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2012-02-08

『フライトナイト/恐怖の夜』は、映画ファン驚愕の作品!

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 何とも無意味に時間が目の前を通り過ぎることがあります。するすると。『フライトナイト/恐怖の夜』の鑑賞は、正にそんな体験でした。
 物語は、いきなり第2話から始まります。いや、そんな感じなのです。初回の話を見逃してしまったような。説明を省くのは結構ですが、省きすぎ。
 主人公チャーリーは、全く「イケてない」男子高校生なのに、「学園のアイドル」な女子高校生エイミーと付き合っています。しかし、どうしてエイミーがチャーリーを好きなのかは不明。チャーリーは、モテたい一心でオタク友達を切り捨てる嫌な奴なのに。全く魅力なし。普通なら、大変な出来事があった後――本作であればヴァンパイア退治後――に付き合うことになるわけですが、最初から付き合ってますから物語は大して盛り上がりません。チャーリーだけでなく、エイミーの魅力も不足しているため、ヴァンパイアに寝取られてもどうでもいいっつーか。何もかもがあっさり気味。
 肝心要の「ヴァンパイアもの」としても中途半端。隣人が本当にヴァンパイアなのか、主人公の勘違いなだけなのか、その疑心暗鬼ぶりが全くなく、あっさりとヴァンパイアであることが判明。チャーリーの元親友であるオタクがあっさりと犠牲に。
 どうでもいいことですが、このオタクを演じるのは、『キック・アス』でレッド・ミストを演じていたクリストファー・ミンツ=プラッセさん。ミンツという可愛い感じの名前と裏腹に、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『ぼくたちの奉仕活動』とオタクな役ばっか演じてます。本作で唯一、好きなキャラクターでした。決して裏切らないオタク仲間です。

 面白くないのは、脚本に責任があると思います。しかし脚本担当のマーティ・ノクソンさんは『バフィー~恋する十字架~』の監督や製作総指揮を担当していたこともある方なので、「学園もの」+「ヴァンパイアもの」はお得意とするところだろうに。「学園のアイドル」のためにオタク友達を切り捨てる嫌な奴が主人公ですから、その点に集中して「学園もの」部分を練り上げるべきだったような。そうしてこそ『フライトナイト』をリメイクする意義があるのではないでしょうか。
 製作担当のマイケル・デ・ルカさんだって、『エルム街の悪夢/ザ・ファイナルナイトメア』や『マスク』、『マウス・オブ・マッドネス』、『ダークシティ』なんかに始まり、『ブレイド』シリーズの製作総指揮までこなしている方ですから、もうちょっと面白くなるように口出しできたような。
 監督のクレイグ・ギレスピーさんは『ラースと、その彼女』で注目を浴びた方です。『ラースと、その彼女』は、独特の世界観を持つ傑作でした。ところが本作では、演出ボロボロ。面白い画面がなく、色気もなく、恐さもない。観客層をどこに絞っているのか明確でない企画のために困ってしまったのか、とても中途半端な出来。

 リメイク元となる『フライトナイト』が公開された当時は、「怪物もの」なんて古臭すぎて、子供心にも「殺人鬼もの」の方が魅力的でした。大袈裟な身振りで登場する「怪物」は、気付くと背後に迫っている殺人鬼の陰に。確かピーター・ヴィンセントの台詞に「最近は殺人鬼ばっかだ」みたいな愚痴があったと思います。殺伐とした、どちらかというと現実味ある方向に恐怖映画が動いていたからこそ、MTV的魅力で果敢に切り込んだのが『フライトナイト』でした。コメディ色が強く、どこにでもいるオタクっぽい男子を主人公にして。
 で、リメイクである本作には「『トワイライト』の観すぎ」みたいな台詞がありますから、やはり主流への反動みたいなものがあったのだと思いますが、同時に「ヴァンパイアもの」が普通に流通している今だからこそ『フライトナイト』みたいなコメディ色の強い作品をリメイクしようと考えたのかもしれません。
 『フライトナイト』が公開された当時、似たような作品に『ドラキュリアン』がありました。こちらもオタク向けでありつつ巧く一般客も取り込んでヒットした作品です。製作総指揮は『2010年』(世界一勇敢な作品!)のピーター・ハイアムズさんで(個人的には『カウチポテト・アドベンチャー』の)、監督が『ガバリン』のフレッド・デッカーさん。SFXがリチャード・エドランドさん(『フライトナイト』も担当してたっけ)。
 両作品に共通するのは、ジャンルそのものを軽くネタにし、オタクから一般層まで狙った脚本の巧さです。それに比べると本作は、中途半端に真面目な展開があるもんだから、面白味がない。

 観ている最中に飽きてしまうような賞味期限切れ作品なのに、その宣伝が、「トゥース!」といういつもの挨拶を「血ぃー吸!」に変えて登場するお笑い芸人オードリー春日さんなのですから、さらにダメダメです。配給会社も売り方に困って迷走気味。
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 「フライトナイト」というより、これじゃ「怪物くん」だよ。

 さてさて、何で「映画ファン驚愕」なのかというと……
 本作の撮影はハビエル・アギーレサロベさん。あのヴィクトル・エリセ監督の『マルメロの陽光』の撮影を担当した方。そんな方が撮ってあの画面なのかと。驚愕ではありませんかね?
 少なくとも見事な画面を作ることができる可能性は高かったのですから、それを考えると、本作の駄目さはギレスピー監督の責任だと思います。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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