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2016-09-17

<カナザワ映画祭>最後の戦い

 生きてます。とりあえず生存宣言から。
 前回の記事は……ほぼ1年前です。<カナザワ映画祭>の日々を記すぞ、といっておいての1年間放置。今回も同じ結果になるかもしれませんが。

 10年目を迎えると同時に終わる<カナザワ映画祭>が遂に本日から始まります。当然、参加します。しますが、今年は連休が中途半端なため、平日も連日朝から映画、は無理でした。
 仕事をスケジュール調整して可能な限り観ますから、過去最も大変な参加になります。<カナザワ映画祭>愛を試されているようです。そんなサディスティックなところにゾクゾクします。

 今年も当然、サポーターとして参加します。今年で最後ということもあり、“ばっどていすとさんどいっち”というブログで使っている名前を<カナザワ映画祭>の公式サイトに載せてもらっています。最後くらいは本名で載せてもらおうかと考えたのですが、ネット上では“ばっどていすとさんどいっち”の方が通用しそうなので、そちらを。
 そもそもブログを始めたのは、<カナザワ映画祭>というか『シェラ・デ・コブレの幽霊』のことを少しでも多くの人に知ってもらうためでした。それについては、少しは貢献できたと自負しています。
 であれば、ここはやはりブログで使っている名前を……あ、ブログ名を載せてもらえば良かった……

 ま、何にしろ遂に本日から開催。現時点の天気予報を見ると、野外上映時の天気は良くありません。濡れて観る覚悟はできてますが、盛り上がってほしいので、上映終了まで雨が降らないよう祈っています。
 映画祭スタッフの皆様、今年もよろしくお願いします。
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tag : カナザワ映画祭

2013-10-25

<カナザワ映画祭2013>体験記:2日目(9/15)

※平然と一ヶ月以上前の出来事を今さらの記事化です。途中になっていたこと忘れていたのを思い出したので……しかも未完成です。

 <WIRE13>と高速バスでの移動と<カナザワ映画祭2013>で疲れてヘトヘトで眠いので、とりあえず簡単に感想をば。

 片道8時間かけて<WIRE13>に行って参りました。
 今年は、ケン・イシイさん、ウエストバムさん、ジョルジオ・モロダーさん、石野卓球さんの連続が物凄かったです。特にモロダーさん。ヒット曲オンパレード。老いも若きも大騒ぎでした。その後の卓球さんがこれまたポップなプレイで、今までの<WIRE>で最もポップな卓球さんでした。モロダーさんの雰囲気を壊さないように巧く引き継いだ感じ。
 毎年、田中フミヤさんのプレイを物凄く楽しみにしているのですが、今年は<カナザワ映画祭2013>を観たいこともあり、30分しか楽しめず、非常に残念無念でした。出だしから素晴らしいプレイでしたので。

 で、また片道8時間かけて金沢市に戻ってきて、休む間もなく<カナザワ映画祭2013>ですよ。
 まず、『獣人島』です。寝ました。次に『ティングラー』です。寝ました。最後に「午後十時の爆音映画祭」です。『時計じかけのオレンジ』で寝ました。何ちゅーもったいないことをしたのかと悔やんでおります。どうせ寝てしまうのなら<WIRE13>を最後まで楽しんでりゃ良かった。でも、観てみないとわかりませんからねぇ。
 『獣人島』は、とても貴重な上映ですし、とても有名な傑作ですが、資料価値しか見出せませんでした。「新映画理論」とやらに基づき選ばれた作品だそうですが、「新映画理論」を知らないのでどうにもなりませんでした。
 『ティングラー』は、とても良くできた作品でした。画面の感じが良く、俳優陣の演技がどの方も良く、特撮はちゃちですけど全く気にならず、発想は面白いし、遊び心に溢れていて、素晴らしい作品だと思いました。寝たのは少しだけでしたが、かなり肝心な場面で寝てしまい、場内が大爆笑になっていたので、見逃したことに後悔しております。おりますが、皆さん結構笑っておりましたが、そんなに可笑しかったかなぁ? ティングラーが登場する度に失笑していて、それが理解できず、困惑してしまいました。いや、良くできてるなー、と感心していたので全く可笑しくありませんでした。作品よりも場の雰囲気に馴染めませんでした。公開当時も“笑える”作品だったのでしょうか?
 『時計じかけのオレンジ』は、久々に観て、「あれ? こんなに面白くない作品だっけ?」と驚愕してしまいました。何といいますか、「物語をカッコ良く映像化」しただけの作品で、「映画」には見えませんでした。おかしい。大好きな映画だった筈なのですが……?

 寝ずにちゃんと観たのは『スカーフェイス』、『ファイト・クラブ』だけなので、それなら<WIRE13>を最後まで楽しめば良かったと、本当に悔やんでおります。

 9/16の北國新聞の朝刊には早速記事が。

揺れる客席「仕掛け」に悲鳴

 カナザワ映画祭2013は3日目の15日、金沢都ホテルセミナーホール(旧ロキシー劇場)で開かれ、「ギミック(仕掛け)の帝王」とされたウィリアム・キャッスルによる最高傑作「ティングラー」などが上映された。
 「ティングラー」には人の恐怖で活性化し、悲鳴で死ぬという設定の虫が登場する。今回は、客席が悲鳴を上げて虫を退治する、参加型の映画となった。劇場には映像に合わせて男女の悲鳴が上がり、一番声の大きかった人には粗品が贈られた。
 映画祭は16日までで、無声映画を生伴奏付きで上映する「ゼロ歳からの映画館」や、多様な趣向の仕掛けを凝らした「少女椿」などを見ることができる。


 私としましては、「お尻の痛い1日であった」というのが一番の感想ですね。

 16日も楽しみにしております。が、あまり寝ていないので、またもや寝てしまわないか、今から不安です……

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2013-09-14

<カナザワ映画祭2013>体験記:1日目(9/13)

 遂に始まりました<カナザワ映画祭2013>! 初日は『メトロポリス ジョルジオ・モロダー版』です!

 『メトロポリス』は、<カナザワ映画祭>では2度目の上映になります。前回は<カナザワ映画祭2009 新世界秩序サバイバルガイド>で、やはり初日の上映でした。
 その時も音楽が付いていまして、<カナザワ映画祭>用オリジナル楽曲の生演奏による伴奏付き上映でした。作品の機械っぽさに合わせた演奏で、その演奏自体が面白く、音楽付き『メトロポリス』では最良の上映といえるかもしれません。生演奏ですから二度と同じ体験できないのも面白かったです。

 今回のジョルジオ・モロダー版ですが、私はあまり好きではありません。でした。
 や、今回の上映で感想が変わりました。爆音上映最っ高! モロダーさんの派手なシンセ音楽が音塊となって身体に響く! テレビモニターなんかで観るのと大違い。こんなにも良いと思ったことはありませんでした。でしたが、それでもやっぱ歌は邪魔かなぁ。作品の良さを邪魔していると思うのです。
 彩色もされ、歌も付き、とてもわかり易くなっていますが、その「わかり易さ」が魅力的だとは思えません。元の怪しい感じがほぼなくなっているのは寂しい限り。でもまあこれは贅沢な愚痴です。とにかく、存分に楽しめました。
 これならジェフ・ミルズさんのサントラ上映も爆音で観たいところです。ミルズさんの生演奏付きで。

 さて、14日の<カナザワ映画祭2013>は、<WIRE13>のために丸々諦めるしかありません。15日も前半は無理。物凄く寂しいのですが、その分<WIRE13>でのモロダーさんが楽しみです。
 <カナザワ映画祭2013>を1.5日分参加できないので、その分、サポート賛同金をいつもより多く払ってきました。といっても2口ですけど……

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2013-09-03

<カナザワ映画祭>も<WIRE>も

 今年は<WIRE>と<カナザワ映画祭>が同日開催されるため、どうしようか悩んでいたのですが……9月に入ってようやく決心。
 どっちも行く!

