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2010-06-27

『第9地区』は、『アバター』以上『ダークナイト』未満

 ちょいと変わった映画好きに話題騒然な『第9地区』を観た。「ちょいと変わった映画好き」は、『映画秘宝』を熱読するような人々を想定していて、もちろん私もそこに該当すると自覚している。ゆえに、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』には興奮できなかったし、大いに落胆したから、『第9地区』には観る前から期待していた。

 物語は単純だ。というか、設定が面白いだけで、物語そのものは典型的な「バディもの」アクション映画。
 地球に大勢の他星人が訪れる。侵略目当てでなく、宇宙船の故障のために漂着しただけだった。追い返すわけにもいかず、とりあえずは南アフリカに他星人専用の難民キャンプを設ける。
 20年経っても他星人は帰る気配がなく、難民キャンプは荒れに荒れ、完全にスラムと化していた。困った政府は別の難民キャンプを設け、移住してもらうことにする。その移住手続きを担当するのが主人公ヴィカス。
 平凡を絵に描いたような公務員であるヴィカスは、大役を受け、意気揚々と業務に当たっていたが、他星人が所有していた謎の液体を偶然被り、他星人へと変貌してしまう。そして、誰も助けてくれないばかりか、なぜか自分の組織から狙われることになってしまう。
 謎の液体を所持していた他星人を詰問すると、謎の液体は宇宙船の燃料となるもので、そして宇宙船に戻ることができればヴィカスを元の人間に戻すことが可能らしい。否応なくヴィカスはその他星人と共闘する羽目に陥る――

 他星人を難民扱いして隔離政策という設定は面白い。後は、それをいかに物語に昇華させるかなんだけど……とても中途半端。中盤まではSFらしく展開し、さらに政府と他星人の丁々発止なやり取りがあるのかと期待していたら、そんな細かい話は何もなし。政治社会的な発想は「他星人の隔離政策」だけで終わる。アパルトヘイトの隠喩と読むことは可能ながらも意味はない。「何かちょっと政治社会批判っぽいこと盛り込みました」って程度。中盤からは、互いに信用していないながらもコンビを組まざるを得ない「バディもの」でアクション展開。
 前半の政治社会的モチーフだけで最後まで進めてほしかった。中盤から普通の映画になっちゃって、それなら『アバター』みたいに贅を凝らして撮ってほしかった。他人様の惑星に勝手に住み着いて勝手に振る舞っておいて、躊躇なく他星人と相思相愛になれてしまう御伽噺にすぎない『アバター』に比べれば、『第9地区』はとっても説得力のある物語だ。しかし、『第9地区』だってかなりテキトー極まりない。発想としては面白いけど、無理でしょ他星人の隔離政策は。コメディとして作るなら良かったのに、意外や真面目な展開を見せるんだもんなぁ。ナチをコケにしつつもカッコ良く描いた『スターシップ・トゥルーパーズ』に比べれば子供騙しもいいとこだ。

 ヴィカスの人物造形は素晴らしい。主人公だってのに、人間的にとっても“出来ていない”、観客と等身大の普通人。誰かのために我が身を厭わない、なんて勇敢なキャラじゃない。むしろ卑怯者で臆病者。自分を助けてくれた他星人を裏切ったりするし、すぐメソメソしたりする。「あーあ、情けない」と誰もが思う、そんな等身大の主人公だからこそ、最後の最後でヤケクソ気味にヒーローとして大活躍するから、「やればできるじゃん」と感動を呼ぶ。『第9地区』の成功は、その設定より、ヴィカスの造形にある。『アバター』のような「設定のために設定された主人公」だったら台無しだった。
 大きな設定を盛り上げるための小さな設定も面白かった。他星人がエビみたいな外見だから「エビ」と呼ばれていたり。プレデターともエイリアンとも異なり、滑稽なようでグロテスク。そのデザインは見事。だけど、その見事さは、『アバター』の青い鹿顔星人と大差ない。が、なぜかネコ缶が大好きだったり、細部の設定が滑稽で良かった。ヴィカスが他星人と変貌しつつある時、空腹からネコ缶を貪るように食べる場面では、「あ、やっぱネコ缶が旨いと思うんだ?」と思いきや凄い勢いで吐き出すのには爆笑したし。『第9地区』で面白い場面は、汚い場面ばかりだ

 設定は面白いし斬新だけど、全体的な印象は、古臭い。もちろん最近の映画だから、特撮技術は低予算映画といえども凄い。が、それは撮り方の問題であって、いかにして細部を見せないようにするか、そこに集中している。「いかにして見せびらかすか」に集中していた『アバター』とは逆
 ドキュメンタリー風の演出を使っていて、それが「いかにして細部を見せないようにするか」だ。ドキュメンタリー風であるということは、既に結果が出ているということなので、エピローグから始まるようなものだ。結末から始めるのはサスペンスの常套手段だけど、『第9地区』はサスペンスではない。サスペンスとしての牽引力は弱い。ドキュメンタリー風だからだ。ドキュメンタリーは、見聞きしていないことは映せない。サスペンスは、見聞きしていない部分を映していくことで盛り上げる。ドキュメンタリー風の演出を使った時点で、細部を表現することを放棄している。
 とはいえ『第9地区』は、事情を知っている関係者の証言を並べ、劇中で描いていない部分を説明する。ヴィカスがどうなって、どう思われているか、観客が「見られない側面」を台詞で説明する。観客はまずその証言が誰のことを指しているのかわからない。わかってくると、見えている部分と異なる世界が提示され、『第9地区』は、映画そのものが「世の中から見えない側面」を説明する映画であることがわかる。観客から見れば最終的にはヒーローとなったヴィカスは、社会の中では裏切り者の悪者だ。それを提示することで『第9地区』は社会批判をしていることがわかる。見えている側面ばかりが美しいわけじゃない、と。だからこそ最後のショット――誰にも事情を説明できないまま孤独に美を愛でるヴィカス――は感動的だ。
 しかし、それならやはり「バディもの」にする必要はなかったと思うのだ。またドキュメンタリー風の演出も不要だったと思う。ドキュメンタリー風の演出で「世間から見たヒーロー」を説明したのは、大失敗だった。『ダークナイト』が最後、孤高のヒーローへと旅立つように、ヴィカスも孤高となるのだから。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 第9地区

