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2008-10-30

日銀の利下げについて、ふと想う

 我が地元誌の新聞にも1面にでかでかと「日銀が利下げ検討」と書かれているわけだけど、普通、不況下にはそれって当然なんじゃないの? まあ、効果的にでかでかとアナウンスしたんだろうけど、アメリカのせいで各国が利下げ基調なら、日本だってそうしなきゃ、普通に考えて円高になるような。
 例えば、背丈の違う何人かが立ってて、バランスを合わせるからそれぞれがちょっとずつ屈んだとする。その時に、1人だけ「いや、私は元々、背が低いので屈む必要はない」といって屈まず、しかし他のみんなはそいつより屈んでいて、そいつだけ頭が飛び出てしまった。私は背が低いのに、周りが屈みすぎるから悪いんだ。私は屈まないぞ。
 と、その屈まないでいたのが日本なんでないの? だから円高になるのも当然なのかと。円の安定感から円借り取引の絡みで円高になってるのもあるんだろうけど、少なくとも無政策な方針のせいで円高になってる側面はあるんじゃないの? うーん、私の認識は間違ってるのかなぁ。朝の出勤前に見るTVでも、誰も利下げのこといわないし。わけわからん。
 利下げするにしても、さっさとしないと効果ないんじゃないのかなぁ? 検討します、っていってる間にずんずんと状況は悪化するかもしれない。それとも、利下げしますっていうだけいって、その間に運良く状況が好転するのを期待しているのか? 消費税を上げるってアナウンスして、瞬間の消費効果を望むような?
 それに、だ。初歩的な経済学の知識でも、不況の時には利下げするって書いてあるぞ。日銀の無策ぶり、それを看過する政府の無策ぶり、それ以前に利上げをいってるアホ民主党のどなたか、みんなオカシイよ。

 他に、インフレ目標を採用してないのも、不思議。先進国の殆どはインフレ目標を採ってるじゃん。そりゃあ日本はデフレだけど、日銀はずーっとほぼ無策だったよね?
 日銀は短期政策しか採らないんだよな。その時その時の状況に応じた政策を採った方が国民経済に良い、と。緩和もしない、目標も立てない、自然にお任せ。
 もっと勉強をすれば、理屈がわかるようになるのだろうか?

毎日jp→日銀:利下げ検討 協調を模索、米欧方針追随か 危機対応、政府に期待感

 ニュース記事には、「金融安定度の一番高い(日本の)日銀が発するメッセージは大きい。政府としても日銀への期待感が出てくる」とあるけど、期待感よりは「さっさとせい」というイライラ感の方が大きいような。それに、「米欧よりも金融システムが安定している日本が利下げの輪に加われば、日本も指導力を発揮できる形で危機抑制への強い意思を示せる」ともあるけど、発揮するような指導力はないでしょ。だって、バブル崩壊後から十数年、日本国内の危機抑制ができてないし。
 与謝野経済財政担当相が「日本も下げるのは国際協調の重要な証しという意味では大事」とかいってるけど、そこまでアホな考えがよく出るなぁ。さすがは日銀擁護派。
 また、日銀の幹部から、「政策はもはや理屈ではなく、状況判断だ」という発言があったそうだ。カッコイイー! バカみたーい! 理屈じゃない政策なんてやるなよ! 状況判断で理屈詰めの政策をするのが中央銀行の存在意義じゃないか! その程度のこともできない馬鹿どもの集まりってことですか。利権好きの人たちが状況判断もできずに下らない理屈で動くから駄目なんでしょうが。

 こんなことを想い考えるきっかけとなったのは、我が職場で「利下げするなんて、国民のことを考えないな」といってる人が何人もいたから(グループになって喋っていた)。はっきりいって、家計のことだけを考えれば、利下げされたからって問題は何にも生じないと思うけどな。もう十分に低いんだし。それに、利上げしても、その分の儲けは貯蓄されるだけでしょ。意味ないじゃん。
 いくら仕事が暇だからって、何人も集まって下らないこと喋ってんじゃねーよ。せめてもっと正しくてためになることを喋れ。想い出してムカついたから、ブログのネタにしちゃったじゃないか。
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テーマ : 気になるニュース
ジャンル : ニュース

2008-10-30

『ベルセルク』の物語の展開を忘れつつある

 『ベルセルク』の最新刊である第33巻を購入。1年ぶりか。段々と執筆のペースが落ちていってますな。まあ、そもそも掲載誌である『ヤングアニマル』の月刊時代からの連載だから、絵の緻密度や物語の面倒臭さからしても、本来なら月イチの掲載が適度なペースなんだろう。でも、連載自体がずーっと滞ってたし。

 正直いって、「千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇」からはちょっと面白くなくなってきてる。あからさまに映画『ロード・オブ・ザ・リング』の影響が見えるし、何か、ファンタジーっぽすぎる。いや、元々ファンタジーだったけど……最近は、RPGゲームっぽくなりすぎているというか。もっとこう、「子供が読んだら駄目!」という暗黒面な展開を期待しているわけです。「千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇」からはとってもライトな展開なので、ちょっと拍子抜けしっ放し。

 また、壮大な物語なのは理解しているんだけど、物語の進行がちんたらしすぎで……今、何か重要な展開になってるのかなってないのか、忘れてしまいそうに。不定期連載を止めてほしいものです。ガッツと一緒の船に乗ってるアザン(常にヒゲ付の兜を被ってるオッサン)とガッツのちゃんとした再会をさっさと実現させてくれ。今はそれが気になって仕方ないんだ! あー! もうっ! 気になるーっ!!
 見事に作者の意図にハマってます……

 毎日jpの記事を見たら、売り上げは仏契りでトップらしい。昔は知る人ぞ知る漫画だったから、隔絶の感がありまする。

毎日jp→本の王子様:「ベルセルク」、圧倒的強さ 「おお振り」も好調

 黄金時代篇(15巻くらいまでだったっけな?)までは、誰に薦めても「何この漫画、知らない」といわれ、しかし読ませてみると、「面白かった!」という反応が返ってきて、それが「ふっふっふ、そうだろそうだろ~」という連帯感を持てたのに。今じゃ圧倒的強さで1位か。ま、ファンとしては嬉しい限りですけどね。もっともっと売れてしまえ! でも、質は落とさないで!!

 ちなみに私は、『ベルセルク』の最新巻を買うたびに、1巻から読み直してます。その度に、感涙! 黄金時代の素晴らしさに、涙が止まりません! 仲間っていいね! 頑張れガッツ! 旅の終わりが決してハッピーエンドでなくても!

テーマ : マンガ
ジャンル : アニメ・コミック

2008-10-29

『イーグル・アイ』は、『地獄のデビルトラック』の凄い版

 『イーグル・アイ』を観た。前半はもしかしたらほんの少しくらいは面白い気がするかもしれないけど、後半はそれが気のせいであることを確信するくらい物凄く素晴らしく駄目だった。
 ネタ的に既視感バリッバリで、最初から飽きる。しかし、それは最初だけ。物語が進行すればする程、「どっかでこんな展開見たなぁ~」と思い悩み、既視感の元になっている映画が何だったか思い出す作業に没頭しそうになるくらい、もっと飽きる。終わった瞬間には、「やっと終わったか~」という徒労感だけが残る。素晴らしいね。

 出だしは、社会派っぽく、またもやアメリカのイラク攻撃批判映画、つまりは現在のアメリカ政府批判映画のように始まる。次いで、監視社会に対する批判の雨あられ。中盤はずーっと、それ。そして最後には大統領暗殺だ。キーワードは、「テロ」と「監視社会」ですな。
 主人公たちはわけもわからず犯罪に巻き込まれ、敵が何者か判明した後も、主人公たちは最後まで翻弄される。この手の巻き込まれ型サスペンスの王様であるアルフレッド・ヒッチコック監督作品を目指したんだろうけど、はっきりいって大失敗している。あまりにも敵にとって都合の良い展開だらけで、面白味に欠けるからだ。
 敵は、機械(特に監視カメラ)を自由自在に操ることで主人公らを操る。今じゃ街のあらゆる場所に監視カメラがあるから、主人公らの行動を把握するのに困らないのだ。だから『イーグル・アイ』には、頻繁に監視カメラからの映像が使われる。一見してすぐにわかる、わかり易い監視社会批判だ。その系統の最近作には『マイノリティ・リポート』があり、『イーグル・アイ』は少しに似ている。
 やがて監視社会批判は、過ぎた技術は人間の手に余り、ろくなことにならない、というコンピュータ管理社会批判へと繋がる。厳密にそんな批判はしていないけど、何となーく、田舎者が「こんぴーたってやつのせいで、俺たちは苦労すんだ」と、こんぴーたへの嫌悪感を示しているようにも見えるのだ。今時ないでしょってくらい、こんぴーた嫌いが前面に出てる。で、最後にはこんぴーたが暴走していることが判明する。「ほーら、こんぴーたなんかに任せてたら世の中大変なことになるんだから!」という声が聞こえきそうだ。
 機械の暴走という点では、もしかしたら『2001年宇宙の旅』を目指したのかもしれない。しかし、私がまっさきに想ったのは、『地獄のデビル・トラック』だ。いきなり機械が暴走して(その理由は『ゾンビ』と同じ)、人間を襲うバカ映画。さらにいえば、『殺人ブルドーザー』でもいい。いきなりブルドーザーが暴走して人間を襲う超バカ映画(正しくは映画でないけど)。『イーグル・アイ』は大作だけど、『地獄のデビル・トラック』や『殺人ブルドーザー』と似たり寄ったりの映画だ。
 で、最後に大統領暗殺がある点から、『地獄のデビル・トラック』繋がりでスティーヴン・キングさんの『デッドゾーン』を持ち出してもいいだろう。つまり『イーグル・アイ』は、『地獄のデビル・トラック』と『デッドゾーン』を足して失敗したような映画だ。

