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2009-01-31

『トロピック・サンダー』は、ガッツポーズをとりたくなる馬鹿映画

 ベン・スティラーさん主演の『トロピック・サンダー』を観た。期待を裏切らない、観ても何のためにもならない立派な馬鹿映画だ(しかも大作だ)。全世界の馬鹿映画ファンの希望の星といっても過言でない、安心安全保証の馬鹿映画作家として、スティラーさんの実力を改めて示した傑作

 物語は単純。戦争映画を撮るため、俳優の演技に緊張感を出そうとして、主演俳優たちをジャングルへ置き去りにし、隠しカメラで撮影するというセミ・ドキュメンタリーにしようとしたら、そこは本当に戦場だった、という話。
 主演は、超激烈馬鹿&落ちぶれ(スティラーさん)、かなり馬鹿&ジャンキー(ジャック・ブラックさん)、やや馬鹿&演技馬鹿(ロバート・ダウニー・Jrさん)の3人。3人とも甲乙つけ難い馬鹿っぷり。スティラーさんは、真面目にやればやるほど馬鹿が滲み出るお得意の馬鹿演技。ブラックさんは、クスリに目がなくて、窮地に追い込まれて死にそうだってのクスリに泣きむせびながら飛び付く、過剰演技がぴったりの役。ダウニー・Jrさんは、黒人役のために手術して黒人になってしまうという設定勝ちの馬鹿演技(しかし、本物のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた!)。

 特筆すべきは、徹底的に馬鹿をしている点。

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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : トロピック・サンダー

2009-01-29

『ブラインドネス』は、舞台劇向き

 フェルナンド・メイレレス監督の『ブラインドネス』を観た。
 以上、終了。と、いきなり終わらせたくなるくらい、特に何の感想もない映画だった。強いていえば、「見る」という行為を意識させるような映画のような気がしたような。

 いきなり視野が真っ白になってしまう病気が流行り、全人類から視覚が奪われる世界――そんな設定から思い浮かべるのは、人間が醜く争うパニック映画だ。しかし実際は、パニック映画でなく、醜い争いは少しはあるけど、のどかな映画だった。盲人同士の電車ごっこ、一言でいうとそんな映画。
 パニック描写は、感染者収容施設での諍いだけ。人間模様に主眼を置いている筈なのに、ミクロすぎて、楽しむ前に映画が終わる。その諍いも、ジャイアンみたいな大馬鹿が大騒ぎしているだけで、結局のところ「どんな社会になっても、馬鹿は必ずいて、揉め事も必ずある」、そんだけのこと。
 唯一目が見えるジュリアン・ムーアさん演じる主人公「医者の妻」が宗教的な意味でも道を切り開くのかと思えば、怯えて何もしない。主人公が“見える”ことを知っている者がいるのに、敵対グループに密告される展開もなし。普通の発想なら、ある集団に異分子がいれば、「それは誰だ?」とサスペンスに発展するのに、サスペンス要素は全くなし。
 世界中に感染が広がり、終末的な雰囲気を出しているのに、最後に理由もなく勝手に治ってしまうので、これは『宇宙戦争』のショボイ版ですかと。いきなり目が見えなくなるから、慣れない状態に、手探りでゆっくりと動くため、みんなゾンビみたいでもある。感染したら大人しくなる『28日後...』というか。ショボさでは『ハプニング』よりマシだけど、面白さは『ハプニング』の方が遥かに上だ。これでカンヌのオープニングを飾ったってんだから、驚き。
 語り部が途中で入れ替わるのも意味不明。何のために観客を惑わす必要があるんだ?

 しかし、映画として駄目というわけでもない。なぜか微妙に面白い。収容所から逃げ出して街へ戻る後半の展開が特に。
 見えないんだから、人目を気にする必要はないので、みんな雨が降れば街中で全裸になって身体を洗ったり、いい歳した大人が主人公を車掌として電車ゴッコみたいに列をなして歩く描写なんかは面白い。あ、でもそれくらいしかないや。
 そんなどうでもいい描写の積み重ねで「目が見えなくなる世界」を表現している。『ハプニング』も巨大扇風機を使うだけで恐怖を演出する安物映画だったけど、『ブラインドネス』は俳優が目を瞑っているだけで全てを演出する激安映画だ。だからか、嫌いにはなれない。
 途中に何度もインサートされるコーネリアスの『Point』のジャケット・デザインみたいな「真っ白い視野の映像」も、邪魔だけど、嫌いになれない。

 映画がつまらないとしたら、それは原作がつまらないからだろう。そもそもこれ、映像化する必要ないでしょ。原作読めばそれでいい。明らかにテーマがメインの作品だから、描写や演出に重きを置く映像向きじゃない。
 テーマだって、目が見えなければ「見た目」での偏見も何もないけど、目が見えなくたって結局は醜く争うんだし、テーマそのものが駄目だといえる。周りがみんな見えなくなると、見えていることが不便になるというテーマへの逆光の当て方も、わかり易すぎて稚拙。
 目が見えなくなって社会機能が低下するのは当然の描写だけど、見える軍人が管理しているのに、収容施設が無法状態になるのはおかしすぎ。原作に反政府的な思考があるんだろう。
 目が見えないってのに、貴金属によって取引を行うのも意味不明。いかに人間は盲目的に強欲かを強調したかったんだろうけど、いくら何でも馬鹿揃いすぎて笑ってしまった。

 手持ちカメラ風の撮影にイラっとする部分はあれど、映画としては面白い出来になっている。脚本を除けば。つまり、物語はとても面白くない。確実に『ハプニング』以下。『感染列島』より下かも(映画としては『感染列島』より上)。メイレレス監督の手腕が決して悪いものでないだけに、もう少し大きく脚色をした方が良かった。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : ブラインドネス

2009-01-27

『誰も守ってくれない』はTVドラマに続きそう

 佐藤浩市さん主演の『誰も守ってくれない』を観た。TVドラマの『誰も守れない』が余りにも酷い出来だったので、ほぼ駄作決定と思っていたんだけど……打って変わって出来が良かったので驚いた! 『誰も守れない』の出来の悪さは何だったんだ!

 物語は単純。殺人事件の加害者側の家族を世間の目から保護すること、それだけ。一見、警察が人権に基いて世間の誹謗中傷から守ってくれるように思えるけど、実際は、家族個人個人から情報を引き出すための策でもある。だから、家族まとめてでなく、個別に別れさせて守ることになる。
 加害者側の家族を守るに当たって強制的に行われるあれこれの描写が「へぇ~」と思わせ、物語に引き込まれる。
 まず、名字が息子(犯人)と同じだと、それで加害者側の家族だとバレてしまい、世間から非難されるので、両親は離婚させられ、その場ですぐに再婚させられ、名字を換える(父方から母方の名字になる)。
 その後、娘は、入籍手続きを取らされる。もちろん息子は犯人なので、旧姓のままで放置。さらに娘は、義務教育免除がなされ、学校に行かなくても良くなる。
 これらの手続きは、役人がやってきて、荒っぽく説明をして、強引に書類にサインをさせて終わり。家族は、わけも分からずサインするしかない。淡々としたやり取りが、家族の置かれた最悪な状況を際立たせる。はっきりいって、単なる「トリビア」な描写でしかないけど、効果は抜群。
 そしてその後は……佐藤さん演じる勝浦刑事が志田未来さん演じる船村沙織を保護しつつ、逃亡する物語へと転じる。ここから、世間が沙織を徹底的に糾弾し誹謗し中傷し傷付ける描写が始まる。守る側の勝浦刑事にも暗い過去があり、それをついでに暴かれ、一緒くたに糾弾され、逃亡の旅へと出ることになってしまう。

