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2008-07-13

『ランボー 最後の戦場』は夏の夜空を彩るゴミクズヒューマニズム映画

 『ランボー 最後の戦場』を観た。これから暑くなる夏に向け、今観ておくべき映画だ。いや、夏真っ盛りに観るべき映画だ。できれば野外上映なんかが好ましい。
 デートなんかで、「真っ赤に飛び散る打ち上げ花火みたいな映像がたくさん見られる素敵な映画」とかいって誘いたくなる映画だ。

 夏といえば、花火。花火といえば、炸裂。炸裂といえば……死デス! 花火のように人間が、「ズッパーン! ドッバーン!」と炸裂して死にまくる映画、それが『ランボー 最後の戦場』! しかも! 物凄い大量の花火(死)がスクリーンを彩る! 気前良すぎて、「た~まや~、か~ぎや~」とでも合いの手を入れたくなる程だ。『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の最後の場面を百倍パワーアップしたようなものだけで作られている、それが『ランボー 最後の戦場』だ!!
 はっきりいって、やり過ぎている。あそこまで残酷に派手に過剰に大量に殺さなくてもいいんじゃないか、とは思う。しかし、映画たるもの、やり過ぎてナンボだ。『サウスパーク』だって、映画になった暁には、「ビガー、ロンガー、アンカット」と煽ってたじゃないか。大きなスクリーンで観るんだもの、TVなんかじゃ絶対に味わえないようなものを見たいじゃないか。『ランボー 最後の戦場』は、正にそれ。今のTVじゃ放送できそうにないくらい、これが最後と思ったからか、やりたい放題だ。
 
 と、ここまでの文章では、何かとんでもなく恐ろしい映画のように思えてしまうが(実際、そうなんだけど)、一応は社会政治的な批判も込められている。
 冒頭のオープニングクレジットで、ミャンマー政府の非道ぶりが次々と映される。作り物でなく、ニュース映像をコラージュしたものだ。日本人なら忘れ難い、あの長井さんの映像もある。そのコラージュでは、映画なんて所詮は作り物だ、と思わせるくらいの凄惨な映像が映り続ける。ミャンマー政府の非道ぶりは知っているけど、ここまでとは――そう思ってしまう。ミャンマー政府の駄目さは、今年のサイクロン災害で世界中に轟き渡った。同時期に四川地震があり、それに対して中国がかなりちゃんとした対応をしたことで世界の批判をかわしたの正反対に。
 事実を前にしてしまえば、どれだけ精巧に迫力たっぷりに作ったところで、作り物は所詮は紛い物。9.11テロが映画の表現を変えてしまったように、事実の威力は凄まじい。しかし逆に、事実があそこまで凄まじいなら、作り物はもっと凄まじくしてもいいんじゃない? スティーヴン・スピルバーグ監督は、世界で最もその点に意識的な映画人だ。『プライベート・ライアン』以降で見ると、『ランボー 最後の戦場』は最強だ。
 冒頭のミャンマー政府の非道ぶりは、これから始まる派手な殺戮ショーに対する免罪符だ。「これから罪のない人々が山ほど殺されますが、それは事実なのです。ランボーも山ほど殺しますけど、それは殺されても仕方ない人間のクズばっかなのです――」と、冒頭の数分間で陳謝したも同然。『プライベート・ライアン』が、スプラッター描写を極めても、「これが事実なのだ」といわれれば真面目な映画に見えるのと同様。ランボーの行いも、水戸黄門が行っている成敗と同じなのだ。天網恢々疎にして漏らさず。国際社会や神が見放しても、ランボー様は黙っちゃいない。正義の鉄槌を下すのだ。

 社会政治的なメッセージは、シリーズ全てにあった。暴れるのには理由がいるのだ。ちゃんとした理由もなく暴れたら、それは単なる超凶悪犯罪者だし。その超凶悪ぶりが、今作はシリーズ最凶なわけだけど。『フレディvsジェイソン』ならず、『フレディ&ジェイソンvsランボー』でも作れそうなくらいにカタルシスは最強だ(作ってくれないかな?)。
 それだけに最後、ランボーがようやく父親のいる故郷へと帰る場面は、取って付けたようにしか思えないけど、感動的だ。『キャリー』や『13日の金曜日』の最後みたいに、いきなりどんでん返しがあるのじゃないかと疑うくらいに
 でも考えると、今回のランボーの行いって、美女に口説かれただけなんだよね。協力して、って。暴力に非暴力で対抗しようとしている先進国の馬鹿どもなんて勝手に死ねとか思ってたくせに、美女に助けてくれといわれればコロッと態度を変えてしまう辺り、ランボーさんはとっても純粋なんだろう。だから『ランボー 最後の戦場』が本当に伝えたかったこと、それは「異性の甘い誘惑には要注意!」なのかもしれない。

 それにしても、正直いってシルベスター・スタローンさんを侮っていた。人気が落ちたから、起死回生として「ロッキー」と「ランボー」というネームバリューに頼るしかなかった。しかし、『ロッキー・ザ・ファイナル』でロッキー顔負けに見事な返り咲きを果たした(『ロッキー5』の駄作っぷりが嘘のような)。
 考えれば『ロッキー』自体、スタローンさん自身の映画だった。スタローンさんは、脚本まで担当して作る映画では、自己投影してきた部分がある。『ランボー 最後の戦場』は、その意味で、鬱憤晴らしをしたのかもしれない。この数年間、鳴かず飛ばずにいた鬱憤を。
 穏やかな結末を迎えた今作は、邦題が「最後」となっているけど、別に完結篇ってわけじゃないので、今後も盛大に鬱憤晴らしをしてほしいものだ。日本人的には、やはり北朝鮮とかになるんだろうけど(軍人を大量殺戮して拍手喝采されそうな国って他にないし)……できれば、『13日の金曜日』シリーズの最新作を、是非ともスタローンさんに監督してもらいたい。今やスタローンさん以上にジェイソンをカッコ良く撮れる人はいないだろう。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : ランボー最後の戦場

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ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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