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2010-01-30

『ラブリーボーン』は、『チェンジリング』+『オールウェイズ』

 ピーター・ジャクソン監督の『ラブリーボーン』を観た。
 宣伝は「感動作」として紹介しているし、スティーヴン・スピルバーグさんが製作に名を連ねているし、これは『乙女の祈り』みたいな映画なのかなぁ、と思っていたら、もっともっと普通に感動作だった。
 ジャクソン監督は、世間的には「『ロード・オブ・ザ・リング』の監督」なんだろうけど、私には未だに「『ブレイン・デッド』の監督」なので、でもまあ『乙女の祈り』もなかなかに凄かったので、パッと見は「感動作」っぽいけど、ジャクソン監督なんだから生半可な「感動作」ではないだろう、と期待していた。していたのに、ちっとも感動できなかった

 物語は、単純だけど、面倒っちい。構成は大まかに3つに分けられる。まず、少女が変態オッサンに拉致られて殺される、連続殺人鬼の話。次に、殺された少女がいる「あの世」の話。最後に、家族の愛情の話。それら3つの話がごちゃごちゃと入り乱れて展開する。
 殺人鬼の話は、最初から犯人が判明しているので、ミステリーではなく、サスペンスとして作られている。殺された娘を思う余りに家庭崩壊する遺族の、家族愛の話もサスペンスを盛り上げる要素として巧く機能し、単なる「感動もの」にはなってなかった。この2点は良かったんだけど。
 「あの世」の描写が、酷かった。はっきりいって、丹波哲郎大先生の『大霊界』と何も変わらんかったぞ。いや、下手すると幸福の科学の映画と何も変わらんかったぞ! それらの何十倍もの製作費を注ぎ込んだ結果があれとはねぇ。がーっかり。それに、凄い無駄だらけ。上映時間が2時間10分あるんだけど、長いよ! 「あの世」の場面は30分は短くできる。感動的で幻想的な映像にしてあるけど、CGの出来が悪かったなぁ。ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』を観た後では、『ラブリーボーン』の「あの世」は惑星パンドラよりも出来が悪い。だから『ラブリーボーン』は、『アバター』を観る前に観た方がいい

 正直、最初から全然面白くないんだけど、物語として致命的に駄目なのは、死んだ少女の設定がちゃんとしていない点だ。最後に同級生に少女が憑依するんだけど、そんなことができるんならもっと早くやってろよ! お前のお父さんが殺されそうになってまで頑張って犯人探しをしてたってのに、憑依して犯人を教えるのかと思えば、好きだった男子に一言いいたかったって……馬鹿だろお前! 馬鹿が無残に死んでもね、可哀相だとは思えねーんだよ! 普通のホラー映画なら、変態にほいほいと着いてって悲惨な目に遭うのは、馬鹿って決まってんだよ! パッケージが感動作になってても、馬鹿は馬鹿なんだよ! 死んで当然だ!! お前のせいでお父さんとお母さんが離婚寸前だったってのに! 強姦された末に惨殺されたってのに、犯人を捕まえることができるってのに!
 「あの世」の描写で最も酷いと思ったのが、何でも思ったことが実現できるからって思いのままに遊ぶ場面の、MTV風の演出。時代設定が40年近く昔だからか、凄いダサい。観てて恥ずかしくなるくらいに。

 とはいえ、私が駄目だと部分が『ラブリーボーン』の面白い部分でもある。
 強姦されて惨殺された少女は、自分が殺されたことに気付くのに、犯人を逮捕することに大して執着しない。それどころか、自分の遺体が隠されてしまうってのに、心爽やかに天国へと旅立ってしまう。あえていうなら、主人公の少女は天然ボケ少女なのだ。「あの世」でキャッキャと遊んでいる場合じゃないのに、楽しんでしまう。この主人公の設定を受入れることができれば、『ラブリーボーン』は面白いと思うだろう。
 サスペンスとして作るなら、お父さんを主人公にして、捜査を主軸にした物語で構成すればいい。残された家族が崩壊する様はちゃんと描かれてて良いのだけれど、合間合間に「あの世」描写が割り込んでテンポを悪くしている。この手の映画で傑作は、昨年のクリント・イーストウッド監督の『チェンジリング』がある。ジャクソン監督は、イーストウッド監督程に巧くないので、本当に無駄だらけの映画となってしまっている。『チェンジリング』にスピルバーグ監督の『オールウェイズ』を足したような感じ。出来の良い部分と超大雑把な部分がごっちゃごちゃ。
 サスペンス+ファンタジー+家族愛という豪華な物語なんだけど、まとめきれてない。「あの世」ではないけど、「死後の世界」の取扱いは、ジャクソン監督の過去作『さまよう魂たち』の方が圧倒的に巧かった。結果的に、何だか輪郭がぼんやりとした仕上がりになってしまっている。その原因は間違いなく上映時間の長さにあると断言する。絶対に30分は長いって!

 最後は涙が止まらなかったけど、それはダラダラしてるから眠くて欠伸が止まらなかったからだ。エンドロールがまた長ぇっつーの。普通の2倍はあったような気がする。音楽がブライアン・イーノさんだから睡魔を誘う誘う。
 期待していただけに、ガッカリ感が大きかった。これなら『大霊界』の方が面白いわ。
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : ラブリーボーン

2010-01-29

『シェラ・デ・コブレの幽霊』上映の新聞記事

 遂に『シェラ・デ・コブレの幽霊』が、再び一般上映(完全予約制の公然の秘密上映だけど)されることから、新聞記事になったことを知った。当ブログのアクセス数が飛躍的に上がっており、「あ、これはまた『シェラ・デ・コブレの幽霊』絡みだ」と思い、検索して判明。

読売新聞→怖すぎる「シェラ・デ・コブレの幽霊」上映へ

 上記リンク先から全文。

 〈幻のホラー映画〉として映画マニアの語り草となっていた「シェラ・デ・コブレの幽霊」(米国、1964年)が2月6日、神戸市長田区の神戸映画資料館で上映される。
 すでに予約で満席だが、フィルムを所有する映画評論家の添野知生(ちせ)さん(47)は「上映会を機会にDVD化の機運を高め、多くの人にこの恐怖を体感してもらいたい」と話している。
 同映画はテレビ用に米国で制作。副業で「心霊探偵」をしている男性が、母親の幽霊に悩まされているという依頼主を訪ね、そこで起きる過去と現在とを結んだサスペンスホラー。残虐な描写は少ないものの、幽霊の容姿や効果音が不気味といい、怖すぎて米国では放送が見送られた。
 日本では約40年前、「日曜洋画劇場」で一度だけ放送された。また、試写版を見たテレビ局幹部が、あまりの怖さに嘔吐(おうと)したとの逸話も残っている。ビデオ化はされておらず、インターネットや映画ファンの間で“伝説”となっていたという。
 上映は、昨夏、人気テレビ番組で取り上げられたのがきっかけ。企画した映画愛好者でつくる「ホラー映画向上委員会」のメンバーが添野さんに相談し、上映会を計画した。同委員会は「約半世紀前の作品だが、恐怖は色あせていない」とPRしている。

 地方新聞でなく、全国区の新聞ですよ! 『探偵ナイトスクープ』で取り上げられた時も反響が大きかったけど、今回も大きい! 「ホラー映画向上委員会」の存在も一躍有名になり、正に「向上」な貢献をしてます!
 「ホラー映画向上委員会」のブログを去年から度々見ていて、予約がなかなか満席にならなくて不思議だったけど、やっぱ注目されてたんだ。それか、新聞にネタを提供したのか。ただでさえ少ない座席数だっただけに、新聞に取り上げられたとあっては、観れずに悔しい思いをする人がたくさんでしょうな。新聞記事にあるように、これがソフト化の機運をどばーっと高めることになりますように。