2010-06-21

今こそ暴力映画三昧

 なぜか石川県という田舎で『ハロウィンⅡ』が上映されたので、喜び勇んで観に行った。アメリカでの評判が悪く、前作も駄作だったので全く期待していなかったけど、残酷映画を映画館で観られる機会は少ないので、どんな駄作でもとりあえず残酷映画は観に行くことにしている。そしたら、意外に――いや、物凄く面白かった。
 いきなり途方もない恐怖に放り込まれた恐怖を描く演出は見事で素晴らしく、闇をちゃんと闇として描き、問答無用の胸クソ悪い映画になっていて良かった。同時に、美しい映画でもあった。特にマイク・マイヤーズの殺戮場面の迫力は素晴らしかった。やり場のない感情が大爆発しているような殺戮場面で、ショットも編集も見事。音響も良く、ナイフを刺す音「ザクッ!」、抜く音「ブシュッ!」が聞き分けられる程。
 ただ、理由は知らないけど、プロジェクター上映だったので、映像が悪かった。何で? しかしその映像の悪さが逆に妙な安っぽさを与え、変なものを観てしまった居心地の悪さを演出していた。でも、何で? ムカつく映画泥棒CMもなくいきなり始まったので嬉しいといえば嬉しいけど、もっとちゃんとした映像で観てみたかった。
 
 こんなに面白いのに評判が悪いってんだから、つくづく世評は当てにならない。まあ、確かに物語は面白くなかったので、物語がちゃんとしていないと駄目な人には向いていないのかも。映画に重要なのは物語じゃないのに。
 私がどれだけ大絶賛しても世評が悪けりゃ観客入らない。6月19日公開だから公開3日目の夕方近くに観に行ったのに、観客は私を含めてⅡ人しかいなかった。パート2だから縁起がいい――いや、少なすぎだろ!! 石川県には残酷映画好きが少ないのか!? 石川県在住の残酷映画好きの人は是非とも観に行った方が良いと思います! 金沢コロナシネマで7月2日まで上映してますよ!

 コロナシネマといえば、次は『ザ・ホード 死霊の大群』という題名から胸がトキメクゾンビ映画も上映が決まっているようで、コロナシネマは何故にこんな変な映画を上映するのか……褒めてあげたい!
 変な映画といえば、スティーヴン・セガールさんの『沈黙の鉄拳』も上映している。なぜか鑑賞料金が390円! なのに3D映画! 3D映画って、3D料金が通常料金に300円加算されるから、『沈黙の鉄拳』は、通常料金が90円ってこと!? と驚いていたら、惹句が「Dandy! Dynamaite!! Dangerous!!!」で、頭文字の「D」が3つありますよぉ~、ってだけのことだった……何じゃそりゃ!? チラシを見ると、ちゃんと「映像は3Dではなく、2Dです」と注意書きされていた。セガールさん……そんな扱いなんだね今や。レイトショーのみで、金曜日なんか、1時40分~3時15分という上映時間。明らかにつまらなそう。だが、観たい。観て、つまらなさに愕然としながら、深夜に歩いて帰宅したい。歩くと自宅まで1時間以上かかるから、着く頃には空は明るくなっているだろう。『沈黙の鉄拳』を観て、早朝の気持ち良さを迎える……それもオツなものよ。

 も一つ変といえば、マイケル・ジャクソンさんの『キング・オブ・ポップの素顔』が上映が決定しているのでチラシが置いてあって、その横に『ハロウィンⅡ』のチラシも置いてあり、対比が面白かった。こんな感じ↓
chirashi02chirashi01
 どっちも“モンスター”です。

 現在大ヒットしている『告白』を観て、『アウトレイジ』を観て、『ヒーローショー』を観て、『ハロウィンⅡ』を観て、ついでに『息もできない』まで続けて観ると、大変荒んだ気分になるだろうな。面白さでそれらを順位分けすると、
 1.ヒーローショー
 2.ハロウィンⅡ
 3.アウトレイジ
 4.息もできない
 5.告白
となる。1と2は僅差。2と3にはちょいと差があり、3と4には大きな差があり、4と5にも大きな差がある。つまり、1と5には覆せないほど物凄く大きな差がある。凄い凄いといわれている『告白』だけど、この4本と比較すれば甘ったるくてロマンチックな映画なのがよ~くわかる。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-06-18

「絞りカスマーク」が変更?

