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2007-10-26

平山夢明『狂いの構造』を読む

 日本で最凶の狂人作家、いや、狂人を描かせたら最強の作家である平山夢明さんと、精神科医の春日武彦さんとの共著。

 『メルキオールの惨劇』で見せた狂人たちの宴で、私の中ではトップレベルの狂人作家として位置することになった平山さんの作品は基本的に全部読んでいる。角川や竹書房から出している実録怪奇ものと実録狂人ものもみんな最高だ。あまりに数が多いだけに、最近は少し飽きつつあるけど。それでも小説はまた素晴らしい。
 で、そんな素晴らしい狂人作家が、精神科医と「狂い」について対談をしているのだから、これは面白くないわけがない。帯の惹句からして素晴らしい。
 「案ずるより狂うが易し」
 全体の感じとしては、『社会派くんがゆく!』シリーズに近い。平山さん1人で唐沢さんと村崎さん2人分のエネルギーを出している感じだ。春日先生は……可もなく不可もなくな発言ばかりで、大半は(たぶん7割くらいは)平山さんが喋っている。それなら全部平山さんでいーじゃないか、と思うのだが、1人で書くとこの分量にできないかもしれない。対談だからこそ、気楽に喋り倒せるのだろう。
 気楽ゆえになかなか面白い発言がたくさんある。例えば――
 ・面倒臭さは狂人のおかあさん。
 ・年間に3万人も自殺者が出る今の時代は、脳内第三次世界大戦が勃発している。
 ・今の日本は、刹那的狂人を育む絶好の温床。
 ・山口県光市母子殺害事件の弁護団はチャールズ・マンソン一家っぽい
 ・松田聖子は髪の生え際の魔術師。グラウンドゼロを超えている。
 ・近所に、首吊り自殺の多い公園がある。首吊り銀座って感じの。
  朝、何人かが体操なんかしに行くと、端っこからじーっと眺めている人がいる。
  次の日も、また次の日もいるから、「眺めてないでこっちに来れば」と言いに行った。
  すると、首吊り死体だった。そんな公園。
 ・人は新幹線に撥ねられると粉末になる。
 ・睡眠薬自殺はパトラッシュ死。
 ・美人が運動会の競技みたいな勢いで鼻をほじっていた。
 ・味付けの濃い人殺し、激辛口の狂人が好き。
 ・頬の瘤から膿を押し出して子供に擦り付ける「歯みがきジジイ」。
などなど。

 面白いけど、力が抜けすぎていて、狂人エキスが足りない。鬼畜的発言も多々あるんだけど、『社会派くんがゆく!』シリーズよりも大人しい。肝心の「狂いの構造」も分析的に書かれているわけじゃない。全体的にいまいち。
 やはり、対談形式の共著でなく、平山さんだけで書いた作品だったらもっと面白かっただろう。

 作品中でダーウィン賞ってのが取り上げられていて、それは「とてつもなく愚かな人間を賞賛する」賞で、好事家には有名な賞だ。本にもなっている。アホとかバカとか駄目人間のレベルを超えて狂人またはプチ狂人の人生を歩んでしまった人々の笑える(かもしれない)話が満載で、一読を推奨。『社会派くんがゆく!』シリーズが好きなら、ホームラン級の絶好球な本(断定)。

  
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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