 はっきりいって、同じ駄目な映画を観るなら、まだ『殺人ブルドーザー』の方が話のネタになっていい。金だけかかったバカ映画を観るくらいなら、『殺人ブルドーザー』の方が何倍も良く出来ている(駄作であることは変わらんが)。
 それにしても、『ハンコック』といい、『イーグル・アイ』といい、現在のアメリカを批判する映画はもうデフォルト設定になってきたね。つまり、売るために「とりあえず批判する」という映画が増えてきた。観客に媚びるための政府批判だから、最後はハッピーエンドで終わる。それが最大に駄目。アンハッピーエンドにする誠意すらないんだもん。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : イーグル・アイ

2008-10-27

『ハンコック』は、とっても惜しいけど、駄作

 ウィル・スミスさん主演の『ハンコック』を観た。スミスさんの前作である『アイ・アム・レジェンド』と同様に、前半は面白いけど、後半は丸ごと駄目な映画だった。

 超人的な身体能力を持つ主人公ハンコックは、その能力を持て余し、人助けをしても逆に迷惑をかけてばかりで、みんなに嫌われていた。銀行強盗を退治しても、その過程で多大なる器物損壊をし、後始末に途方もないコストがかかるため、せっかくの善意が無駄になる。
 しかし、それを見るに見かねた広告プランナーが、ハンコックをみんなに好かれるスーパーヒーローへと作り変えようとする。まずは謝罪。ヒーローには欠かせないコスチュームの用意。みんなに好かれるための礼儀作法。
 最初は訝しがっていたハンコックだけど、効果はてきめん。みんなに好かれるヒーローへと変わっていく。

 はっきりいって、ハンコックは今のアメリカそのものだ。頼まれもしないのに正義の味方面して、莫大なコストのかかる戦争をおっ始め、まとめるどころか大混乱に陥らす。『ハンコック』はふざけた映画のフリして、その実、深いテーマを内包している。
 監督は、アメリカのイラク攻撃を辛らつに批判した『キングダム/見えざる敵』のピーター・バーグ監督。『キングダム/見えざる敵』から一転してアホみたいなヒーロー映画を撮ったかと思えば、それは表面だけで、中身はまたアメリカの現状批判だ。
 後半、ハンコックは、不死身で空まで飛べて超怪力のスーパーヒーローなのに、普通の武器しか持たないチンピラ悪党3人に苦戦し、危うく殺されそうになる(最後は素手で負ける)。この展開もアメリカ批判だろう。つまり、圧倒的武力でもって簡単にねじ伏せられると思ったベトナムに苦戦し、イラクでは最悪のどん詰まりを見せているアメリカを、ハンコックがチンピラ3人に苦戦する状況と被せてあるのではないか。
 バーグ監督作品には『ベリー・バッド・ウェディング』というブラック・コメディがあり、『ハンコック』もその系統だけど、バカ映画を装った社会批判の映画なのだ。ただし、前述したように、面白いのは中盤まで。

 中盤以降は、スーパーヒーロー同士の恋愛と痴話喧嘩という、かなりどうでもいい展開になる。『アイ・アム・レジェンド』も、今だからこそ活きる現代的なテーマを内包した面白い展開にできたのに、後半で一気に駄目になる。『ハンコック』も同じ。何で最初の意気込みで最後まで突っ走らないのだろう? 『キングダム/見えざる敵』みたいに最後まで徹底的に批判的な映画にしたら傑作になっただろうに。
 後半、たかがチンピラ3人組に苦戦するのが、面白くなさに拍車をかける。何で苦戦するのか、理由はある。あるが、恋愛絡みなため、無駄に娯楽性が削がれてしまい、面白くない。強いヒーローは、強いままに苦戦しなければならない。
 結局、社会批判+コメディ+SFアクション+ロマンス、というムチャな贅沢を望もうとして、全てが中途半端になってしまっている。それぞれの要素を入れたはいいが、統一できてない。明らかに脚本の失敗だ。ロマンスは省くべきだった。

 スミスさん自身が製作者に名を連ねているので、作りたくて作った映画なんだろうけど、想った通りの映画になったのだろうか?
 主人公・ハンコックの名前は、アメリカの独立宣言に署名した最初の人であるジョン・ハンコックさんが由来だろう(白人だけど)。ハンコックさんはまた、当時の「黒人には大した知性がない」という常識を批判した人でもある。そのハンコックさんの名前を使用したのは、意図があるに決まっている。『アイ・アム・レジェンド』では、ボブ・マーリーさんを物語内での思想の核とし、『ハンコック』では、ハンコックさんの名前を主人公としている。つまり、『ハンコック』もスミス節の俺様世界一映画なのだ。偉人を譬えに出し、自らが偉人を演じようとしているスミスさんに対抗できるのは、メル・ギブソンさんくらいのものだろうなぁ。
 一番最後にハンコックがいう台詞である「世界を変える」は、素晴らしい響きを持っているけど、実際には空疎なだけで、ちっとも響かないんだよねぇ。そこまで考えた上でのアメリカ批判映画というなら、素晴らしい傑作だと思うけど、それはないか。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : ハンコック

2008-10-23

カナザワ映画祭の記事がある雑誌:『映画秘宝』と『Spotted701』

 こないだ発売された『映画秘宝』最新号に、「日本で最も熱いフィルム・フェスティバルだ」と、カナザワ映画祭の3ページの短い特集記事があった。

 まず、柳下毅一郎さんの文章が良かった。カナザワ映画祭について書かれたものだけど、映画を観る行為そのものについて書かれたものでもある。
 本来、映画は映画館で観るものだ。少なくとも私はそう考えているので、どんな駄作でも、観ると決めたら映画館で観る。しかし、レンタル店に並ぶまで待ってりゃいいや、という人もいる。私はここ十数年は、映画をレンタルしたことがない(TVアニメやCDなら数回はあるけど)。私の職場にも映画ファンを自称する人がいるんだけど、そんな人ですら、「レンタル出てから観ればいいか」とかいってる。観て損したくないから映画館で観ない、と。違う違う、損するからこそ、映画館で観なきゃいけないんだ。
 柳下さんは、こう書いている。

 「映画とは観客を不意打ちにするもの。一度観ただけで消えない傷跡を残していくものである。その残された傷跡こそが映画体験なのだと言える。なんかの間違いで観てしまってトラウマとして刻印された映画がいかに多いことか。そしてまた、映画をDVDで観るのが当たり前になった昨今、そのトラウマがいかに減ってしまったことか

 その通りだと思う。柳下さんが書くように、カナザワ映画祭を体験した人々は、誰もがその体験を誰かに語らずにはいられない。レンタルで簡単に味わえないからこそ、貴重な体験を。

 さて、記事の中心は当然のようにクリスピン・グローヴァーさんのビッグ・スライドショウだ。グローヴァーさんの独占インタビュー(単なる会話の一部らしいけど)が載っていて、それが興味深い。ま、その内容は、カナザワ映画祭で観た人なら殆ど知っているどころかもっと詳しく知っていることばかりなんだけど、知らないことも載っている。例えば。

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テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2008-10-22

古川日出男の『聖家族』がG・G=マルケスっぽい

 買ったばっかで殆ど読んでないんだけど、古川日出男さんの最新作『聖家族』は、出だしの1行目から傑作な感じがする。まあ、傑作揃いの古川さんだから、という予測の立て方ではあるけど。

 『聖家族』を一言でいうと、ガブリエル・ガルシア=マルケスさんの『百年の孤独』のような感じ。そんな感じの日本の小説、最近もありましたな。桜庭一樹さんの『赤朽葉家の伝説』だ。
 あれは、完全に『百年の孤独』だった。誰が読んでも、『百年の孤独』だった。1行目から、誰がどう読んだって『百年の孤独』だった。だったけど、『百年の孤独』を読んでいれば読む必要はない、という作品じゃあなかった。そもそも全体が『百年の孤独』ってわけじゃなかった。どっちから出会うべきか、人によっては評価がわかれそうな傑作だった。
 血湧き肉踊るような娯楽小説も面白いけど、「何なんだこれは!?」と驚きながら読む小説も面白い。『赤朽葉家の伝説』はそのタイプの小説で、そんな小説が私は大好きだ。桜庭さんもマルケスライクな小説を書くけど、古川さんも同じ。前からそーゆー感じはあった。『ベルカ、吠えないのか?』とか。『アラビアの夜の種族』の、話の中に話が入っているのも似ているっちゃあ似ている。

 私は、安部公房さんから強い影響を受けた。安部さんがいなかったら、小説なんて読んでなかった。高校生の時の教科書に安部さんの「鞄」という短編が載っていて、それまで小説どころか教科書どころか文章すらまともに読めない激烈超大馬鹿の私が(漫画でも字の多いのは読めなかったくらい)、なぜか物凄く衝撃を受けた。短編で読み易かったのもあるだろうけど、後から何回思い返しても、なぜ「鞄」に衝撃を受けたのかさっぱりわからない。とまれ、「鞄」がきっかけで小説(というか、漫画以外の活字媒体)を読むようになった。
 マルケスさんを読んだのは、安部さんの影響だ。安部さんが「マルケスは凄い凄い」って褒めてて、「百年に1人の天才」とまで評価していたから読んでみたら、これまた凄い衝撃を受けた。何だこのわけわかんないお話は!? でも、隅々まで面白い! 凄い!
 表現というものに凄い力がある、と感じたのは、マルケスさんのお陰だ。ノーベル文学賞を獲っている作家の中でも、とび抜けて凄いと思うのは、マルケスさんだ。そしてそれを知ることができたのは、安部さんのお陰。今の私は、安部さんの「鞄」と出会ってなければ、存在していなかった。激烈超大馬鹿だから、高校を卒業できず、まともに働くこともできず、無職のままで、親に生活を見てもらって、安っぽい犯罪者になっていたに違いない。今、楽しく生きていられることに関し、安部さんは私の恩人なのだ。安部さんが死ななければ――もう少し長く生きていれば――ノーベル文学賞を獲ったのは大江健三郎さんでなかった(と、大江さん自身も語っていた)。
 ちなみに安部さんは、エリアス・カネッティさんも褒めてたので、カネッティさんも読んだ。正直いって難解だった。私が激烈超大馬鹿だったせいもあるだろう。その頃は他に、ホルヘ・ルイス・ボルヘスさんも読んだし、マリオ・バルガス=リョサさんも読んだし(安部さんはリョサさんを評価してなかったけど)、フリオ・コルタサルさんも読んだ。今まで小説を読んだことがなかったのに、いきなり高難度の作品ばかり読んでしまった。だからか、ちょぉーっとだけ、頭が良くなった気もした。気のせいだったけど。
 娯楽小説で世界最高の1人だと思う、中国の金庸さんの武侠小説も凄い。知人に貸してもらって、そのあまりの面白さに驚愕したものだ。金庸さんも、マルケスさんと同じように出てくる挿話がことごとく面白い。主軸の物語から脱線しまくるのに、その脱線した話がメチャクチャ面白いのだから困る。あれもマジックだ。リアリズムはないけど。
 SFでは、イアン・マクドナルドさんの『火星夜想曲』も『百年の孤独』っぽい。あれも面白かった。
 関係ないけど、スティーヴン・キングさんが安部さんの作品が好きだとエッセイに書いていたのは、ちょっと嬉しかった。キングさんの作品も好きだったので、意外なところで繋がるもんだ。