 高齢者ドライバー用の標識である高齢者標識、通称「もみじマーク」の変更案が遂に登場した。

毎日jp→もみじマーク:どうなる?代替4案発表 アンケート実施、今秋決定

 上記リンク先から抜粋。

 高齢ドライバーの車に張るマークのデザインを再検討している警察庁は17日、「もみじマーク」の代替案として四つの図案を選定した。もみじマークも含めた5点からアンケートなどを実施して、今秋にも決める。もみじマークを巡っては「枯れ葉を連想させる」などデザインの見直し論が高まり、変更を含めて検討してきた。
 もみじマークは、97年の道路交通法改正で75歳以上を対象に導入された。07年の法改正で75歳以上の表示を罰則付きの義務とした。これに対し「高齢者いじめ」との反発があり、09年の法改正で努力義務に戻した。
 義務化論議とともに、デザインも「枯れ葉」や「涙」を連想させるといった意見が上がった。警察庁が09年4月に行ったドライバーへのアンケートでは、もみじマークが「気に入っている」が51%、「気に入らない」が46%だった。

どんなのが候補になっているのかと思ったら、次の4つ。
koureisya
 何これ? 特に2番。何でサイケなんだ? 一応、4つとも意味があるらしい。
 1・シニアの「S」を隠しメッセージにした、4つ葉のクローバー
 2・様々な人生を、色とりどりの線で丸く柔らかい円として表現
 3・経験豊富な高齢ドライバーを、稲穂とハートを支える手のひらに例えた
 4・ゆとりを持ってほしい思いから、「鳥」に「ハート」と「手」のモチーフを組み合わせ

だそうだ。
 「親しみ易さ」と「夜間のわかり易さ」などを基準に絞り込んだ結果が、上の4つ。高齢者1500人、一般ドライバー1500人、グラフィックデザイナー約2700人にアンケートを実施し、その結果や、一般の意見などを踏まえ、「もみじマーク」のままか、新しい4つのどれかに変更するか結論を出すそうだ。新たなデザインが決まった場合は、作製者に最高30万円が支払われる。

 はぁ~……下らない(『告白』の松たか子さん風に)。候補1はWindowsのロゴ、2はヤク中のトリップ、3はモスバーガーのロゴ、4は鳩サブレ……現行案のままで良くないか?
 募集基準は、「ベテランドライバーを象徴し、高齢者が誇りを持って自らの意思で自動車に表示したくなる」、「高齢者を含むすべてのドライバーにとって親しみを感じる」、「夜間や離れた場所からでも見やすい」、「既存の様々なマークと混同を生じないもの」なんだけど、変更案がそれらを満たしているとは思えんぞ。
 重要なのは、マークの持つ意味より、視認性だよ。勲章じゃないんだから、「誇りを持って自らの意思で自動車に表示」する必要はない。「親しみ易さ」はあればあった方がいいだろうけど、変更案はごちゃごちゃして視認性が低そう。何よりも「既存の様々なマークと混同」し易いのが3つもある。
 ……やっぱ現行案でいーじゃん。

 以前にもこの件は批判した高齢者には「絞りカス」マークがお似合いだ、と。そもそも何で今のマークが気に入らないのか理解できない。どこのどんな高齢者が苦情をいってるのか、全高齢者ドライバーを対象にした数字を示してもらいたい。
 「枯れ葉」だなんて、被害妄想が悪化したボケ老人の戯言じゃねーか。そんなボケ老人の戯言は聞き流せよ。つーか、「もみじマーク」が何で駄目なのか、本気で嫌がってる高齢者を問い詰めたいな。あ、でも、ボケ老人相手だと、まともな会話にもならんか。そもそも、何もいわれなかったら「もみじマーク」を「もみじ」と認識することはないと思う。どう見ても「オレンジジュースの果汁」だよ。それを被害妄想で「枯れ葉」と楯突いているんだから、馬鹿だよね大半の高齢者ドライバーって。私からすれば「絞りカス」だっての。そんな下らない高齢者は、無駄な予算を使わせるなど、世のためにならんので、さっさと死ね。
 
 こんな無駄なことに予算を使わせたくないなぁ。どうせ天下り団体にも流れるんだろ。アンケートにかかる費用、マーク制作にかかる費用、それら全てが無駄だ。
 世のため人のためを考え、「絞りカスマーク大賛成!」といえる高齢者が多くいれば、日本も安泰だと思うけどね。

テーマ : 気になったニュース
ジャンル : ニュース

2010-06-17

暴力映画が花盛り

 今、暴力映画が大人気だ。大ヒットしている『告白』、大評判の『息もできない』、暴力だけで話が進行する変な変な映画『ヒーローショー』、そして暴力映画久々の真打ち登場な北野武監督最新作『アウトレイジ』。たまりませんなぁ。

 正直、『アウトレイジ』には驚いた。内容に、ではない。映画としての物凄い巧さにだ。あれ? 北野監督って、こんなに巧かったっけ? そう疑問を抱く程、巧い。内容は凄い単純。だからこそ、映画の巧さが全面に突出している。
 いや、考えれば北野監督は『その男、凶暴につき』から突出して巧かった。単なる芸人の余技とするには異常なくらいに。最近の変な連作だって、巧いは巧い。たとえば『HANA-BI』だって、異常な映画だった。よくもあんな異常な映画で感動させようとしたものだ、と驚くくらい、異常だった。つまり、北野監督は最初から異常な映画ばかり撮っていて、実は初めてまともな映画を撮ったのが『アウトレイジ』なんじゃないか、とも思うんだけど、でもやっぱ異常だ。リズム感覚、編集の仕方、アップの収め方、これ見よがしのショットの照れ方、どれもが巧いから異常だ。
 『アウトレイジ』を観ると、『告白』がとても下手クソな映画に見えるので面白い。また『息もできない』も、その下手さがよーくわかる。「初監督作だから」といういいわけには、『息もできない』を『その男、凶暴につき』と比較させればいい。出来上がった作品だけで評価すべきでしょ。みなさん『息もできない』を絶賛しすぎだと思うなぁ。『グラン・トリノ』を超えたといってる人もいて、信じられません。確かに面白いし、叙情的で感情を揺さぶられる映画だと思うけど、とっても普通で、『息もできない』を複数回観てみたいとは思わないし。『ヒーローショー』と『アウトレイジ』は、「何でこんなに変なんだ?」を確かめるため、細部を確認したくて複数回観たくなるよ。

