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2012-09-20

<カナザワ映画祭2012 XXX>2日目(9/15)

 前日の野外上映について、北國新聞に記事がありまして、それによると集客数は400人くらいだったそうです。そんなにいたの!? 私の見積もりの倍! いやぁ、失礼しました。
 さて、本日からが<カナザワ映画祭2012 XXX>の見所である爆音上映の開始です。今年は何つっても「SEX爆音」ですからね、どれ程に悶え苦しむ音響なのか楽しみです。
 爆音上映を行う主会場の金沢都ホテル・セミナーホールがある都ホテル内にはポスターがあちこちに貼ってあり、それを見るだけで盛り上がります。
k-eigasai-2012-1
 観たのは5本。『丑三つの村』、『』、『スペースバンパイア』、『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』、『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』。

 『丑三つの村』は、諸事情によって上映できなくなった『ヘンリー・ミラーの性生活』の代替作品。ギリギリになって発生する問題もあるのですね。
 有名な「津山30人殺し」を題材とした作品で、古尾谷雅人さんに「皆様方よ、今に見ておれでございますよぉ」、「皆様方よ、さようならでございますよぉ」という2つの名台詞をカメラ目線でいわせる演出の奇妙な味わいが忘れ難き名作です。これから皆殺しを始めようって時に、自分の首を自ら縄で絞めて「うぇー、うぇー、うぇー」とふざけてみせる不快な演出も素晴らしく、<カナザワ映画祭2012 XXX>の本格的な上映第1本目として最適な作品です。
 エロとしての実用性は高くないものの、犯罪ものというか殺戮ものとしての実用性(?)は高く、それは野村芳太郎監督版の『八つ墓村』よりも素晴らしい。古尾谷さんの悪人には決して見えない、身近にいそうな感じのする普通の学生風の演技が殺戮を際立たせているからです。市川崑監督版の方は音響によって迫力を上げていますが、『丑三つの村』には敵いません。やはり「皆様方よ、今に見ておれでございますよぉ」が効いています。
 ただ、爆音上映の効果は全くありませんでしたね。別に<カナザワ映画祭2012 XXX>で観なきゃならない作品でもありませんから、観客数も少なかったように見えました。

 『河』も爆音上映に向いていないと思っていたら、やはり向いていませんでした。映画としては素晴らしい傑作なんですが。
 得体の知れない首の奇病、食事、豪雨、雨漏り、サウナ、ゲイのセックス、親子関係、男女関係、男男関係、それらが整理されることなく、まとまることなく、主に固定画面の長回しで映され続ける『河』は、簡単に説明できる物語もなく、観客を先行き不安なまま最後まで運びます。
 クライマックスのゲイサウナの場面は強烈です。半裸の男たちが溢れているうす暗い通路を主人公は歩き続けます。男たちが個室のドアを開けては閉じ開けては閉じ、ガチャリ、バタン、ガチャリ、バタン、とただその音だけが鳴り響く画面。そしてようやく主人公が見つけた先には、実の父親とのラブシーンが待ち受けています。天井からの小さなライトだけで演出されるそれは、ギリギリまで相手が父親であることを判明させず、妙な緊張感を漲らせています。そして物語は、何も解決しないまま、終わります。
 実に<カナザワ映画祭>らしい作品ですが、爆音上映向きではないためか、やはり観客数は少なかったように見えました。

 『スペースバンパイア』には行列ができていました。皆さん、わかり易いですねぇ。
 ロビーには大きなポスターが貼られていました。隅に欠損がありましたので、どなたかのコレクションを拝借したのでしょう、ありがたやありがたや。
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 題名は「バンパイア」ですけど、実は『スペースゾンビ』といった方が正確な作品で、これは爆音上映向きでした。久しぶりに聴いたヘンリー・マンシーニさんの勇ましいテーマ曲に大興奮! マンシーニさんの作品で他にここまで勇ましいマーチはなかったと思います。初めて観た時、作曲がマンシーニさんだと知って驚きましたからね。とにかく超! 超超超名曲! それを爆音で聴けただけでも観た価値があります。

 子供の頃の記憶のままなので、音楽と枯れた死体と女バンパイアの裸とSFXのカッコ良さしか覚えておらず、どんな物語だったかは忘れており、新鮮な気持ちで観ることができました。そしたら、やはり音楽と枯れた死体と女バンパイアの裸とSFXのカッコ良さだけの作品でした。改めて観るとかなり間延びした作品で、途中で少し寝てしまいました。
 あと、アメリカ版を上映したのか、字幕を新たに作ったようで、字幕のタイミングが全てずれている上に不足が多かったのは、頑張りが足りなかったようですね。
 爆音上映には向いていましたが、<カナザワ映画祭2012 XXX>には向いているとは言い難い作品だと思いました。

 『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』は、鈴木則文監督の作品で、<カナザワ映画祭>お得意のところですね。
 クリスチナ・リンドバーグさんの特集としての上映ですが、やはり池玲子さんのカッコ良さの前ではリンドバーグさんの存在感は弱く、強引に物語に絡めた感が強い。アクションあり、エロは山盛り、展開のテンポも良く、とても面白い作品ですから楽しめることは間違いないのですが。
 今でも鮮烈な画面作りはさすがの鈴木監督作品で、安っぽい作品ではありますが、要所要所での素晴らしい画面がマイナス要素を全て吹き飛ばします。余りの面白さに、エロが邪魔に感じる程。エロが邪魔ってのも申し訳ない感想ですが。
 ようやく<カナザワ映画祭2012 XXX>の本格始動って感じの上映でした。が、やはり爆音上映の効果は殆どなしでした。

