--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007-10-30

榎本俊二『ムーたち』は目の付けどころすぎ

 考えたら前回、『ムーたち②』をタイトルにしながら『ムーたち』について全く何も書かず、わき道に逸れっ放しで終えてしまったので、続き。

 榎本俊二さんの作品は不条理劇が基本。あとエログロ。ただし、凄く理論的。吉田戦車作品のようであり、全く違うのが、理屈詰めな点。特に『ムーたち』はその点が凄まじく強化されている。

 『ムーたち』の基本的なレギュラーキャラは、父・母・息子の主人公家族と、脇役数人。それらのキャラが毎回毎回わけわからん話を展開する。しかし、わけわからん話ではあっても、そのきっかけはとても日常的で、誰しもが思う些細な発想だったりする。
 例えば、飲食店とかで全然知らない客と偶然目が合った時どうするか。分かれ道があったら、どっちに進むべきか。自分を意識しているもう一人の自分を感じる時。ある瞬間の自分の行動が、世界中で自分以外に誰もしてないなと感じた時。などなど、日常的に思いつき、すぐにどうでもよくなってしまう些細な発想が、とんでもない方向へと進化する。
 『ムーたち②』では、主人公の息子が小学校で「山」という漢字の書き取り練習をさせられている時、こんなことして何になるのか気になりだす話がある。
 息子は計算する。ノート1ページが1行12マス×7行、練習は10ページさせられるから、12×7×10=840字。クラスには25人の生徒がいて、1学年5クラスで6学年、学校が今年で創立50周年なので、840×25×5×6×50=3150万字。学校の1時間の授業で、3150万字の「山」が書かれる。それは多いのか少ないのか。人生で何文字の「山」を書くことになるのか。山登りが好きな人や、名前に「山」が含まれている人は多いんだろうな、とか考える。
 そして次に、クラスで一番「山」を書くのが早いのは誰か気になりだす。クラスの座席は5×5の正方形フォーメーションなので、その上に「山」の字をかぶせると、13人が「山」の字になる。校舎は5階建てなので、縦からも横からも「山」の字になる座席にいる3年生21人。自分のクラスは3階なので、そのうち7人。その中で名前に「山」のあるのは3人。「虚山」「山岸」「出崎」。「山岸」は「山」が2つ。「出崎」はフルネームで「出崎山美」なので「山」が4つ。従って、クラスで最も「山」が得意なのは出崎さんに決定。めでたしめでたし。

 他にも、募金で1円を入れたところから、日本で一番小さな単位の金→小ささでは最高の金→他人にあげても痛くないという意味で最高峰の金→痛くないなら、世界中で1円を募金してもらえば約60億円集まる→じゃあ、世界中から1秒だけ寿命を集めたら約60億秒=約167万秒=約7万日=約190年→おじいさんなら3人は若返るね→1秒くらいなら寿命が縮まっても痛くないし、簡単に集まるね。という話。

 さらに他にも、小学校の授業で挨拶の重要性を教える話がある。挨拶は人間関係を円滑に運ぶ上で重要だ。しかし、現代社会は多様化しているので、今ある挨拶だけでは足りない。だから新しい挨拶を考えましょう、という授業。そこで出るのは。
 ・お暮れなさい…夕方の4~5時くらいに使う。「こんにちわ」か「こんばんわ」で悩む時間帯だから。
 ・大失礼します&小失礼します…トイレで席を外す際、大きい方か小さい方かで使い分ける。人を待たせる場合、相手も所要時間を想定し、心構えができて便利。
 ・今生は…一生に一度しか会わないような人と挨拶する時に使う。

 『ムーたち』は、全編こんな調子。「だからどうした」というネタを突き詰め、全く予想もしない方向へ運ぶ。それは、他の榎本作品と同じようで、全然違う読感を抱かせる。エログロは一切ないし、絵が可愛いし、発想の転換がテーマになっているし。基本的にギャグは発想の転換が重要なんだけど、『ムーたち』程徹底的に理屈詰めで発想の転換を推し進めたギャグって、そうないと思うのだ。
 また、言葉使いが面白い。『ムーたち』に限らず、榎本作品には印象的な言葉がよく現れる。例えば『えの素』では、嘔吐する際の擬音が「ロッパー」という。「うげぇー」よりも断然いいと思うので、真似しよう。ロッパー
 『ムーたち①』では、目の付け所が凄く良い、という意味で「目の付けどころすぎ」という台詞が出る。私は実際に使ってみたことがある。「は?」と聞き返され、少し恥ずかしい思いをした

 人を選ぶ漫画かもしれないが、絵は可愛い部類に入るし(他の榎本作品はそうでもない)、1話4ページくらいで読み易いので、知らない人は是非読んでみましょう。意外と子供の教育にいいかもよ。

榎本俊二さん公認サイトってのもある(放置気味)→えの素のえ

榎本俊二作品はどれもオススメだけど、前回と今回でネタにしたのを↓に。近所に書店があるなら、そっちへゴー!
    
スポンサーサイト

テーマ : 日記とアニメ・マンガ関連ごちゃまぜ
ジャンル : アニメ・コミック

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。