 おすぎさんは相変わらず北野監督作品ということで『アウトレイジ』を貶しているようだけど、そうなると何を見て評論家を名乗っているのか不明ですな(今さらか)。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-06-13

『孤高のメス』は、都はるみに彩られる正当なヒーローもの

 堤真一さん主演の『孤高のメス』を観た。正直、監督の成島出さんにはロクな作品がないので(監督作なら『ラブファイト』や『ミッドナイト・イーグル』、脚本作なら『築地魚河岸三代目』や『クライマーズ・ハイ』)、最初っから期待してなかったんだけど、意外と良かった。

 物語は、正義の味方(医者)が助けに来てくれる「ヒーローもの」。
 舞台は、大学病院の権威に怯える余り、オペミスも平気で隠蔽し、スタッフみんなのやる気がない、静かに腐っていた病院。そこへ主人公・当麻が赴任してくる。
 当麻は、海外で技術を培った凄腕の外科医だったが、派閥も医療界の常識も平気で破る、規格外の医者でもあった。その凄腕と患者第一の姿勢で、次々と患者を救い、スタッフを魅了していく。腐っていた病院にも精気が戻る。
 順風満帆に進み、誰もが幸せになる医療を実現していた矢先、当麻は難手術を依頼される。日本の法律ではまだ認められていない、脳死肝移植を。それは、下手すると殺人で起訴されかねない、病院側も拒否を決め込む危険な手術だった。しかし当麻は、あっさりと承諾する。
 当麻を嫌う大学病院の保守派による妨害工作が始まり、マスコミも報道する中、ブレることのない信念を基に、当麻は日本初の脳死肝移植へ挑戦する――

 とまあ、はっきりいって、物語に新鮮味はない。主人公は正義感の塊で、正義のためには周りの多少の犠牲も厭わない。だから当然の如く、保守派から反発を受け、窮地に追い込まれる。しかし、それでも自分の信念を曲げず、負けず、最後まで毅然と戦い、勝利する。間違いなく単純な「ヒーローもの」だ。
 昨今の「ヒーローもの」は、何かやたらと主人公が悩む陰鬱な作品が多いが(代表的なのは『ダークナイト』)、昔はそうでもなかった。何で主人公が主人公なのか、その存在意義は「主人公だから」で事足りた。『孤高のメス』も同じだ。当麻は「主人公」だから、悩まず、突き進む。立ち止まることも挫折することもない。登場してから退場するまで一直線。昨今の「ヒーローもの」を見慣れてしまうと物足りないくらいに一直線。だからいってしまえば『孤高のメス』は古臭い。

 演出もまた新鮮味がなく、地味。いや、『ミッドナイト・イーグル』や『クライマーズ・ハイ』のような下手に頑張られたら台無しだけど。辺鄙な田舎が舞台となっているので、大袈裟な人間ドラマもなく、物語は淡々と進む。逆にそれが腐っていた病院が元気になるのを表現できていたので、地味で良かった。
 手術場面が多いので、つまり顔面の半分以上がマスクによって隠される場面が多いので、表情による演技がかなり制限され、それが地味さをさらに強くさせている。元々そんなに表情豊かではない堤さんが、さらに無表情になり、地味さも最高潮。
 しかし、その手術場面は原作と大きく異なっている。原作ではポール・モーリアさんの曲を手術中にかけるんだけど、映画版では都はるみさんに変更されている。血の映る手術場面に「アンコ椿は恋の花」というシュール演出。メチャクチャ緊張する場面だってのに、「ああん、あん、あ~あん」と都さんの歌声が漂い、思わず笑ってしまう。この変更は大正解。小説ならマスクで顔が隠れていても表現に関係ないけど、映像となるとそうはいかない。だから、曲で雰囲気を一変させたのは正しい。
 オペスタッフから「都はるみは古臭くて……止めてくれませんか? クラシックとか、ロックとか……」と懇願されると、当麻は「都はるみは日本の宝だぞ!?」と反論する。子供みたいに拗ねた堤さんの演技が巧い。原作よりも映画版の当麻の方が親しみが持て、好きだ。それもこれも都さんのおかげ。都さんを使おうと考えたのは偉い。凄く偉い。

 ただし、と思う点もある。
 まず、もうちょっと上映時間を短くできていれば良かった。この内容で126分は長い。100分以内にできる内容だ。出だしと最後の、「現在」の場面は余計だったので削ってほしかった。少しでも感動を与えようとして、むしろ最後は蛇足極まりない。
 また、せっかくの都さんの曲が流れるクライマックスの手術場面を、どうでもいい駄作な子供コーラスの曲に途中で替えちゃってこれまた台無し。重要な場面だからこそ全面的に都さんの曲で彩ってほしかったのに、つまらん子供コーラスで変に感動させようとしちゃって、これは大失敗。
 全体的に地味だけど、実はかなり欲深な演出だ。その欲深さが如実に現れており、途中から品がなくなり、つまらなくなる。あ~あ、やっぱ『築地魚河岸三代目』の人だなぁ、と思わされる。

 「ヒーローもの」としては最初から最後まで一直線に進むので、ややこしい教訓話なんかにゃ興味ない人には最適な物語ではある。でも、演出する側に欲深さがあるので、足を引っ張ってつまらないものにしている。もったいない。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 孤高のメス