【13日】
 『メトロポリス ジョルジオ・モロダー版』を観る。

【14日】
 7時頃に金沢から東京へ。
 17時頃に東京に到着し、新横浜へ移動。
 18時頃に新横浜に到着し、<WIRE>。

【15日】
 6時頃に新横浜から東京へ移動(たぶん<WIRE>が完全に終わる前に出なきゃいけない)。
 7時頃に東京に到着し、金沢へ。
 金沢市に15時過ぎくらいに到着し、そっからは<カナザワ映画祭>。
 16時から『獣人島』、『ティングラー』、「午後十時の爆音映画祭」を観る。

【16日】
 『アルタード・ステーツ』、『ショッカー』、『少女椿』を観る。

 いやぁ、きっついなぁ。特に15日「午後十時の爆音映画祭」が。オールナイトの<WIRE>から帰って今度は濃ゆい映画のオールナイト。「金沢⇔東京」には8時間くらいかかるため(高速バスを使うから)、移動中に休めるけど……身体の疲れが取れるようなものではないし。せっかくの爆音映画祭だけど、寝てしまいそう。
 あと、観たい作品の大半を逃すのも悲しい。悲しいけど、ジョルジオ・モロダー版の『メトロポリス』を観て、<WIRE>でご本人のライヴを最高の音響で楽しめるなんて奇跡は今年しかない! 映画を観逃すのは、奇跡の代償! しかたなし!
 今年はこんな感じで頑張りたいと思います。

 あと、1ヶ月前のですけど、北國新聞に載っていた<カナザワ映画祭>の記事をここに残しておきましょう(北國新聞のHPにはなかったし)。

伝説の仕掛け映画登場

 「ギミック(仕掛け)の帝王」として1960年前後の米国を席巻したウィリアム・キャッスルの最高傑作「ティングラー」が、9月のカナザワ映画祭(本社後援)で上映される。客席に電気ショックを起こすなどの仕掛けを完全再現する国内初の試みで、全国の映画ファンから注目を集めている。
 奇抜な仕掛けで知られるキャッスル作品は当時、子どもたちの人気を博し、幼少期のロバート・ゼメキス監督ら多くの映画監督にも影響を与えたという。
 カナザワ映画祭では、「ティングラー」をはじめ伝説のギミック映画を特集。紙吹雪が舞う「少女椿」、子ども向けの生伴奏付き上映など22本を見ることができる。
 中学生以下は無料で、主催するかなざわ映画の会の小野寺生哉代表は「子どもの頃、映画に感じたワクワク、感動を子どもたちにも味わってほしい」と話した。


 ところで、私は毎年<カナザワ映画祭>のパンフを職場に宣伝として置いておりまして、皆さん一応は興味を抱いて見てくれるのですが、毎年毎年、ランナップを眺めて一言、「私の人生には関係ないな」と。実際に映画祭へ足を運んだ人は未だ皆無。今年も「ワクワク? 感動? はて……?」と盛大に首を傾げまくってくれてます。うん、まあ、ねぇ?

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2013-07-27

かなり驚いた

 宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観ました。とても感動しました。

 4分間くらいの、荒井由美さんの「ひこうき雲」に合わせた予告編を観た時から、本編に猛烈な期待を抱いていました。
 映画館で初めてあの予告編を観た時は、台詞が殆どないにも関わらず、内容がおぼろげにしか伝えられていないにも関わらず、なぜか号泣してしまい、その後何度も観る機会があったのですが、やはり観る度に泣けてしまい、その際に同伴していた人からも「何で泣くの?」と不思議がられる始末。正直なところ自分でもなぜそこまで感動するのかわからなかったのですが、本編を観てわかりました。

 『風立ちぬ』は、予告編を観る限りだと、震災や戦争があった過酷な時代を頑張って生きる若者を描いた物語なのかな、と思いました。男女のロマンスが物語の主軸にありますが、ジブリの作品にしては珍しく、震災や戦争のために幸せな結末に辿り着けない。そんな、辛い物語なのかと思っていました。その雰囲気が「ひこうき雲」の歌と相まって感動したのかと。
 実際は全く違いました。「震災や戦争があった過酷な時代を頑張って生きる若者を描いた物語」ですし、男女のロマンスはしっかりとありましたが(宮崎監督作品にしては珍しく、本当に“男女”のロマンスだった)、そのような「物語」に束縛されることのない、とんでもなく自由な作品でした。失礼ながら、まさか70歳を超えた宮崎監督が新人監督かと思うような自由な作品を作るとは!
 場面や物語の省略のしかた、画面の作り方、そして音響、全てが物凄く高レベルな作品だと思います。観ている間中、「今、何を観ているんだろう?」と、アニメーションの映画を観ていることが信じられない感覚に襲われました。
 たとえば、主人公・二郎の妻・菜穂子がみんなに黙って高原の病院へ戻る場面。二郎の妹・加代がテーブルに置かれた手紙を見、急いで菜穂子の後を追おうとするが、それを一緒にいた黒川夫人が止める。あの場面の作り方、物凄く巧いです。黒川夫人が止め、加代が振り返り、黒川夫人を正面から捉えた画面の背後に戻ってくる加代が映り、しかし即座に外へ駆けて行く加代。短いショットを的確に繋げるその方法は、省略のしかたが的確ですし、画面の作り方からしても、なかなか最近の日本の映画では見られない巧さだと思いました。その場面1つを見ても、とにかく物凄い高レベルな作品だと思うのです。
 もしかすると、宮崎監督の現時点での最高傑作は『風立ちぬ』なのではないか、と思うくらいです。「カリオストロ」や「ラピュタ」でなく、「トトロ」でもなく、「千尋」でもない。
 また、音。飛行機や地震の音が“声”で鳴らされています。躍動感のある無機質なものが描かれる際は、人の口から「ぶしゅー!」とか「ぶるんぶるんぶるるるるるー!」とか「ぐおぉおーん!」とか効果音が鳴らされています。何か妙な違和感があると最初は思いましたが、飛行機らしい効果音よりも、遥かに効果的です。飛行機を魅力的に描くことが『風立ちぬ』の目的の1つだと思いますので、声によるエンジン音やプロペラの回る音は、飛行機を正に生き物のように感じさせます。これは思い切った方法を採ったな、と驚きました。

 画面や音の魅力に何よりも感動してしまったわけで、飽きるまで何度でも観たいと思いました。予告編で何度でも泣けたのは、音楽の効果や悲しい結末を予感させる構成でなく、画面の素晴らしさだと気付かされました。本当、何度でも観ます。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