 話が大幅に脱線してしまったけど、古川さんの『聖家族』は、とにかく面白そう。人を選ぶだろうけど。でも、読むなら、若いうちがいいと思う。色んなものが決まり固まった歳になってからより、まだ何にも決まらない固まってない歳に読んだ方がいいと思う。安部さんやマルケスさんの作品みたいに、人生を揺さぶる感動と驚きに満ちているか、単なるスタイルの模範に終わっているかは、まだわからない。古川さんがデビューしてから十周年目の小説なので、節目の集大成といえる傑作になっているのは間違いない。読み始めたばっかだけど、『聖家族』はそう思わせる。
 大いに期待しています。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

2008-10-21

顕微鏡写真コンテスト:微小な世界の美しさ

 CNNのニュースに、顕微鏡写真コンテストの結果が発表されていた。

CNN.co.jp→顕微鏡写真コンテスト、第一席は海の「ケイ藻」に

 顕微鏡写真コンテストって何かというと、1974年から開催されている顕微鏡写真専門のコンテスト。ニコンの従業員及びその家族、コンテストの審査員以外の、顕微鏡写真が好きな18歳以上の人なら誰でも応募資格がある。
 審査基準は、1・独創性2・技術力3・見た目の衝撃度
 私、子供の頃、雪の結晶を見るのが大好きで、それがきっかけで簡単な顕微鏡を買い、色々と顕微鏡で見た経験がある。だから今でも顕微鏡写真が大好きで、その手の写真集も何冊か持っている。
 どうでもいいけど、『水からの伝言』という本は物凄いアホな本なので、笑って読めるから結構好きだ。学校教育で使われていると思うと、どんな馬鹿な先生がいるんだろう、と愕然とするが。
 話を戻そう。そーゆーこともあって、この顕微鏡写真コンテスト、いつも楽しみにしてました。ただし、聞いたこともないような化学物質を写したものも多く、そこが「ああ、あれはこんな感じに見えるのか!」というような感動を抱けず(私が馬鹿なため)、少し寂しい。でも、とにかく写真はカッコイイし、キレイなのだ。それだけでも見る価値は十二分にある。
 例えば、1996年のコンテストの第一席の写真(公式サイトからコピー)。
small world
 これが何かというと、キシレンスルホン酸という有機化学品。聞いたことない。詳細は、
 分子式:C8H10O3S
 物質名:ジメチルベンゼンスルホン酸
 外観:茶色の粘着性の液体
 純度:45%
 包装:250kg
 用途:
  1.鋳造業で、フラン樹脂の硬化剤として使用
  2.キシレノールの原料に使用
  3.洗剤の溶媒であるキシレンスルホン酸ナトリウムの原料に使用
 む、詳細を知ってもわからんわ。参考リンク→中国南京大唐化学株式会社
 とりあえず、その化学物質をどうやってか顕微鏡写真にしたら、幻想的な古城の風景画みたいになるのだ。自然の神秘を超えた不思議。面白いよぉ~。

 現代的なCGっぽいのが殆どなんだけど、印象派の絵画みたいなのも多くて面白い。例えば、1984年の第一席の写真(公式サイトからコピー)。
small world 2
 よくは知らないけど、メノウの一種なのか繊維質の鉱石の写真のようだ。どう加工したらこんな写真になるのか。本当、面白い。

 こーゆー写真を見ていると、目に見えているものだけが全てじゃないな、としみじみ実感します。

参考リンク→Nikon Small World
 1977年からの、入賞した全ての写真がGALLERIESで見られます。

テーマ : 気になるニュース
ジャンル : ニュース

2008-10-21

ブッシュ大統領、チワワに負ける

 結局、週末分の集計がわかる10月21日付のBoxOfficeでは、『W.』の興行成績は4位。
Title Daily Gross  Location Avg. Distributor Total Gross Locations Weeks
 W. $10,550,000   $5,197    Lionsgate  $10,550,000  2,030    1
 で、「ランクを落としたチワワにも勝てず」と書かれてた。ストーン監督は、未だ『プラトーン』を超えられず、とも。
 そして、『W.』が政権関係者から批判されているとのニュースもある。

産経ニュース→ブッシュ大統領の半生描いた「W」に、政権関係者から反撃続々

 ブッシュ政権の暴露本を出版したマクレラン元大統領報道官だけが、「誠実に事実が描かれている」と『W.』を評価しているとか。でも、今さら誰がブッシュ大統領を褒めるってんだろう。

 政権っていや、映画の話題から逸れるけど、日本の政権の陰のボス気取りの森喜朗議員(「元首相」と付ける気なし)が日教組批判してますな。

毎日jp→森元首相:「戦後教育の過ち」日教組を批判

 中山議員の日教組批判よりワンランク上の批判。
 「親や子供を殺すようなことが珍しくもない世の中になったのはなぜか。やはり戦後の日教組教育の大きな過ちだ。それが民主党の支持団体じゃないか
 いやいや、いくら日教組の出来が悪かろうが、日教組教育と殺人を結び付けるのは無理あるだろ。民主党批判のつもりなのか? 相変わらず面白い発言するなぁ、森議員は。さっさと辞めちまえ。将棋の駒みたいな顔が偉そうにしているだけでムカつくよ。アホ発言しているの見てるだけで殺意湧く瞬間があるから、殺人が珍しくない世の中に助力しているのは森議員だと思うぞ。
 やっぱ邦画界は、『小泉』よりも、今は『』を作るべきだな。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2008-10-19

ブッシュ大統領の映画『W.』は2位

 オリバー・ストーン監督によるブッシュ大統領を描いた『W.』は、BoxOfficeのチャートを見ると、初登場2位というまずまずの成績。とりあえず、現時点での数字は、以下のよう。
Title Daily Gross Location Avg. Distributor Total Gross Locations Weeks
 W.  $3,775,000   $1,860   Lionsgate  $3,775,000   2,030    1

 さて、同じようにブッシュ大統領を扱った映画である(描き方は全然違うけど)、マイケル・ムーア監督の『華氏911』の初登場の成績はどうだったかというと、ドキュメンタリー作品としてはBoxOffice初の1位。しかも上映館数は、千館以下。1位になるような映画は通常、2千館以上使うから、『華氏911』は1館あたりの成績が物凄かったということですな。で、その後も着々と記録を伸ばし、最終的には1億ドルを突破する大ヒット作となった。ま、それでも大統領選に多大な影響は与えられなかったわけですが。
 その後、イギリスの映画雑誌『トータル・フィルム』が選ぶ「その年の悪役賞」をブッシュ大統領が受賞したのは面白かった。さすがイギリスだ。
 ちなみに、悪役賞の対立候補には『テキサス・チェンソー』のレザーフェイスがいた筈。レザーフェイスと現実のアメリカ大統領が悪役賞で争うという、すっげー馬鹿な展開。素晴らしいです。

 さらに、ブッシュ大統領が出る皮肉と嫌味たっぷりな映画といえば忘れちゃいけない、『華氏911』のしばらく後に公開された、マット・ストーントレイ・パーカー監督の『チーム★アメリカ/ワールドポリス』。こっちは初登場で3位。すっごく面白い超大傑作だったんだけど、内容が余りにも強烈すぎたからか、ヒットしませんでしたなぁ。
 金正日総書記も出るから、日本人は頼み込んで拉致問題を盛り込んでもらえば良かったね。拉致被害者家族会が激怒するような、とんでもない描き方するに決まってるけど。日本人なら大喜びする内容だったんだけど、やっぱ日本でもヒットしなかったなぁ。
 あ、でも、イギリス人は喜んだ(またイギリス!)。さすがはモンティ・パイソンの国。イギリスの映画雑誌『エンパイア』が選ぶ映画賞でコメディ賞を受賞してた。

 タイミング的に時既に遅しって感じの今さら感が漂ってる『W.』はどうなることやら。するすると成績を落としてゆく気がするけど。
 どうせならついでに、モーガン・フリーマンさんの黒人大統領が地球の運命を左右するようなしないような『ディープ・インパクト』も一緒に観たらいいんじゃないでしょうか。実際の大統領もフリーマンさんだったら落ち着いていていいのにねぇ。もしもサミュエル・L・ジャクソンさんが大統領だったら、大変だよ。何かっつーと「ファック!」っていうし。
 また、最近はへんちくりんな役が多いビル・プルマンさんが大統領してる『インデペンデンス・デイ』もさらに観て、そのすぐ後にデヴィット・リンチ監督の『ロスト・ハイウェイ』を観るのも一興。「大統領は変態だった!?」と楽しめる。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2008-10-18

