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2008-07-14

『能登の花ヨメ』の夫不在は不思議

 『能登の花ヨメ』の感想で書き忘れていたことに、「夫の不在」がある。花嫁しか活躍しない、とても変なドラマなのだ。
 花嫁が一生懸命に苦労して頑張っている間、夫はずーっと不在。冒頭に少し出たら、最後の最後になって脈絡なく登場するまで活躍なし。「そういやこんな奴いたな」と忘れるくらい。家族関係の物語なのに、夫不在で嫁と姑だけがいる。変だ。

 そもそも、田中美里さん演じる主人公が、「いい男なのよ~」とのろけているからどれだけカッコイイ夫なのかと思ったら、リリー・フランキーさんみたいな人。リリー・フランキーさんが駄目ってんじゃないけど、「いい男なのよ~」と自慢されて登場したのがリリー・フランキーさんだと、「えぇ~っ!?」と思うじゃない?
 「いい男」である夫は海外出張で不在なため、年老いた義母の世話を田中さんがするわけだ。「お義母様の世話は、妻である私の仕事!」と大張り切り。しかし田中さんは料理すらまともにできない。主婦らしいことがからっきし駄目なのだ。それなのに、「他人の世話」をしようとする。ここら辺、いかにも現代らしい雰囲気を出そうとしたのだろうけど、明らかに失敗。だって、田中さんって、どう考えても単なる馬鹿にしか見えないんだもん。

 内海桂子さん演じる近所のお婆さんと山のキノコ狩りへ出かけ、そのせいで泉ピン子さんに怒られるんだけど、田中さんは逆ギレする。誰がどう見ても田中さんが悪いのに。とにかく、馬鹿。
 そのくせ、派遣社員として働いてきた広告代理店の仕事には未練が大あり。そっちではそれなりにキャリアがあったようだけど、所詮は派遣社員だよ? しかも広告代理店って。今時の女性がキャリアウーマンを演じると広告代理店かぁ……ありきたり過ぎの上に時代遅れ。そんなものしか思い付かなかったのかと。顧客と折衝をしなきゃいけない、それなりに重要なポストにいたようだけど、そんな人が田舎で対人関係に困るとは、よく仕事できたな。
 そんな嫁にいきなりやって来られては、誰だって困惑するだろう。どうしてこの手の物語は、どこかに「欠け」がある人同士の対立となるんだろうか。まあ、「欠け」のない人同士の物語を盛り上げるには、製作者が頭良くないと駄目ってのはある。だから頭の良い人同士の物語で面白いものは、とても少ない。多くの製作者は、登場人物の頭の悪さに頼らざるを得ないのだ。

 地震被災地である能登を舞台にするなら、もっと別の物語があった筈だ。家族関係を描くなら、そこには夫の姿も必要だった。海外出張で不在なら不在で、その不在を嘆く展開が必要だった。それがなくて、「強い花嫁」を描こうとして、「派遣社員」に「広告代理店」を使う。
 しかし、さすがに女性ばかりで物語は作れず、近所に住む男性陣も物語に貢献する。夫が不在で、その不満も描かれないのには、他の男性が代わりに頑張っているからだ。これ、どう考えてもおかしい。何でそんな変な構造にしたんだろう?
 素直に考えれば――夫不在で妻が嘆き、仕方なく夫が出張から帰ってきた挙句に夫婦間不和が生じ、離婚騒動と故郷へ戻るイベントが発生――という展開があってもいいだろうに。
 夫不在のまま家族問題を語る『能登の花ヨメ』は、これまた女性をターゲットにした映画作りとなっているのだろう。震災復興映画であっても、女性をターゲットにしなきゃいけなくて、しかもそれが欠損映画なんだよね。同じ震災復興映画でも、『ありがとう』にあって『能登の花ヨメ』にないのは、ちゃんとした家族間の物語だ。それもなしに復興なんて、あり得ないと思うんだけど。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 能登の花ヨメ

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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