--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-07-13

映画検定によって育つものと育たないもの

 映画館には上映予定作品のチラシ置き場が必ずあります。観たいものがあればとりあえず持ち帰ります。それでじっくりと読むかというと、殆ど読まずに放置してあります。持ち帰った作品を必ず観るわけでもないのですが、持ち帰ると何となく安心するのです。
 持ち帰ったチラシは、捨てるものもあれば、捨てずに保管してあるものもあります。基本的に観た作品のチラシは捨ててしまうので、保管しているのは観たことのない作品ばかりとなります。部屋の掃除をしている際にそれらを見ると、はぁ~、とため息。観たかったなぁ、と。

 チラシ置き場には、チラシ以外に広告みたいなものもたくさん置いてあります。その中の1つに、「映画検定」なる試験の申込書を見つけました。キネマ旬報が主宰しているらしい試験です。映画力を測る試験で、これを受けることによって映画をもっと楽しめるそうです。
 申込書には、4~1級の例題が1問ずつ載っていました。

4級問題 映画ファン入門コース

次の3本の作品に出演した人物として適切なものを(ア)~(エ)より選びなさい。
「ディア・ドクター」「おとうと」「私は貝になりたい」
(ア)笑福亭鶴瓶 (イ)中居正広 (ウ)浅野忠信 (エ)笹野高史

3級問題 映画ファン初級コース

以下の(ア)~(エ)は、兄弟を描いた作品タイトルと兄弟役を演じた俳優を組み合わせたものであるが、間違っているものが一つある。それを選びなさい。
(ア)「なくもんか」…堤真一×阿部サダヲ (イ)「重力ピエロ」…加瀬亮×岡田将生 (ウ)「間宮兄弟」…佐々木蔵之介×塚地武雅 (エ)「手紙」…玉山鉄二×山田孝之

2級問題 映画ファン上級コース

実際の殺人事件をモチーフに、風俗店を経営する元刑事と連続猟奇殺人犯との緊迫した攻防をスリリングに描いた韓国映画「チェイサー」。新人ながら、巧妙な脚本とパワフルな演出で話題となったこの作品を監督した人物名を以下の(ア)~(エ)から選びなさい。
(ア)ナ・ホンジン (イ)パク・チャヌク (ウ)クァク・ジェヨン (エ)キム・ジウン

1級問題 映画ファン達人コース

1950年代、赤狩り旋風が巻き起こった時にブラックリストに載ったある監督が、亡命直前にフリッツ・ラングの「M」をリメイクした。この監督は誰か、以下の(ア)~(エ)から選びなさい。
(ア)フレッド・ジンネマン (イ)ロバート・アルドリッチ (ウ)ジョセフ・ロージー (エ)ジュールス・ダッシン

 正直、これで映画ファンの実力を測れるとは思えません。

 世には色んな試験があり、今はご当地検定なるもが人気です。私の母は、ご当地検定である「金沢検定」を受け、初級は合格し、現在、中級合格に向かって勉強に励んでいます。問題集を購入し、予習復習。今じゃ一端の金沢通です。しかしその「金沢通」は、豆知識的なのです。
 たとえば、泉鏡花の作品の登場人物名は答えられても、作品の面白さを知りません。試験に出題されるような豆知識はたくさん所持していても、その元となる作品は全く知らない。ゆえに母は、「歴史関連の問題は好きだけど、文学関連の問題は苦手」だそうです。ならば作品を読めば良いのですが、試験に合格したいだけなので、「面倒臭い」ということで作品を手にすることはありません。
 何か、無意味だなぁ、と思いました。

 また、世にはオタクやマニアがたくさん存在します。その質は初心者から上級者まで分けられ、自分はどこら辺に位置するのか、と気になる人がたくさんいるのでしょう。「○○検定」なるものが人気なのも当然です。しかし、オタクやマニアの質を測る基準は、育ちの良さだけだと思います。
 育ちの良さを測る簡単な条件は、知らないことを知らないと認められるかどうか。育ちの悪い成り上がってきたオタクやマニアは、自分の知らないことを認めないと思います。専門分野に詳しいのがオタクやマニアの前提である以上、知らないことは恥です。成り上がりオタクやマニアにとって、「知らない」という恥をかくことは我慢できないと思います。しかし、育ちの良いオタクやマニアは、知らないことを平気で知らないといえる。
 育ちの良さは、生活環境の裕福さと無関係です。幼少期からオタク的、マニア的なるものを享受できる環境(運命)にあった人を、私は「育ちが良い」と思っています。貧乏でも、親の仕事の関係から映画館に入り浸っていることはあります(私はそのタイプ)。気付いたらオタクやマニアですから、その人の生きた歴史そのものがオタクやマニアの知識です。となれば、知らないことは知らない。また、知らないことを知る必要を感じない。知ることは、知る機会があれば自ずと訪れるからです。
 育ちの良いオタクやマニアと育ちの悪いオタクやマニア、どちらが優れているか、知識量だけで判断すれば後者でしょう。しかし、作品の質を見抜く力は、前者にあると思います。もちろん例外はあります。ありますが、幼少期より当たり前に大量の作品と接して無自覚にオタクやマニアとなった者と、自覚的に成り上がってオタクやマニアになった者には、気持ちのゆとりに関して大きな差があると思います。

 映画検定の話に戻ります。
 映画検定の存在は以前から知っていましたが、どのような問題が出題されるのかは知りませんでした。本屋に行くと、映画検定用の参考書まで売っていました。それを予習復習することで、映画検定に合格することができるのかもしれません。しかし、それで?
 映画検定の申込書には、「映画を知って、もっと映画を楽しもう!」と書かれていました。

映画について知れば知るほど、映画は楽しいものになります。映画の歴史・作品・俳優・スタッフ・業界などの知識をはかる「映画検定」が映画文化の継承に役立ち、娯楽映画から芸術映画までより多くの映画を、より多くの人たちに見てもらえるよう願っています。

果たしてそうでしょうか? 映画検定を立ち上げるより、もっと別に方法があるのではないでしょうか? 確かに、映画検定がきっかけとなってもっと映画に夢中になることはあるでしょう。知らないことを知るきっかけになるでしょう。しかし、必ずしもそうであるとは思えません。問題集だけの知識で満足する、豆知識の集合で満足する人がたくさん生まれるだけのような気がします。
 なぜ自分は映画ファンになったのか、映画史の中で自分はどのような映画ファンであるのか、そのような歴史認識なしに映画文化の継承はないと思えるのですが。
スポンサーサイト

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

comment

管理者にだけメッセージを送る

日々の楽しみ

北見デリヘル嬢ゆあです。
日々の楽しみを日記にしてま~す。
ふしだらものですがよろしくお願いします♪
プロフィール

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。