『おくりびと』は、どこを見ているんだろう

 滝田洋二郎監督の『おくりびと』を観た。まあ、それになりに感動した。したけど、『死化粧師オロスコ』に比べれば、遥かに大したことない。比べるにはジャンルが全然違うけど。

 ごくごく真っ当な物語といえる。感覚的に常識的なテーマだ。『おくりびと』は、元々は本木さんが企画を持ち込んだものらしい。しかも、十年越しでようやく実現したという、熱意のこもった映画だ。だから、というわけじゃないけど、本木さんの演技は良い。表情、しぐさ、台詞、どれもが主役として堂々たるものだった。元々がハンサムなので被写体として優れているけど、主役として、表情のアップだけで画面を持続できるだけのものがあった。しかし、本木さん演じる大悟の妻・美香役である広末涼子さんが酷い。
 美香は最初、大悟が納棺師に就職したことを知った時、大悟に対して「触らないで汚らわしい!」と忌み嫌う。しかし、近しい人が死に、その人の納棺を大悟が行うことになり、その仕事の一部始終を眺めるに至って、美香は納棺師という仕事への偏見を取り払う。
 『おくりびと』の核となっているのは、大悟を見つめる美香の視線の変化だ。つまり、それだけ美香役の演技は重要なのだけど、広末さんは、2種類の演技しかできてない。微笑んでいるか、微笑んでいないか。私が知っている広末さんは、基本的にその2種類だけ。だから、アップになると厳しい。画面を維持できないんだもん。
 美香役は、本当はもう少し年上の女優に演じさせるつもりだったんだけど、滝田監督が『秘密』でも組んだ広末さんを推して決まったそうだ。しかし、広末さんが本木さんの妻を演じるとなると、画面的にその年齢差が問題になる。なるが、実際は殆ど気にならない。広末さんの演技力の賜物でなく、本木さんの魅力のお陰だ。本木さんの魅力で、広末さんは画面に映っていられる――そういっても過言でない。

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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : おくりびと

2008-10-18

『W.』の公開

 評論家にはそれなりに好意的なようで、オリバー・ストーン監督の『W.』。ストーン監督の代表作の1本になるだろう、とか書かれてる。
 しかし、MovieTickets.comによると、観客の注目度はそんなに高くもないようで。そこのレビューでは、下手するとサタデーナイト・ライヴのスケッチみたいになりそうだけど、映画として成功しているし、役者陣の演技も良いと書かれている。
 
 『W.』を今の日本で作ると、『小泉』とかになるんだろうな。誰か作ればいいのに。『自民』とか。
 何で日本は瞬間風速の速い映画を作らないのかね。さっと作って、さっと逃げる。「そんな映画あったっけ?」と一般的にいわれて、しかし十年か何十年か経って映画史を振り返ると、異常な映画として好事家に記憶されている……そんな映画をもっと作るべきだ。
 ああ、でも、今の日本でヒットしている邦画の大半は瞬間風速がやたらと速いか。『花より男子ファイナル』や、『20世紀少年』や、『容疑者Xの献身』とか。観た記憶が1年も持たないもんな。

 正直いって『エニイ・ギブン・サンデー』以降のストーン監督は飽きていたんだけど、『W.』には期待できるかも。

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2008-10-16

ノーベル経済学賞に大統領選

 ノーベル経済学賞に、ポール・クルーグマン教授(プリンストン大学)が選ばれましたな。

CNN.co.jp→ノーベル経済学賞にポール・クルーグマン氏

 クルーグマン教授の新国際貿易論は、正直いって素人には難しく、しかしクルーグマン教授がニューヨーク・タイムズに連載しているコラムはわかり易くて面白い。記事を抜粋した、『嘘つき大統領のデタラメ経済』という単行本が日本でも出版されてるので、日本人にも良く知られてるでしょう。題名からわかるように、マイケル・ムーア監督の映画なんかが好きな人なら同じように楽しめること請け合い。
 で、そんなクルーグマン教授が批判するブッシュ政権ももう終わり。クルーグマン教授は、今度の大統領候補ではどちらかというと民主党寄りのようですが、正直なところ共和党にも民主党にも期待できないようで、マケイン上院議員もオバマ上院議員もよく批判してる。まあ、マケイン上院議員の方が当然のように批判されてるけど。

 大統領選挙といえば、昨日、北國新聞の夕刊で「大統領選挙の子供投票が行われた」という記事を読んだ。出版社が開催しているもので、8~13歳の子供が実際の大統領選挙と同じように投票する。「教育の一環としてのお遊び」と侮ることなかれ。昔から行われており、実際の大統領選の結果をほぼ確実に予想できる結果を出すらしい。中には「私のお父さん」と投票する可愛らしい子もいるようだけど。

参考リンク→ZAKZAK

 今回の「子供投票」の結果は、6割がオバマ上院議員、4割がマケイン上院議員という結果。実際の支持率からしても、殆ど予想通りという結果。共和党内でもマケイン上院議員の位置付けは微妙だから、苦戦というより、もう結果は見えているに等しいのか。福音派の票がどうなるのか気になるけど、福音派からも嫌われているからなぁ、マケイン上院議員。面白いジーサンなので、私はマケイン上院議員の方が好きです。
 そして、このタイミングで、アメリカでは遂に待ってましたとばかりにオリバー・ストーン監督によるブッシュ大統領の伝記映画『』が明日から公開ですな。

 ブッシュ政権批判のクルーグマン教授がノーベル賞を受賞して、ストーン監督の『W』が公開され、遂に――そうでなくても――ブッシュ政権は終わる。『華氏911』を撮ったムーア監督にすれば、「今さら遅すぎるよ!」といいたいところだろうけど。

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2008-10-14

『ぐるりのこと』は思いっきりの愛しい映画

 リリー・フランキーさん主演の『ぐるりのこと』を観た。正直いって、映画としてはとても平凡な出来で、凄くも何ともないんだけど、心に残す価値のある映画だった。

 まず、リリーさんの演技が抜群に良かった。巧かった、ではない。リリーさんに演技力があったのか単なる自然体だったのはわからないけど、映画に溶け込んだ雰囲気が抜群に良かった。浅野忠信さんにかなり近い。同じ、といってもいい。木村多江さんも良かった。不安定で不器用で真面目な女性をとても繊細に演じていた。また、それ以外の全ての役者が、どれもこれも素晴らしかった。みんな、顔で選んだといってもいいくらい、「味のある顔」揃いだった。
 物語は、ちっとも大したことがない。題名通り、主人公たちの周囲(ぐるり)の出来事を描いただけ。ただし、脚本が良い。台詞が良い。聞き惚れてしまうような名台詞がさり気なく、実にさり気なく散りばめられていて、感動を呼ぶ。
 そして、最も素晴らしいと思えるのは、橋口亮輔監督の視点だ。

 リリーさん演じる主人公・カナオは、法廷画家をしている。だから色々な犯罪者を見る。登場する犯罪者は、実際に世間を大騒ぎさせた実在の犯罪者ばかりだ。オウム真理教、幼女連続誘拐殺人事件の宮崎勤、池田小学校殺傷事件の宅間守などなど。映画では仮名で登場するが、事件を知っている人ならすぐにわかるだろう。誰からも死刑を望まれるような極悪人揃い。
 しかし、『ぐるりのこと』は、そんな極悪人を極悪人として描かない。「生きることが下手な、ごく普通の人」として描く。私はそこにとても感動した。

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2008-10-12

アメリカは裏切っていない

 遂に北朝鮮がアメリカからテロ国家指定解除されるそうで、当然のように拉致被害者家族会が怒ってますな。

毎日jp→【テロ指定解除】拉致被害者家族会「米の裏切り」

 拉致被害者家族会って、馬鹿が多いんですね。「米の裏切り」? 馬鹿じゃん。
 アメリカにしてみれば、拉致被害者なんてどうでもいいでしょ。日本人が何百人拉致されようが。「米の裏切り」? いつの間にアメリカは日本人の味方になったんだ? 何か勘違いしてないか、拉致被害者家族会は。
 ちょっと考えてみなよ、今、アメリカはイラクで何をしている? あれが正義の味方の行いか? 9.11テロのすぐ後、中東人っぽい人が、見かけが中東人っぽいというだけの理由で、アメリカから酷い扱いをされたのは、日本でも報道されたでしょ? CIAによる強制拉致→拷問があったのだって、日本で報道されたじゃないか。カナザワ映画祭で観た『アブグレイブの亡霊』でも、いかに腐った人がアメリカ軍部にいるかよーくわかる。そんなアメリカに、拉致被害者家族会は何を期待しているの?
 それに、アメリカは第二次世界大戦で日本に原爆を意味もなく落とした国だぞ。人によっては、日本の敵国はアメリカじゃないの? それなのに、北朝鮮の拉致問題に関しては、味方か? は、笑えるなぁ。

 『ダークナイト』のジョーカーは完全悪で、バットマンは正義の味方だった。でも、世が世なら、ジョーカーは市民から支持を受ける悪党になっただろう。バットマンのせいで悪事が拡散するなら、バットマンを倒すジョーカーが支持される。だからこそ、バットマンは最後に全ての責任と悪意を背負って逃げなければならなかった。敵の敵は味方だ。ゴジラだって、外来種の怪獣が来れば、人類を守る正義の味方扱いだ。敵の敵は味方。
 北朝鮮は敵。その敵はアメリカ。敵の敵は味方か。ならば、その逆、もしもアメリカが日本に対して牙を剥いたら、北朝鮮は味方になるんだろうか?
 「アメリカを攻撃するための長距離ミサイルを提供しますよ。テポドンがお手頃ですよ?
 アメリカが日本の敵になる――そんな状況に陥って、北朝鮮が味方になる。想像すると笑えるけどね。

