--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-05-05

『GANTZ: PERFECT ANSWER』は、途中で答えがどうでもよくなる

gantz
 『GANTZ: PERFECT ANSWER』を観た。
 前作は、「どうせ面白くないだろう」と食わず嫌いから観ていない。しかし、TVで放送していた総集編のようなものを偶然観たら、それが意外と面白そうだったため、これは映画館で観ようと思ったら既に公開終了となっており、本作が始まっていた。前作を観たいと思った理由は、CGの出来が日本の作品にしたら意外と良かったから。ブリキの人形のような田中星人がお気に入りだ。
 原作は、読んではいるが、「週刊ヤングジャンプ」の連載を立ち読みで何となくテキトー読んでいる程度。従って、物語をよくわかってない。「何かよくわからないけど、変な黒い玉に呼ばれて、正体のわからない相手と戦わされている」という程度の理解。
 こんな「GANTZ」初心者の私がいきなり『GANTZ: PERFECT ANSWER』を観て大丈夫なのかと思うが、観たい理由が「面白い戦闘場面を楽しみたい」なので、全く問題なし。なのだけど、「面白い戦闘場面」が思った以上に少なく、かなりガッカリな作品だった。

 物語は、「正体不明の『GANTZ』に選ばれた死者が正体不明の宇宙人と戦わされる」というSFっぽい感じ。最初から最後まで「なぜ?」が付きまとうけど、答えはなし。「PERFECT ANSWER」なんて全く提示されない
 はっきりいって、物語的には全く面白くない。謎を重ねて観客の関心を惹くだけで、解決しようとはしない。1度は死んだ者が別次元で蘇って戦う。そこで死ねば本当に死んでしまうが、再び蘇らせることもできる。つまり、「GANTZ」による敗者復活戦でしかない。理不尽な展開に思えるけど、巧くいけば生き返ることができるのだから、お得だ。所詮は架空世界での戦いなので、瀕死状態でも「GANTZ」の部屋に呼び戻されれば元気になっているのだから、命をかけた恐怖と緊迫感が全くない。その時点で本作が失敗作になることは決定している。
 長期連載を視野に入れた原作なら可能となる物語でも、2時間程度の映画にするには不向きだ。前後編に分けるにしても、物凄く巧くまとめなければ筋を通した面白い物語になるわけがない。前作と合わせて4時間以上あるのに、結局のところよくわからない物語なのだから、明らかに脚本の失敗だろう。
 脚本が悪いのは、原作の脚色に失敗しているからだ。はっきりいって、松山ケンイチさん演じる加藤はいらない。別に物語に何の貢献もしないし。というか、「GANTZ」チームでは、二宮和也さん演じる玄野と田口トモロヲさん演じる鈴木、本郷奏多さん演じる西丈以外は、やられ役として細々いればいいだけで、現状は殆ど目立たない人ばっかだからチームとして見栄えが悪い。そこら辺は思い切って端折る脚色を行えば良かったのに。
 山田孝之さん演じる重田も存在意義を感じない。「GANTZ」や「星人」を調べているようだけど、どーゆーことで「星人」と接触持ってんだ? SFとして機能してないぞ。無駄な登場人物増やして、しかもそれが物語に何の貢献もしていないんだから。ヒロイン(?)である、吉高由里子さん演じる小島もいらない。上映時間を余計に延ばしているだけで、感動も何も呼び起こさない。小鳥の最期なんて、登場人物の誰よりもしぶといんだから、感動するよりも苦笑してしまった。小鳥がターゲットになるのは原作通りなんだけど、その理由が明らかにされないから、人間狩りとしても面白味がない。小鳥を「GANTZ」チームに入れておくならまだわかるけど。それに、こーゆー作品を観る度にいつも思うことだけど、何でみんな馬鹿なんだろう? 逃げろといわれて、なぜちゃんと逃げない? わざわざ殺されに行くとは……いかに日本人は日頃から危機管理ができていないかを示しているのか?
 とにかく、無駄に登場人物が多くて、しかもその殆どが物語に貢献していないのだから、もっと削るべきだった。それだけで上映時間は20分以上は短くなるのに(または、もっと物語を面白くできたのに)。
 そして最後に主人公である玄野が「PERFECT ANSWER」を選択するわけだけど、「ジャンプらしい打ち切り最終回」みたいなのだ。原作が完結するまで映画版の製作はしなければ良かったのに。
 地下鉄の場面まではまだ楽しめるけど、それ以降はダラダラしている。解決となる答えさえ期待しなければ、もしかしたら楽しめるかもしれない。普通に続く日常――それこそが異常である、という展開にもっと冷徹さを注ぐことができていれば、面白くできたろうに。しかし、「自己犠牲で成り立つ平穏」は、もっと最良の形で完成させることができている魔法少女なアニメ作品が最近誕生した以上、本作のそれは頼りなさすぎる。

 戦闘場面は期待通りに面白い出来ではあったけど、それは地下鉄の場面だけ。しかもそのシークエンスの前半だけ。中盤を過ぎると似たような演出の繰り返しで飽きる。だらだらと長いよ。
 前作のモンスター映画風味は全くなくなり、綾野剛さん演じるロン毛星人との剣戟が主な見所となる。これがまた微妙でねぇ。『グリーン・デスティニー』級ですらない。いや、素晴らしいと思える部分もあるにはあるけど、長続きしない。『修羅雪姫』を撮った佐藤信介監督だからこその見応えは殆どなし(瞬間的には所々ある)。
 玄野はとても強いらしいけど、台詞で説明するだけで、どれだけ強いのか描写しない。見ている限りでは、どこが強いのかさっぱりわからない。それは二宮さんのせいなのか、脚本&演出のせいなのか、その全てなのか。「おおー! 二宮さん凄い! カッコイイ!」という場面は皆無。逆にそこは松山さんが頑張っているんだけど、それも大したことがない。
 地下鉄場面の最初は、もしかしたら『ブレイド』級の戦闘場面の連続なのか、と期待してしまったのに……

 結局、前後編に分けてまで作った『GANTZ』は、何を描きたかったのか? 単なる漫画の映画化ってだけで、それ以上を求めてはいけないのかもしれない。表面だけ着飾り、中身はなし。もちろんそれが悪いとは思わない。思わないけど、それならそれで、もっと見栄え良く着飾ってほしかった。『GANTZ』という入れ物を利用して、表現したいことを表現するのだとしても、中途半端。
 とにかく途中からどうでもよくなる。登場人物の色んな人が死んで、その復讐に戦う。物語的に意味もなく殺しているだけ。面白くない展開がダラダラとスクリーンの中で続く。つまらない日常から抜け出たくて刺激的な非日常へと世界が変化するわけだけど、それが現実なのか空想なのか区別できない。下手すると押井守監督の『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』的に延々と続く物語になったのかもしれない。それに決着を付けるための結末が「自己犠牲」による「世界の修復」なら、ロベール・アンリコ監督の「ふくろうの河」のような結末の方が遥かにマシだった。全ては死ぬ直前に見た夢、というように。
 状況を的確に示すような演出もない。俳優陣が皆、下手クソにしか見えない撮り方をしている。クライマックスである松山さんと二宮さんの剣戟も、VFXでごまかすためにボヤボヤとした演出で、全く盛り上がらない。演出的にも物語的にも、偽加藤を出す必要が全くない。
 悪い夢(映画)なら、せめて早く覚めて(終わって)もらいたいものだ。
スポンサーサイト

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : gantz

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

最近の記事
プルダウンリスト
プルダウンタグリスト
ブログ内検索
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。