 しかし、ソフト化は、どうすれば可能なんだろう?
 権利者がはっきりしているなら、直に連絡を取って自費販売することはできる(『ミミズバーガー』のように)。しかし『シェラ・デ・コブレの幽霊』の場合は権利者すら不明だから、連絡の取り様がない(『探偵ナイトスクープ』に“本物の探偵”の働きを期待したんだけど)。関係者に片っ端から連絡を取って調査するしかないんだろうけど、そんなの既に誰かがやってるだろう。
 海外の色んな感想を見ても、過去に放送した局へ確認してる人は当然いて(たとえばオーストラリアのABC)、その回答も当然、「テープは残ってない」。だから添野知生さんの貴重なテープは何がなんとしても有効活用してもらいたいんだけど……
 署名運動をして映画会社に訴えかけることでソフト化を実現できるなら、喜んで協力させていただきますが、「ホラー映画向上委員会」の座席数の埋まり具合からしても、物凄い需要があるようには思えず、権利者が不明なものを探し出してまでソフト化することに積極的なソフト会社なんてないだろう。
 『探偵ナイトスクープ』に取り上げられるくらいじゃ駄目なんだろうな。たとえば「スマステ」に取り上げてもらうとか、全国放送のゴールデンタイムで放送している「驚きの~」みたいな題名の番組で特集してもらうとか、そんなのじゃないと本当に注目されないのかもしれない。「シェラ・デ・コブレを訪れる」みたいな。
 他には何ができるだろうか? 「ニコニコ動画」みたいな大人数が閲覧するサイトで、「勝手に『シェラ・デ・コブレの幽霊』」という動画を作って流すとか。それ単体でも話題になるような完成度の、「親指シェラ・デ・コブレの幽霊」や、「サウスパーク風シェラ・デ・コブレの幽霊」なんかを頑張って作って流せば注目度はさらに高まるだろう。それなら観た者で作れるし、ソフト化された際の特典映像として“売り”にもなる。誰か作って(つーか、擬似『シェラ・デ・コブレの幽霊』なら『女優霊』があるな……)。

 うーん。有効的なアイデアは全く思い付かず。とりあえず、添野知生さん頑張って下さい。と、既に観させてもらった者としては、とても無責任に他人頼りで申し訳ありません。

当ブログ内参考リンク→カナザワ映画祭2007・青いオトコまつり 覆面上映
当ブログ内参考リンク→シェラ・デ・コブレの幽霊は果たして……

 関係ないけど、よく考えたら、クリスピン・グローヴァーさんの『What Is It?』と『It's Fine! Everything It's Fine.』だって現存してるけどレア度は超高いので(日本国内で観られた人は、現時点では『シェラ・デ・コブレの幽霊』より少ないだろうし)、それも何とかならないものかと。私的にはグローヴァーさんの「Itトリロジー」の方が『シェラ・デ・コブレの幽霊』よりも圧倒的に好きなので。
 「Itトリロジー」の第3弾(『It Is Mine』が題名?)は順調なんだろうか……? 公式サイト見ても何の進展もないし、Twitter見てても特にないし。

 ところで、『シェラ・デ・コブレの幽霊』に出演しているマーティン・ランドーさんとグローヴァーさんは『9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~』(日本は今年5月公開)てアニメで共演している。「だから何?」て話なんだけど、色々と関連しているなぁと思って。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : シェラ・デ・コブレ

2010-01-27

ゴーストをライターで、ややこしい!

 新聞をぼんやりと眺めていたら、幸福実現党が参院選にも懲りずに出馬するそうで、選挙の娯楽担当として、大いに楽しませてもらいたいものです(支持しているわけじゃないので)。
 個人的には「よくそんな無駄金があるなぁ。『仏陀再誕』の収益も使ってんのかなぁ」と思い、「どれどれ、どんな輩が金沢市では頑張るのだ」と、間違えて幸福の科学の公式サイトを見てしまったら、驚愕!

 『松下幸之助 日本を叱る』という、松下幸之助さんの本が幸福の科学から出版される! 松下さんが語る、日本再生案! JAL再建策! 事業仕分けへの批判! パナソニックの社名変更についての感想!
 面白そう! 特に社名変更の感想が……って、あれ? 松下さんって、まだ生きてたっけ? それ以前に、幸福の科学と関係あったっけ?
 告知をよく見ると、著者は大川隆法さんだ。それに、「天上界からの緊急メッセージ」と書かれている。つまり、大川さんが死者である松下さんの声を聞き取って本にしたってことか。うーん。これは、「ゴーストライター本」ならぬ、「ゴーストをライター本」だな。
 「政治・経済で混迷を深める日本へ、天上界から国難を救う緊急メッセージ!」らしい。2月3日に全国書店で発売だ!
 そして、それだけではなかった。

 『龍馬降臨』という、坂本龍馬さんの本が幸福の科学から出版される! 坂本さんが語る、国難打破の未来戦略! 民主党とマスコミへの批判! アメリカ、中国との国交案! 暗殺の真相! NHKの大河ドラマ『龍馬伝』の感想!
 面白そう! 特に大河ドラマの感想が……って、いやいやいや。これも当然ながら著者は大川さんだ(坂本さんへ180分に渡るロングインタビュー)。つまり、「ゴーストをライター本」だ。それに、サイトの告知をよく見ると、坂本さんは「幸福実現党・応援団長」になっている。いつの間に!? 幸福実現党へ「幸福維新せないかんぜよ」とエールを贈っているし。告知ページには本文の一部分が掲載されていて、それが物凄く面白い。
 「小沢一郎が『無血革命』をやったって? そんな阿呆なこと言うなよ。なんもしとらん。看板の掛け替えに、誰が血ぃ流すんだ。何が革命じゃ。もっと前の自民党に『昔返り』しただけ、それが今の民主党の正体だ。
 「やはり、いったん国家を再生したほうがええな。国家も『JAL認定』をするべきだ。
 「日本が発信する思想を外国に輸出して、外国が日本を見習っていくようにする。それは、おっきな、おっきな理想だ。
 あっはっは。わかるわかる。が、これ、飲み屋でオッサンが愚痴ってるだけというか、単なる床屋談義だよなぁ。坂本さんはこんなこといわんのじゃないか? 死人に口なしだからって勝手にやりたい放題。まあ、それいったらドラマとか漫画とかソフトバンクのCMとかだってやりたい放題だから問題はないか(ないのか?)。武田鉄矢さんの感想を聞いてみたい。
 こっちは「混迷日本を斬る!」で2月5日に全国書店で発売だ! どう考えても大河ドラマの便乗商法だよな!

 何か馬鹿にしているように見えるかもしれないけど、2冊とも凄く読んでみたい。買う可能性が高いなぁ。買わなくても立ち読みは絶対にするね。
 他にも、幸福の科学の公式サイトに載っている雑誌に読んでみたいのがあった。『月刊ヤング・ブッダ』という雑誌だ。世に数多のヤング雑誌はあれど、「ヤング・ブッダ」だよ? 今さら「本当の自分探求マガジン」ですよ? 「YB世代」必読の雑誌なのですよ? 初対面の人から、自己紹介で「私はYB世代なんでー」とか照れながらいわれてみたいですよ? そしたら「本物だー!」とか思ってガッシリ握手しちゃいそうですよ? つか、どんな世代なんだよ。内容以前に、その誌名だけで大満足だ。誌名を見た瞬間、読んでないのに読んだ気にさせられる。内容は読まずに、毎号の見出しで内容を想像するのが最も楽しそう。

 最初の目的を忘れて楽しんでしまったけど、その後に幸福実現党の公式サイトを見たところ、公認候補者はまだ準備中だった。
 ついでに幸福実現党の政策をさらっと見て、他の国の話だったら笑って応援するな、と思った。でも、実は社民党や国民新党と大差ないんだよねぇ。政権内にいる分、社民党と国民新党の方が圧倒的にトンデモで厄介だ
 あと、幸福実現党(幸福の科学)は、「坂本龍馬」なイメージを出してるけど(大河ドラマ人気の便乗にすぎないけど)、今の日本に「坂本龍馬」な維新政治は必要ない。維新政治を行えば、もっと酷い状況になるだけだ。

参考リンク→宗教法人 幸福の科学 公式ホームページ
参考リンク→幸福実現党

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ジャンル : 本・雑誌

2010-01-24

『映画秘宝』が間違っている

 本屋で『映画秘宝』3月号を立ち読みした。毎年恒例のベスト&トホホ特集号だ。

 私の予想したベスト10は(私にとってのベスト10じゃないので)、
  1位『グラン・トリノ
  2位『愛のむきだし
  3位『スペル
  4位『イングロリアス・バスターズ
  5位『レスラー
  6位『2012
  7位『オーストラリア
  8位『カールじいさんの空飛ぶ家
  9位『ロボ・ゲイシャ
  10位『第9地区
だったんだけど、実際は、
  1位『イングロリアス・バスターズ』
  2位『グラン・トリノ』
  3位『母なる証明
  4位『レスラー』
  5位『愛のむきだし』
  6位『ウォッチメン
  7位『チェイサー
  8位『第9地区』
  9位『チョコレート・ファイター
  10位『スペル』
だった(覚え間違えてなければ)。

