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2011-03-17

『空気の無くなる日』を想い出す:有難さを忘れる有難さ

 東日本大地震が、被害は落ち着き、復興に向けて動いていることに安心します。
 しかし福島原発に関しては、まだまだ予断を許さない状況で、一進一退というような感じ。安全神話のあった日本の原発でしたが、本当に予測できない大惨事には神話すら敵わないということが判明しました。神話は所詮「神話」でしかなく、真実ではなかった。過剰なくらい安全設計にしていた筈でしたから、それでこの始末ですので、少なくとも日本で原発はもう作られないでしょうね……まあ、これをきっかけにして原発に代わるエネルギー開発を行い、日本は世界の最先端に立つかもしれません。日本は、ただで負けることはない国だと思います。現在も福島原発で頑張って作業をしている方々を心から応援します。

 そんな大変な方々がいることを尻目に、私は今日も今日とて映画を観に行きました。
 観たのは<午前十時の映画祭>から『ミクロの決死圏』。フライシャー監督の一般的な大ヒット作。さすがに特撮はチャチですが、フライシャー監督の演出は素晴らしく、今でも存分に楽しめました。
 特に良かったのは、主人公らが鼓膜付近に入ったので手術室で音を出してはいけない、という場面。BGMどころか効果音すら一切鳴らさず、映画は完全な無音になります。観客にも固唾を飲ませて音を立てさせない演出。今時こんなマトモな演出をする作品は殆どありません。本当に素晴らしいと思います。この場面は家のTV画面で観ていても盛り上がりません。映画館で、他の観客と一緒に観るからこそ価値がある場面です。ちょっとでも物音を立てたらすぐにわかりますからね。その緊張感は家では味わえません。

 映画には満足しましたが、映画館に貼ってあった『ヒアアフター』上映中止の告知には、やはり落ち込みました。東日本大地震被災地への配慮という、配給会社のいいたいことはわかります。わかりますが、過剰反応しすぎでしょう。もちろんイーストウッド監督なら「被災地への配慮で上映中止なら仕方ない」といってくれるでしょう。しかし、イーストウッド監督はいたずらに津波場面を撮ったわけではないと思いますので、そこを理解しないで「とりあえず見せない」という反応は、余りにも官僚的です。本当にガッカリします。
 また東日本大地震に係わって公開が延期された『ザ・ライト』の告知も貼り出されており、これも内容が不適切と判断されて公開延期となったのかと思いましたが、単に交通事情の問題でフィルム到着が遅れるからということ。
 公開予定の映画といえば、4月1日公開予定の『世界侵略:ロサンゼルス決戦』も上映したら拙いんじゃないかと思いました。『ヒアアフター』が駄目なら、予告編からして『世界侵略:ロサンゼルス決戦』は駄目なんじゃないか。『ヒアアフター』は災害だけど『世界侵略:ロサンゼルス決戦』は戦争だから問題なし? そんな判断基準なのだとすると、本当に呆れてしまいます。

 官僚的な判断といえば、福島原発事故の恐怖から、東京から非難する人々もいるということに驚きました。これも過剰反応でしょ。ちゃんと考えずにとりあえず行動する。昨年の<カナザワ映画祭>で観た『空気の無くなる日』を想い出します。
 『空気が無くなる日』は、「ハレー彗星が地球に接近する5分間だけ空気がなくなるのでどうしよう?」という物語です。舞台は北陸の山村。村民は、諦めて静かに死を受け入れる人、大騒ぎしてタイヤチューブを買い占めて自分たちだけ生き残ろうとする地主一家、冷静に考えて「5分間だけ空気がなくなる」はありえないから普段通りに行動する人、の3グループに分かれます。果たして空気はなくなりませんでした。地主一家は、無駄にタイヤチューブを買ったことで大損し、冷静さを欠いていたので恥をかき、自分たちだけが生き残ればいいとタイヤチューブを買い占めたことで人望も失います。村で一番貧しい家庭の子供が最後、空気がご馳走だといわんばかりに深呼吸をするのが印象的な作品です。
 『空気が無くなる日』は、古いし(60年くらい昔)、上映時間だって1時間しかありませんし、コメディなんですが、大金で最新鋭のCGを使った2時間以上ある超大作に負けないくらいの面白さと、示唆に富んだ作品です。人は、簡単に噂に惑わされる。正しいことよりも、「正しそう」なことを信じてしまう。そして、忘れ易い。
 福島原発の事故は本当に恐ろしい出来事ですが、離れた地域の人が必要以上に警戒することはないと思うのです。それが、原爆を落とされ、『ゴジラ』と『鉄腕アトム』を享受してきた日本人の冷静さではないでしょうか。
 今までも日本は色々と大変な目に遭い、その都度、何でもないことのありがたさを実感しているのですが、しばらく経つと忘れてしまいます。逆にいえば、常に「何でもないことのありがたさを実感」していることは異常事態といえます。今が正にそうです。

 少しでも早く、何でもないことのありがたさを忘れてしまう日常に戻りたいものです。
 いや、願うだけでなく、みんなで頑張らなければなりません。『ヒアアフター』を上映中止され、ムカつきますが、本当ならあと2回は観る予定だったので、その分の鑑賞料金を義援金として日本赤十字に出しました。そう考えると、上映中止されて良かったのかも。『ヒアアフター』が上映中止にならなければ、たぶんコンビニの募金箱に小銭をチャラチャラと入れる程度でしたから。どちらにせよ小額ですけど。
 空気をご馳走と意識せず味わえることに後ろめたさも感じますしね。

当ブログ内リンク→カナザワ映画祭2010体験記:5日目
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tag : カナザワ映画祭

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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