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2012-10-08

<カナザワ映画祭2012 XXX>8日目(9/21)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の8日目です。
 待ちに待ったといいますか、遂に来てしまったといいますか、最終日です。長いようであっという間の映画だらけの1週間が終わります。その有終の美を飾るのは、『ルパン三世 死の翼アルバトロス』、『瓶詰め地獄』、『地下幻燈劇画 少女椿』の3本。正直、どの作品にも大した期待は抱いておらず、『地下幻燈劇画 少女椿』が何やら趣向を凝らした上映を行うのが興味津々という程度でした。
 が。

 『ルパン三世 死の翼アルバトロス』は、無料上映だからか、物凄い客数で、シネモンドの収容人数を超えていました。立ち観だけでなく、スクリーンの真ん前や中央通路で体育座り観まで出る状態。壁際の通路もみんな埋まりました。シネモンドがここまで満員になったのを初めて見ました。早めに到着して待っていて良かったです(余裕で座れたし)。
 作品は、<カナザワ映画祭2012 XXX>のメインビジュアルイメージに起用されただけはあり、素晴らしい出来でした。映画祭のパンフレットに記載されていた「セル画9,000枚」や「不二子の裸らけ」という煽りを遥かに遥かに上回る素晴らしさで、初見の作品だったこともあり、鳥肌の立つような感動を味わいました。
 物語は、原爆の発火プラグを巡る攻防劇です。ルパン一味ののんびりした食事(すき焼き)の場面から始まり、そこへ謎の組織に追われている不二子が闖入し、現場をメッチャクチャにして逃走、ルパン一味も訳も分からずに逃走する羽目に陥ります。物語はいきなり全力疾走で始まるのです。原爆とその発火プラグで商売を目論む悪の組織に拉致された不二子を助けるため、そして敵の目論みをぶち壊すため、ルパン一味が奮闘します。そこへお馴染み銭型警部も加わり、大騒動。激走、飛躍、飛行、空中戦、と宮崎監督ならではの動きが満載。もちろん不二子も半裸で大活躍なので、チラリズムも満載。
 24分間という短さに収まっていることが脅威の展開。登場人物の造形が隅々まで説明済みのシリーズ作品だからこそ可能な省略の妙。作画枚数が通常のTVアニメの倍になったというのも納得の画面の密度と躍動感。至福の24分間でした。
 次元の「俺ぁ放射能とニンニクは嫌いなんだよ!」という台詞には笑えました。もちろんこれを知っていて作品を選定したのでしょう。タイムリー。

 『瓶詰め地獄』は、題名がやたらと期待感を煽りますし、『ルパン三世 死の翼アルバトロス』の興奮も継続中でしたから興奮気味で観ましたが……半分以上、寝ました。またかー。
 寝たからよくわかりませんが、ほのぼのとした近親相姦の物語で、「地獄」って感じではありませんでした。孤島の別荘に兄妹と兄の婚約者の3人で旅行に訪れ――既にこの時点で寝てしまい、気付いたら場面は終盤の砂浜で――婚約者をでっかい瓶に詰め込んで、兄妹で見せつけるようにして青姦して、婚約者を詰めた大きな瓶を海に流して、「助けをよろしくねー」って終わり。
 元々の夢野久作さんの原作は奇想話というべき異様な作品ではありましたが……映画の方は単にアホみたいな作品で、ヤバい人に変な刺激を与えるとロクなことにならない、って話でしたね。なるほど納得です。「瓶」はどうでも良いし、「地獄」ではなかったし。