 私が予想した作品のうち6本は入っていたけど、順位は全部ハズレていた。
 1位が『イングロリアス・バスターズ』だったのは、『映画秘宝』らしいなぁ、と思う。
 2位の『グラン・トリノ』は、1位と差が殆どなかったので、公開時期が『イングロリアス・バスターズ』より後だったら1位だったろう。
 3位が『母なる証明』なのは意外。『キネマ旬報』といい、評価高いなぁ。
 4位の『レスラー』こそ3位であるべきじゃないのか、『映画秘宝』的には。
 5位の『愛のむきだし』は、昨年最も濃い映画だったんだけど、あのとっ散らかった感が5位にさせたのかな?
 6位の『ウォッチメン』は、出来はずば抜けて高いんだけど、そのくせ印象の薄い映画なので(面倒臭い物語だったのも悪い)、こんなものかと。
 7位の『チェイサー』は、『母なる証明』と同様に、意外。『映画秘宝』的には、肝心の殺害場面で腰の引けた演出をしてたのが気に入らないと思ったのに。
 8位の『第9地区』は恒例の未公開映画枠ですな。観てないから何ともいえない。
 9位の『チョコレート・ファイター』は、ようやく“正当”にベスト入り。良かったと思う反面、映画としては致命的に演出が駄目で(ダラダラとテンポが悪い)、アクションは本当に凄いけど、ベストに入る面白さとは思えない。はっきりいって、肝心のアクション場面だって、途中で眠くなるし。
 10位の『スペル』は、『映画秘宝』的には順位がもっと上でいいような。途中で飽きる『母なる証明』や『チェイサー』や『チョコレート・ファイター』よりはずっとずっと面白いのに。

 様々なベスト&トホホのコメントを読んでいて印象に残ったのは、『グラン・トリノ』のコメントだ。
 某雑誌の自称映画評論家(名前が記載されていなかった)が、「『グラン・トリノ』は『ROOKIES-卒業-』と変わらない駄作だ」みたいなことを書いたらしく、「米喰い虫」と愚弄するまでに憤慨していた。確かに、まともな神経なら超駄作『ROOKIES-卒業-』と『グラン・トリノ』が同列であるなどといえるわけがなく、その自称評論家は単なる捻くれ者なんだろう。
 が、実はそうでもないんだなぁ。自称評論家は、間違ってはいない。毎日新聞が実施している「毎日映画コンクール」の結果を見るとそう思う。

毎日jp→毎日映画コンクール:社会性と大作感持つ/伝える意味ある作品

 上記リンク先から抜粋。
◇TSUTAYA映画ファン賞◇
 <日本映画ベスト10>
 (1)ROOKIES-卒業-
 (2)20世紀少年<最終章>ぼくらの旗
 (3)余命1ヶ月の花嫁
 (4)ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
 (5)沈まぬ太陽
 (6)クローズZERO2
 (7)アマルフィ 女神の報酬
 (8)ごくせん THE MOVIE
 (9)僕の初恋をキミに捧ぐ
 (10)BALLAD 名もなき恋のうた

 <外国映画ベスト10>
 (1)マイケル・ジャクソン THIS IS IT
 (2)レッドクリフPart2 -未来への最終決戦-
 (3)ハリー・ポッターと謎のプリンス
 (4)ターミネーター4
 (5)天使と悪魔
 (6)カールじいさんの空飛ぶ家
 (7)トランスフォーマー/リベンジ
 (8)ベンジャミン・バトン 数奇な人生
 (9)2012
 (10)マンマ・ミーア!
 上記のファンによるベスト10を見て下さいよ。自称映画評論家「米喰い虫」さんが間違ってないことがよーくわかります。だって、外国映画に『グラン・トリノ』が入ってないばかりか、日本映画のベスト10は、全て駄作!
 まあ、百歩譲って、『ヱヴァンゲリオン新劇場版:破』が入っているのはまだ理解できるけど(いや、やっぱ理解できん。同じアニメなら、『サマーウォーズ』の方が何十倍も出来が良い)、残りは理解できん!! 特に上位3本の並びなんて、ワースト10の間違いだろ!?
 ま、ベスト10なんてのは、結果にあーだこーだとツッコミを入れるのが楽しみ方なので、別にいいんだけど、「毎日映画コンクール」のTSUTAYA映画ファン部門には毎年驚かされる。確実に駄作をベストに選んでくるんだから、面白い(失笑する、という意味で)。単なる売り上げのベストでなく、本当にこの十本が素晴らしいと思ってる人が世の映画ファンの大半――『映画秘宝』ファンよりは絶対に数が多いので、多数を占めるのはTSUTAYA映画ファンだろう――なのだとしたら、自称映画評論家「米喰い虫」さんのいってる「『グラン・トリノ』と『ROOKIES-卒業-』は似たよなもん」説は、間違ってないどころか、正しい。間違っているのは、『映画秘宝』なんだ。
 なるほど、道理で私には「TSUTAYA映画ファン」な友人がいないわけだ。

 ところで、『映画秘宝』のベスト&トホホのコメントを眺めていたら、カナザワ映画祭主宰者の小野寺生哉さんも寄稿していた。何か、普通に『映画秘宝』の仲間入りを果たしている。「(カナザワ映画祭に)最近ちょっと飽きてきた」と一言コメントが載ってたので、何とか飽きずに続けてもらえないものかと思った。主宰者としては面白くないのかなぁ……

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-01-21

『母なる証明』は、『ツイン・ピークス』のセンスなしアホ版

 ポン・ジュノ監督の『母なる証明』を観た。『ほえる犬は噛まない』、『殺人の追憶』、『グエムル』と今のところハズレなし(『20のアイデンティティ』と『三人三色』と『TOKYO!』は、ハズレギリギリだけど、オムニバスなので、見えないフリ)のジュノ監督最新作かつサスペンスだっつーから、とんでもなく期待して観た。実際、世評も大絶賛に近い高評価で、否応なく期待は高まるってもの。観る前から年間ベスト決定だと思った。

 邦題に「証明」とあるが、原題は「母」だけで、どこにも「なる証明」は入っていない。正直、邦題は余計な情報を与えてしまっていて、内容に合っていないと思う。
 物語は単純だ。アホな息子が犯した殺人を母親が揉み消す。そんだけ。今、盛大にネタバレをしました。
 問題は、どうやってアホな息子の犯罪を揉み消すかなんだけど、これが全く説得力がない。何せ捜査する「警察組織が馬鹿」ということを大前提にしているので、無理ありすぎるんだよな。韓国の警察は物凄く無能だ、といいたいだけの映画なのかもしれない。だから、題名は『母なる証明』よりも『真実の形』とかにした方がいーんじゃないか?

 前評判通り、面白い。すっごく面白い。
 初めは展開の緩さにイライラするんだけど、結末を観た後では、どうでもいいショットや展開がちゃんと伏線になっていること、全てが計算づくなのがわかって感心する。歴史的な大傑作だ、といっても過言でない。のだけれど、なーんか、素直に傑作ということはできない。
 まず、画面が悪い。物凄く意図的な画作りをしているんだけど、それがあまりにも意図的すぎて、ただ単に作為的にしか見えない。代表例が、開始早々のキム・ヘジャさんの奇妙なダンス。出だしで、「あ、これは駄目かもしれない……」と思ってしまったくらい、あの「映画的」な演出が駄目だってのもあるけど、何よりも撮影が悪い。最近のロケ撮影の良かった作品『イングロリアス・バスターズ』の出だしと比較すると、その差が歴然としている。
 そこだけでなく、全編通して画作りが悪い。夜の、女の子の後を追う場面にしても、そう。映画的で、映画ファンが大喜びしそうなものを意図的に撮っている、そんな感じが終始ずーっ漂っている。最後の場面なんて正にそれだ。想像もできない素晴らしいショット、に見えるけど、いかにも「映画的」すぎて、興醒めしてしまう。おかしいな、ジュノ監督って、あんなに「優等生」だったっけ?