 正直、面白かった。余りにTVドラマが酷かったから、比較して良く見えたのかもしれないけど、普通に面白かった。しかし、何が良かったのかとなると、特に何もないのだ。加害者側の家族を守る警察の物語――そのアイデアを上回る映画的な面白さがない。
 「加害者の家族」という物語は、東野圭吾さんの『手紙』の方が面白い。どこまでもまとわり付いて来る「加害者の家族」という非難の種。何年経とうと消えない傷。「加害者の家族」が結婚し、子供が生まれれば、何の罪もないその子供までもが差別の対象となる、「加害者の家族」という罪。『手紙』はそこをちゃんと描いていて、とても素晴らしいと思った。多少は奇麗事な面もあったけど(特に映画版は)。『誰も守ってくれない』は、現象だけを追ってる。それはそれでいいけど、「加害者側の家族」というネタを扱う以上、もっと悲惨で残酷な「加害者」の部分を避けているのが良くない。見たいのは、「加害者」が何故にどのように「加害者」だったのか、だ。勝浦刑事関連の挿話を全部削ってでもそこを描いてほしかった。「加害者の家族」も被害者、ってのは誰だってわかることなんだから、不運にも「加害者」の側に回ってしまったことをもっと描くべきだった。唯一の幸福な場面である、スローモーションで描かれる導入部分を全部ばっさりとカットした方が良かった。
 ネットによる誹謗中傷の描写は、やりすぎだと思うけど、似たような展開は実際にあるから、時代性として評価できる。しかし、フジテレビが作っておきながらあれはないだろ。TVのワイドショーで散々やってる暴露は、ネットよりもマシといえるのか? 旧来の主要メディアがネットに負けた、というような描写が最後にあるけど、それはちょっと卑怯だろ。ネットの煽りを受けてさらに煽るくせに。そこら辺の描写にかなり及び腰なのが駄目。
 主役2人の刑事――勝浦刑事と松田龍平さん演じる三島刑事の人物造形は、今までのメジャーな日本の刑事ドラマと一線を画しているけど、アメリカ映画の刑事ドラマじゃよく見るタイプで、創りが浅いと思った。勝浦刑事は、『ダイハード』のマクレーン刑事っぽいかな。三島刑事は、存在自体が全くいらないし。また、特に駄目だと思ったのは、人物描写の掘り下げを、『誰も守ってくれない』では放棄し、TVドラマの『誰も守れない』で補った点だ。木村佳乃さん演じる精神科医の尾上令子なんて、『誰も守ってくれない』だけじゃ意味不明の存在だよ。他に、佐々木蔵之介さん演じる新聞記者も、全くいらない人物だった。彼なしでも物語は展開できた。
 カーチェイスも完璧な無駄だった。『ダークナイト』のハービー・デント検事の護送場面を百倍に薄めた感じ。
 手持ちカメラの“揺れ”が減ってたのは良かった。本当に良かった。やれば出来る子。

 一見は、とても良く、面白い映画に見える。その実、内容は薄い。一見でも良いものに見えるのは、あちこちのドラマや映画や物語から良い要素を拝借しまくっているからだ。その拝借のしかたが上手ではあるんだけど、その隠し方はもっと上手であるべきだった。だって、「ああ、この話は、ヒットすればTVドラマ化する気なんだろうな」と見えてしまうから。そう、最も引っかかるのが、TVドラマにする気が力一杯感じるところだ。勝浦刑事の「背筋が凍るな、おい」という口癖や、表立ってない裏設定が無駄にあるんだもん。
 この手の複雑になりそうな物語を2時間以内に収めたのは良かったと思う。思うけど、TVドラマの前日譚あっての説明省略だったりするので、評価し難い。
 上手なんだけど、上手じゃない。面白いんだけど、面白くない。記憶には、残らない。映画でなく、最初から最後までTVドラマとして作れば良かったのに。もしも、本格的に映画として作りたかったんなら、リチャード・ドナー監督の『16ブロック』を目指すべきだったね。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 誰も守ってくれない

2009-01-25

『誰も守れない』を観て既に『誰も守ってくれない』にガッカリする

 興味があり、TVドラマ『誰も守れない』を鑑賞。これは……これは酷い! 酷い酷すぎる!

 まず、脚本が最悪。すっげーつまんねぇ。佐藤浩市さん演じる勝浦刑事の身の上話は全部いらないし、松田龍平さん演じる三島刑事の身の上話も全部いらない。数ヶ月間放送する予定のある連続ドラマの話なら、無駄のある設定もいいだろうけど、映画の前日譚として1回こっきりのものとしたら、本当に最悪に出来の悪いものだ。何よりも、前日譚として単純に物語が面白くない。これだと、映画を観ようとする気が削がれてしまうよ。
 次に、撮影が最悪。下手くそな手持ちカメラ撮影は止めて下さい。カメラマンの心の動揺を表現しているのかといいたいくらい揺れすぎ。揺らせばリアリティーが出ると思ってるみたいだけど、臨場感と手持ちカメラの“不安定さ”は何の関係もない。下手くそな“揺らし”は止めて下さい。ピントを意味もなく外したりするのも止めて下さい。
 ふらふらと落ち着きのない映像の中だからこそ、繰り広げられる俳優の演技がギャグにしか見えない。シャブ中になる三島刑事の場面にしても、悲壮感が全くない。他局の『相棒』が羨ましくて、真逆の刑事像を作ろうとしたんだろうけど、アメリカの刑事ドラマを真似しすぎ。そして、大失敗している。映画でなく、連続TVドラマでやるならまだ価値はあるだろうけど……映画がヒットすればTVドラマ化する気かね。

 余りに酷い出来なので、映画の『誰も守ってくれない』も酷い出来なんじゃ……と思ってしまう。予告を観た限りだと――東野圭吾さんの『手紙』みたいだと思いつつも――面白そうに思えたんだけど、なーんか『誰も守れない』を観たら駄目な感じがしてきた。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2009-01-22

オバマ大統領が日本の田舎町でも大人気。で、日本は?

 地元の新聞を見ても、TVの報道番組やワイドショーを見ても、オバマオバマオバマ。海の向こうの話題が大人気。
 本屋に行けば、入り口付近にオバマ大統領の本が。新書でもオバマ大統領に絡んだ本が。雑誌でもオバマ大統領を特集。
 日本でも大人気だ。

 でも、音楽に絡んだ特集が殆どないのは、かーなり寂しいな。
 支持した誰でも知ってる有名なアーティストは、ブルース・スプリングスティーンさんにパティ・スミスさん、あとR.E.M.か。レディオヘッドトム・ヨークさんだって支持してた。マドンナさんも。ビースティー・ボーイズはコンサートまで開催した。そこにはベン・ハーパーさんやシェリル・クロウさんも参加してたし、何とあのサントゴールドさんも。ブライト・アイズコナー・オバーストさんもコンサートをした。
 色んなアーティストが色んな方法で支持をした。その中で最も活発でにぎやかで喜びに溢れていたのは、やはりヒップホップ勢だ。これまた誰もが知ってるナズさんにウィル・アイ・アムさん、ジョン・レジェンドさんはオバマ大統領に絡んだオリジナル曲を発表した。ビヨンセさんに至っては、就任式で歌わせろとまでいうくらい。ジェイ・Zさんは投票を訴えた。

 『サウス・パーク』的な見方をすると、「あいつって、オバマみたい」て言い方が生まれるくらい、社会現象になった。ま、実際、アメリカでは社会現象なわけだけど。日本に住む日本人である私でも、この8年間が大変で、それが終わったことがどれだけ大きいことなのか、わかる。わかるけど、本当の意味でそれを実感することはできない。でも、オバマ大統領を支持した曲を聴くと、何となくでも、彼の国でどれだけ希望と未来を象徴するムーヴメントになっているのか、わかる。だって、感動的なんだもん。最もわかり易い感情だ。
 デトロイト勢から出たシングルで、ピラーナヘッドというアーティストの「Come 2gether」という曲がある。URを代表とするデトロイト的なメロディーに、オバマ大統領とキング牧師の演説が乗っている、「ああ、またそのパターンか」という曲だ。そう、「またか」と思ってしまうんだけど、やはり感動的。
 試聴ができるリンク先→Traxsource.com

 いくつかYouTubeで見つけたオバマソングを貼り付け。
Will.I.Am 「Yes We Can」

 こーゆーの作らせると、ウィル・アイ・アムは本当に上手だなぁ。

Nas 「Black President」


 当選したその夜に作られたのが、次の曲。
Nas 「Election Night」


 そして、ジェイ・Zさんの感動的な演説。

 「ローザ・パークスは座った。
 キング牧師は歩いた。
 オバマは走っている。
 だから我々は飛べるんだ!

 ローザ・パークスさんのことを知っていると、物凄く感動的。漢だねぇ、ジェイ・Zさんは。

 また、ローザ・パークスさんについて記述のある当ブログ内のリンク↓
『魔法にかけられて』は観客に魔法をかけられない
Galaxy 2 Galaxyとローザ・パークスさんと『魔法にかけられて』
 あと、上記リンク先に記述のあるURの「Transition」をYouTubeで見つけたので、貼り付け。


 で、日本は? 日本の政治家のことを考えると、やっぱみんな羨ましいんだろうな。

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

2009-01-22

Franz Ferdinandの『Tonight』は、変なのに物凄い最高傑作!