2013-07-09

やはり大変だった<カナザワ映画祭2012>

 かなざわ映画の会から昨年の活動報告書が届きました。
 今年は遅かったな、と思ってワクワクしながら読ませていただきました。昨年の盛り上がりから、「年々、知名度は高くなり、盛り上がりも大きくなり、観客数もサポーター数も増加の一途を辿り、今後さらに大きく飛躍する<カナザワ映画祭>です。これからもよろしくお願いします」 というような内容かと思っていましたら、そうではありませんでした。少し予想と違っていました。

 昨年の映画祭は、何と百万円の赤字! 原因は会場が変わったことにあるようです。昨年の会場は元映画館でしたから、上映に適しているのかと思っていましたが、映写設備がなく、機材費が大幅にかかり、それがそのまま赤字額となったようです。観客としては会場が広くなり、ただただ喜んでいたのですが、当然ながら開催側は大変だったようです。
 また、昨今の不景気が要因か、地元企業や団体からの協賛金が毎年減っているそうです。しかしその代わり、個人サポーターの数は増え、昨年は過去最高人数だったそうです。良いやら悪いやらですけど、個人サポーターが増えていることに対し、かなざわ映画の会代表の小野寺さんは「これは本当に助けていただきました。カナザワ映画祭は今年で7年目になりますが、こういった観客の方に育てられて続いているのだと実感しております」と仰ってます。私も微力ながら映画祭の開催に協力できているようで、とても嬉しく思います。

 さて、今年の<カナザワ映画祭>は、例年のようにテーマを決めることなく、SF・ホラーなどのファンタスティック系作品を緩い基準でセレクトした映画祭になるようです。いや、いつも緩い基準でセレクトされているような気がしますが、その「緩い」が世間一般の「緩い」と一致しないところが<カナザワ映画祭>です。
 報告書にて発表されている上映予定作品は、『ファンタズム』、『吐きだめの悪魔』、『アルタード・ステーツ』、『獣人島』、『ロッキー・ホラー・ショー』、『ティングラー』、再び『少女椿』、そして一般公募作品であるホラー映画『ハッピーアイランド』とかで、これを「緩い」といってしまえることに<カナザワ映画祭>の恐ろしさがあります。こんなマニアックな選定を「緩い」というなら、「午前十時の映画祭」なんてどーなるんですか? いや、確かにマニアから見れば「ふーん、意外と普通ぅー」かもしれませんけど、それでもやはり「緩い」とは思えないのですが。
 しかもですよ、爆音上映であることは基本として、『ロッキー・ホラー・ショー』は高橋ヨシキさんが仕切ってイベント上映するそうですし、『ティングラー』はウィリアム・キャッスルさんのギミック上映を実現させるそうですし、昨年シネモンドが大変そうだった『少女椿』は16mmのネガからのニュープリントで再び仕掛け上映を行うそうです。いやぁ、全っ然「緩い」とは思えません。
 7月中旬には全て内容が発表されるそうです。

 今年も物凄く楽しみなのですが、1点だけ落胆したことがありました。
 本当にお祭り騒ぎな映画祭を目指している今年の<カナザワ映画祭>は、当然の如く今まで以上に費用がかかることが予想され、シネモンドでの上映は行われない予定だそうです。いやまあ、今までずーっと「連休後のシネモンド上映は閑散としていて意味がないような」とは思っていましたから、“祭”ということを考えればシネモンド上映にテコ入れすることは必然だと思っていましたが、今年は<WIRE>が<カナザワ映画祭>と同日開催なんですよねー。シネモンド上映で落穂拾いと考えていましたから、弱りました。今年に限って<WIRE>が9月開催で、今年に限って<カナザワ映画祭>がシネモンド上映しないとは!
 まあ、私が弱ったからといってどうにもなりませんから、せめて参加できない日のチケット分くらいはサポート金に上乗せしようかと思います。

 いつもと同じようで少しずつ違ってきている。
 良いも悪いも選択する喜びを味わえるのは、本当に嬉しいことだと思います。

 何にせよ、かなざわ映画の会の皆様、昨年はありがとうございました。そして今年もよろしくお願いします。と、世界の隅っこから想う日々です。

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tag : カナザワ映画祭

2012-10-09

<カナザワ映画祭2012 XXX>を振り返って

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の1週間分の鑑賞記録を2週間以上遅れて作り終えるという鈍い能力に落ち込みながらも、思い出すのは「楽しかったなぁ」です。
 とはいえ、観た19本のうち、寝てしまったのが7本あり、寝ませんでしたが眠かったというか寝たかったのは『BAD FILM』で、危うく半数の作品を寝るところでした。もったいないだけならず、失礼なことです。
 感動するくらい面白かったのは、次の3本でした。

 『ショーガール
 『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行
 『ルパン三世 死の翼アルバトロス

 『ウォーターパワー』と『ザ・異色ドキュメント 馬と女』も面白かったのですが、「映画」と感じられたのは上記3本でした。
 『ショーガール』に始まり『地下幻燈劇画 少女椿』で終わる構成も見事でした。見世物としてのこだわりを感じました。
 最近はあちこちで映画祭が催されるようになりましたが、<カナザワ映画祭>の方が一歩も二歩も抜きん出ています。昔は首都圏で開催される映画祭や上映会を羨ましく思ったものですが、今では殆どそう思わなくなりました。シンポジウムで小野寺生哉代表も、<カナザワ映画祭>を始めようと思ったのはその「羨ましい」という気持ちだった、と仰っていました。
 今や<カナザワ映画祭>は、世界に誇る頭のおかしい映画祭ですよ!

 「エロ」がテーマとなると動員は減るのじゃないか、と思ったのですが、意外と――というか、むしろ多かったかも? さすがエロ……侮れません。
 中には「無修正」もあり、こんなの上映して大丈夫なのか、と不安にもなりましたが、わざわざ忙しい中、金沢市長が挨拶に訪れるくらいですから、自治体からも認められた「無修正」なのですね。シンポジウムで「<カナザワ映画祭>はもっと自治体から協力を得てもいい」と提言がありましたし。『ショーガール』を野外上映する時点で協力を仰ぐ気あんのか疑問ですが、金沢市が寛容な都市であることが示されているわけですから、素晴らしいことです。

 21世紀美術館から都ホテル・セミナーホールへ上映場所が変更されたのは、観客としては喜ばしいことでした。元映画館ですから、広い、座席数が多い、座席がゆったりしている、という施設の利点が21世紀美術館を軽く上回ります。ただ、休日ですから、やたらと寂しいのは困りものでした。
 21世紀美術館は休日に客数が増えますが、都ホテルの地下街は逆に通行人すら殆どいない状態で、そのやたらの寂しい通路で行列を作っても興奮しないのです。21世紀美術館での開催は、施設としては劣りますが、映画祭としての「お祭り感」はセミナーホールより上回っていました。
 ま、贅沢な不満です。

 今回から登場した「サポーター優先入場」は、とても有難い特典でした。セミナーホールが広いため、大した効果はありませんでしたが、最後の最後で大活躍。『地下幻燈劇画 少女椿』での優先入場は、サポーターになって良かった~、と心底思いましたね。入場できなかった方もいたようですし。
 今後も「サポーター優先入場」は継続してほしいと思います。サポーターの数も増えるのではないでしょうか。上映館が21世紀美術館に戻った際にはその効果が最大限に発揮されますし。