 考えると、物語もメチャクチャだ。題名を素直に受け取れば、人間の心の闇を覗くようなサスペンスに思えるけど、アホな息子とアホな母親の衝動的にアホな犯罪劇と受け取れば、「親が親なら、子も子だな」という物語にしか見えない。実際、登場人物の殆どはアホだ。母親はアホな息子を盲目的に信奉する目が曇りきったアホだし、警察はアホな息子をちゃんと逮捕できないアホだし(捜査場面の警察なんて、完全にコントだ)、殺される女子中学生もアホだし、その援交客の男子学生なんてアホの世界から留学してきたかのようなアホだし、アホの息子の悪友も当然アホだし、韓国にはアホしかいないので、怖くて旅行できんな、と思う程に画面狭しとアホが大活躍する
 アホばかりなら、『母なる証明』の事件は起きて当然といえる。そして、真面目なサスペンスから逸脱したアホ映画と考えれば、ちょっと違う見え方もある。『母なる証明』は単なるブラックコメディ映画、というような。

 『母なる証明』をブラックコメディ映画として見れば、あの変な映画っぷりに納得できる。特にアホ息子が動揺して携帯電話をパカパカ開閉する場面は、「アホ」っぷりを強調する見事なギャグ場面だ。あれこそ本当にコントでしょ?
 『母なる証明』をブラックコメディ映画として見れば、近い感触の作品は、ルイス・ブニュエル監督の作品になるかもしれないし、デヴィット・リンチ監督の作品になるかもしれない。特に『ツイン・ピークス』に近い。意味もなく踊る場面もあるしね。
 奇人変人大集合ってものにしてはショボイのが困りものだけど、『母なる証明』は、ジュノ監督なりに不条理ギャグ映画を作ったんじゃなかろうか。私にはそのようにしか見えない。たぶん、そんなこと考える人は少数派だろうけど。

 真面目にサスペンスとして観れば、『接吻』の万田邦敏監督ならもっと素晴らしいものにできただろう、と思う。ジュノ監督の才能は凄いんだけど、『母なる証明』は、その凄い才能を見せ付けるだけのものでしかなく、いかに「映画的」であるかだけを考えた、正に「映画的」な映画。余りにも形式的に「映画的」すぎる。
 「映画的」を物凄く得意とする監督は、タランティーノ監督も同じで、しかし、『デス・プルーフ』からは「映画的」を超え、「映画」を撮っている。『イングロリアス・バスターズ』もちゃんと「映画」だった。ジュノ監督は、意図的に「映画的」を狙い、「映画ファン」を喜ばせる。でも、『殺人の追憶』は物語上に制約があったけど、自由に作れた『母なる証明』は、その自由さゆえに、完璧な形式を目指し、不自由な堅っ苦しい出来上がりになってしまっている。「ちゃんとしよう」と考えても「ちゃんとならない」リンチ監督に比べ、ジュノ監督はとっても優等生。その優等生ぶりが強調された「映画」らしい映画なので、映画ファンは喜んでしまう。羽目を外すところまでとっても優等生。「ほーら、こーゆーことすると、みんな喜ぶでしょぉ~」て感じに。
 ジュノ監督らしさはよく出ている。けど、どうせ羽目を外すなら、本気で遊ぶくらいでないと、途中で飽きてしまう。衝撃的な結末は、正に「衝撃的」を描いたもので、その恥ずかし気もない「衝撃的」には、思わず爆笑してしまった。世評ではサスペンスの大傑作のように褒めていると思うけど、音楽を「笑点」みたいな明るいものにし、登場人物が話す度に「会場にいる観客の笑い声」を流せば、印象は一変し、絶対にコントに見えると思う。そのくせお上品な映画なので、賞味期限は長くないだろう。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 母なる証明

2010-01-19

よっしゃ

 ゴールデン・グローブ賞が発表された。
 主要な賞は無視して(作品賞が『アバター』だしなぁ)、私の注目は当然、アニメ賞。『カールじいさんの空飛ぶ家』が放送映画批評家協会賞と同じくアニメ賞と音楽賞を受賞した。嬉しい。
 それにしても、アニメ賞を受賞するのはわかるけど、音楽もかなり評価高いんだな『カールじいさんの空飛ぶ家』は。まあ、私もサントラを購入したから音楽が好きなんだけど、何か意外だ。
 さて、この調子ならばアカデミー賞の最優秀長編アニメ賞も『カールじいさんの空飛ぶ家』が受賞しそうだ。好敵手は、『くもりときどきミートボール』と『コララインとボタンの魔女』か。

 『くもりときどきミートボール』もかなり面白かった。
 日本じゃ大した評判にもならずに公開終了してしまったけど、あーゆー出来の良いコメディはもっともっと評価されるべきだと思う。絵柄がちょいと日本人向けじゃないから子供が近寄ってきそうにないけど、「クレしん」並みに面白いんだから、もったいない。また、3D上映のために上映館が少なく、鑑賞を困難にしてしまっていた。
 子供が大喜びしそうなコメディなのに……アメリカじゃ大ヒットしたってのに……本当にもったいない。

 『コララインとボタンの魔女』はまだ日本じゃ公開されてないからわからないけど、こちらも当然かなり面白いに決まっている。監督が、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』、『ジャイアント・ピーチ』、『モンキーボーン』、『ライフ・アクアティック』の一部分、と未だハズレなしのヘンリー・セリックさんなんだから! 『モンキーボーン』最っ高!!
 その上、漫画『サンドマン』(邦訳版の続きを出してほしい!)のニール・ゲイマンさんが原作だ! 正直、ゲイマンさんの小説は好きでないけど(神話な『アメリカン・ゴッズ』と『アナンシの血脈』が好きになれなくて)、セリック監督が映像化するものに悪いものなんてあるわけない!
 昨年に『コララインとボタンの魔女』が公開されていれば、間違いなく私は大絶賛していた。でも、それでも『カールじいさんの空飛ぶ家』が大好きなのは揺るがないような気がする。が、日本でもっとセリック監督作品は大ヒットしてもらいたい。『カールじいさんの空飛ぶ家』並みに大ヒットさせるのは難しいだろうけど。

 今はベスト10なんて考えてないけど、洋画・邦画関係なくベスト10を作れば、ベスト1は『カールじいさんの空飛ぶ家』だなぁ。5回も観たし。グッズの3Dファイルを買って仕事で使ってるくらいだし。職場の人々から馬鹿にされるけど……ファイルを見てはニヤニヤしてます。

テーマ : 映画関連ネタ
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2010-01-18

いつものことながら

 昨年の年暮れ、近所の商店街で買い物をしたら「藤五郎富くじ」というものを2枚貰えた。それを財布に入れっ放しにして忘れていたことに今日気付き、当選発表日の記載を見ると、「1月12日付の北國新聞朝刊に当選番号を掲載」とあった。どうせ無駄にくじを捨てるくらいなら、結果を調べてみようと思い、廃品回収向けの袋の中から、1月12日の朝刊を探し出し、どこの面に当選番号が掲載されているのか見てみた。そしたら、「キネマ旬報のベスト10が発表」という記事を見つけた。
 日本アカデミー賞の結果以上に興味のないベスト10だから、存在自体を忘れていた。

 いやぁ、相変わらず微妙ぉ~なベスト10だなぁ。
 特に邦画。当ブログでけなした映画が4本も入っている(『剱岳 点の記』、『沈まぬ太陽』、『誰も守ってくれない』、『風が強く吹いている』)。ブログ記事にしていないけどけなしていた映画を含めると、7本も入っている。ベスト10中、7本も私はけなしていた。褒めたのは『サマーウォーズ』だけで、絶賛したのは『愛のむきだし』だけだ(これもちゃんと記事にしていないけど)。
 洋画は、堅実。が、『母なる証明』と『チェイサー』が上位ってのは、どうなんだろう? いや、悪くないけど、うーん、やっぱ微妙だなぁ。『イングロリアス・バスターズ』が10位ってのは、理解できんな。ベスト10の内容を見る限り、もっと上でもいいのに。それに、それにだ。『カールじいさんの空飛ぶ家』が入ってないのはおかしーんじゃないの!? 邦画に『サマーウォーズ』が入ってんなら、『カールじいさんの空飛ぶ家』が入ってないのはおかしいだろ!
 結果的にムカついてしまった。

