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2011-03-03

『パラノーマル・アクティビティ2』は、遂に恐怖学芸会となった

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 『パラノーマル・アクティビティ2』を観た。
 寝室にハンディカメラを設置して、デカイ音鳴らしたりするだけの超激安恐怖映画が、何と続編を作ってしまった。番外編的な続編『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』とやらもあったようだけど、金沢市では上映してないので未見。

 物語は、超単純。引っ越し先で悪魔騒ぎが起こり、次々と人が死ぬ。
 前作と何も変わらん。脅かし方も同じ。デカイ音が「バーンッ!」と鳴ったり、小さい音が「ミシ……ッ」と鳴ったり、ドアが勝手に凄い勢いで「バーンッ!」と開いたり、ゆっくりと「ギィ……ッ」と開いたり、食器が「ガランガラーンッ!」と落ちたりする。そして、人が引きずり回されたり、吹き飛ばされたりする。続編だから演出が強化されているけど、基本は同じ。要するに、「バーンッ!」で「ミシ……ッ」な作品だ。
 いかに効果的に恐怖演出を差し込むか、それだけに腐心しているため、物語はオマケ同然。前作の前日譚で、最後の場面だけは前作の続きとなっており、意外と工夫しているにも係わらず、無感動な納得感だけしか残らない。
 何より駄目なのは、前作同様、登場人物がアホなところ。引っ越すか本格的な悪魔祓いをすればいーのに、何もしない。正しい行動をしていて窮地に陥るわけじゃないので、死ぬのも当然だよなぁ、とますます納得感しか残らない。

 前作よりも物語的に工夫されてはいる。つまり、ますます嘘っぽさが強調されている。
 嘘っぽさを払拭するために、前作よりも数多くのカメラが家のアチコチに設置される。今作は監視カメラ映像が主になるので、前作以上に冷え冷えとした映像になっている。そこは良いところ。
 監視カメラの映像には、その性質から「真実っぽさ」という意味が最初から付いている。「この無意味に見える映像には、意味があります」という説明なき説明が最初からされている。監視しているのだから、そこには何か映っているのだろう、と観客は凝視する。映画は意識的に見るものだ、ということを改めて強調している点が面白い。
 しかし、今作には「意味」のない映像がかなり多く混ざっている。たとえば、妻が悪魔(?)に引きずられて2階から地下室に連れ去られていく場面。「寝室→階段→リビング」とカメラ映像が切り替わり、今何が起きているかを丁寧に説明してくれる。正直、アホかと思った。サービスとして見せすぎ。凄い笑えて楽しい場面ではあったけど、「何でも映っているのです」という説明的な映像で、恐怖を煽る効果は低い。

 恐怖映画で何が重要かというと、「何を見せないでおくか」だろう。もちろんその真逆で面白い作品だってある。サム・ライミ監督なんかは見せすぎることで圧倒する。が、そのような作品の大半は「怖すぎて笑える」ものだ。今作にも「怖すぎて笑える」場面は多くあるけど、作品の方向性からすれば、それは間違った演出だ。
 「パラノーマル・アクティビティ」シリーズだけでなく、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的なものに対し、「結局、『死霊のはらわた』の最後の場面に敵わない」と批判することが可能だ。森の中を疾走するあのショットを長々と薄く引き延ばしているのが、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズであり、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的なものだろう。今作も最後に「衝撃映像」を持ってきており、もうそれなら「パラノーマル・アクティビティ」でなくても構わないのじゃないか、と思わされる。
 そもそもドキュメンタリー形式でない方が面白いと思える場面がいくつもあった。ちゃんと物語を作り、要所要所で効果的に監視カメラ映像を差し込む程度で良かったのではないかと。もちろん、今さら「素人の映像です」や「身元不明の謎の映像です」という嘘や信憑性が通じないのは制作者も重々承知しているようで、俳優陣の演技が前作よりも「演技」らしくなっている。
 が、そのせいで、売りであるドキュメンタリー形式と齟齬が生じている。面白くしすぎると駄目だし、控え目にすると売れないし……その匙加減で失敗している。俳優への演出という点でいえば、みんな真面目に怖がりすぎ。もっとヘラヘラしててもいーのじゃないかなぁ。映そうと、映ろうと努力している。それが致命的な程に面白くなさへと繋がっている。
 ただし、カメラの配置は巧く考えられており、何もかもを見渡せるようで見渡せず、飢餓感を煽るようにしてあるのは巧いと思った。どこかの陰に隠れてしまったけど、見えないところで何が起きているのか描かないのは大正解だ。映そうとしているだけの前作と異なり、今作は映しつつ隠すことに重点を置いている。

 見せない努力、そこをもっと頑張るべきだろう。簡単に見せてしまうと普通の映画になってしまう。実際、今作はそこらに溢れる凡作でしかない。見せるにしても当たり前の見せ方だから。
 たとえば、子供部屋にある全面鏡のドアやプールの水をなぜ効果的に使わなかったのか。恐怖映画である以上、鏡や水面の登場には何らかの意図があると思ったのに、最後まで何もなかった。今作で最もビックリしたのはそこだ。実は監督や脚本家は恐怖映画を理解していないのじゃないか、と邪推してしまうくらいに驚いた。
 今作に映される悪魔(?)は、単なる目立ちたがり屋で、映らなくてもいいのにわざわざ監視カメラの前で超常現象を起してくれる。意味もなく赤ちゃんを持ち上げてみたり、プール清浄機を持ち上げてみたり、食器を落としてみたり、ドアを開閉したりする。殆どが全く意味のないことばかり。意味がない愉快犯だからこそ怖い、というのはあるけど、続編のくせにちまちましている。そのくせ妻が悪魔にひきずられる場面は、いかにも「映しました」という映像になっている。「何かが映っていた」にはなっていない。その点で日本の『邪願霊』は遥かに巧い。映像の強度だけで考えれば、今作は前作に劣る。
 最も駄目なのは、監視カメラが点景でしかなく、家全体の不気味さを演出するには至っていないところ。面白おかしく見せるための編集が相まって、出来事だけを追いかけることになり、全体的な怖さに繋がっていない。低音のノイズが鳴り出すと何かが起こるんだな、と条件反射的に感じるだけ。
 全ての監視カメラ映像を等間隔でスイッチングする編集にすれば良かったのじゃないか。一瞬何かが映っても、すぐ別の視点に切り替わり、何がどうなったのかわからないようにする。そっちの方が監視カメラらしくて怖いと思うんだけど。

 背筋が凍るような映像を求めている私としては、監視カメラ映像さえ使えば何とかなると思っているこの手の作品は安易すぎてガッカリすることが多い。その中で今作は頑張っていると思う。少なくとも前作よりも遥かに面白いし、巧い(怖くはない)。
 ただし、もう続編はいらんわ! 衝撃の事実が見られるからエンド・クレジットになっても帰るなと冒頭に告知したと思ったら、単なる続編予告って!
 作るならもう「監視カメラ映画」は捨てましょうよ。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : パラノーマル

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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