 フランツ・フェルディナンドの『Tonight』を購入。
 まず、出だしから地味だと思った。特に派手な前作と比べると地味すぎて、アニメ『パラダイス・キス』のエンディング曲にもなっていた「Do You Want To」なんかが大好きな人には、ガッカリするくらい地味。
 しかし、間違いなく、今作は最高傑作であり、いきなり今年のベストかもしれない。昨年に発売されていれば、ロック・バンドものなら、ラスト・シャドウ・パペッツヴァンパイア・ウィークエンドブラック・キッズフレンドリー・ファイアーズなんかを抑えてぶっちぎりのベスト1だった。

 一聴して地味に思えるのは、アルバム全体がリズム的にゆったりしているから。「Take Me Out」の頃に戻った感じ。BPMでいうと、100前後くらい。ロック的な縦ノリ一切なしで、腰で踊るダンスミュージック仕様。
 感覚的に近いものを挙げると、ダフト・パンクの「Da funk」で、それよりもさらに少し遅い。あと、TVのCM(ジョージ・クルーニーさんが出てるホンダの)に使われてるビー・ジーズの「Stayin' Alive」とそっくり。さらに、目指す場所がますますもってブロンディーっぽくなってる。特に「Rapture」とか。今まで以上に懐古的でディスコなんだけど、音色の作りかたが現代仕様なので、懐かしいのに素晴らしく新しい。
 また、今までのように1曲の中で派手な転調がないのも地味だと感じる要因だ。「Take Me Out」や「Do You Want To」のように、DJプレイで使う時、キレイに繋ごうとしたら少し困りそうな曲はない。アルバムが作品として統一感ある。それでも、フランツ節は健在で、曲は物凄く激キャッチー。そして、パンキッシュ。ダブも入ってる。
 あと、録音が素晴らしく良い。音に隙間がある。ゴチャゴチャしたのが好きな人には、それが地味な印象を与える要因にもなるだろうけど、スネアの音が気持ち良くて最高。

 しかし、だ。地味だなぁ、と感じるのは1回目だけ。しかも、出だしから数曲まで。
 全体的には、雰囲気が原典に戻っている。つまり、ラプチャーの「House Of Jealous Lovers」というか、レーベルもドミノよりはDFAなのだ。
 音が、切れ味鋭くなっているようで、丸みがあって柔らかい。例えば、DFAから発売されている、ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアとかなり近い位置に今作のフランツ・フェルディナンドはいると思う。ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェアの『Hercules And Love Affair』(超激傑作な必需品!)を聴いてみると、それがよくわかると思う。
 笑ってしまうくらいわかり易いキャッチーな転調はないけど、転調そのものがなくなったわけじゃない。むしろ、今まで以上にとんでもない展開をする曲がある。「Lucid Dreams」がそうで、先にネットで発表されていたんだけど、アルバム・ヴァージョンはそれと似ても似つかない仕上がりになっている。まず、開始から40秒くらいのとこで、いきなりデカイ展開が待ってる。ちなみに、元は3分くらいの曲だったのに、アルバム・ヴァージョンは7分になってる。2倍以上。なぜそんなに増えたのかというと、さらに4分くらい経ったとこでいきなりレイヴ仕様になるからジャスティスがいきなり途中参加してきたのか、っつー曲だ。聴いたことない変な曲だ。爆笑してしまった。これは、デッカイ音で聴いて、レイヴ仕様が始まったら両腕を振り上げて大盛り上がりするしかないね。
 「Can't Stop Feeling」は、シンセのブリブリベースによる激キャッチーなメロディを基調にした、ズンドコエレクトロともいうような超馬鹿な曲今年はこの曲がレイヴのアンセムになるかもしれない。リミックスが絶対に出ると思う。
 どの曲も、今までにあったようでなかった曲ばかり。「Take Me Out」で颯爽と登場した時から大ベテランなセンスはあったけど、それがますます研ぎ澄まされたようで。むしろベテランだったらやらないような馬鹿な展開を好んでやってる。

 間違いなく地味なのに、同時に派手でとんでもない。物凄くプロダクションが優れているってことだ。このレベルで曲を作れるロック・バンドは、他にはレディオヘッドくらいしかいないかもしれない。それなのに、軽薄でわかり易いんだから、凄い。本当に、掛け値なしの大傑作! 何度聴いても飽きることのない大傑作でしょう!
 今後、どんなリミックスが登場するか、物凄く楽しみですなぁ~。ここ2年くらいの間では、最もリミックスの良かったロック・バンドって、クラクソンズだったけど(でも、クラクソンズの原曲の方がどれも良かったけど)、再びフランツ・フェルディナンドがトップになるのは間違いないでしょう!

 で、上記文中にあるアーティストの曲をいくつかYouTubeで見つけたので、貼り付け。

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テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

tag : フランツ・フェルディナンド

2009-01-20

JusticeとMichel Polnareff

 ジャスティスのライヴを収録したDVD&CDの『A Cross The Universe』を購入。かなりガッカリする出来だった。CDの方だけは

 正直いって、デジタリズムシミアン・モバイル・ディスコサーキンボーイズ・ノイズなんかの音には飽きた。アーティストが悪いんじゃなく、シーンが終わりに近付いているってだけのこと。
 エレクトロではミスター・オイゾが変わらず良かったことに驚いたし、昨年のクラークのアルバムがフレンチエレクトロの影響を受けつつもそれらを上回る地力で圧倒的な存在感を放っていて良かった。いわゆるフレンチエレクトロのブームで人気を誇ったアーティストは、今かなり影が薄く感じる。シングル曲としても、リミックス仕事としても。
 フレンチエレクトロ系の勢いが落ちているのは、ロック・バンドがディスコとハウスとエレクトロを巧く取り込んだせいもある。昨年だけでも、フレンドリー・ファイアーズブラック・キッズティン・ティンズがその最先端だし、ジーズ・ニュー・ピューリタンズの落ち着きつつもはっちゃけた感じもそうだし、CSSカット・コピーはそのまんま、オアシスもダンス・ミュージック寄りだったし(しかもケミカル・ブラザーズ寄り)、あのカイザー・チーフズですら見事にダンス・ミュージックだったし、ブロック・パーティはちょっと失敗してたけど、ヴァン・シーネオン・ネオンはギリギリセーフって感じの時代錯誤感が良かったような悪かったような盛り上がったもん勝ちだったし、そして、明日発売されるフランツ・フェルディナンドのアルバムはロックとダンス・ミュージックが見事に融合した新たな金字塔となるのは間違いないし(「Ulysses」最高!)、来月発売されるプロディジーのアルバムはハドーケン!なんかの追い風によるベテランの意地を見せてジャスティスなんか子供騙しに思えるだろう。U2が『Zooropa』や『Pop』で試行錯誤していた時代と隔絶の感がある。
 昨年のフレンチエレクトロ系(フランスのアーティストでなくても、とりあえずそのようにカテゴライズ)で最も聴いたのは、ミニテル・ローズの『The French Machine』とブラック・ゴースツのミックスCDだった。それ以外には、特に記憶に残るものはなかった。フィジェットハウスが売れ、ミニマルが変わらず盛況で、エレクトロ系は特になし。私的に昨年最もヒットしたのは、カウント&シンデンの「Beeper」だった。あの「ひみおまびーぱーひみおまびーぱー、びーぱーびーぱーびーぱーびーぱー」は耳垢となるくらいこびり付いた。

 というわけで、ジャスティスのライヴDVD&CDは、ブームが過ぎ去り、忘れた頃にやってきた感が強い。CDを聴くだけでは、ダフト・パンクの『Alive2007』とヴィタリックの『V Live』に比べて出来が非常に悪い。1回も聴き通すことなく途中で飽きた。しかし、重要なのはDVDの方だ

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テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

2009-01-18

同県内で観られる映画と観られない映画

 新作映画で観たいのが溜まっている。

 とりあえず、『チェ 28歳の革命』、『007/慰めの報酬』、『感染列島』、『K-20(TWENTY)怪人二十面相・伝』の4本。この4本はどこの映画館でもやってるので、観るのに苦労しない。面倒なのは、1館だけの独占上映になってるやつだ。
 『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』がそうで、私の自宅からかなり遠い映画館でしかやってない。職場からも遠い。今みたいな雪の降る季節は大変だ。

 私はとても方向音痴なので、生まれ育った市内でもしょっちゅう迷う。10Km以上離れている遠い映画館まで歩いて行き、その途中で近道しようとして逆に迷い、上映時間に間に合わなかったなんてよくある。天気が吹雪で、積雪も結構あり、その上に迷い、2時間近くかけて上映時間に間に合わなかった時は心身共に疲れた。
 だから、遠い映画館に行く時は、必ず最もわかり易い道しか使わない。つまり、大通り。必然的に時間がかかる。
 最近はどこの映画館でも割引サービスをしているので、料金を気にすることなく観ることが可能だけど、前は毎月1日の映画の日に映画館の“ハシゴ”をしていたから、遠い映画館から遠い映画館までの移動が大変だった。今は基本的に、映画館はシネコンばかりだから、どこの映画館でも同じものを上映しているため、“ハシゴ”する苦労は殆どないし、最寄の映画館で殆どの新作――シネコンで上映されるようなメジャー作品――は観られる。しかし最近、シネコンであっても他映画館との差別化を図るために「独占上映」をするとこが増え、結局、遠い映画館へ移動する羽目に。

 今日、なんぞ面白いものがないかなぁ、と新聞の映画館上映スケジュール欄を眺めていたら、あった。『放送禁止 劇場版~密着68日復讐執行人』、『アンダーカヴァー』、『ヘルライド』の3本。
 放送禁止! ヘル! アンダー! 何てそそられる単語が入ってる題名であることよ! どんな映画か全く知らないけど、これは観なければ!
 と思い、どこの映画館と思ったら、出来たばっかのシネコンだった。自宅から遠い(10Km以上離れていると遠いと感じる)。独占上映。他の映画館で観られる予定なし……誰かを――“足”代わりに――誘って観に行くとしても、誰も興味抱いてくれなさそうな映画だなぁ。