 でも、まあいいのだ。放送映画批評家協会賞では、『カールじいさんの空飛ぶ家』は最優秀長編アニメ賞最優秀音楽賞の2部門を受賞したからね。何か負け惜しみみたいだけど。

放送映画批評家協会賞→2009年度の受賞・ノミネート作品一覧

 ちなみに「藤五郎富くじ」は、1番違いで2等5万円を外したのが惜しかっただけで、何も当たってなかった。新年早々から忘れたり外れたりだ。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2010-01-16

変態の女の子も正義

 ぷらぱさんの『R18! あーるじゅうはち!』2巻を購入。1巻がまあまあ面白かったので、続いて買ってみた。
 1巻を買った時の感想は、「内容的にも、たぶん主人公が段々と変態になってゆくだけのような。大丈夫か?」で、本当にその通りになっていた。主人公が単なるオッパイ好きになってしまって、羞恥心をどっかに全力で投げ捨ててしまったご様子。最初っから業界ネタ漫画としては弱かったけど、業界ネタなんてどうでも良くなってるくらいに主人公が変態へと進化している。おかしいな、ちゃんと読んでいた筈なのに、気付かぬ間に立派な変態へ脱皮しておりました。でも、それだけ。単なる変態と化した主人公は、もう面白くない。普通以下になってしまった。
 たぶん今後はつまらなくなる一方だと予想し、1巻共々売却することに。

 『R18! あーるじゅうはち!』の1巻と同時期に買った、紺野あずれさんの『こえでおしごと!』は逆に面白くなってる。
 最初は『R18! あーるじゅうはち!』の方が面白いと思っていたんだけど、『こえでおしごと!』はギャグに突っ走ることなく、真面目にエロ声優の成長物語となっている。主人公が羞恥心に身悶えしているのに根は変態ってところが、何というか、SMっぽい。
 3巻まで出ていて、徐々にエロ(声優の役柄のシチュエーション)のハードルが高まり、次の難題は「ア○ル」だろうと、ファンの期待が高まる一方でございます。ブルマとアナ○で有名な紺野さんだから、絶対にブルマと○ナルのシチュエーションを登場させ、「ア○ルって、何?」ときて、「えええーっ! お尻の○が気持ちいいの!?」となり、勉強して想像力を逞しくさせ、見事にイってくれるのでしょう。『エロマンガノゲンバ Vol.2』に、ファンの期待に応える旨、インタビューが載ってたし。

 『R18! あーるじゅうはち!』と『こえでおしごと!』では表現形態が全く異なるので同一線上で比べるべきではないけど、女性が主人公のエロゲー業界漫画という括りで近い時期に登場した以上、比べてしまう。片やギャグに突っ走り、片やストーリー漫画として意外と健闘している。『R18! あーるじゅうはち!』のギャグとしての価値は、主人公が開き直ってしまっている以上、面白く続けるには今以上にオカシイ人物を登場させるかしかなく、困難だ。しかし、『こえでおしごと!』は本質はSM漫画なので、まだまだネタがあり続けるから、ポップな被虐漫画として邁進できるだろう。というか、期待してます。
 本当、『こえでおしごと!』は、どう考えてもシチュエーションをエロゲー声優にしたSM漫画なんだけど、そう感じさせないポップな絵柄のおかげで、読み易く、面白い。主人公を純情可憐なままに、引き続きハードエロスな声優シチュエーションを展開してもらいたいものです(一般誌の規制が許す限りで)。同級生も仲間に引きずり込み、あとは学校の先生に仕事がバレるとか、親友以外の学校生徒に仕事がバレるとか困ったハプニングが予想されますな。でも、本当のエロな展開にすると、そこで発展が止まってしまうから、バランス調整は難しそう。

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2010-01-11

こいつにはムカつく

 そういえば(昨日の続き)、3D上映映画を観ていて必ず思うことが、「No More 映画泥棒」のCMがウザいってこと。

 何で「No More 映画泥棒」のCMは本編開始直前に流れるんだ? やっと本編が始まるかと思ったら、あの「デデデデデデ」って時代遅れ感満載のブレイクビーツが流れて「カメラ男」が登場する。ガックリくる瞬間だ。確か昨年の『トランスポーター3』の時なんて、1、2作目のダイジェスト上映が本編前にあって、その後に「No More 映画泥棒」のCMがあった。いや、「No More 映画泥棒」を流すならダイジェストの前じゃありませんか? おかしいだろ順番が! あれはムカっときた。
 盗撮とかの予防に少しでも効果があるのか知らないけど、真面目に観ている側からすれば、鬱陶しいことこの上なし。何百回と見せられて、逆に盗撮したくなるもんな。盗撮して発見されるものか試したくなるよ。
 そんなただでさえウザい「No More 映画泥棒」CMが、よりによって3D上映でも当然の如く登場するわけだけど、流れるのはやはり本編の直前なのだ。つまり、こちらは3Dメガネをかけて3D上映を楽しんでいるってのに、3D世界へすっごいつまらない2Dの「No More 映画泥棒」CMが平然と割り込んでくるわけですよ。作れよ3D版の「No More 映画泥棒」CMを!! でなければ、「No More 映画泥棒」CMは3D上映前に流せよ!!

 話に聞くと、マイケル・ジャクソンさんの『THIS IS IT』は公開後すぐにネットに流れていたという。しかし、それでも大ヒットしていた。収益の少しはネット流出に奪われたろうけど、製作者の生活を脅かすくらいにみんなが流出版に群がったりはしなかった。
 話は全く変わるけど、一昨年くらいだったか、外国の観光地で建造物に落書きをした大学生が問題になったことがあった。何であんな幼稚なことができるかというと、そこの価値を知らないからだ。知っていれば絶対にアホな真似はしない。何で価値を知らないくせに観光地なんかへ行くのか。昔は(という程に私は年寄りじゃないんだけど)、「何も知らない」が当然だった。今ほど簡単にTVやネットで観光地の建造物を見られなかった。それが今や、画面で「見る」や「体験する」が当然になり、現場へ行っても、「あー、『見た』通りだ」とか思ったりする。誰でも「見る」が簡単になり、観光地の価値自体は下がった。iPhoneの「セカイカメラ」に慣れ親しんでしまうと、「昔ながらの価値」なんて意味がなくなってしまう。「手の届かない凄いもの」よりは「手の届く凄いもの」の方が良いと思われ(それはそれで正しいけど)、「手に届かない凄いもの」を手に届くようにしてしまう。現場へ行くのは単なる確認作業にすぎず、確認して「あー、同じだ」と思って、それだけじゃ面白くないから「記念カキコ」をしたりする(iPhoneの「セカイカメラ」が世界中に普及すると、アホな違法落書きは減るだろうな)。
 価値がわからない人に価値を説くのは難しい。だから、「映画泥棒」に映画の価値を説くことも難しい。それが駄作なら、「ネットで違法ダウンロードして何が悪いの? どうせ駄作じゃねーか」といわれてしまう。無論、駄作であることと違法ダウンロードをして構わないことには全く関連がない。が、映画の価値がわからない者は、別に映画館で観る必要はないと思うだろうし、ネットでタダで鑑賞できるならそれでいいや、と思うだろう。それについては結局、「それは違法行為なんですよ?」で対抗するしかない。でも、価値観というものはそんなことで変わるものじゃない。
 それに、当然ながら、「映画泥棒」は別に価値がわかってないわけじゃない。わかってるから、タダで観ることに価値があるわけだ。そこには「映画を観るための基本料金が高い」のと「映画館で観るのは面倒だし、マナー、マナーとうるさい」というのがある。お金がなくて、でも映画が観たい人にとっては、お金がないなら観ることを我慢すればいいんだけど、タダで観られる環境が揃っているなら、それを止めるのは難しいし、観るのはしかたないとも思う。
 で、そう考えると、「NO MORE 映画泥棒」のCMは、ちゃんとした観客に苦行を強いるようなものだ。ちゃんとした観客は、みんな映画の価値をわかっているから映画館に観にくる――わけじゃない。でも、とりあえず映画館にお金を払って観にくるんだから、ちゃんとした観客だ。そのちゃんとした観客相手に「NO MORE 映画泥棒」と説教をする。いや、それならさ、ちゃんとした観客の得になることをいおうよ。ちゃんと映画館で映画を観るとどれだけお得か、それをちゃんと説明しなさいよ。それもできないで「NO MORE 映画泥棒」って説教するのは、間違っていると思う。

 それにしても、3D上映の映画を盗撮してネットに流出して、何か意味があるのかな? 画面がブレまくってるのに。3D上映映画に「NO MORE 映画泥棒」のCMはいるのだろうか?

