--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2008-09-11

『ドラゴン・キングダム』は15年前に観たかった

 ジャッキー・チェンさんとジェット・リーさんが遂に夢の共演を果たした『ドラゴン・キングダム』を観た。
 正直、「ジャッキーアクション+特撮」は鬼門なので、「期待3割:不安7割」だったんだけど、予想を遥かに上回る面白さだった。チェンさんのアメリカ映画では『ドラゴン・キングダム』が最も面白い。ジェット・リーさんのアメリカ映画としても(『ハムナプトラ3』は酷かった)。

 アメリカ映画だけど、主要キャストはアジア人、舞台はアジア、物語もアジアの古典。台詞が英語の中国映画というべき映画で、アジアなアメリカ映画としては、『グリーン・デスティニー』以降では久々のヒット(まともな映画、という意味で)。
 物語は、イジメられっ子(青年だけど)が異世界に移転してしまい、そこで様々な出会いと冒険を繰り広げ、成長するという、典型的な『ネバー・エンディング・ストーリー』系。というか、そのまんま。『ベスト・キッド』+『ネバー・エンディング・ストーリー』だ。
 見所は、ようやくというか今さらというか、アジアの2大アクションスターの対決場面。さすがに2人とも身体能力の旬を過ぎているから、手に汗握るような瞬間はないけど、ファンなら絶対に満足すること間違いなし。
 特撮との絡みも良く、チェンさんの特殊メイクは一見の価値あり。特殊メイクをしても鼻は大きいのね。リーさんのひょうきんな演技も珍しいし。
 
 チェンさんは酔拳を見せるし、リーさんは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』を彷彿とさせる演武を見せる。が、どっちも動きにキレがない。やっぱ歳か。色んな理由があったんだろうけど、やっぱ十年前までに共演を果たしてほしかった。
 ジャッキー・チェンさんとジェット・リーさんの共演は、アジアのアクション映画好きには長年の夢だった。だから『ドラゴン・キングダム』は、座頭市と子連れ狼、ゴジラとキングコング、ジェイソンとフレディ、エイリアンとプレデター……いわゆる「夢の対決もの」の系譜に連なる映画といえる。
 夢の共演が果たされた時点でかなり満足度は高いんだけど、惜しいのは、現代劇でないところ。ファンタジーだから、魔法も何でもありの世界で、単純な対決としての魅力に欠ける。しかし、何でもありの物語だから、変な制約に囚われず面白くできたのだろう。
 現代劇だと、「アメリカ映画」でアジア人が主演の「カンフー映画」は作れない。アメリカ人の大半は、そんな映画を観ようとしない。そんなもん作りたきゃ中国で作れ、というだろう。しかし、ファンタジーものなら話は別だ。中国の時代劇なのに登場人物がみんな英語を喋ったっておかしくないし(『敦煌』や『蒼き狼』と異なり)。
 最も良いのは、主人公がチェンさんやリーさんでない点。どこにでもいるアメリカ白人青年が主人公だからこそ、『ドラゴン・キングダム』は面白くなった。マイケル・アンガラノさん演じる主人公は、カンフー映画オタクのヘタレ。だから、カンフーの知識だけは無駄にたくさんある。それって、我々観客のことだ。ブルース・リー映画やジャッキー・チェン映画、リー・リンチェイ映画に心躍らせていた、全ての観客の代表が、『ドラゴン・キングダム』の主人公なのだ。
 イジメられっ子が異世界に行くのは『ネバー・エンディング・ストーリー』と同じだけど、その後が決定的に違う。『ドラゴン・キングダム』には、優しい白龍のファルコンなんかおらず、鬼のように厳しいチェンさんとリーさんがいた。主人公はチェンさんとリーさんからカンフーを習うんだけど、それはカンフー映画の定番である「しごき」で、かつチェンさんとリーさんとで意見が分かれたりして、主人公は酷い目に遭ってしまう。しかし、カンフー映画の定番である「しごき」は、全てのカンフー映画ファンの「憧れの的」でもある。つまり……羨ましい! そんで、見る見るうちに強くなる。あまつさえ、瀕死のチェンさんを救う! この時のチェンさんの復活場面が、カッコイイ! 武侠小説に倣って、親指をビシッと立て、「見事!」といいたくなるくらい。
 また、『ネバー・エンディング・ストーリー』と異なり、主人公が元の世界へ戻ってからの展開も良い。異世界での体験は無駄にならず、イジメっ子(というよりは、ならず者)を退治する。最初はやられていたのに、身体がカンフーを覚えていて、勝手に身体が反応する。ここも親指を立て、「好し!」といいたくなる。

 物語的には、「子供だまし」という批判はあるだろうけど、それは大きな間違い。『ドラゴン・キングダム』を子供が観ても「子供だまし」というだろうか? 子供でも楽しめるように作られた映画なのに。志は高いと思う。さり気なく良い台詞だってある。「満たされた杯に注ぐことはできない。まずは杯を空にすることだ」とか。いい歳した大人の私もためになりました!
 確かにあまりにもありふれ過ぎた物語に展開ではあるけど、娯楽映画に何を求めているの? ごちゃごちゃとシリアスに凝った物語と展開だと、逆に困るよ。やるべきことはちゃんとやっているんだから、文句はないでしょ。そりゃあ金庸さんの小説なんかと比べたら物足りないけど、2時間くらいの娯楽映画に余計なものはいらない。例えば、アン・リー監督の『ハルク』とルイ・レテリエ監督の『インクレティブル・ハルク』を比較すればそれがよーくわかる。

 さて、私はチェンさんのファンなので、オープニングとエンド・クレジットで、チェンさんとリーさん、どちらの名前が先に大きく表示されるのか、という下世話な関心があった。どちらも同じくらいの人気者なだけに、私以外のファンも似たような関心があったと思う。
 オープニングは、どっちも「J」で始まるから、「J」の文字を頭にして、クロスするように名前が表示された。上手ですな。差別なしか。
 まあ、オープニングクレジットは色んな表現ができるからいい。しかしエンドクレジットは、横書きの文字を縦にずらーっと並べるだけなので、そんな表示はできない。
 エンドクレジットは、リーさんの名前が先頭だった。チェンさんのファンとしては、少しだけ「ちっ」と思った。でも、劇中の登場場面数はチェンさんの方が多いのに、何でだろう? 役名を見ると、それが納得。エンドクレジットで初めて、チェンさんとリーさんが2役演じていることがわかったから(リーさんの役の方が偉い)。チェンの2つ目の役は、あまりにも特殊メイクの出来が素晴らしいので、ちょっと見分けがつかなかったなぁ。

 ところで、ファンならパンフレットは絶対に買いましょう。金庸作品の翻訳・監修をしている岡崎由美さんが少林寺伝説、西遊記、八仙、白髪魔女伝説の解説を書いているし、ジャッキー・チェンさんの声はこの人以外に認めたくない石丸博也さんとジェット・リーさんの吹き替えを多くしている池田秀一さんの対談(ちょっと短いけど)が載っている。
 パンフレットのチェンさんとリーさんのインタビューを読んで感心したのは、2人とも常に故郷のことを念頭に入れて活動している、というとこ。自分たちの働きがどのように中国に影響を及ぼすか、それを常に考えて働いている。チェンさんは自分のイメージを崩すことは絶対しないし、リーさんも中国の芸能の向上を考えている。偉い。日本でそんな役者いないよねー。「海外進出したー!」と喜ぶだけで。2人に比べるとスケールの小っさいこと。
スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : ドラゴン・キングダム

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。