 ま、今日は天気が良いし、まだ行ったことのない映画館だし、散歩代わりに歩いて観に行くとしますか。10Km以上ある散歩だけど。

追記:
 実際に歩いてみたら、やはり10Kmはあった。
 映画は結局観ずに、昨日が割引で鑑賞料金千円だったらしく、明日の月曜日はメンズデーで千円だし、今日は割引が何もなく、観るのは損なので、とりあえずメンバーズカードだけ作って帰った。メンバーズカードを作るためだけに往復で20Kmも歩いた私って……しかも、途中から雨降ってきたし。疲れた。

テーマ : どうでもいいこと。
ジャンル : 日記

2009-01-17

Beirutの新作が公開

 21世紀、活躍が最高級に期待されるアーティストであるベイルートの新作PVが公開されてた。

Beirut 「La Llorona」

"La Llorona" New Beirut Video by Owen Cook from Owen Cook on Vimeo.
 YouTubeにも公開されてるけど、PVのアニメーションを担当したオーウェン・クークさんの公式サイトから。

 相変わらず素晴らしい。最高! 来月発売されるシングル(2枚組みなんで、曲数的にアルバムと変わらんけど)が物凄く楽しみ!
 NMEの記事では、5月からヨーロッパで6日間のツアーもするらしいけど、日本にも来てもらいたいものです。去年はツアーをキャンセルしたりしたけど、今年は活発な活動をするのかな?

 来月発売予定のシングルの1枚はベイルート名義、もう1枚はリアルピープル名義と分けられている。
 リアルピープルの曲は、エレポップ風味で、ザック・コンドンさんのベイルート以前の曲も含まれているそうです。YouTubeで見つかったので、貼り付け。

Realpeople 「My Night With A Prostitute From Marseille」

 完全にエレポップ。え? これがベイルートの人? と驚いてしまう。ナタリー・ポートマンさんが主催した(?)エイズのチャリティー・アルバムに収録された曲らしい。

Realpeople 「Venice」

 こっちはエレクトロニカだけど、途中からベイルート風味も混ざる。

 多彩といえるのかどうかちょっとわかんないけど、どっちの名義も面白い。面白いけど、やっぱベイルート名義で活躍してもらいたいです。

 ベイルートの曲は、公式サイトで数曲がフル試聴できるので、興味あったらそちらへ。
参考リンク→ベイルート
 ピッチフォークでのインタビュー記事も読めます。

テーマ : 洋楽
ジャンル : 音楽

2009-01-16

『Ghost In The Shell / 攻殻機動隊2.0』はなかったことに

 『Ghost In The Shell / 攻殻機動隊2.0』を購入。正直、『スカイ・クロラ』の抱き合わせ商法商品としか認識してなかったんだけど、新品が2割引で売ってたので、思わず購入。
 で、今、激しく後悔。こーゆー時こそレンタルを活用すべしと。
 何が「2.0」なのか、押井守監督に激しく問い質したい。「β版」て感じだぞ。

 初っ端からフルCGで「おおっ、やる気がみなぎっているなぁ」と感心したのも束の間、そのCGが実にショボイ。というか、全体的に新規CG場面がショボイ出来で超激烈に物凄く落胆真っ逆さま。『スカイ・クロラ』レベル。どこが「2.0」なんだよ!
 手描きセルアニメの部分とCG部分が巧く融合していないんだよね。明らかにCG部分が浮いている。そのお陰というか、手間隙かけた手書きセルアニメの高い技術力がわかることにはなっている。最新のCGの方が手描きよりもショボイってどーなのよ?

 音は間違いなく良くなっている。低音に厚みが増した。音だけは高評価できる

 新規場面の追加に関しては、特別何も感じなかった。増えたお得感はなし。それよりも、だ。新規CGにしろ追加場面にしろ、物凄く中途半端なんだよな。
 例えば、出だしはフルCGで描いているけど、場面が変わると手描きセルアニメのまま。タイトルクレジットはCGでやたらと力が入っているけど、以前のままの方が良かった。小道具系のどうでもいいような部分はみんなCGに直せばいいのに、手書きセルアニメのまま。計器のメーターの動きが手描きのままで笑ってしまった。機関銃に撃たれて粉々になるガラスの破片をCGに直していたりするんだけど、カットが変わるとその破片は手描きセルアニメのままだったりする。細かく挙げれば他にもたくさんある。CGで修正した部分が見てすぐにCGだとわかってしまう低い完成度なのは大問題だ。
 それに、追加するより減らした方がいい場面がたくさんあるでしょーに。押井監督独特の情緒性溢れるショットは、大概が無駄だったりするのだから、ここは娯楽性に徹して「押井監督独特の情緒性溢れるショット」を全面的に減らしても良かったと思う。それで10分は短くなるのに。

 もしかしたら今後、「3.0」「4.0」とかバージョンを上げてリリースし続けるんかな……詐欺だよね、それ。

テーマ : 見たアニメの感想
ジャンル : アニメ・コミック

2009-01-14

定額給付金いらない人多いんですね

 遂に諸々の法案が衆院を通過したようで。国民の考え方にも影響を与えますかね?

 定額給付金に反対している人が多い。その金をもっと別の目的に有効利用してもらいたいと。でも、給付されたら貰う人も多い。それなら最初から定額給付金に賛成しとけばいーじゃん。
 他の目的に有効利用というけど、他に何があるの? 景気対策? どーやって? よくわかんないけど有効利用して下さい? 駄目だ駄目だと叩いている内閣や政治家に対して、何を期待しているんだろ。有効利用の目的も思い付かないくせに、良い目的に使って下さいお願いします、ってボランティアじゃないんだから、搾取されるだけでしょーが。

 はっきりいって、定額給付金に反対している一般国民は馬鹿だと思う。
 くれるってんだから、貰えるものは貰っちゃえばいーんだよ。そんで、消費に回せばいい。それが――大した効果がなくても――景気対策になる筈でしょ? 貰って、個人個人で景気対策をする。それのどこが駄目なの? 他人任せにも程があるよ。
 文句いうにしても、もっと金額を上げろってんならわかる。しかし、金額が今の数倍になったとしたら、消費に回す人数は減るような気がする。偉そうに有効利用なんていってる人ほど、ケチ臭いもんだ。
 それに、民間企業(TV局や新聞社)のアンケートには、「定額給付金は2兆円で良いと思いますか?」なんて質問はないだろう。そこがおかしい。是非を問うより、金額を問うべきだ。

 定額給付金に反対している議員で、まともな案を出している人っている? 景気対策をするならするで、ちゃんと数字出している人っている? 誰もが似たり寄ったりじゃないか。与党と野党に殆ど差はない。政権交代したって、トップレベルに駄目な麻生首相から、同じように駄目な小沢首相になるだけだ。
 国会見てても、「あー、もう勝手にして下さい」としかいいようのない学級崩壊レベルの騒ぎになってるし。お前ら大人として恥ずかしいよ。NHKは、国会の放送を中止するか、ずーっとモザイクかけとくか、「お見苦しい場面をお見せして申し訳ございません。只今、音声のみの放送となっております」と音声のみの放送にしとけばいいよ。国営放送であんなキチガイどもの乱交パーティを放送するなよ。
 で、定額給付金の代わりに何されるかというと、時代遅れの公共事業とかしか案は出ないんだよ? 他には? 雇用対策か? どーやって? 雇用を刺激するにしても、短期で実現できることなんてない。それに、金融不安がまだ解消されてない。ソニーだって遂に大幅な赤字になってしまった。要因には円高が絡んでいる。日銀の政策が失敗続きで円高解消されてないのに、順調に景気が上向くとは思えない。税収を上げるとかいって増税が提案されている中、無駄に使っても後腐れのない「埋蔵金」を定額給付金に使って駄目な理由がわからない。ばら撒いて駄目な理由もわからない。わざわざ離党するほど定額給付金に反対する渡辺議員が理解できない(沈み行く泥舟から真っ先に逃げただけか)。マスコミが下世話に「金額上げろ」シュプレヒコールをしないのが不思議でしょうがない。派遣村が悲惨とかいってるけど、たかが数百人しかいない団体抗議に夢中になる前に、定額給付金額を上げることを訴えた方がもっといいだろうに。とにかく理解できない。

 下手すると、野党の猛反発を受け、さらに国民の猛反発まで受け、定額給付金を給付できないまま解散総選挙になり、定額給付金の案は消え、ずるずると増税の話だけが残り、消費税の税率上げだけが実施されてしまう。絶対にないとはいい切れない。
 増税するにしても、例えばその理由が「年金の負担」だったりしたら要注意だ。増税して、今現在の年金に充てるとしても、将来的にはまた増税しなきゃならないんだから。だって、高齢者の負担を増やさないで増税で賄うとしたら、今の増税分は今の給付金にしか影響がないってことでしょ? 今の現役世代が貰う側に回る将来には、また財政難といって増税される。年金の負担には、高齢者の負担を増やす、という考え方が絶対に必要だと思うんだけど。
 「年金の負担」以外に増税するなら、将来的には必要あっても、景気がここまで悪化している今やる必要はない。消費税以外なら、ガソリン税やタバコ税、酒税は上げてもいいんじゃないだろうか。環境や人体に悪影響を及ぼす消費だからだ。税率を上げれば、消費が減り、環境や人体への悪影響も下がる。車やタバコや酒が大好きな人には申し訳ないけど。

 「人間のクズ」である私としては、定額給付金、どうせなら20万円は欲しいとこだ。駄目ならその半分で。今すぐ欲しいCDが数十枚あるし、欲しい本も数十冊ある。1万円程度では全く足りんのだよ。土下座すれば十万円は貰えるんなら、喜んで土下座する。靴を舐めろといわれれば、ぶっ殺すと思いつつも舐めましょう。貯金に回すことなく、キレイさっぱり使い切るぞ。だから私は偉い。「人間のクズ」だけど、景気対策的に偉い国民だ。
 何で誰も定額給付金の額を上げろといわないんだろ?