 今、大国としての威厳と威力を失いつつあるアメリカは、組むとしたら日本でなく、中国だろう。それが実現されたら、日本は北朝鮮問題をどうするのか?
 もうブッシュ大統領の任期期間中に拉致問題は解決しない。する気もなかっただろう。正義の味方面して悪いことを平気で行える国だ。北朝鮮と、何が違うんだ? イラクで無関係な民間人がたくさん犠牲になったことを考えれば、テロ国家は、アメリカじゃないか。そして、日本はそれを支持した。私は今でもアメリカのイラク攻撃を支持した小泉さんが大嫌いだ。私にとっての戦後とは、第二次世界大戦でなく、イラク戦争以後だ。アメリカにとっては、イラク問題に比べれば、拉致問題なんてどうでもいいことだ。かかっている莫大な費用からしても。
 それにだ、日本としても拉致問題は解決してほしくないんじゃないかな? だって、拉致問題が解決するってことは、北朝鮮が譲歩するってことで、それには絶対に対価が必要となる。拉致問題を完全解決させる代わりに、援助物資や、いざという時の「何か」を要求してくるだろう。今の日本にそんな要求されても困る。正直いって、拉致問題は、解決するしないの綱渡りを永遠にして、延ばせるだけ延ばしたいのが本音じゃないの? 国益を考えれば、それが妥当でしょ。拉致被害者家族会にも、「米国は国益に従って行動している。核問題重視の立場からはやむを得ない決断かもしれない」と考えるマトモな人がいるみたいだけど、日本だって国益で考えれば、拉致問題は解決しない方が楽かもしれないじゃないか。

 もうすぐアメリカ大統領が替わる。共和党になるか民主党になるかはわからない(何だかんだいって共和党になるような気がする)。その時の対応を、拉致被害者家族会はちゃんと考えているんだろうか? 「裏切り者」と、涙ながらにただ訴えてもどうにもならないのに。

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2008-10-12

『イースタン・プロミス』は、真面目で律儀

 デヴィット・クローネンバーグ監督の『イースタン・プロミス』を観た。正直、普通の出来だと思った。
 ヴィゴ・モーテンセンさんが主演だからか、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に似た感触の映画だけど、全く違う。クローネンバーグ監督作品では、『デッド・ゾーン』や『スパイダー』に似ている。つまり、普通に面白い、という。

 クローネンバーグ監督の特徴は、「変態性」と「妄想」なんだけど、『イースタン・プロミス』にはそれが全くない。だから別にクローネンバーグ監督が撮らなくてもいい映画だ、というわけじゃない。どう観てもクローネンバーグ監督らしい映画ではある。
 例えば、モーテンセンさんを『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続いて主演で使うくらい、あの「爬虫類顔」が気に入ったんだろうな、とか。『ヴィデオドローム』のジェイムズ・ウッズさん、『裸のランチ』のピーター・ウェラーさん、『戦慄の絆』のジェレミー・アイアンズさん、『デッドゾーン』のクリストファー・ウォーケンさんなどなど、冷血動物的な役者を好んで使うのがクローネンバーグ監督だ。モーテンセンさんもその系譜に連なる。
 で、そんなクローネンバーグ監督好みのモーテンセンさんが、素っ裸のフリ○ンで格闘する場面なんて(ボカシが一切ありません。映倫さん、偉い)、真面目に撮っているのか、趣味なのか、ちょっと悩んでしまう(いや、ふざけてはないだろうけど)。何でそう思えてしまうのかというと、いわゆるフェチっぽさがなく、撮り方が普通なのだ。

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2008-10-11

腰が痛い7

 接骨院に通うこと今日で6回目。多少は痛みが軽減されてきた。仰向けで寝ることもできる。まだ痛いけど。治療は変わらず、牽引、電気ショック、とっき、マッサージ、ストレッチ。
 今日、私の担当をしてくれたのは、若い女性。大学生くらいに見える。そこの接骨院で先生と呼ばれる人は、院長とその息子さんだけで、たぶん他の人はみんな見習いなんだろう。聞いた話では、そこの接骨院は人材育成のために学校や協会から若者が送り込まれているようだ。院長は、来る患者来る患者の症状を全部把握しているのか、カルテも見ないで「誰々さんは、あれでこれしてあげて」と各患者の担当者に指示をする。院長がいない時は皆、カルテを見ながら治療内容を確認している。だから、院長がいた方が効率が良いし、治療内容に安心が持てる。
 さて、今日私の担当してくれた若い女性のマッサージは、気持ち良かったんだけど、女性の力で男のマッサージをするのは大変だろうなぁ、と思っていたら案の定、終わった瞬間、「ふぅーっ」と大息ついていた。疲れるんだろうね、マッサージって。やったことないから知らないし。あ、肩揉みくらいはしたことあったっけ。あれも長時間やると疲れるか。ならばマッサージはもっと大変なんだろうな。ありがたいこってす。

 改善されてきたんだな、と実感できるのは、鎮痛剤を服用しなくても痛みを我慢できるようになってきたから。最初の頃は、絶対に鎮痛剤が必要だった。満足に歩くことも叶わないくらい、痛かったし。
 ただ、未だに寝るのは難しい。仰向けで寝られるようにはなったけど、じんわりとした痛みはある。だから横を向いて寝るしかないんだけど、ずーっと同じ姿勢で寝ているから、それはそれで疲れるし、どっちかの足を下敷きにしているから、椎間板ヘルニアとは別に足が痺れる。今は、寝るのが一番の悩みだ。
 それでも、大分楽になってきているので、まだ足を引きずる感じは残っているけど、外出も問題なくできるようになってきた。これが嬉しい。映画だって観られるし、CDや本も買いに行ける。

 職場ではみんなから「腰、大丈夫?」と訊かれる。症状とかを話していると、腰痛経験者だけでなく、椎間板ヘルニア持ちが何人もいて驚いた。中学生の頃にぎっくり腰になって以来ずーっと腰痛に悩まされているベテランもいた。普段はみんな普通に動いているから、わからなかった。なるほど、ヘルニアは「付き合うしかない」といわれるのがよーくわかった。

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2008-10-11

渡辺文樹監督の映画は普通に上映されるべきだ

 カナザワ映画祭で渡辺文樹監督作品一挙3本立て+トークショウを観られた幸せな観客である私にとって、渡辺監督の映画が普通に観られないのはおかしいとしか思えない。

産経ニュース→「天皇伝説」上映認める 横浜地裁「混乱防止できないほどの事情なし」

 リンク先のニュースの全文↓
 天皇家を題材にした映画「天皇伝説」など2作品の上映を予定していた横浜市開港記念会館(同市中区)の使用許可を取り消したのは違法だとして、映画監督、渡辺文樹氏(55)が不許可処分の取り消しなどを求めていた訴訟で、横浜地裁は10日、会館の使用許可を市に命じる決定をした。
 北沢章功裁判長は「使用許可を取り消さなければ混乱を防止できないほどの特別な事情は認められない」と判断した。
 決定によると、横浜市中区は9月、10月14、16日の2日間の会館使用を許可したが、10月1日付で「過去に(使用を許可した際に渡辺氏が)会場や周辺の管理ができていない状況があり、指導に従わない恐れがある」として取り消した。
 横浜市中区は「当方の主張が認められず残念だが、裁判所の判断なので上映は認める」とコメントした。


 渡辺監督の映画は、題材が世間一般的に危険かもしれない。しれないが、はっきりいって、「危険だ」といっているのは馬鹿なマスメディアと、馬鹿な右翼と、馬鹿な真面目人だけだ。大半の日本人にとっては、渡辺監督の映画は危険でも何でもない。嘘だと思うなら観てみればいい(それができないから問題なんだけど)。学生映画に毛が生えた程度の技術で作られた、監督本人がいう通りの拙い映画に、真剣に目くじら立てる方が馬鹿に決まっている。

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2008-10-10

風来のシレンDS2の主題歌がジェロって

 私はゲームを少しだけたしなむ。「少しだけ」は本数のことでプレイ時間ではない。つまり、数少ない傑作ゲームを1年間でもずーっと遊んでいたりする。ので、買うゲームは厳選に厳選を重ねる。できれば、最低でも半年間は飽きないものがいい。が、なかなかそんなゲームはない。特にハードがDSとなると、どれだけ面白くても、せいぜいで2、3ヶ月間が限度。
 最近で面白かったのは、タイトーの『非常口』。操作性がイマイチだけど、面白かった。ここ数年で最もハマったのは、『世界樹の迷宮』シリーズだろう。あれは良かった。無闇に難しいのが最高だ。ほんの少しだけ、「これでダンジョンが不思議のダンジョンみたいだったら」と思ったりもしたけど。
 生涯で最も好きなゲームは、風来のシレンシリーズなのだ。

 シレンの新作が来月発売される。ゲームボーイ版のリメイクだ。本当ならば、物凄くワクワクしているところなんだけど、スーファミ版のリメイクが散々な内容で、オリジナルの3作目も酷評の嵐で、販売しているセガは「サクラ大戦」の不思議のダンジョンなんて超クソゲーを作りやがった最悪な企画を立てるメーカーだ。
 ドリキャス時代まではセガっ子だった私だけど、今じゃアンチセガになっちゃってる。だから、来月発売されるシレンも、期待値は超低い。買うけど……買うけど期待はしていない。とりあえず、バグはなしでお願いしたいものだ。PCソフトと違って、修正パッチとか当てられないんだし。あと、元のままで、余計な追加要素はなくていいから。GB版をそのままDS版にしてくれるだけで、殆どのシレンファンは喜ぶから。年に多くて3本しかゲームを買わないのに、クソゲーを掴まされた時の悲しみときたら!

 それなのに! こんなニュースが!

毎日jp→ゲームショウ08:ジェロ新曲「試練」初披露 「風来のシレン」のテーマ セガ

 やめてーっ! 情報が公開されればされる程、悪い結果しか予測さない! いらないから! 主題歌なんていらないから! それに、「大幅にリメイク」って一節が気になってしかたない! もちろん、悪い方向で!