 最後に。
 かなざわ映画の会の皆様には感謝の気持ちしかありません。本当にお疲れ様でした。特に『地下幻燈劇画 少女椿』の特殊上映の仕掛け。
 セミナーホールでの上映で列に並んでいた時のことです(16日か17日のこと)。サポーター列が受付の真正面だったので、受付の机に並んでいる商品をぼんやり眺めていると、スタッフの方がピンク色の細長い紙をハサミでせっせせっせと三角形に切り刻んでいることに気付きました。三角形なので三角くじでも作っているのか、何してんのかなぁ、何か映画祭に関係すんだろなぁ、と疑問に思いながらじーっと眺めていたのですが、結局その時点ではわからず、次の作品を観る頃には既にそのことを忘れていました。が、『地下幻燈劇画 少女椿』でステージに紙吹雪が舞ったのを見て、「あ! あの時の!!!」と。受付で特殊上映の内職をしていたのですね……想い出すと微笑んでしまいます。
 そんなこんなの思い出を今年もたくさんいただきました。本当に、ありがたいことです。来年もまたよろしくお願いいたします。

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tag : カナザワ映画祭

2012-10-08

<カナザワ映画祭2012 XXX>8日目(9/21)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の8日目です。
 待ちに待ったといいますか、遂に来てしまったといいますか、最終日です。長いようであっという間の映画だらけの1週間が終わります。その有終の美を飾るのは、『ルパン三世 死の翼アルバトロス』、『瓶詰め地獄』、『地下幻燈劇画 少女椿』の3本。正直、どの作品にも大した期待は抱いておらず、『地下幻燈劇画 少女椿』が何やら趣向を凝らした上映を行うのが興味津々という程度でした。
 が。

 『ルパン三世 死の翼アルバトロス』は、無料上映だからか、物凄い客数で、シネモンドの収容人数を超えていました。立ち観だけでなく、スクリーンの真ん前や中央通路で体育座り観まで出る状態。壁際の通路もみんな埋まりました。シネモンドがここまで満員になったのを初めて見ました。早めに到着して待っていて良かったです(余裕で座れたし)。
 作品は、<カナザワ映画祭2012 XXX>のメインビジュアルイメージに起用されただけはあり、素晴らしい出来でした。映画祭のパンフレットに記載されていた「セル画9,000枚」や「不二子の裸らけ」という煽りを遥かに遥かに上回る素晴らしさで、初見の作品だったこともあり、鳥肌の立つような感動を味わいました。
 物語は、原爆の発火プラグを巡る攻防劇です。ルパン一味ののんびりした食事(すき焼き)の場面から始まり、そこへ謎の組織に追われている不二子が闖入し、現場をメッチャクチャにして逃走、ルパン一味も訳も分からずに逃走する羽目に陥ります。物語はいきなり全力疾走で始まるのです。原爆とその発火プラグで商売を目論む悪の組織に拉致された不二子を助けるため、そして敵の目論みをぶち壊すため、ルパン一味が奮闘します。そこへお馴染み銭型警部も加わり、大騒動。激走、飛躍、飛行、空中戦、と宮崎監督ならではの動きが満載。もちろん不二子も半裸で大活躍なので、チラリズムも満載。
 24分間という短さに収まっていることが脅威の展開。登場人物の造形が隅々まで説明済みのシリーズ作品だからこそ可能な省略の妙。作画枚数が通常のTVアニメの倍になったというのも納得の画面の密度と躍動感。至福の24分間でした。
 次元の「俺ぁ放射能とニンニクは嫌いなんだよ!」という台詞には笑えました。もちろんこれを知っていて作品を選定したのでしょう。タイムリー。

 『瓶詰め地獄』は、題名がやたらと期待感を煽りますし、『ルパン三世 死の翼アルバトロス』の興奮も継続中でしたから興奮気味で観ましたが……半分以上、寝ました。またかー。
 寝たからよくわかりませんが、ほのぼのとした近親相姦の物語で、「地獄」って感じではありませんでした。孤島の別荘に兄妹と兄の婚約者の3人で旅行に訪れ――既にこの時点で寝てしまい、気付いたら場面は終盤の砂浜で――婚約者をでっかい瓶に詰め込んで、兄妹で見せつけるようにして青姦して、婚約者を詰めた大きな瓶を海に流して、「助けをよろしくねー」って終わり。
 元々の夢野久作さんの原作は奇想話というべき異様な作品ではありましたが……映画の方は単にアホみたいな作品で、ヤバい人に変な刺激を与えるとロクなことにならない、って話でしたね。なるほど納得です。「瓶」はどうでも良いし、「地獄」ではなかったし。

 さあ、遂にクロージング作品の『地下幻燈劇画 少女椿』の登場です。というか、すっごい行列ができていて驚いた! シネモンドを中心にして左右に分かれて行列が出来ており、200人近くいたかも。『ルパン三世 死の翼アルバトロス』より多いような……シネモンドの座席は100人分くらいだったと思いますので、これまた明らかな収容人数超過。
 <カナザワ映画祭2012 XXX>から採用された「サポーター優先入場」という特典、これを本日この瞬間ほど有難いと感じたことはありませんでした。というのも朝、出勤直前に、かなざわ映画の会のサイトにて、「問い合わせ多数のため、当日10時からシネモンドにて入場整理券を配布します。かなざわ映画の会サポーターの方は、『地下幻燈劇画・少女椿』に限り、シネモンドでも優先的にご入場いただけます」との告知を見ていましたので、行列が出来ていても困らなかったからです。見てなかったら、行列を前にして途方に暮れていたでしょう。
 ふっふっふー、と優越感たっぷりに入場したら、驚きました。劇場内に謎のデコレーションが!?
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 トイレットペーパーや毛糸やリボンが辺り一面にまき散らされており、な、何じゃこれは……と訝しみつつ最前列の中央通路側の座席に座って前を向いたら、目前のステージに謎のボンテージ美女が――
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 艶やかに舞い踊ってますー!?
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 この見事な肢体、見事な舞いは、野外上映時にポールダンスをご披露して下さったKAORIさんですよね? こ、今年の<カナザワ映画祭>は何というサービスっぷりなのでしょうかー!
 他にも仮装キャラが劇場内にウロウロしており、楽器を鳴らしてたりしてました。キツネさんもいました。背後の亡霊みたいなの超怖いんスけど。
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 上映開始までずーっとKAORIさんはステージで艶めかしく舞っておりまして――というか、上映開始まで30分くらいかかりました。来客数が多いため、とにかく劇場内に詰め込めるだけ詰め込もうとして、入場を完了させるのに時間がかかったようです。詰め地獄、ですな。ま、最初から予想していたのでしょうが。
 さて、肝心の作品ですが……とりあえず物語は、TVじゃ絶対に放送できないでしょうけど、ヤバいってほどのものではありません。薄幸の少女が散々な目に遭い、ようやく幸せを掴んだかと思うと、やっぱ不幸なままで終わる、という絶望的な内容です。
 病弱な母を助けるために花売りをする主人公・みどり。みどりの頑張りも虚しく、母はネズミに全身をかじられて死んでしまった。そこを見世物小屋の親方に拾われ、「奇形人間」の芸人にこき使われる。そこへ幻術使いの小人・ワンダー正光が訪れ、みどりと相思相愛になる。みどりはワンダー正光と幸せな未来を築こうと見世物小屋を出て行く。しかし、ワンダー正光は全く関係ない事件に巻き込まれて殺されてしまう。それを知らないみどりは、ワンダー正光を待ち続け、街中を探すが――
 丸尾末広さんの個性的過ぎる絵柄、淫猥と純真と残酷の同居、『北斗の拳』を超える人体破壊描写、J・A・シーザーさんの大袈裟な音楽、最後の繰り返される不条理、その果ての精神崩壊、その全てが強烈に絡み合い、忘れ難い作品に仕上げています。そしてそれを彩る特殊上映!
 今回の上映に巡り会えた皆さんは、方々で語るでしょう。凄かった、と。何だかわからないけど、凄かった。凄いものを観た。こんな映画の魅せ方もあるのか。映画って、面白い、と。作品の強烈さだけを評価するなら、YouTubeでもニコニコ動画でもGoogle動画でも観られますから、ここで特に強調する必要はありません。今回の上映で重要なのは、特殊上映という、ライヴ感。
 上映中に1度、上映がいきなり中断されたかと思うと、フラッシュライトが点滅し、天井からクラッカーみたいなので観客の頭上にリボンや紙吹雪が巻き散らかされ、スクリーン前では紙吹雪が舞い踊り、再び怪しい仮装キャラがぞろりぞろりと登場する――そんな特殊演出が挿入されました。呆気に取られている間に上映は再開。映画を、映画を楽しむことを楽しんでもらおうとアイデアを出し、忘れられない、二度と味わえない映画体験をしてもらおうとした映画祭スタッフの意気込みと悪戯心に感動しました。
 そして――
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 劇場内は大変なことに……ステージ上は、ステージの袖から飛ばした紙吹雪がこんもりと積もり、
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 その下には天井から撒き散らされたリボンが散乱し、
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 座席の上にも紙吹雪が積もり、
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 こんな有様ですよ。
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 さらには、シネモンドを出た109の通路にまで紙吹雪が。たぶん、観客の身体のどこかに付いたままだった紙吹雪が落ちたのでしょう。エレベーターの中にもいくらか落ちていました。
 これらの惨状を見て、スタッフの皆様の御苦労を労わない方はいないでしょう。掃除、大変だったでしょうねぇ……