テーマ : 気になったニュース
ジャンル : ニュース

2009-01-13

『ゴールデンスランバー』は、大きな花マルの「よくできました」小説

 一昨年に買ったまま、ずーっと積読になってた伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』やっと読了。読み始めるまでに1年以上かかって、読み終えるには1日もかかからなかった。
 今になって読もうと思ったのは単純な理由で、色んな雑誌やムックのベストに挙げられていたから。「あー、そーいえば、積読になってたなぁ、これ」と思い出し、そんなに面白いならさっさと読もう、と。連休でもあったし。で、すっげ面白かった。何でこれを今まで1年以上も放置してたのか……いつもの通り、買ってすぐに結末だけは読んであったので(私は、必ず結末を先に読む)、主人公が整形して助かることだけは知っていたんだけど。

 首相が暗殺されるまでを、主人公を登場させないまま、他の登場人物だけで描写し、主人公の逃亡劇が始まってからは、過去と現代の時間軸を巧みに入り乱れさせ、読者をグイグイと物語に引き込む。
 途上人物がまた面白い。連続殺人鬼や、怪しいヤクザ紛いのオッサン、ロック馬鹿の先輩などなど、味方になるのが善悪入り乱れているのがいい。連続殺人鬼が味方の小説って、そんなに多くないでしょ。似ても近くもないけど、殊能将之さんの『ハサミ男』を思い出した。
 細かい会話や思い出のことごとくが後半で伏線だったことがわかり、その全てが爽快感を伴うまとまり方をするのが素晴らしいし、感動する。ハッピーエンドでないのに、スカっと爽やかな読後感があるのも、そのため。
 主人公をハメた敵の全貌を暴くマクロな物語にせず、単なる一般市民が巨大な陰謀と対峙したら、立ち向かうんじゃなく、必死に逃げるしかないというミクロな物語にしたのが良かった。
 部分的には、主人公の父親の挿話がとても良かった。痴漢嫌いの話には笑えたし、TVの取材に対していう台詞には感動した。主人公が父親に「痴漢は死ね」と書いて送ったのには、笑うやら泣けるやらだ。
 一番最後、「よくできました」とハンコを押してもらえるのが、またいい。
 あーっ、くそーっ、凄く面白かったーっ! と悶えてしまうくらい、面白かった。

 全体的に、映画みたいだと思った。『逃亡者』や「ジェイソン・ボーン」シリーズに近い娯楽性がある。是非とも映画にしてもらいたい――けど、面白い小説の映画化はほぼ失敗するんだよね、邦画は。
 私は、映画好きだからか、面白い小説を読んでいると、勝手に場面に合わせてBGMを思い浮かべてしまう。『ゴールデンスランバー』なら、「この場面はビートルズの曲だな」とか。時にはオリジナルのBGMを鼻歌で作ることがあるし、実際にサントラとして作ったこともある。同人CDで発表してみようかと思ったことがあったけど、思っただけに終わっている。『ゴールデンスランバー』も、場面に合わせてBGMを作ってしまう娯楽作品だった。
 お手本のように、花マルで「よくできました」な小説だ。

 それにしても、積読はまだ数十冊もありますよ……

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

tag : ゴールデンスランバー

2009-01-13

日本とは何なんだろうねぇ

 現代アートの村上隆さんが嫌いだ。単なるオタク文化の上澄みを掠め取ってるだけなのに、現代アートでございますと偉そうに語っているのが嫌いだ。という私のこの感情は、オタク文化好きのひがみだ。あんな作品が何千万円以上で売れるなら、外人の現代アートバイヤーどもはコミケに逝って漁ってこいよ、と思っている。
 で、『東洋経済』に載ってた村上さんのインタビュー記事に、当然のように不満があるのでございます。

東洋経済Online→日本とは何かを語れないのに日本の役割は議論できない

 上記リンク先の記事内容を抜粋しつつ、ツッコミを。
 「現在の世界的な経済危機は創作活動に影響を与えていますか」という質問に、村上さんは、「バブル崩壊とは、若いアーティストたちがデビューし、今までの概念を全部ぶち壊して新しい価値観を作り出せるという、クリエーターにとってすばらしい瞬間です」と答えている。
 さっぱりわけわかんねー。バブル崩壊は価値観の転換じゃないでしょうが。
 確かに、バブル時期は芽が出たばっかの若いアーティストの作品に注目は集まらないし、バブル崩壊すれば、安く買える若いアーティストに注目は集まるだろう。でも、それは「今までの概念をぶち壊す」ことと何の関係もない。ただ単に購入側の懐具合の問題にすぎないし、購入した若いアーティストの作品が世間的な注目を浴びるか浴びないかは、その後のプロモーションに左右されるだけのこと。実際、村上さんの作品が日本のアートの価値観を変えただろうか? 売れる現代アートとはこんなものか、というのを知らしめた功績は間違いなくあるけど。そこでしか語れない。

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テーマ : 今日、気になったネタ
ジャンル : ニュース

2009-01-12

人間のクズ

 勤め先で気になることがあり、ネットで検索してみたら、2chが引っかかった。少し興味が湧き、それを見てみようとしたら、見ることができた(何か、専用のツールか何かないと見られないことが多いので)。
 見たスレッドは、罵詈雑言だらけだった。明らかに内部事情をよーく知ってる人たちが書き込んでいるようで、「うわぁ、こんなことまで」と思ってしまうような内容。
 2chをじっくりと見たのは今回が初めて。なるほど、精神的に弱い人はダメージ受けそうなとこですな。匿名の強みか、個人攻撃に近いことがたくさん書かれてて、知らぬは本人ばかりなり、って感じ。職場に、人間関係に、物凄い不満を抱いている人がいることがよーくわかった。そして、私の仕事は「人間のクズ」がする仕事とか書かれてて、ショックを受けた。能力が低く、頭も悪く、最低のクズしか働かない職場だと。もう人生終わってると。

 ううっ……死にたくなってきた。そうか、私は「人間のクズ」だったのか。もう転職しようかな――と思っても「人間のクズ」だから、今の仕事以外に働くことはできない。だって、「人間のクズ」なんだもん。もう駄目だ。馬鹿は馬鹿なりに頑張って生きてきたんだけど、現実は厳しい。ゆとりのある頭の良い人たちからすると、私は無駄に生きているだけだったんだ。
 2chって、怖いとこだったけど、正しいことを教えてくれた。私が「人間のクズ」なんだと。確かに、馬鹿だし、何の資格も能力も才能もないから、今の仕事を辞めたら乞食になるしかない……
 2chに感謝して、もう、生きることを止めよう。

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テーマ : どうでもいいこと。
ジャンル : 日記

2009-01-09

キネマ旬報の2008年ベストは納得できる……ような

 キネマ旬報の2008年ベスト10が決まったようで。
毎日jp→キネマ旬報:「おくりびと」1位に 08年度ベスト・テン

 【邦画】
  1.おくりびと
  2.ぐるりのこと。
  3.実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)
  4.トウキョウソナタ
  5.歩いても 歩いても
  6.闇の子供たち
  7.母べえ
  8.クライマーズ・ハイ
  9.接吻
  10.アフタースクール

 【洋画】
  1.ノーカントリー
  2.ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
  3.ダークナイト
  4.イントゥ・ザ・ワイルド
  5.ラスト、コーション
  6.イースタン・プロミス
  7.その土曜日、7時58分
  8.エグザイル/絆
  9.つぐない
  10.チェチェンへ アレクサンドラの旅

 まあ、さすがに順当な、優等生的選考。ここでも『おくりびと』が1位が。確かに罵倒するほど悪くはないけど、絶賛するほど良くもないのになぁ。
 ケチをつけるとしたら、『接吻』の順位が低すぎるだろボケ、だ。1、2位は『接吻』か『トウキョウソナタ』のどちらかだろ。『接吻』は、間違っても『母べえ』の下じゃないし、ましてや『クライマーズ・ハイ』なんて志の低すぎる映画の下に落ち着く映画じゃない。
 それに、『崖の上のポニョ』がいないのは何で? 常識的に間違ってて、理解できない変な映画だから?