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2010-01-10

今の3D映画は、エミュレーターのゲームみたい

 友人と『アバター』をまた観てしまった。別に観たくて観たわけじゃなく、観たいといったから一緒にいっただけで、しかも字幕版で、3DメガネがXpanD方式のやつ。

 2度目に観てはっきり確信した。『アバター』は面白くない。だって、友人には悪いけど、途中で1時間くらい寝たし。3D上映というアトラクション的な面白味があって初めて評価できる映画で、3D効果を抜きに考えると、全っ然面白くない。
 CGは凄い。それは本当に評価できる。でも、そんだけ。前人未到の映像美とかじゃない。別にジェームズ・キャメロン監督でなくとも誰かはあの程度の映像を作ったろう。たぶん、『アバター』のすぐ後に『オーシャンズ』を観たら『アバター』なんて消し飛ぶだろう、その程度の映像美だ(『オーシャンズ』が素晴らしい、といってるわけじゃないので)。
 異星人に肩入れする物語だって、別に珍しくないし。開拓ものの常だし、西部劇だし、トム・クルーズさん主演の『ラスト・サムライ』と似たり寄ったりじゃん。宮崎駿監督の『もののけ姫』を思い切った映画が『アバター』だ、と前回たとえたけど、同じ宮崎監督の『風の谷のナウシカ』でもいいんだけど、『アバター』は思い切っただけで、「政治的にも生物学的にも、そんなに軽くていいの?」と思うくらい、比較して雑すぎる。あまりにリアルな2D世界(仮想空間)に入り浸り、萌え微少女と結婚して2D世界から戻って来れなくなった引きこもりの話、と捉えてもいいし。いや、そこまで思い切った物語ではないか『アバター』は。

 物語だけでなく、ガジェット的な面白味も少ない。製作に時間がかかりすぎたためか、何か古臭い。無骨な古臭さが良かった『エイリアン2』と同じものを今作られると、それはただの「古臭い」になってしまっていた。
 パンドラの映像は素晴らしいけど、結局は既存の映像のパッチワークにすぎない。決してオリジナルでなければならない、と批判したいわけじゃなく、ヒップホップ的なサンプリングの妙は今や当然の文化だから否定する気はなく、また一過性の人気にすぎないからと否定する気もないけど、「凄い」けど「どっかで見たことある」ものにしかなってないんだよな。パンドラの動植物は、日本のファンタジー漫画やアニメで見たことあるようなものばっかだし(それを完璧に実写化する才能と技術力と労力と製作費は間違いなく凄いけど。特に『Space Battleship ヤマト』みたいなクズ決定映画と比べれば)。つまり、本当の「未体験の映像」は見られない。

 そもそも「未体験の映像」ってどんなだろう? 何でもかんでもCGで作れるようになり、今までに見られなかったものを見てみたい、と思っても、何が見たいんだろう? 考えると、特に思い付かない。たぶん、殆どの人が同じだろう。となると、斬新な映像美を作ろうとする人にとっては、要求のないものを作らなければならず、それは手探りの作業になる。そこで最も簡単なのは、既にあるものをかき集めて「凄そう」なものを作ることだ。『アバター』は正にそんな感じ。斬新ではないし、真に「未体験の映像」でもないけど、「最新の凄い映像」ではある。最新だから当然、1年もすれば時代遅れになってしまう。ゆえに『アバター』の賞味期限は早いと思う。
 遠い未来に「映画史」が編まれた時(映画の歴史なんてまだ百年ちょいだ)、『アバター』はどう書かれるだろうか? 「3D映画元年」の始まりを盛り上げた映画、とは書かれるかもしれない。でも、それだけで終わりそう。盛り上げたは盛り上げたけど、それは映画の力でなく、配給会社の力によるものだから。そして、3D映画が真に盛り上がるとすれば、まずは映画館側の問題が解決されてからだろう。つまり、コストの問題と3Dメガネの不便さの解決だ。

 XpanD方式で観て思ったことは、「上映時間がとても長く感じる」だ。RealD方式クリップオンメガネでも少しは不便だと思ったのに、重くてデカイXpanD方式の3Dメガネは観客側としては不便極まりない代物だ。映画を楽しめることは楽しめるけど、完全に集中できない。RealD方式はまだ軽いから集中できるけど、それでも3D上映そのものが、目が疲れるので、長時間の上映作品に向いていない。上映時間が1時間半を切っていた『ファイナル・デッドサーキット3D』ですら疲れたから、現状では、3D映画の上映時間は短ければ短い程いい。『アバター』は3時間近い映画だ。つまり、ソフト(映画作品(『アバター』))が優れていても、ハード(3D上映設備)が優れていない以上、真に革新的な映画体験なんて生まれるわけがない。
 ちょっと話が逸れる。事業仕分けでスーパー・コンピュータの開発費用の是非が論議されたけど、「世界で2番目でいーじゃん」て発言には、ゲーム好きだった私としては、セガのハードが任天堂やソニーに負けたこともあり、「そりゃあ世界一がいいに決まってんじゃねーか!」と思った。当然だ。どうせ金かけるなら一番を目指すべきだ。が、しかし、セガが負けたのは、ハードのせいだったか? ハードはかなり優れていたのに負けた。ソフトが駄目だった。いや、傑作ソフトはあったけど、主流派にはなれなかった(ゆえに今でもセガのハードを愛する人は存在する)。スーパー・コンピュータのありがた味がイマイチわからない私でも、それが開発されることにより『アバター』や『カールじいさんの空飛ぶ家』がもっともっと凄くなる、とか説明されれば「そりゃあ凄いことなんですね」とか思うけど、結局はソフト開発の問題でもある。ハードあってのソフトだけれども、日本のソフト開発力って今、世界で何番目なんだろう? 少なくとも、ゲーム開発では世界一じゃない。だから議論すべきは、「商品価値が高いスーパー・コンピューターを開発できるのか」と同時に「ハードを活かした日の丸印のソフトを開発できるのか」だ。事業仕分けでスパコンの開発費を削られることに対する批判を見ていたら、セガのハードで世界一になれなかった歴史を想い出してしまう。
 『アバター』の話に戻る。『アバター』は、ソフトとしては優れている(映画として、でなく)。ただ、それを活かすハードがない。「3D映画元年」といわれた昨年だったけど、ハードの方が優れない限り、3D映画が2D映画を超える時代は到来しない。映画館は、「3D映画時代」の到来を期待して、3D映画上映の設備投資を行っているんだから(3D映画上映館が増えてるし)、「3D映画時代」が到来しないと困る。でも、せっかくの設備投資だけど、人間工学的に優しいものじゃないので、観客は今困っている。本来ならソフトに見合ったハードの性能が必要なんだけど、エミュレーターで遊んでいるゲームのようなチグハグさがある。

 今のまま「3D映画時代」が到来したら、困るのは観客だ。XpanD方式の3Dメガネだと、我慢を強いられるから。我慢してまで3D上映を観る価値があるかというと、『アバター』にはないし、『カールじいさんの空飛ぶ家』にだってない。我慢するくらいなら、普通の2D上映でいいや、となる。しかし、普通に2D上映で観たら、『アバター』には大して存在価値がないのだ。
 「3D映画時代」は、まだ当分は先のことだろうなぁ。

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2010-01-08

『アバター』は、マイケル・ジャクソンが絶賛しそう

 ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』を観た。
 12年ぶりのキャメロン監督の新作というだけでなく、最新鋭の3D映画となれば期待は否応なく上がりまくる。正直、「『タイタニック』の監督」という括りだと全く期待しないんだけど、「特撮技術が衝撃的だった『ターミネーター2』の監督」という括りだと期待するなという方が無理ってもんだ。
 で、期待には間違いなく応えている。監督としての技術力より、特撮技術の凄さで。

