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2007-10-07

田中フミヤ 『via』

 テクノDJの田中フミヤ『via』が凄い。彼のプレイを記録したDJミックスDVDだ。
 今までにもジェフ・ミルズ『エキシビジョニスト・ア・ジェフ・ミルズ・ミックス』、リッチー・ホウティン『トランジションズ』など、凄いDJプレイを収めたDVDはあったけど、『via』はそれらとは次元の異なる、前代未聞のDJミックスDVDだ。
 何が凄いのか? プレイ中のDJの意識を言語化した点。レコードをかける時、繋ぐ時、ミキサーをいじる時、フロアの反応、他にも色々、その瞬間瞬間に感じ考えていることを口に出し、記録する。それにより、プレイ中のDJの意識の流れを明確化しようとする試みなのだ。つまり、一言でいうと、
 独り言プレイ!!!!!
 独り言プレイ……こう書くと何か変態チックで面白い。実際、面白いのだ。かかっている音楽はカッコイイし、フミヤさんのプレイスタイルもストイックでカッコイイ。が、ブツブツ呟いている。正直、凄ぇおかしい。 

 呟いている内容ってのが、
 「低音域のグルーヴをこのままキープ」
 「フロアの反応に注意する」
 「次の選曲に注意する」
この3パターン。最も頻繁に出るのが「低域をこのまま」。他にも、プレイをどのように心がければ良いかわかるようなものもあり、初心者DJの教習用に使えるかもしれない。
 個人的にウケたのが、
 「お客さんの反応が今いちなので、ムードを変えたいと思います」
という呟き。言い訳です。しかもなぜか丁寧語です。

 漫画やアニメで、一瞬の出来事を引き伸ばして描くことがある。特にスポーツものはそれが顕著で、野球漫画なんかじゃ投手が投げて打者が打つまでを連載2回分使って描くことがある。その間、登場人物たちは、投げられる球種の解説をしたり、様々なドラマを展開したり。実際には2、3秒の出来事なのに。映画『マトリックス』でも、弾丸の球をゆっくり避けたりする。
 あの間延びした感じ、『via』を見ていると、それを感じる。言語化するってのは、そーゆーことなんだ。面白いな。

 プレイ中の意識の流れを言語化する……これ、凄い発想じゃないか! とフミヤさんは思ったろう。でも実際にやってみると、案外大したこと喋れんな、と思ったろう。行動は、無意識下でパターン化されているから、何も考えずに行っていることの方が多い。だから、大したこと考えてないってことは、それだけプレイに集中しているってことでもある。
 だって、視覚、聴覚、脳に入ってくる外部情報によって普通ならもっと色々考えるだろう。「あ、あの女の子カワイイな」とか、「この曲いいよなー!」とか、「あ、やべ、客全然盛り上がってない」とか、「やっべ! 客と一緒になって盛り上がってたら次のレコード選べてねぇ! 今かかってる曲、もう終わりそうだよ!」とか、色々と雑念が混じってしまうよ、私は。
 それなのに、フミヤさんにはそれがない。意識して呟かないのか、集中しているから全く雑念がないのか、それはわからない。わからないが、集中しているからこそ出てくる呟きもある。
 「全体の流れの中、ここで変化を付ける」
 
 DJは、2種類に大別できる。最初から構成を決めてプレイするタイプと、その場の雰囲気でいくらでもプレイ構成を変えるタイプと。フミヤさんは後者だ。よく「レコードがその場に選ばれるようなプレイをしたい」と発言していることからも、それがわかる。だから、自分の意識の流れを言語化してみようと思ったのだろう。
 石野卓球さんが、『via』についてこんなコメントをしている。
 「飛行機の操縦席に乗れる感じ」

 独り言DJ、間違いなく画期的。エンターテイメントとしても素晴らしい。ジェフ・ミルズにだって負けてない。つか、並ぶものがない。新しいジャンルかもしれない。同じことは2度とできないだろうけど。

※本人のHPのNEWSから「DVD "via" released」をクリックすると、ダイジェスト映像が見られるページに行けるので、参考に

    
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プロフィール

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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