 洋画のベストは……何かどうでもいい感じ。私はよりによって『It is Fine! Everything is Fine.』と『What Is It?』を観ちゃったので、そこから逃れられない。その2作が入ってない時点で興味なし。
 あと、観る前から『WALL・E/ウォーリー』に大盛り上がりしていた私には、今かなりの反動がきてる。いやぁ、実際に観てみたら、そんなに大したことなかったんだよね『WALL・E/ウォーリー』。面白いには面白いんだけど……大絶賛できるものではなかった。ので、『WALL・E/ウォーリー』公開前までの私の盛り上がりはなかったことにします。

 あとあと、ずーっと昔から不思議に思ってたのが、何でベストを邦画と洋画に分けるのかってこと。映画に国籍は関係ないでしょ。邦画と洋画を混ぜちゃうと、邦画がベストに殆ど入らないからか? それならそれでいいのに。少なくとも、去年の映画では、『接吻』と『トウキョウソナタ』は国籍関係なしにベストだと思うけどね。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2009-01-08

萌え米!?

 初めて知った!
産経ニュース→“萌え効果”で大ヒット 米や焼酎に美少女イラスト

記事の抜粋↓
 秋田県羽後町の農協や酒店が、人気イラストレーターの美少女イラストを米袋やラベルに描いて売り出したコメや焼酎が大ヒット。販売業者も予想以上の“萌え効果”に驚いている。
 米どころ秋田が誇るブランド米「あきたこまち」。
 JAうごの米袋には市女笠の美少女がほほ笑む。描いたのはイラストレーターの西又葵さん。


 これ!
kome
 スーパーとかでは買い辛いな!

 あきたこまちの公式サイトを見てみたら、なかなか面白いことが。
秋田県羽後町 JAうご→「あきたこまち」

公式サイトから抜粋↓

 この秋、当JAはいつもの年とはおもむきが違った。俗に"萌え"と呼ばれる文化のパワーに圧倒されることとなる。
(中略)
 正直、当初は「こんな米袋作って大丈夫かいな」という感じだった。
(中略)
 それこそ自炊をしたこともないという人から、この度の購入を機に初めて米を研いだというメッセージをいただいた。

 凄い効果!

 これも!
産経ニュース→らき☆すたで12万人増 鷲宮神社の初詣で

 記事から抜粋↓
 テレビアニメ「らき☆すた」の美少女キャラが住む家に設定された関東最古の大社「鷲宮神社」(埼玉県鷲宮町)の正月三が日の初詣での参拝客が、昨年に比べ12万人増の42万人となり、大宮氷川神社の205万人に続き県内で2番目の人出だったことが7日、県警地域課のまとめで分かった。
 また、県内の主な神社・仏閣の初詣で客も41万人増の計約443万人と過去最高を記録した。

 萌えって凄い! 大丈夫か日本!?

 本格的に「萌え教」とか作るべきかもしれませんな。「萌え県萌え市萌え町」とかも作って、みんなそこに住めばいいんです。揺りかごから棺桶まで萌えで。等身大萌え棺桶とか!

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ジャンル : ニュース

2009-01-07

女優が主役のアクション映画

 最近は、タイの『Chocolate』(日本公開はされないんでしょうか……)、デンマークの『Fighter』(これも日本公開されないんでしょうか……)、『片腕マシンガール』(これはアクション映画といっていいか疑問ではあるけど)、『芸者vs忍者』、そして今年公開予定の『ハイキック・ガール!』と、女流アクション映画が大人気! 『片腕マシンガール』を除けば、主演女優が皆アクション経験者なのが頼もしい(『Fighter』はマーシャルアーツ・チャンピオン)!
 そこに真打が登場! 香港映画の、『Coweb』だ!

『Coweb』予告篇


公式サイト→Coweb

 監督は、Xiong Xin Xinという人。えー、何て発音するの? わかんないから、IMDbで検索したら、出た。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のスタントをしていた人でしたか。役者としては、アメリカの『サイモン・セズ』に出演していたようだけど、全く記憶になし。まあ、いいや。
 とにかく、すっごい面白そう! クライマックスはジャッキー・チェンさんの『プロジェクトA2』みたいな建築現場の足場での戦い!
 主演のJiang Luxiaさんは、公式サイトの経歴によると、少林寺拳法のチャンピオンを始めとして、武術系に特化した能力の持ち主のようで(審判員や按摩師もできるみたい)。

 ちゃんと日本公開されるんでしょうか!? されるとしても、地方は無視でしょうか!? 『少林少女』が全国公開されたってのに!

 ついでに『ハイキック・ガール!』の動画。

 インパクト大っ! こちらも期待してます!

追記:
 何気に検索してみたら、『Coweb』は『映画秘宝』の2月号で取り扱われていたようで。
 本屋で立ち読み確認。確かに、「この映画を見逃すな!! 2009」て特集の最後から2番目(項目番号49番)に小さい紹介記事があった。原題名は『戦・無双』と書かれてた。Xiong Xin Xin監督は、ホン・ヤン・ヤンと発音するのか。

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2009-01-07

「派遣」という身分

 最早、「派遣」は、「部落」、「土方」、「ニート」などと同じような社会的身分用語なりそうですな。

 年末から話題になってた派遣村、その意義には賛否両論でしょうけど、ここにきて真っ正直なアホ登場。

毎日jp→派遣村:「本当に働こうとしている人か」と坂本総務政務官

 いやまあ、そらそう思うけど、それいっちゃマズいでしょ。
 派遣村は、厚生労働省前の日比谷公園を使った時点で、一種のパフォーマンスなのはわかりきってる。冬に行っているから、下手な運動より巧い。派遣村に集まった人々とホームレスとの線引きに疑問を抱く人いるだろうけど、パフォーマンスなんだから線引き以前の話。坂本総務政務官がいう「学生紛争の時の戦術、戦略が垣間見えるような気がした」は、正しいでしょう。
 でもねぇ、その戦術、戦略を巧く使いこなすのが官僚や政治家の力量と違うかなぁ? 正直にぼやいてどーする。それに、中には明確なパフォーマーが混ざってるかもしれないけど、困ってて働く意欲のある人は間違いなくいるでしょう。それが1割しかいないとしても、その人たちにとって坂本総務政務官の言葉はムカつくものにしか聞こえないと思う。
 官僚や政治家が最も行ってはいけないことは、人々の意欲を削ぐこと。それがやる気ある人々の意欲となればなおさら。人々の意欲を促進させることができるなら、そんな官僚や政治家は、汚職しようが天下りしようが何しようがどうでもいい。どうも最近は、その条件を満たさない官僚や政治家が目立ちますねぇ。

 さて、派遣村がパフォーマンスならば、何を表現し、どのような結果を得られるのかが問題になる。例えば次のようなニュースを見ると、その方向性が見える。

毎日jp→舛添厚労相:労働者派遣法見直し「製造業対象外望ましい」

 うーん、製造業以外ってゆー枠組みはどうかと思うのですよ。なーんか、今のままじゃ「派遣」は、デメリットばかりが強調されてて、ネガティヴイメージで塗り固められかねない。派遣村も、それに貢献している。
 今困っている人を助けるのは重要だけど、そこを足がかりにして、今後、どのような改善がなされるのかが最も重要。派遣村のパフォーマンスに意味があるとしたら、そこにしかない。派遣村からそこまでの議論へと飛べますかね? 

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2009-01-06

金くれーっ!

 なくなったのかと思ったら、まだ生き残ってた定額給付金の政策、与野党で賛否両論でございますなぁ(いや、殆ど「否論」しかないか)。

産経ニュース→対決国会開幕、野党いきなり定額給付金分離要求
産経ニュース→民主党、2次補正修正案を提出 定額給付金を削除

 前から思っていたんだけど、選挙の人気取りの「バラマキ」のどこが悪いの? そりゃあ野党からするとムカつくだろうけど、国民の立場に立てば悪いことは何もない。その点で、猛反発している方々は国民の立場を省みていないことになりますね。

