和音の使い方が巧い。デビッド・ボウイさんを彷彿とさせる。LCDサウンドシステムの超傑作の2ndアルバムがデビッド・ボウイさん寄りだったのは、正しかった。もしかしたら地下動脈として今、デビッド・ボウイさんの時代が訪れているのかもしれない。
 リズム的には、!!!(チックチックチック)やラプチャーを通過していて、DFAの影響も強く感じる。レーベルはXLだけど、WARPから出てても今なら不思議じゃない。他のダンスミュージック寄りのロックバンドと比較しても、リズムの良さは頭1つは抜けている。LCDサウンドシステムや!!!と一緒にツアーしていても全然おかしくない。
 あと、マイ・ブラッディ・バレンタインからの影響も強く感じる。
 また、私の友人にゲイの人がいて、そいつがいうには、「Lovesick」 はゲイ的に身悶えするそうだ。確かにジョージ・マイケルみたいだもんね。
 とにかく、多彩。

 次代を担うと思わせるのは、やはり「Paris」の素晴らしさがあるから。捨て曲は本当にないけど、「Paris」が一際輝いている。ちなみにどんな歌詞かというと、こんな感じ(私の超訳の要約。洋盤のライナーには歌詞が載ってなくて)。
いつかパリに連れて行くよ
約束する
本気だよ
でも、お金が貯まるまで、ちょっと待って
約束するって
本気だってば

そして、クラブに行って楽しもう
毎晩、星空を眺めよう
僕らのために星空が広がっている筈さ
街の灯りも僕らのものになる

僕はフレンチボーイになって
フレンチガールな君と出会うんだ

だから、ね、荷物をまとめようよ
長旅になるよ
凄く楽しみだね
その間、僕らはずっと一緒なんだよ

 物凄くロマンチックな歌詞だ。日本人なら、別にパリでなくても、それこそ身近な東京ディズニーランドでもいいだろう(うわ、いきなり物凄くレベルダウンしたように感じるな)。でも、この曲は、あるかもしれない「いつか」のことを歌っているだけの、憧れの歌でもある。ここではない、どこか。今ではない、いつか。つまり、逃避の曲だ。お金だってない。
 同じような「逃避」の曲でも、ニュー・オーダーの「Blue Monday」とはちょっと違う。踊るのでも、アンダーグラウンド・レジスタンスのステップとちょっと違う。フレンドリー・ファイアーズは、バンド名が示すように、友愛の踊りだ。だから、単なる「逃避の曲」でもない。単なる「逃避の曲」なら、ハーメルンの笛吹きに踊らされているようなもので、そんなのは願い下げだ。前に進むための、気持ち的な逃避。聴いていると笑顔になる。うん、ロマンと笑顔は重要。ロマンがないと前にも進めない。いいよねー、いつかパリなんかに住めたらねー、と。
 「Paris」を聴いていると泣きそうになるんだけど(または、泣く)、私みたいなオッサンがいつまで「いつか」を夢見てるのかと、別の意味でも泣きたくなる(または、メソメソする)。

 たった3分程度の逃避。ポップスの魅力を一言で語れといわれたら、私ならそう応える。フレンドリー・ファイアーズの『Friendly Fires』は、全曲が正にそんな曲だ。しかも、聴き終わるや否や、元気が溢れる。全世界の男の子と女の子のアンセム、それを作ることがフレンド・ファイアーズにはできる。そして、今はフレンドリー・ファイアーズ以上にそれを完璧にできるロックバンドを思い付かない。
 『Friendly Fires』は、二度と作れないデビュー・アルバムとして、完璧なロマンスを抱いたアルバムだと思う。日本のロックバンドは何でこんな作品を作れないんだろう?

 ところで!
 何で私は邦盤を買わなかったんだっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 この文章を打っている最中に知ったんだけど、邦盤には、何と、フランキー・ナックルズさんの「Your Love」のカバーが収録されているじゃないかっ! 悔しい。悔しすぎる! でも、邦盤と洋盤て、千円近く値段に差があるし、貧乏な私はなかなか邦盤に手を出せないのだ。でも、知ってたら、邦盤を買ったなぁ……
 なるほど、フレンドリー・ファイアーズはハウス愛も根っこにあるのか。となると、ますます「友愛の踊り」って考え方は正しいと思うな。ハード・ファイもハウスが根っこにあったけど、あっちはラガとツー・ステップもあって、ささくれていた。ラプチャーの「The House Of Jealous Lovers」もハウスのパーティで使われまくってたし、世界的にあの曲がロックとダンスミュージックを繋ぐ本当の起爆剤となったんだよね。自覚的かどうかは知らないけど、フレンドリー・ファイアーズは、その意思を継ぐ者でしょう。

 余りにも悔しすぎるので、せめて聴きたいと思い、YouTubeで検索したら、簡単に見つかった。
Friendly Fires 「Your Love」


 ついでに、ナックルズさんの原曲も。
Frankie Knuckles 「Your Love」

 どうでもいいけど、電気グルーヴの「」を聴いた時、「Your Love」の出だしのベースラインと同じだな、と思いました。私だけ?
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テーマ : お気に入りアーティスト
ジャンル : 音楽

tag : フレンドリー・ファイアーズ

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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