 さあ、遂にクロージング作品の『地下幻燈劇画 少女椿』の登場です。というか、すっごい行列ができていて驚いた! シネモンドを中心にして左右に分かれて行列が出来ており、200人近くいたかも。『ルパン三世 死の翼アルバトロス』より多いような……シネモンドの座席は100人分くらいだったと思いますので、これまた明らかな収容人数超過。
 <カナザワ映画祭2012 XXX>から採用された「サポーター優先入場」という特典、これを本日この瞬間ほど有難いと感じたことはありませんでした。というのも朝、出勤直前に、かなざわ映画の会のサイトにて、「問い合わせ多数のため、当日10時からシネモンドにて入場整理券を配布します。かなざわ映画の会サポーターの方は、『地下幻燈劇画・少女椿』に限り、シネモンドでも優先的にご入場いただけます」との告知を見ていましたので、行列が出来ていても困らなかったからです。見てなかったら、行列を前にして途方に暮れていたでしょう。
 ふっふっふー、と優越感たっぷりに入場したら、驚きました。劇場内に謎のデコレーションが!?
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 トイレットペーパーや毛糸やリボンが辺り一面にまき散らされており、な、何じゃこれは……と訝しみつつ最前列の中央通路側の座席に座って前を向いたら、目前のステージに謎のボンテージ美女が――
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 艶やかに舞い踊ってますー!?
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 この見事な肢体、見事な舞いは、野外上映時にポールダンスをご披露して下さったKAORIさんですよね? こ、今年の<カナザワ映画祭>は何というサービスっぷりなのでしょうかー!
 他にも仮装キャラが劇場内にウロウロしており、楽器を鳴らしてたりしてました。キツネさんもいました。背後の亡霊みたいなの超怖いんスけど。
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 上映開始までずーっとKAORIさんはステージで艶めかしく舞っておりまして――というか、上映開始まで30分くらいかかりました。来客数が多いため、とにかく劇場内に詰め込めるだけ詰め込もうとして、入場を完了させるのに時間がかかったようです。詰め地獄、ですな。ま、最初から予想していたのでしょうが。
 さて、肝心の作品ですが……とりあえず物語は、TVじゃ絶対に放送できないでしょうけど、ヤバいってほどのものではありません。薄幸の少女が散々な目に遭い、ようやく幸せを掴んだかと思うと、やっぱ不幸なままで終わる、という絶望的な内容です。
 病弱な母を助けるために花売りをする主人公・みどり。みどりの頑張りも虚しく、母はネズミに全身をかじられて死んでしまった。そこを見世物小屋の親方に拾われ、「奇形人間」の芸人にこき使われる。そこへ幻術使いの小人・ワンダー正光が訪れ、みどりと相思相愛になる。みどりはワンダー正光と幸せな未来を築こうと見世物小屋を出て行く。しかし、ワンダー正光は全く関係ない事件に巻き込まれて殺されてしまう。それを知らないみどりは、ワンダー正光を待ち続け、街中を探すが――
 丸尾末広さんの個性的過ぎる絵柄、淫猥と純真と残酷の同居、『北斗の拳』を超える人体破壊描写、J・A・シーザーさんの大袈裟な音楽、最後の繰り返される不条理、その果ての精神崩壊、その全てが強烈に絡み合い、忘れ難い作品に仕上げています。そしてそれを彩る特殊上映!
 今回の上映に巡り会えた皆さんは、方々で語るでしょう。凄かった、と。何だかわからないけど、凄かった。凄いものを観た。こんな映画の魅せ方もあるのか。映画って、面白い、と。作品の強烈さだけを評価するなら、YouTubeでもニコニコ動画でもGoogle動画でも観られますから、ここで特に強調する必要はありません。今回の上映で重要なのは、特殊上映という、ライヴ感。
 上映中に1度、上映がいきなり中断されたかと思うと、フラッシュライトが点滅し、天井からクラッカーみたいなので観客の頭上にリボンや紙吹雪が巻き散らかされ、スクリーン前では紙吹雪が舞い踊り、再び怪しい仮装キャラがぞろりぞろりと登場する――そんな特殊演出が挿入されました。呆気に取られている間に上映は再開。映画を、映画を楽しむことを楽しんでもらおうとアイデアを出し、忘れられない、二度と味わえない映画体験をしてもらおうとした映画祭スタッフの意気込みと悪戯心に感動しました。
 そして――
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 劇場内は大変なことに……ステージ上は、ステージの袖から飛ばした紙吹雪がこんもりと積もり、
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 その下には天井から撒き散らされたリボンが散乱し、
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 座席の上にも紙吹雪が積もり、
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 こんな有様ですよ。
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 さらには、シネモンドを出た109の通路にまで紙吹雪が。たぶん、観客の身体のどこかに付いたままだった紙吹雪が落ちたのでしょう。エレベーターの中にもいくらか落ちていました。
 これらの惨状を見て、スタッフの皆様の御苦労を労わない方はいないでしょう。掃除、大変だったでしょうねぇ……

 本日は、思い返すと、最高の1日だったと思います(『瓶詰め地獄』は寝たけど)。趣向を凝らすっつっても、どんなもんかねぇ、と高を括っていたら想像を軽く超えていました。しかも。
 『ルパン三世 死の翼アルバトロス』では、日本を揺るがす大問題となってる原発問題を間接的に批判しているようで面白く、そして宮崎監督といえば『崖の上のポニョ』です。ポニョといえば、瓶詰めになって宗助に発見されます。で、続く映画は『瓶詰め地獄』です。もしかしたら最後に瓶詰めで海に流された婚約者は、少年に拾われて飼われるのかもしれません。それはそれでそのように妄想すると別の話ができそうです。そして最後の『地下幻燈劇画 少女椿』には、瓶に入ることを特技とするワンダー正光が登場します。
 つまり、本日の3本は、ちゃんと繋がりが考えられているのです! 凄くありませんか!? それだけでなく、見世物小屋映画で始まり(『ショーガール』)、終わる決まりの良さ。こんな深謀を巡らした映画祭は他にないでしょう! ま、偶然かもしれませんが。
 何にしろ、最後にして最高の日となりました。
 あと、劇場内(劇場外も少し)の大惨事の後始末のことを考えると、スタッフの皆様にはご苦労様でしたと感謝の言葉しかありません。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

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プロフィール

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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