 本日は、思い返すと、最高の1日だったと思います(『瓶詰め地獄』は寝たけど)。趣向を凝らすっつっても、どんなもんかねぇ、と高を括っていたら想像を軽く超えていました。しかも。
 『ルパン三世 死の翼アルバトロス』では、日本を揺るがす大問題となってる原発問題を間接的に批判しているようで面白く、そして宮崎監督といえば『崖の上のポニョ』です。ポニョといえば、瓶詰めになって宗助に発見されます。で、続く映画は『瓶詰め地獄』です。もしかしたら最後に瓶詰めで海に流された婚約者は、少年に拾われて飼われるのかもしれません。それはそれでそのように妄想すると別の話ができそうです。そして最後の『地下幻燈劇画 少女椿』には、瓶に入ることを特技とするワンダー正光が登場します。
 つまり、本日の3本は、ちゃんと繋がりが考えられているのです! 凄くありませんか!? それだけでなく、見世物小屋映画で始まり(『ショーガール』)、終わる決まりの良さ。こんな深謀を巡らした映画祭は他にないでしょう! ま、偶然かもしれませんが。
 何にしろ、最後にして最高の日となりました。
 あと、劇場内(劇場外も少し)の大惨事の後始末のことを考えると、スタッフの皆様にはご苦労様でしたと感謝の言葉しかありません。

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2012-10-04

<カナザワ映画祭2012 XXX>7日目(9/20)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の7日目です。
 実はこの日は何も観ていません。翌日(最終日)のことを考えて『瓶詰め地獄』を観ておくべきか悩んだのですが(最終日は『死の翼アルバトロス』と『少女椿』が上映されるため、しかも『少女椿』はクロージングの特別上映なため、長蛇の列が出来上がると予測されるため、もしかしたら入場規制がかかって入場できないかもしれないため、『瓶詰め地獄』を観終えてから列に並ぶのは不利)、休息日としました。
 休息日なので特に語ることもないのですが、シンポジウムのことでも改めて――
 とはいえ、かなざわ映画の会の代表である小野寺生哉さんが仰るには、いずれ公式サイトにてシンポジウムの一部始終を公開するそうですから(文章起こしなのか動画なのかは不明)、ここでシンポジウムのことを説明する意義は殆どありませんが、徒然に。

 シンポジウムのパネリストは、東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員であるとちぎあきらさん、翻訳家であり映画評論家でもある柳下毅一郎さん、シネマヴェーラ渋谷館主の内藤篤さん、そして我らが小野寺代表の4人。

 話し合われた内容は、「4日目」の記事でも述べましたが、「フィルムをどのように遺すか」です。それに対する答えも至極簡単、「お金と技術があれば問題なし」です。
 世界には、フィルムすら消滅し、VHSでしか存在しない映画作品がたくさんあります。柳下さん曰く、「小津安二郎監督作品や黒澤明監督作品のような名作・傑作・有名作・大ヒット作なんかは放っといても常に最新のメディアで遺されるけど、誰にも気に留められない作品は消えてしまう」恐れがあります。これはお金の問題です。
 しかし、とちぎさん曰く、「既に小津監督の白黒作品のような古いフィルムになると、オリジナルフィルムの品質劣化が進行しており、デジタル化することは難しい」そうです。カラー作品でも色の退色はかなり進行しているそうです。これは技術の問題です。

 お金の問題としては、フィルムをどうやって保管するか、ということが挙げられます。場所と手間、そのコストをどこまでかけられるのか。
 フィルムセンターの所蔵は現在約65,000本。毎年2,000本近い本数を集めているそうです。フィルムを廃棄するにもお金はかかるため、映画会社から寄贈されることも多くあり、たとえば<カナザワ映画祭2012 XXX>で上映されたうち、『バタリアン』、『チャタレイ夫人の恋人』、『ショーガール』、『フリッツ・ザ・キャット』、『上級生』、『ザ・異色ドキュメント 馬と女』、『縄と犬と人妻』の7本は寄贈作品だそうです。ちなみに<カナザワ映画祭>はフィルムセンターから毎年9本前後借りているそうです。
 35mmのフィルムは保管するのも大変なので、人気のない作品だと映画会社も見捨てることが多く、「映画芸術の記録」としてアーカイブを作るフィルムセンターとしては選り好みせずに何でも集めたいところですが、「フィルムの状態がより悪いもの」と「フィルムの価値がより高いもの」を優先するのが実情だそうです。ですので、デジタル化に伴い、映画会社がフィルムを管理するのも面倒臭いしみんな捨ーてよ、とならないか戦々恐々です。どうせ捨てるくらいなら、フィルムセンターに寄贈してほしい、と。内藤さん曰く、「フィルムセンターは映画の墓場」だとか。