2010-06-12

『告白』よりも『ヒーローショー』に大ヒットしてほしい

 井筒和幸監督の最新作である『ヒーローショー』に物凄く感動した。最近観た話題作の中で最高だろう。話題作というのは、『息もできない』と『告白』のことだ。いや、もう今年観た中で最高かもしれない。

 『息もできない』は、世評通り、かなりの作品だと思う。思うけど、何か映画として違うんじゃないか、とも思う。
 『告白』は、素直にノれない。良いショットはたくさんあるし、原作を見事に超越している場面もある。しかし、それでも、何か素直にノれない。音楽、撮影、演出、みんな素晴らしいようで紙一重に大失敗している気がする。中島哲也監督は、凄いテクニシャンのようで、物凄い下手クソな監督なんじゃないかとも。あんなにスーローモーションを多用してなければもう少し上映時間が短くなったのに、とかそんなことを思ってしまう。PVじゃあるまいし、いらんだろスローモーション。
 共に面白いけど、素直に「これは傑作だ!」と興奮できず、そんな自分自身を邪魔に感じたりもしている。

 と、何かモヤモヤした気持ちでいたのに、『ヒーローショー』を観てスッキリした。私が観たかったのはこれだと。『息もできない』と『告白』に足りないものが『ヒーローショー』にはある。濃密に、圧倒的に、スペクタクルに、映画的に、巧みに。そして、隙だらけで、ゆとりがある。遥かに杜撰で、出来損ないだ。だからこそ、私は『ヒーローショー』が大好きだ。

 でも、『ヒーローショー』は売れないだろうなぁ。実際、客の入りは少なかった。私は18:30という遅くない時間帯で観たのに、たったの3人しかいなかった。おかしい。人気のあるだろうお笑い芸人のジャルジャルが主演なのに。
 もったいない。『息もできない』や『告白』に興奮した人は、絶対に『ヒーローショー』も観るべきだ。もっと興奮できる筈。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-06-10

サブカルでニッポンチャチャチャ

 経済産業省の成長戦略で、またサブカルが使われているようで。

産経ニュース→「クールジャパン室」創設 経産省、アニメ・マンガを横断的支援

 上記リンク先から抜粋。

 経済産業省は8日、アニメやファッション、日本食など日本初の文化・産業を海外に発信する「クール・ジャパン室」を新設したと発表した。今夏にも有識者と関係省庁による戦略会議を立ち上げ、市場開拓や人材育成について、横断的な支援策を実施する。
 具体的にはアニメやマンガなどの祭典「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」や「東京発 日本ファッション・ウイーク」といったイベントを10月に同時開催するよう働きかける。また、海外への発信を強化し、日本を「クリエーションのハブ(拠点)」として周知し、海外からも優れた人材を集めたい考えだ。
 クールジャパン振興策は、政府が近くまとめる新成長戦略の重点施策として盛り込まれる見通し。
 経産省では、アニメやマンガなどのコンテンツ産業を2020年までに現在の15兆円から20兆円まで拡大させ、5万人の新規雇用を創出する目標を掲げている。

 もうね、本当にアホかと。ガッカリですよ。これが成長戦略? 単なる駄目な産業政策でしょ。政府の産業政策が殆ど役に立たないのは世界の常識なのでは?

 アニメや漫画に力を注ぐのは結構ですが、その半面でつまらない規制とかやってて、何がしたいのでしょうか? はっきりいって、海外に通用するアニメや漫画は、日本人の「良識的」な大人からすると眉間に皺するようなものばかりですよ? それに、コミケを考えたって、政府の手が入るような作品は、ネタにされるだけで、真に面白いものとはならないでしょう。
 まあ、昔のチェコアニメのように、政府が資金援助することで力を発揮する芸術分野もあるでしょうが、日本で今からそれを狙うのは無理がありまくりです。ロシアのユール・ノルシュティン監督のように、何十年かけて数十分の映像しか作れないような作家を政府が何から何まで全て面倒見るってんなら素晴らしいことだとは思いますが、そんなコストを役人が考えているとは思えません。人材育成をするのならそこまでしなきゃ。
 市場開拓たって、オタクと綿密な会議を毎日繰り返して、今はどんな作品が注目されていて、何をアニメ化するのか、とか話し合うのでしょうか? 何て無駄な……政府が放置しておいた方が成長すると思いますけどね。
 5万人の新規雇用とありますが、その前に今現在働いている方々を支援した方が良いのじゃありませんかね? 日本のアニメ映画でも国外スタッフを使っている会社が殆どですので、国内の雇用確保のためにも、制作会社に資金援助して、必ず国内の人材を使えるようにする。そして、職場環境の改善だけならず給料を上げる。それなら物凄く感謝されるでしょうが、5万人も新規雇用して、本当に現場は幸せなんでしょうか? 思い付きで大きな話をしてほしくないですね。

 それより何より、「クール・ジャパン」という名称のダサさが素晴らしいですね。何を勘違いしているのかと。何も市場のことなんてわかってない役人が決めたんでしょうねぇ。
 ま、新たな天下り先の創設でしかないのでしょうけど。だから名称がダサいのか。

テーマ : 気になったニュース
ジャンル : ニュース

2010-06-10

『ザ・コーヴ』は正しい

 上映中止騒ぎで『靖国』同様に困った事態になりかかっている『ザ・コーヴ』、石川県での上映予定館であるシネモンドも対応に悩んでいるようで、公式サイトの掲示板には「今は、はっきりしたお答えができません。すみません。少しお待ちください。」と答えるだけで、明確な答えは未だ出ていないようです。シネモンドは『靖国』も上映してくれたので、期待できるとは思いますが、「表現の自由」やら「観る権利」やらのどうでもいい理屈は無視して、純粋に利益を考えて行動してもらえたら、と思います。109の中に入っている映画館なので、その周りでどうでもいいクソ馬鹿どもが騒ぎを起こすようなら、上映中止も止むを得ないかと思います。
 ニュースを見ても一進一退のようですし。