 『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』は、中島貞夫監督の作品で、これまた<カナザワ映画祭>お得意のところです。初めて観る作品ですので楽しみにしていたら、予想を遥かに超える物凄く素晴らしい作品でした。
 偶然と勘違いによる出会いと別れ、そう表現してしまうと面白くありませんが、互いが何をいっているのか全くわからない者同士となると、とてもドラマティック。まず、リンドバーグさんの役が何者なのか後半まで判明させないのが巧いです。単なるコメディなのかと思ったら、徐々にドラマの様相が変化し、それはリンドバーグさんが集団レイプされる場面以降、特に顕著となります。何をいっているのかわからない者同士が、傷付け、慰め、心を通わせる。この一連の流れ、脚本が見事です。細かい伏線もちゃんと回収し、主役2人以外の登場人物も少ない描写ながら物語を盛り上げ、動かすことに貢献するよう配置されており、72分という上映時間を何1つ無駄にしていません。
 撮影、セットも素晴らしい。孤独を噛み締める主人公の部屋という主張が見事に表現されています。リンドバーグさんが傷心の末、主人公と橋の上で遭う場面、フォーカスの当て方が見事です。
 リンドバーグさんの清楚な感じも素晴らしいと思いますが、荒木一郎さんの鬱屈とした青年の演技が素晴らしい。
 エロとのバランスも見事。エロなしには表現できない物語です。子供のようなロマンスと夢を、大人の表現でコーティングした大傑作です。
 これも爆音上映の効果があるとは思えず、そこだけが惜しいと思いました。あと、<カナザワ映画祭>お得意の上映事故が発生したのも面白かったです。フィルムをちゃんと巻き戻さないままで上映したようでしたね。上映事故が面白いってのは失礼ですけど。

 『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』上映後はそのまま、リンドバーグさん、中島監督、柳下毅一郎さんの3人よるティーチインに入りました。中島監督のお優しいお顔には和まされ、リンドバーグさんのお美しいお姿には感嘆し、柳下さんには……特に何も感じませんでしたが、楽しいティーチインでした。
 リンドバーグさんは金沢市に来たのは『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』以来40年ぶりだったそうですが、実は実際に金沢市に来たのは初めてだそうです。『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』に金沢市が出ますが、実際の撮影は京都で行ったそうです。映画の中では金沢市にいたことがあるけど、実際に訪れるのは今回が初めてなので、とても不思議な感じ、と仰っていました。ま、そーゆーことは、金沢と京都は共に古都を売りにしていますから、日本のTVドラマや映画の撮影でもよくあることです。
 今、日本で撮った2作品を観ると、暴力場面の印象が強いため、観るのが辛いそうです。しかし、その作品を観るために日本中から若い映画ファンが集い、リンドバーグさんも初めて金沢市に来ることになったわけですから、役者をやって良かった、と。
 中島監督はリンドバーグさんのことを大変絶賛しており、英語を誰も理解できない撮影現場で1人奮闘するリンドバーグさんは、このまま女優だけで終わる女性ではない、と思ったとか。その中島監督がリンドバーグさんの面白いエピソードを語ってくれました。
 今も当時もリンドバーグさんは環境問題とか社会問題にとても強い関心を抱いており、撮影当時の日本は公害が大きな問題となっていたこともあってか、「日本は公害のせいで大気汚染が酷く、日本人はそのため鼻毛がボーボーなってしまい、『鼻毛切りはさみ』なるものが作られているそうですね」と話していたそうです。もしかしてそれ、『ドラえもん』が情報の出所? いや、確か、『ドラえもん』に「大気汚染のせいで未来の人類は鼻毛がボーボーになる」という描写があったと思うのですよ。うーん、どうなんだろう。で、リンドバーグさんの母国スウェーデンには「鼻毛切りはさみ」がないため、是非ともお土産にしたい、と。中島監督も「鼻毛切りはさみ」を知らなかったそうで、探して購入し、リンドバーグさんにプレゼントしたそうです。微笑ましいエピソードです。

 爆音上映の始まった2日目は、『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』が最高でした。こんな作品がDVDにもならずに埋もれて行くかもしれないと思うと、悲しいことです。<カナザワ映画祭>に大感謝ですね。
 あと、会場が21世紀美術館から金沢都ホテル・セミナーホールに移って、劇的に観易さが向上しました。座席数が多い! 座り易い! 飲食物の入手・飲食が容易い! 今後もずっと金沢都ホテル・セミナーホールで開催してほしいと思いましたが、何か、ちょっと寂しい感じもしました。贅沢な愚痴です。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

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ご無沙汰しております。自分は仕事の都合で参加できなかったのです。残念。21美から変わってハシゴしにくそうと思いましたが、確かに都ホテルは座るのが楽でした。(三日目夜参加
プロフィール

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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