 小津監督作や黒澤監督作のDVDを観ますと、デジタル化に際して色々な手を加えており、そのリマスターが“売り”になっているものもあります。しかし、たとえばDVDは、どれだけリマスターを“売り”にしても、保存可能な情報量が少ないため、フィルムの情報量には遠く及びません。それがBlu-rayであっても同じです。情報量を大きくするだけで、アナログ・データをデジタル・データに変換することは、情報の取捨選択を行うことです。映画をフィルムでなくDVDで上映すると画質の劣化がよくわかります。
 情報量の問題は、メディアの大容量化が進めば解決するとはいえますし、デジタルならではの利便性の高さを考えれば――過去の作品のことを深く考えないなら――デジタル化は良いことだと思いますが、とちぎさん曰く、「フィルムの基本となる素材の耐久度は、理論値で1,000年くらい持つ。それが白黒なら500年くらいになり、カラーだと100年くらいになる。デジタル・メディアはそれに比べると圧倒的に短く、数十年持てば長い方」ということですので、維持管理の困難さ以上にメディア自体の耐久度が低いわけです。
 また、フィルムの管理には知識も当然必要とされます。たとえば一般的な発想なら、大切なものを保管するためには「丁寧に密封して、開封しないこと」と考えますが、フィルムの場合は、その材質ゆえに、定期的に“解放”することが重要だそうです。大切に密封したままだと逆にフィルムが傷むのです。フィルムが巻かれて缶に入っている状態は、フィルムに圧力がかかっていることになりますので、外に出して巻き直すことが必要になるのです。

 厳重過ぎる保管をしてもフィルムには逆効果になるなら、定期的に観てあげれば良いわけです。フィルムセンターにもホールはあるのですが、とちぎさん曰く、「日本で最も堅っ苦しい」ホールだそうで、フィルムセンターは、映画の保管には頑張っていますが、映画文化の保全には積極的でないようです。ですから、古くて誰も相手にしないような作品を積極的に借りようとする<カナザワ映画祭>には協力を惜しまない。小野寺代表の熱意に思わず積極的に協力したくなる、ととちぎさんは仰っておりました。
 <カナザワ映画祭>は、権利をクリアする面倒なことをちゃんと行ってます。権利者を探し、交渉する。それがいかに大変か。小野寺代表は、「観客は簡単に、あの映画を上映してこの映画を上映して、とかいうけど、権利問題をクリアするのがどれだけ大変か」と愚痴を少々こぼしておりました。
 フィルムセンターは、フィルムを保管しても、フィルムに関わる権利を所持しているわけではありません。フィルムセンターに保管されているフィルムをフィルムセンターの外部で観るには、フィルムの権利者と交渉しなければなりません。フィルムセンターには所有権しかないわけです。著作権の切れたフィルムに関してはフィルムセンターのさじ加減だそうですが。
 権利問題のクリアは、日本で90年代以降の主流となった製作委員会方式が厄介です。複数の出資者による製作委員会は、権利の主権者を特定することが難しいからです。
 数々の面倒事を片付けながら上映し、それが全国から支持される<カナザワ映画祭>は、とても偉く、自治体からもっと積極的に支持を受けても良いくらいです。ま、内容が内容ですけど。

 最後に、サプライズでご登壇された金沢市長は……内容が内容なだけに、<カナザワ映画祭>に挨拶に出るのは悩んだそうです。しかし、金沢市が助成していることを知り、マジメなシンポジウムも行っていますし、県外客も多く呼んで経済効果もありますから、挨拶はしておこうと。
 金沢市長の挨拶でわかったことは、「4日目」時点で<カナザワ映画祭2012 XXX>の来客数は、のべ3,000人くらいで、そのうち7割が県外客だそうです。金沢市長とすれば嬉しい話でしょうが、相変わらず県内客の数が少ないようで、少々寂しい感じ。いや、でも、だからこそ<カナザワ映画祭>はもっと存続するべきです。県外客を多く呼ぶ実績は、金沢市としても嬉しい話ですから。

 小野寺代表はこの1週間のために1年かけているようなものですが、今後ともよろしくお願いいたします。

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2012-09-30

<カナザワ映画祭2012 XXX>6日目(9/19)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の6日目です。
 上映される筈の『セクシー・ワールド』が諸事情で上映できなくなり、『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』に差し替え上映です。もともと『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』を観る気はなかったのですが、シネモンドで上映している『SR3 サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』を観たいのもあって、それなら上映が連続している『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』を観ようと。
 また、先日のシンポジウムでかなざわ映画の会代表の小野寺生哉さんが、『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』を上映させるための苦労話を語っておりまして、それならば観てみようと。
 製作・脚本・監督・出演のボー・アルネ・ヴィベニウスさんは、自分の大切な作品が自分に無断で上映されていないかネットで巡回監視しているらしく、<カナザワ映画祭2012 XXX>で上映することを発見し、メールで「その上映は違法だから、2,000ユーロ(約20万円)払え」と要求してきたとか。上映の2日前くらいのことだったそうです。
 『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』の権利はアメリカの会社が所有しているそうで、クリスチナ・リンドバーグさんのマネージャーから助言してもらい、権利はクリアしたのに、ヴィベニウスさんは「違法だ!」と。結局はそれもリンドバーグさんのマネージャーに助けてもらい、無事に問題解決したそうです。

 さて、リンドバーグさんの「隻眼+黒のロングコート+ショットガン」というクールなお姿が有名であり、クエンティン・タランティーノ監督のお気に入りということですから、期待満々で観ましたら、寝ました。開始から10分くらいで。目が覚めたら既にリンドバーグさんは隻眼になっており、空手の特訓中でした。物語の肝心な部分がごっそり抜け落ちております。しかし大丈夫。作品の理解には特に問題ありません。
 子供の頃に変態に襲われた恐怖から失語症になったのに、大人になったら見た目が普通の変態に手籠めにされ、何か大変なことがあって隻眼になり、何か重要なことがあって復讐することになった。何で隻眼になり、何で復讐することになったのか、その2点が不明ですが、まあどうでもいいことです。重要なのはその後の復讐展開。
 エロとしては全く大したことがなく、テキトーな結合場面だけ挿入して、『ゴッドファーザー』の馬の生首場面を彷彿とさせる血の滴るベッドから始まる復讐劇は、映画の興奮を大きく勘違いしたカタルシス満載。カーチェイス(というか、走ってるだけだ)では、すれ違う車が意味もなく爆発炎上。リンドバーグさんの格闘場面では、一挙手一投足がスローモーション。空手チョップも空手キックもスローモーション。ショットガンを撃つのもスローモーション。撃たれた敵が倒れるのもスローモーション。効果音もBGMもスローモーション。きっついディレイかかってました。サム・ペキンパー監督の「死のバレエ」を模倣したのかもしれませんが、瞬間が引き伸ばされるというより、場面が弛緩しているようでした。ショッキングというより、まったり。最後は西部劇みたいにして終わります。
 はっきりいってアホみたいな作品ですが、所々に素晴らしい画面があり、眠い目を覚まさせてくれます。たとえばどっかのレストランをリンドバーグさんが襲撃する場面。撃たれた女性が倒れる前を敵のボスが駆け抜けて逃げる。フォーカスは女性にあり、ボスはぼやけている。スローモーションだからとてもその場面がカッコイイ。最後の西部劇のような、荒野に青い空もいい。ちまちまとリンドバーグさんが訓練している様を描くのもいい。アホみたいなポルノ映画だと思っていたら、意外や細部があり、空洞化した映画ではありませんでした。まあ、それでも、基本は弛緩しているのですけど(だから寝た)。
 今観ると結果的にビースティー・ボーイズの「Sabotage」のPVと同じような魅力を放っている面白作品でした。天然な分、『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ』の方が魅力は上です。寝てしまったくせに偉そうで申し訳ありませんが。

 ところで、今回シネモンドで上映されたのは修正版でした。「SEX爆音」上映は無修正だったのですから、シネモンドでの通常上映に無修正は問題あったのでしょうか。ま、修正に作品の魅力は関係ありませんでしたが(無修正版が見たければYouTubeで全編観られる)、どうせなら爆音上映で楽しむべきでした。差し替え上映でも観られて良かったです。