 以前に問題になった『靖国』に関しては、私はこのように考えました。ゆえに、今度の『ザ・コーヴ』騒ぎに関しては、『食人族』にてルッジェロ・デオダート監督が起訴された内容を想起します
 『食人族』は、「本物」を謳い、あっちこっちで騒動となり、上映中止もされ、裁判まで起こされました。「動物虐待だ!」と非難されたデオダート監督は、「確かに殺したけど、ちゃんと食べたからいいじゃないか」という有名すぎる名言を歴史に刻みました。あ、別に『ザ・コーヴ』の舞台となった地域の方々がイルカを食べていると断定しているわけじゃありませんので。
 何かと話題になって上映禁止になるものはやはり残酷映画。宮崎勤事件のせいで一躍有名になり、瞬く間に発禁となった『ギニー・ピッグ』シリーズとか、反日と叩かれたものの余りの凄惨ぶりに反日以前の問題だった『黒い太陽731』とか色々ありますな。残酷映画愛好家は昔から常に世間と戦ってます。
 それだけではありません。児童ポルノ規制のついでに行われる、漫画・アニメ・ゲームのわけわからん規制もあります。「ゲーム脳」と同じレベルの馬鹿知識が基となっているのに、「子供の人権を守る」というご大層な名目を掲げられた途端、世間はコロッと騙されます。そんな世間から叩かれ慣れている私としてましては、『ザ・コーヴ』くらいで何をギャーギャー喚いてやがんだ、と思ってしまいます。

 『ザ・コーヴ』は「悪意ある描き方」をしていると批判されますが、「悪意ある描き方」のが何が悪いのでしょうか? 製作者に悪意があるのなら、その悪意を伝えるために作品を作る以上、「悪意ある描き方」があるのは当然です。
 「悪意ある描き方」で叩かれたドキュメンタリー映画は、『靖国』もそうですが、マイケル・ムーア監督の『華氏911』も記憶に新しいと思います。ブッシュ大統領に対する描写に捏造があり、一方的で客観的でない、と叩かれました。もちろん、それらの批判は全て的外れです。なぜかというと、ムーア監督はブッシュ大統領の再選を何としても阻止したかったからです。作家として「正しいドキュメンタリー映画」を作るより、「ブッシュ大統領再選阻止」に比重が置かれており、事実のみの客観的な映画になっていないのは当然なのです。事実を捻じ曲げてまで狙わなきゃならなかったのです。『華氏911』は、ドキュメンタリー映画の格好をした、プロパガンダ映画だったのです。「正しいドキュメンタリー映画」なんかを作ってその狙いが達成できるとは思いません。それに、『華氏911』を叩いた馬鹿どもは、ムーア監督が行ったインチキよりもブッシュ大統領が行ったインチキの方が圧倒的な悪であることを完全に忘れています。「作家としての正しさ」が「社会の正しさ」に勝ると考える人は、傲慢なだけの馬鹿です。正直、かなり尊敬する監督まで『華氏911』を「平等でない」と叩いており、物凄く落胆した覚えがあります。
 そもそもどのような作品にも完璧な客観性なんてありません。事実のみを扱っている筈のドキュメンタリーであっても、撮り溜めた記録の中から取捨選択をしている以上、必ず意図が挟まります。客観性は、それが過度になるかならないかの違いで、たぶん『ザ・コーヴ』はかなり意図的されて作られているのでしょう。つまり、『華氏911』同様、『ザ・コーヴ』もプロパガンダ映画なのでしょう。ならばその「悪意」は正しい。日本人にとって不利益な内容だとしても、作品の存在は間違っていません。

 「悪意ある描き方」が悪いのなら、それを堂々と公開して、ボッコボコに批判してやれば良いだけです。それが平和的な戦い方ってのもでしょう。それを上映されたくないって騒ぐと、逆に悪事を隠蔽しようとしているようにしか見えません。隠そうとすればする程、怪しさが倍増するってのに。みんな何かと政治家の悪事を常日頃からぶっ叩いているくせに、こーゆー時には叩かれている側と同じ行動を取ってしまう。不思議なものです。
 『ザ・コーヴ』に悪く描かれているとして反対している地元の人々も、ならばちゃんと正しい情報を提供すれば良いのに。映画に簡単に扇動されると思っているのだとしたら、それは余りにも観客を馬鹿にしています。そして、既に映画は存在しているので、日本で上映を反対したところで、世界ではもう手遅れ。対応が閉鎖的です。抗議活動している「主権回復を目指す会」も本当に日本のことを考えているのか疑問です。あ、鎖国を目指しているようなので、間違ってないか。

 なぜ『ザ・コーヴ』が賞を受賞したのか、もう少し冷静に考える報道があっても良いと思うのですが、私は寡聞にして知りません。やはり、単純に面白かったのではないでしょうか? その面白さを伝えず、事実の正誤ばかりを問題にするのはおかしい。映画は、面白いことが全てですから。それが嫌なら対抗してドキュメンタリー映画を作れば良いのです。それかやはり、「食べてるんだから何が悪い!」と逆ギレするか。
 しかしまあ、公開してしまえば『靖国』同様、「なぁ~んだ、騒がれているけど、大したことないな」と瞬く間に話題にもならなくなるような気がしますけど。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-06-05