 ところで、今のところ不思議のダンジョンシリーズで最も面白いと思うのは、PC版の『不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! for Windows』。だから、私にとって不思議のダンジョンシリーズの面白さは、アスカが基準値なのだ。
 ただし今、Amazonで『不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! for Windows』を検索したら、通常版が最安値で35,000円廉価版ですら最安値で16,480円という暴利に。もう新品がないからといっても、中古価格が余りに高すぎる。酷いよ。遊びたい人が遊べない。だからいっては何だけど、欲しい人はP2Pで違法ダウンロードでもしたらいいよ、と思ったりする。持ってる人からコピーでもしてもらえばいいんだ。何かやりきれない。

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2008-10-07

腰が痛い6

 階段から落ちた。

 段数が12段の階段を上っている時に、無意識に1段飛ばしで上がろうとしてしまい、左足を軸にして右足を上げたら、左足の膝からいきなり力が抜け、手すりのない壁側にいたので、掴まるものもなく、「えっ!?」と驚くと同時に身体が背後に傾き、それでも瞬時に上半身を反時計回りに捻ったので、左腕からタックルするように、落ちた。どっすーん!
 結構大きな音がしたけど、誰もいなかったから、騒ぎにならなかった。誰かいたら、大変だったかも。いや、何でもないっすから、全然平気っすから、とかいいながら顔を真っ赤にして逃げるように立ち去っただろうな、私は。
 悪運が強いのか、怪我は右手首に擦り傷ができただけで、他は何事もなし。椎間板ヘルニアを患っているってのに、階段から落ちるとは……悪化して立ち上がることもできなくなったら、大変だったよ。

 落ちたすぐ後で、ネットに「椎間板ヘルニアの症状として、筋力の低下もある」と書かれていたのを思い出した。それが私の左足に起きているんだろう。実際、手すりに掴まったまま左足で片足立ちし、少しずつ膝を曲げて行くと、膝の角度が直角に近付くところで一気に力が抜ける。怖っえぇーっ! 今までちっとも気付かなかった! 落ちて初めて知る事実。
 危ない危ない。

 しかし、図々しい私は、「落ちた衝撃で椎間板ヘルニアが治らないかな?」と考えたけど。あれ? 治った。奇跡だーっ! 無論、そんなことは起こりませんでしたね。はい、今でも痛いです。
 せっかく落ちて痛い思いしたんだから、椎間板ヘルニアが治ってくれてもいいのに。ケチだなぁ。

 今後はもっと慎重に行動するようにしよう。そそっかしい私には何よりも難しいけど。

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2008-10-07

テレビ局は映画作りを止めたらいいのに

 フジテレビがカンヌを目指すそうで。

産経ニュース→カンヌ目指す! フジ、「エヴァ」スタッフとCGアニメ製作

 馬鹿だねぇ。金にものいわせてブランド買いっすか。成金が芸術の価値もわからずに芸術品を買い漁るのと似ているな。
 それにしても、何で3Dアニメで目指すかね。宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』が大ヒット大絶賛だってのに。
 「およそ3年をかけ、若手スタッフ約200人で試行錯誤を繰り返した。そして、手描きで書いた2Dの絵を、3Dで作った映像に張り付けるという独自の技術を開発。日本らしい温かみのある絵を出すことに成功した」らしいけど、「2Dの絵を3Dで作った映像に張り付ける」のはゲームでもとっくの昔に成功しているじゃないか。その精度が上がっただけでしょ、大袈裟な。「手描きの日本らしい温かみのある絵」を作りたいなら、最初から手描きでいいじゃないか。わけわかんねー。

 そもそも、「ファインディング・ニモ』や『モンスターズ・インク』など、CG大作で次々とヒットを飛ばすハリウッドに宣戦布告し、カンヌを目指す」そうだけど、ピクサーの映画は、CG技術以前に、根本的に物語が面白いんだけど。素晴らしい物語を完璧に表現するための技術をピクサーは実現しているのであって、フジテレビの行おうとしていることはその逆。悲しくなるね。
 「今回はあえてアニメと物語の質で勝負。これまでディズニー映画をはじめ、フルCGアニメ映画を専売特許としているハリウッドに、ひと泡吹かせるべく、じっくりと製作を進めている」みたいだけど、目標が「ハリウッドに、ひと泡吹かせる」とは、小っせーな。ただ単に傑作を作ればいいのに。それに、日本のアニメの専売特許が何なのか忘れてないかい? 「萌え」でしょ。「萌え」でカンヌを目指せばいいのに

 あと、監督が佐藤信介監督という時点で失敗は確定していると思うのだけれど。

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2008-10-06

腰が痛い5

 接骨院に行ったら、今日から新しい治療が加わった。ストレッチだ。

 実は、自宅で自主的にストレッチとかやった方がいいのかな、と思っていたから、丁度良かった。
 痛かった。
 簡単なストレッチでも、左足から腰にかけて痛みが走る。一通りストレッチが終わった後、「自宅でもストレッチとかした方がいいですか?」と訊いてみたら、「いや、まだ駄目です。ここ(接骨院)でやる以外にはしないで下さい」と駄目出し。むぅ。

 接骨院に通い始め、今日で3回目だから当然、痛みはまだ消えない。院長には、「なかなか簡単には治らないよ。最低でも2週間はかかる。じっくりと焦らず、治療をすること」といわれたけど、私はせっかちなので、「じっくり焦らず」を実行するのが何よりも難しい。

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2008-10-06

『ダークナイト』は単純で真っ当なヒーローもの

 今、社会の底辺で喘いでいる人々が犯罪を起こし、同じく底辺の人々が被害者になるような事件がよく起きている。社会を揺り動かす事件は、しかし社会全体に影響は与えられない。影響を与えるのは、底辺の人々のことなど大して慮らない、上の上で過ごしている人々だ。政治家には、底辺に蠢く人々をダシにして、自分たちに都合の良い事案を通す者もいる。そんな社会で、徹底的に社会をぶち壊してくれるような悪人がいたら、怖いけど、痛快かもしれない。『ダークナイト』に登場するジョーカーは、正にそんな悪人だった。何もかもをぶち壊してくれる、完全悪といえる存在。

 社会を憎むでなく、社会から搾取してやろうと思うでもなく、ジョーカーの悪行は、ただただ「悪」を世の中に蔓延らせることだけが目的だ。金や権威なんてのは、オマケ。ジョーカーは、貧乏だけど、悪人の貴族なのだ。
 対してバットマンは、金と権威を持っているだけのヒーローだ。バットマンであるブルース・ウェインは、金と権威がなければ何にもできない。生まれながらのヒーローであるスーパーマンなんかとは決定的に違う。
 でも結局は、どっちも変人である点で、ジョーカーとバットマンは共通している。
 正義の味方と悪人は表裏一体――それは、昔から様々な物語で繰り返されたテーマでもある。バットマンとジョーカーは表裏一体。ゴジラは人間の敵だけど、敵の敵が来れば、人間の味方になってしまう。見方次第でいくらでも価値が変わってしまう。ジョーカーは、バットマンがいなけりゃ単なるこそ泥に過ぎないけど、バットマンという天敵がいるお陰で大犯罪者として活躍できる。正義と悪の共存関係、それが『ダークナイト』の要点だ。
 正義の味方がどれだけカッコ良くても、悪人に同じくらいの魅力がなけりゃ、正義の味方の価値は輝かない。昔から、正義の味方の物語――刑事ものなんかも含めて――は悪人を描くことに腐心して来た。悪人が馬鹿だと、それだけで物語はつまらなくなる。『ダークナイト』のジョーカーは、そうゆう意味では抜群に優れた、映画史上トップクラスの悪人といえる。対抗できるのは、『ダーティハリー』のスコルピオくらいのものだろう。

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2008-10-05

レアなバナナ

 腰と左足が痛いのに、近所のスーパーにバナナを買いに行く。ずっと家にいるのが我慢できなくなっただけで、とにかく出かけたかった。だから、バナナが買えるかどうかには、大して期待していなかった。そしたら、売ってた。1週間ぶりのバナナだ! しかし!

 お1人様、1袋までとなっております。

 なーにをーっ! 痛いのを我慢して来てみりゃあ、1人1袋かよ! つか、バナナに購入数制限がかかる日が訪れるとは!
 いや、買えるだけでも嬉しいんだけど、何か、アホみたいな事態になってんなぁ。「1袋」には、4本の1房が入っている。つまり、「お1人様4本」だ。
 しかたないので、1袋だけバナナを持ってレジに行ったら、「バナナ、テレビのせいで、すみませんねぇ」といわれた。本当、どうかしてるよ。

 でも、ま、出かけただけでもストレス解消になったし、バナナも少ないながら入手したし、良かった良かった……

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2008-10-05

腰が痛い4

 土日祝日は接骨院の定休日なので、今日は自宅でただ安静に過ごす。しかし、出かけたくてウズウズする。さすがにクラブのイベントなんてものはパスするけど、映画は座っているだけだし、観に行ってもいいような気がしている。たぶん、止めるべきなんだろうけど。でも、せっかく署名までした『ホットファズ』が公開されているのに、観に行けないのは辛い(今週で上映終了だし)。

 本屋やらCD販売店やらに気軽に行けず、自宅にいても読書するのにも姿勢を気にしながらだから面倒さを感じ、とはいえ寝るのも姿勢が問題になって安眠できず、とにかくイライラする。2日間くらい外出しないだけで、悲しくなってくる。引きこもりの人たちは、一体何をして1日を過ごしているのだ? 時間潰れるのか? いや、まだ簡単に寝られるだけ私よりもマシかもしれない。仰向けになって寝られることの幸せが、今の私には遠くに感じる。