 簡潔に感想をいうと、マイケル・ジャクソンさんが大喜びしそう、だ。ジャクソンさんがまだ生きていたら『アバター』を大絶賛していると思う。遂に人間でなくなったジャクソンさんは、生前から人間を憎んでいる節があったし。「わかる、わかるよ! ダッ! 人間なんてぶっ殺せばいいよ! フゥーッ!」と叫んでそう。そして、「ダッ!」や「フゥー!」というブレスにナヴィ族の威嚇「シャーッ!」が加わっていたことだろう。
 もうちょっと具体的に感想をいえば、ジャクソンさんの歌「Heal The World」にケン・ラッセル監督の映画『アルタード・ステーツ』をたたっ込み、宮崎駿監督が思い切れなかった『もののけ姫』を思い切った映画、だ。今さらだけど、『もののけ姫』で『アバター』の結末をやってくれればスッキリしたのに、と思ってしまうが、それをしないのが宮崎監督で、やり切ってしまえるのがキャメロン監督なんだろう。宮崎監督至上主義な私からすると、「あー、これが『トトロの森』だったらなぁ」とか考えてしまい、その森を焼こうとするんだから、「そりゃー、殺されてもしかたないわな、人間は」とナヴィ族に肩入れしてしまう。うん、ナヴィ族がトトロに思えたよ。
 話が脱線した。つまり、物語はそんな感じなのだ。エコで感情的。子供にもわかり易く、勧善懲悪。余計な伏線や捻った設定はなし。色んな物語から拝借したパッチワーク。ほとばしる既視感。なので、世評には「映像は凄いけど、物語はダメダメ」という感想が多いと予想される。

 確かに物語はダメダメだ。『アバター』は、主人公が人間として責任を取らない、単に現実から逃げただけの物語だ。オードリー・ヘプバーンさん演じるアン王女がグレゴリー・ペックさん演じるブラッドレー記者と駆け落ちする結末の『ローマの休日』だ(宮崎監督の『ルパン三世 カリオストロの城』でたとえてもいい)。それはそれで夢見た結末ではあるけど、そんなもんは夢でいいわけで、誰も望んでないんだよ。いくら「未体験の映像」のためとはいえ、ちょっと物語が雑すぎるよなー。
 キャラの設定と設置も雑で、全てが類型的すぎる。つまり、キャラそれぞれの立ち位置は絶対的で、別の領域と交差することがない。とっても古めかしい作劇だ。大佐なんて典型的な筋肉バカだし。そもそもさぁ、ナヴィ族のどこに惹かれたの主人公は? 鹿みたいな顔が真っ青なってる生き物なんだよ? 「実はこんなサイド・ストーリーがありまして……」ってなりそうだけど、そんなのは画面に説得力があっての話。『アバター』を日本で萌えアニメとして作れば、かなり説得力のあるナヴィ族が描けるとは思うけど。
 でもまあ、物語が雑なのは意図したものだろう。『アバター』の主軸は、「感動的な物語」なんかにはなく、「未体験の映像」にある。物語は、「未体験の映像」を効果的に、また飽きずに楽しめるためにある。物語の途中、主人公は、「アバター」である時とそうでない時のどちらが「真の自分」なのかわからなくなる。そこから『クラインの壷』のような展開をやろうと思えばできたろうけど、キャメロン監督はやらなかった。できる限り「未体験の映像」に注意を注いで欲しいからだ。
 だから『アバター』にとって重要なのは、テキトーな物語を批判することでなく、「未体験の映像」を批判することだ。

 特撮の技術に関しては絶賛するしかない。本当に凄い。CGの技術力は遂にここまできたか、と感心するばかり。ありえない空想世界が本当に実在しているかのような質感がある。衛星パンドラでロケしてきたと思えてしまう。12年間も新作を出さなかっただけはある。
 が、しかし、『ターミネーター2』でのCGの使い方や、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』や『プライベート・ライアン』を観た時程のインパクトはない。凄いは凄いんだけど、3D効果を加えなければならなかったために、真に革新的な映像にはなっていない。それに、3D効果のせいで、逆に画面に奥行きがなくなっている
 いうまでもないことだけど、3D効果で立体的に見えても、実際に我々が「見ている感じ」とは全く異なる立体感で、つまり現実的な立体感にはまだまだ程遠い。「2Dな3D」というか、「写実的な萌え漫画」な感じ。写真を見ればわかるけど、写されたものはレンズや撮り方による――ピントの合わせ方で全く異なる写真になる――ので、事実と真実は異なるものだし、人によって捉え方が異なるものだ。現時点での3D技術は、「みんなの事実」を扱える程度の技術力でしかなく、「誰か1人の真実」を扱える程度には到達できていない。それは扱う人の感性や考え方によって異なるけど、たとえばキャメロン監督でなく、ブライアン・デ・パルマ監督やデヴィット・リンチ監督やデヴィット・クローネンバーグ監督が3D映画を撮ったら、キャメロン監督とは異なる方向性の3D映画を撮るだろうけど、まだまだ技術がそれを実現させられる域にない。できることはピントをどこに合わせるのか、程度のものだろう(3D効果はそんなもんだったりするわけで)。となると、3D効果は、実はとても映画をつまらなくするものなのかもしれない。
 『アバター』は物語と同様に、演出も面白くない。特撮技術は凄いけど、記憶に残る程に素晴らしいショットは皆無。超大作なのに、映像の印象は「物凄い金のかかったTVドラマ」だった。特撮技術が凄くて現実味があるけど、やたらとピントの合った夢のようでもある。だからむしろ、のっぺりと平坦な画面になっている。「立体感が凄い」という人はいるだろうけど、そんなものを映画に求めても――少なくとも今の技術力では――面白いとは思えない。本当に凄い3D映画は、それこそSF映画のように、ヘッドホンのようなものを頭に付けて、脳に直接働きかけるような機械が開発されてからだろう。それまではどこにピントを合わせるか、それだけが問題になる3D映画しか作られない(それでもアトラクションとして面白いといえば面白いんだけど)。そしてそれによって映画は確実に面白くなくなる。

 昨年は、「3D映画元年」といわれた。『アバター』は確実にそれを印象付ける映画ではある。そう、まだ「元年」に過ぎない。『アバター』ですら、最初の一歩に過ぎない。ここからもっと凄い映画が登場するだろう。
 本当に凄い3D映画は、今現在大活躍している人気監督でなく、もっと若い、まだ無名に近い――または無名の――監督が作ることだろう。現状の3D映画はピントの合わせ方に終始するだけなので、全く考え方の新しい監督――または専門の技術者――が登場しない限り、本当に凄い3D映画は観られないと思う。「未体験の映像」は、まだ『アバター』にはない。CGの技術は物凄いけど、日進月歩の技術開発を考えれば、予想の範囲内だ。
 全体的なイメージが『エイリアン2』の別世界の物語にしか思えない点からも、『アバター』は、観客からすると大して凄くない。時間も無駄に長い(30分は確実に無駄)。
 映画館によっては3Dメガネが鑑賞の妨げになるだろうから、物珍しいのが好きな人以外は、2D版を観た方がいいと思う。物語が面白くなくても3D効果で楽しめるけど、3Dメガネによっては観るのも我慢ならないかもしれないし。
 ここから新しい世界が始まる――そんな期待は全く感じられない映画だった。私としては、残酷さとエロさに3D効果を特化した映画の登場を期待しとうございます。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

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2010-01-07

こっちの方がいい

 またまた『カールじいさんの空飛ぶ家』を観てきた。たぶん、これが最後の予定。
 最後を飾るのは、前回と同じく、3D版。しかし今回は、3Dメガネが「RealD方式」のクリップオンメガネだ。

 「RealD方式」の通常の3Dメガネで観た後でクリップオンメガネがあることを知り、「くそう、それならもう1回観る!」と5回目の鑑賞となった。
 はっきりいって、クリップオンメガネは良かった! メガネなしでは見られない人でも大丈夫! メガネの上に3Dメガネをかけるなんて邪魔なことしなくてもいい! 300円の別料金は必要だけど、想像以上に軽かったし、装着も簡単だったし、専用ケースも一緒に貰えるから持ち運びに困らないし、超便利!!
 いや、それでもまだ文句はある。あるけど、コンタクトでなくメガネ着用の人にとって、コストダウンのために快適さを犠牲にした「XpanD方式」は論外だし(視力に問題なくても、「XpanD方式」は大きくて重いから、長時間の鑑賞には絶対に向いてない)、同じ「RealD方式」の通常の3Dメガネだって、メガネの上にメガネをかけることになるから不便なので、現状の最適な選択は「RealD方式」のクリップオンメガネだといえる。