 「バラマキ」が悪いという批判も間違っている。悪いのは「バラマキ」でなく、その金額やその後に控えている増税案でしょ。
 どっかのTV番組で、「給付金っつっても、元は税金だから、考えれば得しねー」とかいってる人いましたけど、いやいや、確かに大元はそうだろうけど、定額給付金っていわゆる「埋蔵金」から出てるんじゃなかったでしたっけ? いってしまえば、年末調整の還付金みたいなお得感はあると思うんだけど。払うことによって給付の権利を得る年金とも全く違うものだし。
 まあ本当は、「バラマキ」でなく、一定の所得以下の人に給付するのが理想ではある。ではあるけど、少なくとも「バラマキ」が国民感情を逆撫ですることはない。こーゆー政策って、能力があってやる気もある人たちの邪魔にならないことが重要だから、その点で「バラマキ」はそんなに悪いことじゃない。高所得者には給付しないようにしようとしても、国民の所得を確認しつつ給付するなんて、民主党が与党になったってできやしない。少なくとも緊急対策の中で行うことは無理。だから、麻生首相がいう「高所得者は自主的に拒否」は、アホみたいな話だけど、現実的ではあるでしょう。
 今の2兆円じゃあ景気対策にはならないという意見もある。私もそう思った。けど、考えたら、金額が大きければ逆に貯金すると思う。1万円くらいだったら、さっさと使うから、消費に繋がると思う。私なら本やCDで一瞬でなくなるね。本屋やCD販売店の景気には貢献するでしょう。
 しかし、定額給付金を家計の援助と考えるなら、2兆円は確かに少ない。「埋蔵金」を使うなら――50兆円くらいあるんでしたっけ――もっと出せるでしょう。財務省とかが嫌がるんだろうけど。だから反対派の人たちがいうなら、「もっと金額を高くするべきだ!」でしょう。
 あと、誰もがいってることですけど、給付したすぐ後に増税ってのは、口が滑りすぎ。増税をしたいにしても、それが3年後で決定していたとしても、タイミングを考えてほしい。「給付→将来の増税→物価が高くなる前に消費」て流れを考えたのか。うーん、個人的には確かに1万円程度なら消費に回すと思うんだけど、市場は「増税」って言葉に冷え込みますな。
 定額給付金の現時点での問題点は、つまり「金額が低い」と「その後の増税」の2点にしかないと思うのです。

 TVのニュースでは、「派遣切りにあってるような人々を救う対策こそが急務であり――」とか反対派がいってたけど、定額給付金のどこが派遣切りの人々を救わないというの? 雇用対策と定額給付金は、政策として衝突しないでしょうが。雇用対策もして、定額給付金もばら撒けばいーじゃない。野党がギャーギャーと反対するから進むものも進まないんじゃないの?
 もしも批判するなら、「給付金額を高くしろ」と「速やかにばら撒け」の2点しかない。
 それに、アメリカでも給付金的なものは既に実施されたけど(金額は日本よりも高額)、景気対策としては意味がなかった、という事例が批判として利用できる。でも、それは景気対策として。援助という考え方からすれば、別に「バラマキ」定額給付金は悪くない。どうせ「埋蔵金」があるんだし、こーゆー時に使っちゃえ。各省庁や、そのぶら下がり議員なんかは、「いざという時のために」とかいって埋蔵したままにしたいんだろうけど、今が「いざという時」では?

 今、私には、「バラマキ」定額給付金に反対している議員こそ、国民援助や景気回復の邪魔をしているようにしか見えない。
 小沢民主党代表とか、麻生首相と議論の余地なしみたいな態度とってるけど、議論しろっつーの。自民党と民主党の関係って、まるで日本と北朝鮮みたいだよ。ちゃんと対話しなさいよ。

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2009-01-05

『芸者vs忍者』の題名に偽りあり

 『芸者vs忍者』を観た。Vシネレベルの映画と高を括っていたら、予想外に面白かった。『ICHI』や『少林少女』に「見習え」といいたいくらいに。
 とはいえ、物凄く面白いわけじゃない。思ったよりも面白い、という程度。それでも日本のメジャーなアクション映画と比べれば、遥かに出来が良く、頑張っている。何度も比較対象にするけど、『芸者vs忍者』を観れば、いかに『ICHI』や『少林少女』なんかの出来が悪いかよーくわかる。アイドルや人気女優にマトモなアクションをやらせるのは無理だとわかっちゃいるけど、それなら映画を作るなよ、といいたいわけで。

 基本的に、低予算映画なので、肉体を酷使したアクション以外に見所はない。頑張っているという意味では、タイの『Chocolate』と比べても見劣りはしない。主演女優のアクションレベルだけなら『Chocolate』の方が遥かに上だけど、映画の見せ方は『芸者vs忍者』の方が上。タイのアクション映画は見せ方がまだまだ下手。痒いところに手が届く見せ方は香港映画や邦画の方が巧い(アイドルが出演しているメジャーな邦画は除く)。
 アクション以外に見所がないのは、物語がテキトーすぎるから。もうホントどうでもいい感じ。アクション場面の繋ぎに物語があるというか。上映時間が80分と、娯楽映画としては理想的な短さで、無駄な展開は不要とばかりにアクション場面しかない。潔し。
 アクションの見せ方はツボを押さえているし、展開も定石をよくわかっている。面白かったのは、忍者と森の中で戦う場面。『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』のスピーダーバイクのチェイス場面そっくりなことしてた。他にも、『マトリックス』のバレットタイムな演出があって、しかしあえてCGを使わず、『バッファロー'66』みたいに、動きを止めた役者の周りをカメラを回り込ませて撮影するローテクを使ってた。女同士で戦う際には、なぜかいきなり雨が降り、泥だらけになってキャットファイト。変なところで感心させられる映画だ。
 でも、明らかに途中でアクションのネタ切れになっている。忍者、弁慶みたな棍棒使い、幻術使い、女武道家……飽きずに見られたのはそれくらい。その他はかなり間延びしている。アクションのパターンも使い回し。そのため、最後のラスボスである侍が大して強く見えないのがもったいない。そもそも、題名にある忍者は、実は初っ端に出てくる雑魚キャラでしかなく、「芸者と忍者がどんな壮絶な戦いを繰り広げるのだろうか」と『くノ一淫法 百花卍がらみ』みたな期待をしていると肩透かしを食らう。

 今作がイマイチな理由は、脚本の出来が悪いこと。脚本担当の小高勲さんは、初めて脚本を担当したようだ。元々は録音技師で、その後にプロデューサー業をすることになり、今作では脚本も兼務。どーゆー転職っぷりなんだ。物語作りの素人だからか、他の作品から色々と拝借して組み立てられた物語にしかなってない。
 しかし、物語はアクション場面の繋ぎと開き直っているならば、映画がイマイチな原因は監督にある。小高さん同様、今作が映画初監督となる小原剛監督は、今まではアクション監督をやっていたから、さすがにアクション場面は要領を得ているので上手だけど、映画として魅せることに成功してはいない。初監督作品なんだから、パクリだろうが何だろうが、持てる知識と技術を総動員して作るべきだった。『芸者vs忍者』が限界だとは思えない。

 良し悪しで判断すれば色々と不満はあるけど、好き嫌いで判断すれば大好きな映画だ。
 『シックス・ストリング・サムライ』なんかと同等の映画ではあると思うので、海外の映画祭なんかでは人気出そう。『キル・ビル』とも似ているけど、さすがにクエンティン・タランティーノ監督には遠く及ばない。しかし、小原さんが今後も映画監督として映画を作り続けるなら、及ぶとも限らない。
 タランティーノ監督は『芸者vs忍者』を気に入るだろうな。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 芸者vs忍者

2009-01-04

カナザワ映画祭の活動報告書

 かなざわ映画の会からカナザワ映画祭2008の活動報告書なる書類が送られてきた。サポーターとなったからかな(最低料金しか払ってないので、サポーターを自称するのは僭越すぎるけど……)? 活動報告書が送られてくるなんて、何か、嬉しい。

 送られてきたのは、A4サイズの、新年の挨拶の文書と、活動報告書。
 報告書は、
  ・プログラム
  ・観客動員
  ・目的と成果
  ・メディア
の4種類に項目が分かれている。

 「プログラム」は、どのような上映会を開催し、どのように盛り上がったが簡単に説明されている。
 新たに知るようなことは殆どないけど、釣崎清隆ショックメンタリーには、観客に葬儀関係者がいて、質疑応答が面白かったようだ。私はトークショウに行かなかったので、少し後悔。

 「観客動員」は、プログラム毎の動員数、観客数からの各分析が説明されている。第三者としては、興味のある事柄だ。
 動員数は、映画祭全体で、2,533人らしい。これが多いのか少ないのかはわからないけど、東京国際映画祭と比較してみると、規模の違いは凄い。東京国際映画祭は、劇場動員数が約4万人(上映本数は315本)、共催/提携企画動員人数が約20万人グリーンカーペットやアリーナ等イベント動員約3万5千人。人数はえっらい違いだけど、満足度ならカナザワ映画祭の方が上なんじゃないかな?
 各分析は、アンケート結果などしか頼るものがないので、厳密な数値ではないみたい(以下に記した数値は、報告書の数値を簡略化してあるので、さらに厳密じゃない)。
 観客の年齢層は、最も多いのが20代で、約3割を占めている。次に多いのが40代で、その次が30代両者合わせて約4割だ。あとは60、50、70代以上が約1割ずつ。30代が意外と少なくて驚き。最も30代が多いと思っていた。20代はまだしも、40代より少ないとは。
 男女比は、ほぼ半々だけど、女性の方がほんの少しだけ多い。
 参加日数は、1日間参加が最も多く、その次の2日間参加と合わせて7割以上を占めている。残りは、3~6日間の昇順。
 チケットの購入手段は、前売り券が約5割強で、当日券が約3割強。残りは招待券。当日券が4割近くいるのは、巷の評判から急遽参加することを決めた人が多かったてことでしょうな。
 居住地は、東京出身が約4割で最も多い。現地の石川は2割に少し及ばず北陸三県を合わせても約3割。東京だけで約4割とは……さすがというか何というか。情報化社会の格差ですかね。ただし、この数値はネット通販の結果だけしか使ってないようなので、販売店の結果を合わせれば北陸三県の比率は少しは上がると思う。