 というわけで、何となくネットで椎間板ヘルニアのアレコレを調べている。お陰様でかなり詳しくなれた。
 今気になっているのは、処方されたロキソニン(鎮痛剤)と市販されているバファリンのどちらが効くか、ということだ。
 なぜだかしらないけど、私にはロキソニンよりもバファリンの方が効く。つか、バファリンを飲むこと自体が初めてだったりする。バファリンを飲んだ時、しばらくしたら痛みがかなり軽減されて物凄く驚いたものだ。「さすがに半分が優しさでできているだけはあるな!」と。
 その後、ロキソニンを処方されたので、そっちを服用することにしたのだけど、鎮痛効果が低い。なかなか効いてこない上に、痛みが軽減されない。でも、医者が出すものだからと思い、その日はロキソニンを服用し続けた。
 次の日は、バファリンを服用した。一応、ロキソニンなら1日3回、バファリンなら1日2回、と制限があるので、ちゃんとそれを守っている。同日に交互に飲むような危険なことはしていない。
 その結果、やはりバファリンの方が効く。気のせいかもしれないけど、どう考えても、バファリンの方が効いている。これが気になって仕方ない。仕方ないので、ネットで調べてみた。
 殆どの人は、ロキソニンを勧め、バファリンは大して効かない、と書いている。うーん、私の体験と異なっているな。人によって効果に差があるのかな? ちなみに今日は、バファリンを服用している。朝の8時くらいに飲んで、痛みはまだ軽減されている。なので、しばらくはバファリンを服用し続け、バファリンが切れるか効かなくなったら、ロキソニンに切り替えようかと思っている。ロキソニンはバファリンみたく気軽に買えないしね。

 色々と見ていると、とんでもない人がいる。バファリンを1回で6錠も飲んで、それを1日に4回もやって、それでいて「頭痛が治まらないからどうしたらいいでしょう?」とか質問している人。最早、医者の手にかかる以外ないだろうに、素人判断でもそれはヤバイんじゃないかというところまで行っている人がいて、愉快だ。
 「溺れる者は藁をも掴む」という諺があるけど、どんだけ追い詰められても藁を掴んじゃいかんよな、とつくづく思った。

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2008-10-04

腰が痛い3

 今日も今日とて腰が痛い。今じゃ腰よりも左足の痛みの方が気になってるけど。
 つーわけで、今朝も接骨院に行ってきた。元々、病院に行くことすら殆どなかったので、接骨院なんて行ったこともなく、想像していたのは、「ゴキッ!」とか「グキッ!」とか音を立てながら間接を捻られて「うぎゃぁっ!」とか叫びそうな治療だったけど、全然違っていた。

 私は、まず牽引というのを施される。最初、「牽引しかないね、今は」と院長にいわれ、「牽引」がなんのことかわからなかった私は、「けんいん? 検院?」と思い、よくわからないが、通いなさいということか……と間違って納得していた。ま、通い続けるのは合ってるんだけど。帰宅して「けんいん」が何のことかネットで検索してみて初めて「牽引」であることを知る。
 私の通っている接骨院は、全自動の牽引椅子を使っている。まずは座ると、下半身を椅子に固定するためのベルトを太股に巻かれる。そこだけが人手を使う作業で、後は椅子が全自動で行う。椅子が傾いて背もたれが床とほぼ水平になる。傾いている間に、脇の間にストッパーみたいのが降りてくる。準備ができると、そのストッパーがぐいーんと上がり、脇から上半身を引っ張る。下半身はベルトで固定されているから、それで腰骨が伸ばされるわけだ。数秒間引っ張られたら、緩む。引っ張って、緩ませて、腰骨を伸ばして、縮ませて、それを十分間繰り返す。これが結構、気持ち良い。

 牽引が終わると、ベッドにうつ伏せに寝かされる。ここが私にとっては大変な治療だ。何せ、真っすぐな姿勢でうつ伏せになるだけで腰から左足にかけて痛みが走るから。しかし、先に牽引をして背筋を伸ばしたためか、少しは痛むものの、ちゃんと真っすぐな姿勢でうつ伏せになることができる。
 ベッドに寝かされて何を施されるかというと、電気を流される。電気アンマみたいなものか。腰の中心、腰の両脇、左足に電気を流す器具を付けられる。「痛かったらいって下さいね」といわれて各部位に流す電気の強さを決める。最初、私は勝手がわからず、「痛くなるまで我慢すればいいのか」と、本当に痛いと思うまで我慢していたら、左足が凄い跳ねている。釣ったばっかの威勢の良い魚みたいに、超跳ねている。あっはっはっは、面白ぇー。などと笑ってる場合でなく、痛くなくてもこれは弱めた方がいいんじゃないか、と思い、弱めてもらった。それでもびっこんびっこん跳ねている。そのままでしばらくいたら、筋肉が締め付けられるようになってきたので、もう少しだけ弱めてもらった。電気を流すのも十分間だ。
 その後、「とっき」というのをする(「とっき」がどんな漢字なのかわからない)。これも電気を流す治療のようだ。要は、「根性焼き」みたいなものだ。どんな器具なのか見てないからわからないけど、棒状のものを皮膚に押し当て、電気を流す。これが、お灸みたいで、5秒くらい当てると、凄い熱く感じる。だから、「熱かったらいって下さいね」といわれるのだが、5秒なら我慢してやろうと、「あっっつぅー」と我慢している。十秒なら根を上げていると思うけど。どうも、肉の多い部位に当てられると熱く感じるようだ。
 「とっき」とやらが終わると、マッサージ。この時にも「痛かったらいって下さいね」といわれるが、我慢できる痛みなら我慢してやろうと我慢する。が、痛いのに我慢していたら治療にならない。我慢比べじゃないんだから。素直に「あ、そこは痛いです」という。
 ベッドでの治療はこの3種類。それが終わると、湿布を貼られる。
 で、1日の治療は終わり。待ち時間を除けば、30分くらいの治療だ。

 ただでさえ病院に行かない私は、どんだけ治療費を請求されるのかと思ったら、400円に満たなかった。安っ! 保険が利くとはいえ、接骨院て、どこもかしこもこんなに安いもんなんですか!?
 ちなみに今現在、椎間板ヘルニア予備軍の症状は……まあ、ぼちぼちでんなぁ。

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2008-10-04

『ハウルの動く城』を何となく見る

 読書をしようにも、腰が痛くてうつ伏せができず、私は読書といえばうつ伏せだったので、読書ができず、何となくTVを点けたら、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』が放送されていたので、それを見た。

 『ハウルの動く城』は、公開当時、批判が多かった。厳密にいえば、公開前から批判が多かった。曰く、「ジャニーズ効果を狙ってる。宮崎駿も終わったな」とか、「キムタクが声優? 観るまでもなく、駄作決定」とか。私の職場の上司にもそうゆうことをいう者がいた。
 私は別に声優にこだわらない。作品に合えばそれでいいのだ。まあ、何十年と同じ役柄を演じてきた声優を変えて、アイドルやお笑い芸人を起用するのは正直、腹が立つけど。でも、そーゆー事情でもない限り、どんな者が声優をしようとどうでもいい。要は、結果だもの。
 キムタクは嫌いどころか結構好きなので、『ハウルの動く城』に対しても前述したような反感は抱かなかった。実際、別に変じゃないどころか、合ってた思う。職場の上司は、アニメオタクでもあるので、キムタク起用が気に入らないらしいが、観もしないで判断するのは何よりも馬鹿のすることだ。駄目だ駄目だと批判したのなら、とりあえず観てみるべきだろう。私は、批判したら必ず観るようにしている。たまーに、私が間違っていることもあるもの。
 『ハウルの動く城』の批判はもう1つ決定的なものがあって、それは「物語が破綻している」だ。それに関してはその通りだと思うけど、破綻していることが落ち度になるとは思えないのだけど。

 私は宮崎駿監督の映画が大好きだ。初めて観たのは、小学生の頃の3本立て上映の1本、『ルパン三世 カリオストロの城』だ。他の2本は、『ルパン三世 ルパンvs複製人間』と『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』だ。
 3本とも面白かったけど、『ルパン三世 カリオストロの城』は特別に面白かった。その面白さを表現すると、「映画」だったから、となる。
 子供の頃の私は、「よくわからないけど、カリオストロは他のアニメ映画と何かが違う。何が違うのかはわからないけど」と考えていた。それは今でも同じで、他の数多あるアニメ映画と宮崎駿監督作品が決定的に違うのは、「映画」を作ろうとしているかいないかだろう。アニメという枠組みで語ろうとするのは、何となくズレがあると思う。
 例えば、方向性は力一杯異なるが、クエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ』がそれまでの作品と異なり、初めて「映画」となったのと同じだ。宮崎駿監督の映画は、『ルパン三世 カリオストロの城』の頃から『デス・プルーフ』だったのだ。渡辺文樹監督の映画が「映画」としての感動を備え、クリスピン・グローヴァー監督の2作品がとんでもなく「映画」であったように。物語の破綻なんて、どうでもいい些細なことだ。そんなことを気にする人は、映画を一生観る必要はないし、本当に凄い映画を一生観ることが叶わない。

 私はよく、職場のオタクの上司と軽い口論になる。その内容は、アニメ映画について。あのアニメ映画はどうだった? このアニメ映画は面白かった? と訊かれ、それに答えると、大抵の場合、意見が相違する。
 私の答えは大抵こんなだ。
 「アニメとしては好きなんで、映画でなければベタ褒めしますけど、映画としては大嫌いですね」
 これが理解されない。
 考えたら、映画がどのようにすれば「映画」になるのか、そんなことを何となく考えるきっかけになったのは、宮崎駿監督の映画を観てからだった。『ハウルの動く城』を何となく見ながら、想い出した。

テーマ : スタジオジブリ
ジャンル : 映画

2008-10-03

腰が痛い2

 腰の痛み、腰から左足にかけて痛みというか痺れがあり、歩くと左足を引きずるような感じになり、意識して引きずらないようにするととにかく痛いので、結局昨日の朝、病院へ行った。
 レントゲンを撮り、診断してもらった結果、「背骨には特に異常は見られないけど、椎間板の狭さがちょっと気になるなぁ」といわれ、もしかしたらヘルニアの恐れがあると。MRIの予約をするかどうか訊かれ、「それとも湿布と鎮痛剤で様子を見て、痛みが退かないようなら、MRIにする?」ともいわれたので、様子見を採用。とりあえず2週間分の鎮痛剤と湿布で。

