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2011-08-15

人の振り見て我が振り直そうか

 金曜日にTV放送されたクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』を観、感心する気持ちと落胆する気持ちの両方を抱きました。『硫黄島からの手紙』は何度も観てますが、いつも同様の気持ちを抱きます。
 感心したのは、これが本当に日本語によってコミュニケーションを行うこともできないアメリカ人監督による作品なのか、という点。落胆したのは、たぶん観た殆どの方が同様の思いを抱くとは思いますが、なぜこれが日本人による作品でないのか、という点。つまりどちらにせよ、日本を倒したアメリカに、下手な日本作品以上の素晴らしい作品を余裕で作られてしまう、という悔しさがあります。
 私の中で『硫黄島からの手紙』は、アメリカ作品なのに、今や日本作品と比較する評価基準となっています。日本人が下手な作品を作ると「日本製なのにアメリカ製の“日本映画”を超えてない」と思ってしまう。『硫黄島からの手紙』は、「アメリカ人による日本映画」ですが、「アメリカ人によるアメリカ映画」でもある、厄介な存在です。『硫黄島からの手紙』以降、『硫黄島からの手紙』を超える日本人が作った素晴らしい戦争映画は未だ存在していません。
 敗戦から、日本は“アメリカ流”を甘んじて受入れてきました。そして今ではそれが意識できないくらいに定着しています。これは考えようによっては、アメリカに文化的な占領を受けたようなものです。戦争を直に知らない世代は、洗脳されたこともわかりません。

 ところで最近(といっても少し遅い話題)、高岡蒼甫さんという俳優が、韓国製TVドラマの過剰な隆盛から今日の日本を心配した発言(ツイート)をし、それが余計な騒動に発展したそうです。
 高岡さんは、日本――特にフジTV――が余りに親韓すぎるのではないか、と疑問を呈しました。その発言が話題となり、現実に反韓運動が始まりました。韓国製TVドラマ放送枠のスポンサー商品をAmazonにて事実無根の非難レビューし、それが多数(1人で何人分も兼ねているだけかもしれないけど)の賛同を得る、という異常事態が発生。花王の製品が標的になったようで、レビューを見ると酷いこと酷いこと。非難レビューのためだけにアカウントを取得したのか、レビュー1件のみのレビュアーや花王商品の非難レビューのみのレビュアーが何人もいます。で、それにたくさん「参考になった」が付いているので、レビュアー・ランキングも中位以上に入っています。また実際にフジTVを標的にした抗議活動も行われました。
 
 韓国製TVドラマが嫌ならTVを観ないかチャンネルを替えれば良いだけ、と単純に思います。どんなボロいTVにもチャンネルを替える機能はあると思うのですが、意外とないものなのでしょうか? それとも壊れたTVを使っている方が多いのでしょうか? 壊れていてフジTVしか観られないのであれば、確かに韓国製ドラマばかり放送されるのは困ったことです。しかしそれであれば、問題になるのはTVそのものなので、放送局が悪い、ということにはなりません。
 その前に、本当に韓国製TVドラマが危機感を抱く程に氾濫しているのでしょうか? 私の地方では、朝~昼過ぎにかけて毎日、韓国製TVドラマが放送されていますが、多いと感じる程ではありません。時間帯からすれば、夕方にかけて家にいる方に向けて放送されているものと思われます。つまり、主婦向けが主流なのではないでしょうか。夕方を過ぎると韓国作品は殆ど観られませんから、多いと感じることは全くありません。ただ、映画も韓国作品はここ数年で日本作品以上に目立つようになりました。それはもちろん完成度が高いからです。音楽でもいわゆるK-POPが台頭し、日本のヒットチャート上位に入ることは普通になってきました。韓国作品が目立っているのは確かです。
 昔から「洋楽」「洋画」を楽しんできた私にとっては、なぜ今さら近隣アジアの時代遅れ感溢れる作品が盛り上がっているのか不思議でなりませんが、少なくとも完成度の高い作品が選別されて韓国から輸入されていることは間違いありません。AKB関連よりは少女時代KARAの方が音楽として面白いと思います。