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2012-09-27

<カナザワ映画祭2012 XXX>5日目(9/18)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の5日目です。
 毎年のことですが、連休が終わり、爆音上映も終わり、上映館はシネモンドだけになり、雰囲気は一気に寂しくなります。上映作品も爆音上映から外れたものばかりですから、最終日までは要注目といえる作品が少ないです。そんな中でも耳目を集めるのが、本日観た『縄と犬と人妻』と『ザ・異色ドキュメント 馬と女』でしょう。

 『縄と犬と人妻』は、クレジットに「名犬ラッキー」と記載があるのが面白かったくらいで、他には何も思い出せません……またもや失礼なことに、半分近く寝てしまいました。
 「縄と犬」、「犬と人妻」、「縄と人妻」に区分できる題名の衝撃度は高いものの、当然ながら「縄と犬」としての絡みはなく(たぶん。寝てる間にあったのかもしれないけど)、「縄と犬」のSMプレイがあれば……それこそ衝撃的な作品になったと思います。思いますが、そんなん誰も観たくないか。「雄犬×人間女性」はよく見ますが、「雌犬×人間男性」を描いた作品って全く見ませんから、犬が被虐側である作品は需要がないのでしょう。
 大切な愛犬が拉致誘拐され、身代金の要求と共に送られてきた動画に映されていたのは、緊縛プレイを強要されている愛犬の姿……「ああっ、ウチのワンちゃんに何てことを!?」みたいな展開なら容易に想像できますが……物凄く真面目に描いてもギャグにしかならん。ポルノとして機能する可能性が少しも想像できません。

 『ザ・異色ドキュメント 馬と女』は、何が「ドキュメント」なんだかさっぱりわからないものの、題名の衝撃度は『縄と犬と人妻』を遥かに超えます。
 意外や意外、物語としてちゃんと作られており、ますます何が「ドキュメント」なんだかわからないものの、いかにも安っぽいそのドラマが面白い。『闇金ウシジマくん』に登場してもおかしくない主人公が悲惨な人生への階段を2段飛ばしくらいで駆け降り、遂には馬と性交するに至る物語です。どん底の人生を描いている筈なのに、馬と性交する主人公にはなぜか神々しいものを感じます。主人公は常に他人のために働いており、それゆえに悲惨な人生なのですが、我欲を捨てたその姿に感動させられるのです。や、そんな大層なものではありませんが。
 登場人物の設定も描写も展開も門切り型で、全く工夫されておらず、危うく寝てしまいそうになるところを寸前で止めてくれるのは、2回くらい差し込まれる馬同士の性交というか種付け場面です。安っぽいメロドラマの最中に差し込まれる「ドキュメント」なそれは、作品の最終到達点である獣姦場面の凄まじさを否応なく想像させます。40cmくらいありそうな牡馬の勃起した陰茎を係の男性が持ち、雌馬の膣に誘導します。あんなの……串刺しじゃないっすか!
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 あともう1ヶ所、驚かされた展開があります。主人公はヤクザな男に騙され、金づる兼性欲発散道具としてこき使われるのですが、子供が生まれることをきっかけに逃亡します。誰にも知られない地で、子供を立派に育て、ちゃんとした家に住むことを夢想し、ストリップ嬢として働きます。しかし、ヤクザ男はせっかくの金づるを逃がしてなるものかと、主人公を追いかけて来ます。再び主人公の前に現れたヤクザ男は、「子供なんて邪魔なだけだから、どっかに捨ててこい」と恫喝します。この男に関わっていたら自分の人生だけならず子供の人生までお終いだ、と思った主人公は、ヤクザ男の前で自分の左手の小指を食い千切ります。小指を咥え、「ううううーっ!」と唸りながら、ぶっちーっ! 血ぃダラダラーっ! んで、食い千切った小指をヤクザ男に投げ付け、「もう私に関わらないで! 私の前に現れる度、指を食い千切る! 指が全部なくなったら、死ぬ!」と啖呵を切ります。鬼気迫るその迫力に圧倒されたヤクザ男は主人公の前に現れなくなりました。まあ、「ドラえもん」みたいな手になられたら金づるになりませんしねぇ。このいきなりなスプラッター展開(という程ではないけど)には目が覚めました。
 で、その後はお待ちかねの「馬と女」です。もっと金を稼ぐためにはもっとネームバリューが必要だと感じた主人公は、遂に馬との獣姦を決意します。そのために膣穴を広げる手術までして。丁寧なことに、医者が「こんなの初めてだよー」といいながらの手術場面もあります。
 ボカシがかかっているので本当に馬の陰茎を舐めたりしたのかわかりませんが、どアップの場面では明らかなハリボテを使ってました。『ブギーナイツ』のより明らかな。主人公の喘ぎ声だけが際立つ、静かに繰り広げられる獣姦場面は、妙な緊張感と迫力があり、正に「ザ・異色ドキュメント」な感じがしました。そして、すっごい量の射精があり、精液に塗れて恍惚とした表情の主人公が映され、終わります。
 主人公を演じる岡田きよみさんの熱演がとても良かったです。指を食い千切った後の場面では、小指を曲げて演じていたのがチラチラ見え、微笑ましい感じでした。

 『縄と犬と人妻』は寝てしまいましたが、『ザ・異色ドキュメント 馬と女』は寝ないどころか、とても面白かったです。エロの合間に予想もしないスプラッター展開が混ざっている点も<カナザワ映画祭>らしい感じでした。

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2012-09-25

<カナザワ映画祭2012 XXX>4日目(9/17)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の4日目です。
 1本目の『ビリティス』が諸事情で上映できなくなり、「本宮映画劇場田村修司館主の語りと『ピンク映画いい場面コレクション』」と差し替えになったようですが、むしろ嬉しい誤算です。簡単に観られないものを観る方が祭として価値ありますからね。早めに来てサポーター特典(優先入場)を使わせていただきますよ!
 どうでもいいことですが、家を出る直前にTVの情報番組を見ていましたら、中国の反日暴動について報道していまして、暴徒化した中国人が日系のデパートを襲撃する様が映されていました。道のあちこちから集まり、集団となって暴走する様が「走る『ゾンビ』もの」か『28日後...』のようだなぁ、と思っていたら、暴徒と化した中国人を映すTV画面から『28日後...』のテーマ曲が! 画面には大変な騒ぎが映っていましたが、思わず笑ってしまいました。編集を担当した方、良い選曲です! あの悲壮なテーマ曲を頭の中でリピートしながら、気分良く映画祭に向かいました。