 しかし、その後、どうしても痛いし、左足にかけての痺れ――正座を長時間したような――があるので、どう考えても単なる腰痛だけでなく、神経に何かあったとしか思えず、やはりMRIを――の前に、接骨院へ行ってみることに。私の母親が骨折をした時にお世話になった、評判の良いところなので、まずはそこで判断を仰いでみよう、ということで今朝、行ってみた。
 軽く診てもらった結果、椎間板ヘルニア一歩手前、だそうだ。足に痺れが来ているのは、やばいよ、と。

 実は私、ヘルニアってのがどんな状態なのかよく知らず、今回、初めて知った。すると、椎間板ヘルニアになる要素に覚えがありまくり。
 数日前、長時間うつ伏せで読書をし、たまにえびぞりで物を取ったりしていた。その後、確かに腰がちょっと痛かったけど、「ちょっと」だったので、特に気にしなかった。次の日とその次の日には、3kmくらいだけど、ちょっと左半身を庇うような姿勢で走った。そのすぐ後、腰が痛くなり、左足を動かすのにも痛みを感じるようになった。
 椎間板に負担をかけ、ヘルニアになる要素ありまくりだ。実際、今の症状は椎間板ヘルニアそのもの。
 しかし、接骨院の先生は、「椎間板ヘルニア一歩手前」だといい、牽引などの治療をすることで、改善されるという。完全に直るかどうかは、わからない。「改善」か、「完治」か。
 とりあえず、今の状態だと仕事も満足にできないので、整骨院で治療を受けることに。先生曰く、MRIはする必要ない、とのこと。椎間板ヘルニアの症状が現れているのはもうわかっているので、MRIはするだけ無駄だ、と。

 この文章を打っている今も、腰は痛いし、左足に痺れるような痛みを感じる。ただ、2日前よりはマシ。2日前は、鎮痛剤も湿布もない状態で、よく仕事をしていたなぁ、と我ながら感心。我慢我慢、と我慢してたし。
 本当は映画に行きたかったんだけど、さすがに断念。あーあ……

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

2008-10-02

バナナダイエットと町山さんのブログの感想

 「バナナダイエット」がTV番組で放送されてから、瞬く間にスーパーからバナナが消えた。納入されてもすぐに売り切れになる毎日だ。結局、私は未だにバナナを買えてない。ちくしょう。
 マスコミの、特にTV番組の効果は、ネットが普及した今でも絶大だ。だから思う。映画評論家の町山智浩さんは、「ネットの時代、知識は誰でも簡単に拾えるようになったので、知識そのものに価値がなくなった」などというけれど、それは大間違いだ。だって、みんながみんなネットを使って拾わないんだもん。拾ってりゃ「バナナダイエット」でバナナが馬鹿売れしないよ。

ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記→「知っている」それ自体にはもはや何の価値もない

 私は、「知っている」だけでも価値があると思う。価値がないのは、勤勉に調べる人だけだろう。みんながみんな町山さんみたいに頭の良い人ばかりじゃないのだ。本屋の売り上げランキングを見ればそれがよーくわかる。上位の常連本は「血液型別のマニュアル」だよ。そんなもんが大ヒットしているってのに、単なる「知識」に価値がないわけがない。いちいち調べるのが面倒な人は、簡単に引っかかる。それが今の大衆の知的レベルだ。
 DSのゲームでも、常識クイズみたいなものが大ヒットした。TVでも最近は雑学クイズみたいなものが大流行のようだ(見たことない)。みんな、「へぇ~」つって喜んで見ているのだろう。んで、翌日には「ねー、ねー、コレ知ってる?」と知識自慢をするのだ。所詮はそんなもんでしょ。知識同士に繋がりがなくてもいいような、単なる知識として利用価値のあるものを求めている。即物的で、ファストフード的な知識で構わないのだ。

 体験による体系的な知識の重要性はあるだろうけど、体験そのものが間違っていた場合、何の意味もなさない。代表的な例が、オウム真理教だ。信者は、間違いなく体験によって「真実」を得たと思っているんだもん。信じ切っている人々に対して、それが嘘であると証明することはとても難しい。物凄く頭の良い大学卒の人々がオウム真理教に心酔したのは、結局は「体験」が仇となったのだ。私は良く知らないけど、オウム真理教の信者に、運動神経が抜群の運動選手はいないんじゃないか? 勉強はできても身体の動かし方を「知らない」人ばっかなんじゃないか?
 私はジョギングをしているから何となくわかるんだけど、身体の動きを制御するのはとても大変だ。息が乱れた時、疲れで筋肉が思うように動かなくなった時、怪我で身体が動かなくなった時、つくづく実感する。身体を動かすのは簡単だけど、「ちゃんと考えて身体を動かす」のは難しい、と。たぶん、オウム真理教なんかにハマる人は、「ちゃんと考えて身体を動かす」をしてない人だと思う。自分の身体を制御するのに頭を使っていれば、オウム真理教がやってるようなヨガに全く意味がないことはすぐにわかる。
 人は大抵、自分の体験による学習を重要視する。例えば会社で、現場人間と机に向かいっ放しの理論家がいて、二者の意見が相違したとする。よくあるのが、現場人間の「お前は現場を知らないからそんなことがいえるんだ」という台詞だ。この場合、現場人間は、現場を知っている自分こそが正しいと思っている。しかし、そうとも限らないのは歴史が証明している。机上の理論には机上の理論だからこそ、価値がある。現場人間は、よくそれを軽視して、失敗したりする。
 自分の見聞きしたものが必ずしも正しいとは限らない。しかし、人は基本的に自分を中心にして物事を考えるから、例えば事件や災害に遭った時、「何で自分がこんな目に」などと考えたりする。確率的には誰に起きたっておかしくないことでも。

 町山さんはとても頭の良い人だ。だからたまに感情的になることがある。唐沢さんを批判する余り、庶民の当然の感覚を見逃している気がする。
 役に立たない知識でも、積もれば山となり、山となればそれなりに価値あるものに見えてくる。唐沢さんの「知識」が間違いだらけだったとしても、まだまだその「知識」は生き延びると思うのだ。勉強なんてする余裕がなく、一知半解の知識を喜んで見聞きする人々はいくらでもいる。
 町山さんのいっていることは正しく、唐沢さんを批判して「みんなの立場に立っている」ように見えるけど、その実、上から目線なんだよね。「バナナダイエット」が大人気の今、そう思う。

テーマ : どうでもいい話
ジャンル : 日記

2008-10-01

『アブグレイブの亡霊』とバナナ

 私は子供の頃からバナナをよく食べている。朝食はちゃんと摂らなきゃ駄目、とかいわれるので、朝にバナナを食べる。その理由は、「1.栄養素が優れている」、「2.吸収され易い糖分が多いので脳の活性化に良い」、「3.消化に良い」、という3点だ。それが正しいかどうかは知らない。そう親がいってたので、そのままずーっと今に至っているだけ。
 でも、いっつもバナナばっかだと、さすがに飽きるので、多少は工夫を凝らす。つっても、凍らせるとか、しそジャムと生クリームを軽く塗った食パンでバナナを包んだ「バナナ巻き」を作るとか、ヨーグルトにバナナを浸して食べるとか、その程度。とにかく、バナナをよく食べるのだ。
 なのに、最近、なぜかどこにもバナナが売ってない。非常事態宣言発令! バナナが、バナナがない! 私の大切な栄養源が! 原油価格がバナナにも影響を与えているのか!?

 ……バナナのない日々が1週間くらい続いて、昨日、ようやくその理由を知った。新聞に載っていたのだ。「バナナダイエット効果で、バナナが売り切れ」と。どうやらTV番組で「バナナダイエット」とやらが扱われたようだ。
 昨日今日になってバナナに群がる豚どもめ! 私は何十年来のバナナ愛好家なんだぞ! そんな私がバナナを食べられないのは大問題だ! お前らみたいな豚どもがバナナダイエットくらいで痩せられるもんか! ばーか、ばーーかっ!!
 などと、恨み言でもいいたい気分だ。今日も、たぶん明日も明後日も、私はバナナを食べられない。一時期の「納豆ダイエット」現象と同じだね。何でみんなTVに踊らされるのかなぁ。「納豆ダイエット」で懲りなかったの? ていうかさ、「ダイエット」という言葉に惹かれる人は、それなりにダイエットについて詳しいと思うのだけど、バナナが身体に良い、ということを知らなかったのか? そんなことも知らない人がダイエットできるとは決して思えないんだけど。

 「納豆ダイエット」も「バナナダイエット」も、TVがきっかけだった。TVの効果は大きい。たぶん「バナナダイエット」に走った人は、「あのTVがいうんだから正しい」と思ったに違いない。自分で調べ、考えることを放棄している。私は、マスメディアの強さが、今回ばかりは肌身に沁みた。そして、「あー、戦時中もこんなだったのかなぁ」と思考はあらぬ方向へとすっ飛んだ。

 『アブグレイブの亡霊』を観た。カナザワ映画祭で観た、イラクにあるアブグレイブという刑務所で行われたアメリカ軍によるイラク人虐待の事実を暴く、ドキュメンタリー映画だ。アメリカ軍も、無思考で「バナナダイエット」に群がる人々と似たり寄ったりだったのかもしれない。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭 アブグレイブの亡霊

2008-10-01

腰が痛い

 超痛い。立ってると痛いし、座ってても痛いし、帰宅して横になったら、寝ても痛いことが判明。何でいきなり腰痛になったのか原因不明。やばい。仕事があるのに……病院に行こうかどうしようか検討中。いや、たぶんすぐに行くべきなんだろうけど、お金使いたくないし、仕事を休むにも躊躇するし。
 つか、今こうやってブログなんかを更新している場合じゃないだろう(この時点で2時)。さっさと寝ろよ私。こうしている間にも腰痛が悪化している気がする。段落なんか丁寧に入れている場合じゃないっつーの。
 痛たたたたたたた。

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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