 「目的と成果」は、大きく「中心街の活性化・にぎわい創出、映画上映環境の地域間格差解消」と「映像教育・人材育成・ネットワーク作り」に項目が分かれている。
 正直なところ、前者の達成には疑問があるけど、瞬間とはいえ、意義があったのは間違いない(オリンピック需要とかと同じ)。後者に関しては、ネットワーク作りは間違いなくあっただろうし(次の映画祭開催に向けてとか)、映画祭スタッフとして働くことで将来への道を見た人もいただろう。次に繋がるものがあったのは、確かなことだと思う。

 「メディア」は、どんなメディアで紹介されたかの一覧。思った以上に紹介されていたようで、驚き。益々次回開催への弾みとなったんじゃないでしょか。

 総括的に、面白い報告書だったけど、最も気になる会計的な報告がなかったのにガッカリ。サポーターが何人の何円集まったのか、上映作品の値段やゲストの招待費用や劇場使用料金など、各収支はどうなっているのかなどなど。「透明性」と言うは易しだけど、そこら辺は難しいものがあるのかもしれませんな。

 何はともあれ、かなざわ映画の会の皆様、ありがとうございました。次のイベントも楽しみにしております。
 あと、代表の小野寺生哉さんには、できればブログの更新をしてもらいたいなぁー、と。去年の10月2日から更新されてないので。忙しいんでしょうけど、あの続きが読みたくて読みたくて。ずーっと心待ちにしております。たぶん、私以外にもたくさんいるだろうかと。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2009-01-03

『私は貝になりたい』がミュージカルだったらいいのに

 中居正広さん主演の『私は貝になりたい』を観た。観る前は、中居さんの演技力がとんでもなく心配だったけど、それは杞憂だった。熱演だったし、「SMAPの中居くん」というイメージがむしろ貢献していた。
 でも、全体的に見ると、失敗作だと思う。

 まず、音楽がうるさい。とにかく全編ずーっとうるさい。何でもない場面までクライマックスとばかりに音楽で盛り上げようとするのだ。例えば、仲間由紀恵さんが吹雪の中で署名を集めている場面、ずーっとワルツ調の音楽が大音量で鳴っている。音楽と場面が力一杯合致してない。もっと静かな音楽で、文字通りの伴奏として鳴らすべき場面だと思うのだけど。うるさいのとメロディとオーケストレーションから、久石譲さんだろうなぁ、と思っていたらその通りだった。アニメなら納得できるものも実写となると逆の効果しか生まない。『おくりびと』の時にも思ったことだけど、久石さんに実写の音楽を担当させるべきじゃない。ただやかましいだけなんだもの。
 音楽といえば、主題歌もどうかと思った。Mr.Childrenって。好きでないけど、中島みゆきさんや長渕剛さんやさだまさしさんなんかに歌ってもらえば良かったのに。アメリカでいうところのブルース・スプリングスティーンみたいな。戦争の映画とミスチルって、合わないこと合わないこと。

 物語は、悪くない。戦争の悲惨さは全く描かれていないけど、戦犯裁判のムチャクチャさはそれなりにちゃんと描かれているので、アメリカの身勝手さを知るにはいいことではないだろうか。
 しかし、無駄な場面だらけなのは何とかしてもらいたかった。例えば、署名集めの場面なんて、半分以下で描けるだろうし、収容所での描写もばっさりカットしたって構わないだろう。特に笑福亭鶴瓶さんとの場面も半分以下でいい。戦中の訓練場面だっていらない。つーか、足に障害を持っているのにこき使う軍隊ってあるか? それに、軍部に女性がいるのっておかしくないか? そもそも下っ端兵士が死刑にされるのがおかしくないか? 物語的にマトモなのかが疑問。なんだけど、私の歴史知識ではそこら辺に細かくツッコミを入れられないので、疑問でしかない。
 『私は貝にないたい』の最大の注目点は、脚本家の橋本忍さんだ。黒澤明監督作品の脚本家として有名な橋本さんだけど、『幻の湖』という邦画史上に燦然と輝く超有名なトンデモ映画も作っている(製作と監督も兼務している)。『幻の湖』以降はマトモな作品を作れていなかった橋本さんが、自身の歴史で初めて自身の作品をリテイクすることが話題にもなっていたんだけど……リテイクしてこれか、というのが正直な感想。物語が面白いか面白くないか以前に、無駄が多すぎる。そこが何よりも駄目。
 何で無駄が多くなったかというと、観客の情感に訴えるために他ならない。つまり、感動させよう感動させようとしている。本来なら、戦犯裁判を扱っている以上、殊更に情感に訴える必要はなかった筈だ。例えば、収容所で米軍兵士と心を通わせる描写があるけど、あんなの丸ごといらない。「米軍にも良い人はいるんだけど、どうにもならなかった」といいたいのはわかるけど、なくても物語を盛り上げることはできた。また、中居さんの死刑と対比的に仲間さんの生活を描くのは、泣かせるためのベタな演出ではあるけれど、テーマ的に必要ない。反戦を冷徹に描くべきなのに、情感に訴える泣かせ展開ばかり。徹底的に間違っている。これでリテイクしたとは信じられん。巨匠もボケたんでしょーね。

 そして、最後の「私は貝になりたい」という台詞に説得力が全くない。というか、意味がわからない。その台詞のインパクトに集約するように物語を組み立てた筈なのに、台詞だけがやたらと浮いている。戦争そのものが不条理なんだから、フランツ・カフカさんの『変身』ばりに不条理な展開を考えた方が良かったんじゃないかなぁ。愚直に泣きのベタを考えてしまった時点で、『私は貝になりたい』は失敗作になることが決定していたと思う。黒澤監督の『羅生門』の脚本を書いた人とは思えないくらい、凡庸すぎる完成度だ。
 福澤克雄監督は初映画監督作品としては良い場面を撮っているんだけど、それはロケだけ。セットとなると途端にTVドラマ的になり、安っぽさが最後まで拭えなかった。ま、監督の腕が良くても脚本の出来があれじゃあ、マトモなものにはならんか。

 どうせならミュージカルにすれば良かったんだ。だって、絞首刑&理不尽な死刑で真っ先に想起するのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だもん。そっちの主演が歌手のビョークさんなら、『私は貝になりたい』の主演だって歌手の中居さんだし。
 大戦を舞台に、ディズニー映画並に歌って踊る反戦映画。それなら音楽のやかましさはむしろピッタリだろう。署名集めの場面なんか、雪山で踊りまくるわけだ。最後が絞首刑で終わるから、パクリっていわれそうだけど、どうせ「私は貝になりたい」って台詞自体借り物なんだし、「何だこりゃ?」といわれるくらいで丁度良い。うん、「歌って踊る反戦死刑映画」はとっても面白いと思うんだけど。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : 私は貝になりたい

2009-01-01

新年の挨拶

 あけましておめでとうございます。
 無事に新年を迎えることができました。良かった良かった。

 この文章を打っている最中、世の中では紅白歌合戦なんかを見ているんでしょうけど、いやー、TV番組、すっげーつまんなさそうなのばっか。酷いっすね。紅白なんてもう見る価値ないし。こないだやってたレコード大賞とかも、「何だこの人?」て人が出てて、事務所必死なんだろうなぁ、て感じで、つーかそもそも「レコード」なんてダンスミュージック好き以外殆ど買わないんだから題名変えたらいいのに。「音楽大賞」でいいんじゃないの? 有線大賞も中止にして、民放は「音楽大賞」だけに絞って、開催方法も「今年はフジ、来年は日テレ」みたいに各局で年毎に持ち回りにして、年末は「民放(音楽大賞)vsNHK(紅白歌合戦)」にすればいいのに。そしたらもうちょっと年末の音楽が盛り上がるかもしれない。今の状況は寒々しい限りです。

 昨年は、カナザワ映画祭が盛り上がったのが良かったです。予想外でした。また、各映画館が割引サービスをするようになり、映画が観易くなったのも良かった。お陰様で一昨年よりも映画を多く観ました。その全ての感想文を作ろうとしてはいるものの、いっつも途中で放棄。しかも、作れたら作れたで、観てから1ヶ月以上経ってて、既に当の映画が公開終了していたり。さらに、未だに私的に「うん、これは良い出来だ」というような感想文を作れたことがない。色々と考え方を変えてみたりしてはいるものの、納得できるような文章が作れない。ま、本年の干支である丑は、私の干支でもあるので、引き続きのんびりと続ける所存でございます。

 とゆーわけで、本年もよろしくお願いします。

テーマ : 年末&お正月
ジャンル : 日記

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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