 私は十年前くらいからTV番組を殆ど観なくなりました。お笑い番組が大好きだったのですが、製作費の問題からか、漫才やコントがTV番組から減少し、お笑い芸人が司会者やコメント機能として便利に消費されるようになってから、徐々にTV放送を観なくなりました。ビートたけしさんが事故後に復帰した時期から、だったかもしれません。
 嫌悪すべきは今のTV番組の作り方です。確かにTV局が非難されるべき問題だと思いますが、韓流ドラマなんてどーでも良い部分です。韓流ドラマの放送が今回の騒動でなくなったとして、良質のTV番組が残るでしょうか?
 まずは日本人による日本人向け番組の体たらくを心配すべきです。あんな番組ばかりを観ている方々が日本を担うことになると思うと――いや、担うわけがありませんね。日本を真の意味で担うような役職に就く方々は、今のTV番組を観るわけがありません。今は皇太子妃である紀子さまは、川嶋家であった頃、TVを観ないで育った、とお聞きしました。川嶋家にはTVが置いてなかったそうです。これこそが教育であり、洗脳です。偉くなろうと思うなら、TVなんぞは不要である。それくらいの意気込みが必要です。

 そもそも、今さら本当に韓国から洗脳されるのでしょうか? 色んな主義主張があり、趣味趣向があり、今は韓国作品が好まれているだけのことではないのでしょうか? 元々、日本作品をバカにしていたような「洋楽」「洋画」好きの私からすると、日本作品が見下されるようにして韓国作品が台頭することに大した疑問はありませんし、別にどうでもいいことです。それで日本作品の傑作がなくなるわけでもありませんし、韓国作品に刺激を受けて日本作品が良くなることもあるでしょうし。
 ですから過激にいってしまえば、韓国作品に洗脳される方は、元からその程度の知性しか持ってない、ということです。となると今度は、「韓国に洗脳されることは悪いことなのか?」という疑問が出てきます。
 今の日本のTV番組レベルだけで考えれば、韓国産のTV番組が面白ければ、韓国作品の放送枠が増えることに何一つ問題ありません。それに、日本人は本当に韓国から学ぶことはないのでしょうか? 日本は韓国から何一つ学ぶことがないくらいに優れているのでしょうか? まずはそこから考えるべきだと思うのです。

 こないだ『メアリー&マックス』というクレイアニメーションの映画を観、とても感動しました。出来損ないの私は、終盤のマックスの独白に涙が止まりませんでした。
 人は、自分らしい自分になろうと努力します。しかし、「自分らしさ」とは何か、それがまずわかりません。自分の考える「自分らしさ」は、他人から望まれている自分なのか、憧れている自分なのか。「自分らしさ」なんて曖昧な自己は、「なりたい自分」でしかないのかもしれません。それも他人がいて初めて規定できる基準です。
 マックスはいいます。欠点は選べない。ですから、欠点を含めた自分を受け入れよう。その通りです。完璧な人はいないのです。どんな障害を抱えていても、それを含めて個性と受け入れることが大切です。しかし、それは大変なことです。みんなそれができないから死ぬまで苦労します。

 大好きなコーマック・マーッカーシーさんの『血と暴力の国』に、こんな文章があります。

 人は自分の望みを知ってるつもりでいるが実際にはたいてい知らないもんだ。運がよければ望みがかなうこともある。(…)
 人はよくいわれのないひどい目にあってると文句を言うが自分の身に起こったいいことについてはあまり話さない。そんないいことが起きたのは自分が何をしたおかげかというようなことは。おれは神様からこんなに微笑みかけてもらえるほどいいことをした覚えはない。でも神様は微笑みかけてくれたんだ。


 アメリカにはとっくの昔から洗脳されるているようなもので、今さらそれを「洗脳されている」とか非難しても意味ありません。アメリカ相手だとそう考えることはできても、近隣アジア相手だと近親憎悪なのでしょうか、過剰反応する。東日本大震災後のTV番組の体たらくを思い出せば、韓国製TVドラマのことなんてどうでも良いレベルの話です。
 しかし、それでも、私にもTVには楽しい記憶がたくさんあります。TV番組を観るのが何よりもの楽しみだった時期もありました。韓国作品にも、「何でこれを日本は作れないのだ」と悔しくなる作品が何作もあります。情報が溢れいてる現代、洗脳されるには、洗脳する側が優れている必要があります。優れているし、憧れてしまうから、洗脳されるのでしょう。韓国作品にそれはまだないと思うのです。アメリカ作品には……『硫黄島からの手紙』があります。それ以前に、羨ましくなる面白い娯楽映画がたくさんあります。今の日本の政治を考えると、羨ましいと思うことはあります。同時に、アメリカのようになりたくはない、と思うことも多々あります。
 韓国作品――韓国文化に洗脳されると考えた方々は、日本文化をどの程度理解し、愛しているのでしょうか。そんな心配をする前に、今の充実した多様性のあるこの時代を楽しむ方が建設的だと思います。色んな文化を取り入れて大きく寛容になる――そんな日本文化であれば良いと思うのですが。そして、「自分がその担い手になる」と世間の洗脳を解除するべくポジティヴに頑張った方が良いと。
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Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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