『ザ・コーヴ』の抗議抗議活動

 イルカ漁ドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』の日本上映が危ぶまれているらしい。

asahi.com→映画「ザ・コーヴ」上映中止 都内の映画館、抗議予告で

 上記リンク先から抜粋。

 映画を「反日的」と糾弾する保守系団体が4日以降、上映館に抗議活動をすることを告知しており、「近隣への迷惑」を考えて自粛したという。
 2日に市民団体がホームページで上映阻止を求める「抗議活動」を予告。会員らを集め、4日に同社前、5日に映画館前で街頭デモを行うとした。同社は3日に社内で協議。警察とも相談し、「お客様に万が一のことがあってからでは遅い」と中止を決めた。同社のビルには病院も入っており、「他のテナントへの迷惑も避けねばならない」との判断もあったという。
 市民団体は「草の根右派」「新保守」などとくくられるグループ。4月以降、映画の配給会社「アンプラグド」(目黒区)に抗議活動を行っていた。同社前でプラカードを掲げ「上映は許さない」「日本人の精神を破壊するテロリスト」などと拡声機で数時間叫んだ。東京地裁から4月末、同社前での活動を禁じる仮処分も出されていた。
 この団体の代表の男性は取材に「欧米白人の人種差別映画に屈することはない。表現の自由など関係ない。今後も抗議は続ける」と語った。

そして、

毎日jp→米映画:「ザ・コーヴ」都内上映館ゼロに イルカ漁批判

 上記リンク先から抜粋。

 4日、東京と大阪の2館も中止を決め、東京都内での上映館はなくなった。
 「反日映画の上映は許せない。中止を求める」。今年3月、ザ・コーヴの配給会社「アンプラグド」(東京都目黒区)に、ある団体から電話が入った。この団体は、首相の靖国神社参拝を求める活動などをしている。電話は、米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した時期に重なる。
 4月になると、社長の自宅前や事務所の周辺でマイクを使った抗議活動が早朝から行われるなど、抗議活動がエスカレート。同社は抗議活動の中止を求める仮処分を東京地裁に申請し、認められた。
 ただ、最近までは東京や大阪などの全26館での上映方針に変更はなかった。中止のきっかけは、この団体がホームページで今月2日、上映を予定していた「シアターN渋谷」や同館を運営する出版取り次ぎの日本出版販売(東京都千代田区)に対する街頭宣伝や抗議活動の実施を予告したことだった。3日に中止を決めた同社は「観客や近隣への迷惑がかかる可能性があり、上映を中止した」と理由を話す。
 また、4日に中止を決めた東京の「シネマート六本木」と大阪の「シネマート心斎橋」を巡っては、両館を運営する「エスピーオー」の関連会社に対し、5日に街宣活動するとの予告があった。エ社は「関係各所に迷惑をかける可能性があるため」と中止を決めた。関係者は「自宅への抗議が中止の大きな要因になった」と明かす。

だそうで。

 で、どんな団体がケチをつけてんのかというと、「主権回復を目指す会」という団体。そこに「虐日・テロ映画『ザ・コーヴ』を東京地裁で粉砕せよ」という文章がある。

◆何から何まで悪意に満ちた演出、捏造に等しい映画が、どうすれば「問題について議論を深める」ことが出来ようか。精神への猛毒をドキュメンタリーというオブラートで包み、日本国民の精神を死滅させるのが映画『ザ・コーヴ』だ。
◆『ザ・コーヴ』上映の粉砕は精神テロリストとの戦争である。我々はテロリスト・加藤武史から日本民族の誇りを死守する戦争を必ず戦い抜く!

何でこんなに怒ってるのか理解できん。大丈夫だって、そんな心配しなくても『ザ・コーヴ』の観客数は『のだめ・イン・ワンダーランド 霊能力者バトルロイヤル』よりゃ遥かに少ないから。私からすれば、『のだめ・イン・ワンダーランド 霊能力者バトルロイヤル』の方が「精神テロリスト」な感じがするぞ。つーか、カッコいいな「精神テロリストとの戦争」って。

 さらに、そこの公式サイトにあるブログの記事に、こんな記載がある。

速報!続々つづく上映中止決定!
◆東京「シネマート六本木」と大阪「「シネマート心斎橋」が中止を決定!!
◆東京の「シネマート六本木」と大阪の「シネマート心斎橋」は、多数の国民からの抗議に応えて、虐日映画『ザ・コーヴ』の上映中止を決定しました。
◆上映予定の映画館が、全国で未だ16カ所あります。
◆従いまして、明日5日(土)の抗議街宣は「上映中止に日本人は立ち上がれ!」と題した檄を飛ばす街宣に切り替えます。

<心ある日本人よ!怒りの行動で虐日映画『ザ・コーヴ』を粉砕せよ>
日本人蔑視を煽る映画『「ザ・コーヴ』に表現の自由を認めてはならない!
●場所:渋谷駅ハチ公前広場 
●日時:6月5日(土) 集合13:00

◆下記の劇場に猛抗議を!
北海道 シアターキノ
    シネマ・トーラ
青森  青森松竹アムゼ
宮城  フォーラム仙台
山形  フォーラム山形
神奈川 横浜ニューテアトル
愛知  名古屋シネマテーク
新潟  シネ・ウインド
石川  シネモンド
大阪  第七藝術劇場
京都  京都シネマ
広島  サロンシネマ
岡山  シネマ・クレール
山口  シネマ・スクエア7
福岡  KBCシネマ
沖縄  桜坂劇場

※雨天決行 プラカードの持参歓迎

ああっ! 我らがシネモンドも載ってるじゃないか!? 石川県にもこんなアホな抗議を行う馬鹿が住んでいるのか!? 反日で恥知らずな馬鹿が石川県にもいるなんて、信じられない!