 で、良かった。メガネ着用で観た3D版は、前回よりも細部がくっきりと見ることができ、しみじみと楽しめた。確実に2D版とは違った楽しみが味わえるので、一見の価値ありだった。だったが、正直、最初から3Dに特化して作ったわけじゃないから、色彩を楽しむのであれば、2D版の方が落ち着いて楽しめる。3D効果の楽しみは、予告編でやっていた『アリス・イン・ワンダーランド』の方が遥かに上で、『カールじいさんの空飛ぶ家』は、ちょっとした味付けに3D効果を使ってる程度。そのちょっとした3D効果でも楽しいことは楽しいので、子供なんかは大喜びしていた(観た回は子連れ客がたくさんいて、座席は満席寸前の混み合いだった)。
 ちなみに5回も観てんのに、またまた同じ場面でボロ泣きした。

 続けて『アバター』も観た。こっちは最初から3Dに特化して作っただけはあり、『カールじいさんの空飛ぶ家』と逆に、2D版は観なくてもいい。つーか、観る気が起きない。3D効果のためだけの演出が随所にあり、つまり3D上映で観ないと「何だこれ?」と思うような場面だらけなのだ。
 昨年は「3D映画元年」とかいわれているけど、『アバター』の登場によって本格的な3D上映が始まるかもしれない。今回観に行ったワーナー・マイカルは3D上映の宣伝に力を入れているので(3D上映館を増やしたし)、盛り上がらなかったら悲しいだろうなぁ。

 「3D映画元年」といえば、即座に想い出すのが、「2010年[ヤマト]YEAR始動!!」。どう考えても「ヤマトイヤー」にはならんだろうけど、今年が「3D映画イヤー」ならあり得るかもしれない。ただし、全部が全部『アバター』みたいな映画だと、ぶち上げただけに終わりそう。特に『ブラッディ・バレンタイン3D』や『ファイナル・デッドサーキット3D』みたいなものばかり続けば(私はそっちの方がいいけど)、確実に一過性のお祭騒ぎに終わってしまう。とりあえず『アバター』がアメリカ程の大ヒットになるかどうかでしょーね。

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2010-01-04

年始から景気がいい

 正月に情報解禁されたようで、実写版「宇宙戦艦ヤマト」こと『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が。いやぁ、予想通りの酷さだね。

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』TVCM


 全世界の駄目映画好きが歓喜しただろうな、この30秒だけで(「駄目な映画好き」でなく、「駄目映画を好きな人」ですから一応)。たった30秒しかないのに、ツッコミ所が満載。木村拓哉さんの演技はカッコイイし(手袋くわえて歩く姿がカッコ良い! 爆笑!)、髪型が軍人とは思えないくらいオシャレでカッコイイというか「キムタク」そのままだし、船内のセットが民主党政権並みに事業仕分けな感じで貧相な時代を反映しているし、CGのショボサというか邦画のCG技術は相変わらずPS2を最新機種と思っているようだし、実写で見ると波動砲ってとんでもなく無駄な代物であることがわかるだけでなく絵面が冴えないし……良い所全くなし! 凄いっ!!
 絶対に酷い超駄作なのは決定だろうから、あとはどれだけ捻くれ者を楽しませてくれるか。「2010年[ヤマト]YEAR始動!!」だよ新年早々から! 何それオモシロすぎ!! 今から期待で胸がぶち切れそうだ!!

 つーか、年末まで「ヤマトイヤー」であることを忘れさせないでいられるのか東宝は? どんだけ広告費を使う気だ? 途中で資金切れになると、夏くらいで「ヤマトイヤー」は忘れ去られてしまうぞ。何でも、元日の広告費だけで1億円も使ったそうだ。予告編も年末までずーっと流し続ける気なんだろうなぁ。事業仕分けだ何だといってるこのご時世に、よくもまあそんな無駄遣いを。ヒットするかしないかでいえば、たぶんヒットするだろうけど、元日の広告だけで1億円かぁ……そのくせ製作費は20億円なんだよな。安っ! たったの20億円だよ!? その金額で出来が想定できてしまう。世界中から失笑の嵐が巻き起こるのは間違いなし。
 何だか『DRAGONBALL EVOLUTION』を想い出してしまう……

 それにしても、何でこんな無駄なことするんだろうなぁ。前・後編に分けて上映するくせに後編の公開が4ヶ月も後っていう『のだめカンタービレ 最終楽章』とか、「え? これ、存在価値あるの?」てのが多すぎる。つーか、『のだめカンタービレ 最終楽章』は入場料をもちっと安くしてもらいたいな。基本が900円なら別に文句ないんだけど。出来に見合わないんだよな、入場料金が。

 正月中にTVCMを見て驚いたのは、他にも『交渉人 THE MOVIE』がある。また『踊る大捜査線』のスピンオフなのかと思ったら、あの超駄作TVドラマ『交渉人』の方の映画化か。映画を変に意識した演出と編集に凝ったためにとんでもなく糞になったドラマを、今度は金かけて「意識した」のではなく、本気で「映画っぽく」したわけだ。あー、酷そう。だから楽しみ。絶対に観ますよ。

 今年も映画は楽しめそうで良かった良かった。

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2010-01-01

あけおめて最初は

 新年明けましておめでとうございます。何とかまた無事に年を越すことができました。今年もよろしくお願いします。

 さて、私は今日も仕事だった。職場の近所には神社があって、ぴーひゃらとけてんと軽やかなお囃子の音が聴こえてくる。ちくしょう、楽しそうだ。でも、いいのだ。今日は「映画の日」。どの映画館でも千円で観られる日。普段なら高額な3D上映も今日は安く観られる(ワーナーだと3D上映は基本料+300円なので、「映画の日」だと通常よりも800円も安い!)。から、遂に『カールじいさんの空飛ぶ家』の3D版を観てきた。

 感想は、イマイチ。もちろん、映画が悪いわけはない。座席位置が悪かった。
 観た映画館は、ワーナー・マイカル・シネマズ御経塚。元日から客がたくさんおり、座席が後方の端っこしか残ってなかった。そこだと3D効果が低く、かつ私の視力が低いために少しボンヤリ気味にしか画面が見えない。メガネをかけた上に3Dメガネをかければ良かったんだけど、メガネの上にメガネってのは……装着位置が安定しなさそうなのでやらなかった。その結果が、イマイチ、となってしまった。
 4度目となる『カールじいさんの空飛ぶ家』は、さすがに感動しないだろうと思いきや、さらに面白く観ることができて良かった。でも、存分に3D効果を楽しみたかったので、少しガッカリ。
 もやぁっとした気分で映画館の外に出たら、大きな立て看板があり、それをふと見て愕然とした。メガネにクリップで留める3Dメガネとやらがあるじゃないですか!

ワーナー・マイカルのプレスリリース→3D映画鑑賞用に“こども用”と“クリップオンメガネ”が登場!

 窓口で頼めば300円で売ってくれるそうだ。買ってしまえば後はそれを使い続ければいいので、メガネ使用者にとっては嬉しい。それを最初に知ってれば、というか、窓口の係員が新設に教えてくれればクリップタイプの3Dメガネを買ったのに! それさえあれば、後方の座席でもくっきりと画面を見られたのに(3D効果は低いだろうけど)!
 ということで、今度はクリップタイプの3Dメガネを使って、『カールじいさんの空飛ぶ家』をまた観ようと思う(本当は、『アバター』も続けて観ようとしたんだけど、チケットが完売していた)。こんなに何度も観ていると、2009年度の映画ベスト1は間違いなく『カールじいさんの空飛ぶ家』だな。

 ところで、『カールじいさんの空飛ぶ家』のサントラCDを買おうとしたら、ディズニーはサントラCDを発売してないのか。何ヶ所かCD販売店を見て回っても見つからず、Amazonにもなく、「あれ? 発売してないわけないのに?」と思い、公式サイトをよく見たら、データ配信販売のみだったのか。
 しかたないからコンビニでiTunesカードを買い、iTunesStoreでアルバム単位で『カールじいさんの空飛ぶ家』のサントラを買った。今、それを聴きながらこの文章を打っている。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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