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2008-04-30

『映画秘宝』がいう「まともな映画」って何だ?

 本屋で『映画秘宝』の最新号(6月号)を立ち読み。
 あ、前回の記事と少し内容が被っている特集が組まれている。『Hot Fuzz』に絡めた「映画奪還作戦!」というのがそれ。そこに書かれている「まともな映画が観られなくなった5つの理由」という記事に、少し疑問。

 基本的に書いてある内容は納得できるんだけど、「まともな映画」って何さ? シネコンでかかっている「海賊が出てくる映画」や「ファンタジー3部作」や「TVドラマの映画版」や「漫画の映画版」は「まともな映画」でないと?
 『映画秘宝』は、かなりの割合で上記部類に入る映画を扱ってないか? 『Hot Fuzz』なんて、アホみたいなシネコン映画をネタにしているってのに、それも否定すんのか? ミニシアター系の映画をコケにしているくせに、何が「まともな映画」だよ。ゾンビ万歳、ブルース・リー万歳と年中いっている方が余程まともじゃない。
 それにだ、『映画秘宝』の去年(2007年度)のベスト10は、『Hot Fuzz』を除けば、全部シネコンでかかってた映画じゃないか。確か、ベスト30までの8割はシネコンで観られる映画だった筈だ。それなら別にシネコンだけでいーじゃん。なーにが「まともな映画が観られない」だよ。
 私からするとボッタクリ映画の『少林少女』も、確か『映画秘宝』でインタビューや記事を掲載してなかったか? 自分とこでボッタクリ映画を扱っておきながら、「まともな映画が観られない」などと被害者面しちゃって。

 見るべき映画がスポイルされている、というけど、実際は「観なくてもいい映画」が多すぎるのが問題なんだよね。バブルってのはそーゆーもんなんだし。
 優秀なものとそうでないものを見分けるのは、難しい。有象無象の映画の中から傑作を見つけるのは、結局のところ数をこなすしかない。数をこなすには、鑑賞料金が高い。高いから、レンタルを頼ったりする。コストもリスクも低いレンタルを頼れば、鑑賞能力の質も低下する――わけないよね。むしろ、育てることになる。だってさ、『映画秘宝』のライターや読者は、ビデオやDVDで昔の映画なんかを「勉強」している筈だもん。
 安易な方へ観客が流れたからといって、それが観客の質低下に直接繋がるわけではない。実際、私だってビデオレンタル店が普及し始めた頃、貪るように昔の名作・傑作、カルト映画を借りて観た。それが蓄積されて、映画の質を見分ける能力となっている。でも、それと映画館で観る観ないは関係ない話だ。

 全米大ヒット映画でも日本で映画館公開されないのは、やはり日本では売れないと想定されるからでしょ? 売れないと想定されるのは、日本人は高い鑑賞料金を払ってコメディやアクションやホラーや社会政治ものなんかを観たいなと思わない人が多数だからだ。高い鑑賞料金を払うなら、どうせなら「あー、観てよかった。感動したー」と感動を持って帰りたい(お得感を味わいたい)人が多数だからだ。ならば、そこを狙って利益を上げようとするのは会社としては当然の行為。気に入らないけど、どうしようもない。『映画秘宝』だって、アイドルのインタビュー記事とか載せてるのは、いわゆる「大人の事情」なんだし。マーケティングを優先するのは、何の問題もない。製作委員会の話は、ついでに出た愚痴って感じで、「まともな映画が観られない」には関係なし。
 となると出来ることは、自主上映や、上映運動、自力で観客を動員するしかないでしょ。『映画秘宝』自身で配給を行うとか、影響力のある人が引き上げるしかないんじゃないか。「2ちゃんねる」なんかで集客を煽るとか。そーでもしないと、「観られるべき映画」が観られない状況は変えられない。
 また、鑑賞料金が下がれば、観客動員は増えるかもしれない。でも、それで観客の質は上がるだろうか? 上がるわけがない。今も昔も、ちっとも「わかってない」観客はたくさんいるし、プロの映画評論家にもそんなのはいくらでもいる。

 個人的に今の状況は、ネットのお陰で、海外の物凄くマイナーな映画でも通販で簡単に買うことが可能なので、昔よりも好ましいと思っている。駄目な映画が公開されて傑作が公開されない状況は、確かに嫌だけど、それでも昔よりはいいと思う。第一、田舎町に住む者からすると、昔も今も大差ないんだよね。
 唯一気に入らない点があるとしたら、シネコンの「入場制限」くらい。立ち見は断られるし、完全入れ替え制だし。昔の映画館みたく、そこら辺がルーズになってくれれば、とんでもなく幸せなんだけど。「映画を体験」できない人が増えたのは、そこも大いに関係するでしょ。

 映画が奪われている――それを考えるには、まずは「映画は誰のもの」なのか、そこから議論を始めないと意味ないんじゃないか。いや、議論の余地がないことではあるけど、『会社は誰のものか』みたいなアホな話が出る可能性が高い。それは「映画が奪われている」を考えるのに、結構役立つ話になるとも思う。「まともな映画」は、その後に考えるべきエゴだと思うんだ。
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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : 映画秘宝

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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