 イルカなんて低脳な生物を人間並みの知性とか思い込んでいる、人間とは思えないような知性の持ち主連中の考えることは理解できん。何をどう捉えたら『ザ・コーヴ』が「反日」になるんだ? こんな時にシーシェパードは何をしているんだ? 抗議抗議活動をすべきじゃないのか? というか、アホな市民団体とアホなシーシェパードの乱闘が観たい!
 おいっ! こらっ!! 頑張れ、陸地でも戦えシーシェパード!!! いつも馬鹿にしているけど、今だけ少しだけ応援しているから、「主権回復を目指す会」と戦え!!!!

 あと、事情が事情だから強要はできないけど、シネモンドにも頑張ってほしい!

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-06-05

何かもう好きにすればぁ

 遂に鳩山議員が首相を辞任したようで、まあ、どう考えても当然の結果です。その上、会見で「国民が聞く耳を持たなくなった」とか何とかいったそうですが、そもそも民主党は最初っから支持されてませんでした。民主党が自民党に圧勝した去年の選挙、それは民主党が熱狂的に支持されたのでなく、誰もが自民党を嫌がったから結果だと思うのです。誰もが民主党の公約に夢中になり、熱狂的に支持した結果の圧勝だったなら今の民主党の立場はもっと違っていたような気がします。
 と、本当ならここで「遂に菅首相が誕生したようで」とすれば良いのでしょうが、何かそんな前向きなことを考えることもできず、ただただ「やっと鳩山首相が辞任したか」と思うだけ。

 選挙前から子供手当てにしろ高速道路無料化にしろ高校の授業料無料化にしろ、目立つ提案には無茶なものが多く、こんなことをいってる党がマトモなわけがない、というのは明白でした。しかも、社民党と国民新党が一緒となれば駄目さも倍増です。社民党と国民新党が足かせとなるのは明白だったので、参院選までに確固たる地盤固めができれば両党を切り捨てることはわかりきっていました。
 が、実際はそうでもなかった。ゆうちょの民営化路線はUターンさせられ、普天間問題は、自民党時代からグダグダだったゆえにそのままでも何とかなったのに、政権交代の勢いに乗って意気込んで大失敗。野党時代にいっていたことを覆すようなことばかりして、元々支持されていなかったのに、信頼を築き上げる前にダウン。

 聞くべきでない他人の意見に耳を傾けすぎて、聞くべき意見を馬耳東風し、右往左往した末に自爆。その有終の美の飾り方は見事です。これで選挙を戦えるようになったのですから。鳩山議員自身がいっているように、鳩山議員と小沢議員が辞め、北海道の小林議員にも辞任を勧め、これで「クリーンな民主党」になったのかもしれません。しかし、その内実は「クリーンな民主党」を強調して選挙を戦い易くする、それだけのことです。そんなことばっかに明け暮れている自民党に嫌気が差して民主党に流れたってのに、結局は民主党も同じことを繰り返す。
 また、そんな政治問題をテレビや週刊誌は政治内容と無関係のスキャンダルとして取り上げ、未だに支持率がどうのこうのと語っている。「国民を裏切った!」とか書いている週刊誌は、そもそもスキャンダル記事以外にマトモな政治ネタを語っていたのでしょうか。そーゆーマスコミは、最初から聞く耳を持っていなかった。

 正直、首相辞任には驚きました。何だかんだいっても、選挙までは続け、そこで国民の判断を仰ぐのだとばかり思っていました。政局だけを考えたこの方法には、多くの国民がガッカリしたことでしょう。同時に、民主党にも期待は抱けない、と確信した人を増やしたことでしょう。小泉首相時代を考えれば、人の良さそうな首相は駄目なのかもしれませんね。もっとえげつなく、悪ガキな人でないと首相は務まらないのかも。
 鳩山政権が潰れたついでにゆうちょの国有化やその他の下らない法案もみんな巻き添えにしてくれたら良かったのですが、それは新しい菅政権次第。まあ、それも続くのかすぐに終わるのかわかりません。考えれば鳩山政権の最初のつまずきはゆうちょの社長人事でもありましたし、亀井議員との攻守は続くのでしょう。本当に下らないです。
 しかし、「増税で景気回復」発言をする人に首相は務まるのでしょうか? どーゆー理屈でそう考えたのか理解不能です。税収が増えれば、その分を国民にも還元できるから、結果的に景気回復するとでも考えたのでしょうか? うーん、わかりません。少なくとも、そんな発言をする人が首相に向いているわけがないのです。

 増税といえば、自民党を離脱した与謝野議員も増税大好きですね。それを支持している石原都知事も増税大好き。石原都知事に至っては、「増税といえばすぐに拒否反応を示す国民が悪い。日本のことを考えるなら増税はおかしくない」みたいなこといってましたけど、その増税って消費税を上げるってのが主たるものですよね? おかしくないでしょうか? まだまだ景気が良くなっていないのに消費税を上げるのは。
 石原都知事が、そこまで日本のことを考えているなら、はっきりと「富裕層の所得税を上げればいい」というべきです。貧乏人も金持ちも平等に負荷を与える消費税より、累進的に所得税の税率を上げる方が批判が強いから、強気の石原都知事は実は弱虫なのでいえないのでしょう。

 「聞く耳を持たなくかった」という捨て台詞は、マスコミは真剣に拾ってほしいものです。正しく批判する能力が下手すると主要マスコミには欠けているかもしれませんから。

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プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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