 本日は最初から最後まで全部観ました。『愛の嵐』、シンポジウム「これからのフィルム上映」、『グリーンドア』、『BAD FILM』。

 「本宮映画劇場田村修司館主の語りと『ピンク映画いい場面コレクション』」は、良かったですねー。入場時にフィルムの一部分をいただきました。「Kanazawa2012 歓写 本宮映画劇場 田村修司」とラベルの貼られた小さいビニール袋に入れられていたのは、何とピンク映画のフィルムの一部分で、「張り方を咥えた女性」が映っていました。何の作品の何の場面か全くわかりませんが、驚きのプレゼントにとても嬉しく思いました。田村館主、ええ方や~。大切に大切に保管させていただきます。しおりとして使いたい気もしますが、誰かに見られた時のことを考えると……無理かー。
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 場内には渡辺マリさんの「東京ドドンパ娘」等の懐メロがかかっており、また檀上には田村館主持参の懐かしのポスターが置いてあり、昭和前期の雰囲気を演出してありました。
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 田村館主は、とても楽しそうに、講演にでも慣れているのか、大勢の観客を前にしても臆すことなくスラスラと澱みなくわかり易くお話し下さいました。田村館主については、私が説明するより、都築響一さんの「独居老人スタイル」を読んでいただくべきでしょう。
webちくま「独居老人スタイル ─micro nirvana─」都築響一 → 第6回 手伝ってくれるひとなんて、だれもいないんだよ。 田村修司 本宮映画劇場館主
 上映された「ピンク映画いい場面コレクション」は、ピンク映画が白黒からカラーに変わる時代の変化を楽しむ巻芸者ばかりを存分に堪能する巻お風呂場面ばかりを存分に堪能する巻谷ナオミさんを存分に堪能する巻、と4巻に分かれていました。「いい場面コレクション」というだけはあり、裸、裸、裸、裸。余計な焦らしのない、全編クライマックスな、見事すぎるピンク映画Djミックスでした。映像だけでなく音楽にもこだわっており、とにかく陽気。「おっぴょ節」とか、ピンク映画でもなければ聴けない名曲も裸と合わせて聴ける素晴らしさ。
 ただ、Djミックス的観点からすると、「いい場面コレクション」だけはあり、ブレイクがなく、単調に感じました。盛り上げにブレイクは必須。単調ゆえに、貴重な映像の数々ではありますが、面白味が薄いと感じました。たぶん「観客に楽しんでもらおう」という姿勢が逆に面白味を欠く要因になったのではないでしょうか。
 とはいえ、「ピンク映画いい場面コレクション」が、田村館主の半世紀近い間に蓄積された情熱が込められた、しかも観客のことを考えた、エロなのに笑顔になり、感動させられる「作品」であることは間違いありません。観られて良かったです。

 ところで、「本宮映画劇場田村修司館主の語りと『ピンク映画いい場面コレクション』」を観た金沢市民であれば当然に想うことがあると思います。駅前シネマのことです。
 今回の<カナザワ映画祭>がエロをテーマとすると知った時、また駅前シネマでも何か行うのかと真っ先に思いました。駅前シネマは全く関与しなかったのでしょうか? 本宮映画劇場と違い、駅前シネマはまだ営業を続けていますが、間近にいるピンク映画館の扱いが低いようで、何となく寂しい感じがしました。
 今では「駅前シネマニュース」の発行もなくなり、失礼ながら駅前シネマの経営が良化していることはないと思います。ピンク映画を観るために若い女性客もたくさん集まった<カナザワ映画祭2012 XXX>ですが、現在のピンク映画館は盛況から遠ざかっています。都築さんがフックアップすることで本宮映画劇場は注目されましたし、<カナザワ映画祭2012 XXX>によって過去の厳選されたピンク映画は注目されますが、現在のピンク映画は放置ですから、駅前シネマにとっては大して得のない状況だと思います。
 <カナザワ映画祭>は映画をフックアップします。それがフィルムであれデジタルであれ、劇場で観る、という価値観をフックアップします。その試みの1つが爆音上映です。それは成功しています。次に狙うは「映画館」のフックアップでしょうか。続けることで次が見えてくる、そんなことを勝手に思いました。

 『愛の嵐』は……もったいないことに、半分以上を寝てしまいました。出だしから眠くなってきて……殆ど記憶に残ってません。

 シンポジウムは、熱いような温いような、微妙な話し合いでしたねー。
 公式サイトやプログラムには「これからのフィルム上映」と明記されていましたが、実際は「フィルムをどうやって残すか」が主でした。フィルムでしか現存していない作品がどうなるのか、どうするのか。「フィルムとデジタル、どっちが優れているか」や、「デジタル化によって映画館はどうなるのか」というような問題は話し合わない、と最初に宣言されました。デジタル化は進行しているので、そのようなことを話し合うのは無駄、ということです。
 フィルムでしか現存していない作品が全て漏らさずデジタル化されるなら問題ないのでしょう。しかし、DVDやBlu-Rayのソフトを見てもわかるように、デジタル化の完成度は、予算と技術力に左右されます。予算がなければ、そもそもデジタル化を見送る作品だってたくさんあるでしょう。結局は、お金と技術力。
 面白いお話しが色々ありましたが、長くなるので割愛。

 『グリーンドア』も、またもや半分以上寝てしまいました。奇妙な味わいのある作品だなぁ、と最初は面白がっていたのですが……気付いたら寝ていました。あー、もったいない。

 『BAD FILM』は、本日の――というより、<カナザワ映画祭2012 XXX>の最大の目玉上映といっても過言でありません。今や世界的に名の知れた園子温監督の幻の未完作品が<カナザワ映画祭>にて完成披露され、これが最初で最後の上映になると聞けば、誰だって興奮します。私も大興奮で挑みました。もちろんサポーター特典使いましたよ。
 が、正直、これは我慢して観る作品でした。いや、作品そのものは良かったと思います。今のようなプロではない園監督が作ったものと考えれば、物凄い作品であることに反論の余地はありません。何十億円もかけて『BAD FILM』を超えられない作品が今でも大量に作られてるのですから。それでも、上映時間が長すぎます。もっと短くできた筈です。今の園監督が編集したことを考えれば、酷い編集だと思いました。<カナザワ映画祭>という特殊な映画祭だからこそ暖かく迎え入れられますが、これが一般公開であれば駄作と断言して構わないでしょう。
 途中で帰ろうかと思ったのですが、座席の位置が列のど真ん中だったため、他の観客の邪魔になると思い、我慢して最後まで観ました。観てるのも疲れたので寝ようと思ったのですが、こーゆー時に限って全く眠くない。申し訳ありませんが、苦行でしたね。

 本日は、映画そのものは全くノれませんでした。映画祭なのに。「本宮映画劇場田村修司館主の語りと『ピンク映画いい場面コレクション』」とシンポジウムはとても楽しめましたが。最後の『BAD FILM』は体力を吸い取るような作品でしたので、帰宅するとすぐに寝てしまいました。
 あ、そうそう、本日とても驚いたことがありました。シンポジウムに金沢市長がご登壇されたことです!!! エロがテーマで、「無修正版」とかを上映しているような映画祭に、金沢市が助成しているとはいえ、市長がいらっしゃるとは……金沢市は寛容なところです。神代辰巳監督の特集上映をしようとして映画祭中止となった青森の<なみおか映画祭>という例がありますし。<なみおか映画祭>は真面目な映画祭だったのに、ロマンポルノを上映するってだけで目くじらを立てる方がいるんだから、<カナザワ映画祭>なんてどー思われるのやら。驚きの余り卒倒するかも。真面目なシンポジウムがあるのも……実は対策?
 <カナザワ映画祭>の開催は、綱渡りのようなバランス感覚に支えられているのかもしれない、と思わされた一日でした。

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2012-09-23

<カナザワ映画祭2012 XXX>3日目(9/16)

 <カナザワ映画祭2012 XXX>の3日目です。
 考えると私、サポーターにならせていただきましたが(賛同金は最低の1万円ですけど……)、9月7日以降に申し込んだため、受付で申し出ないとサポーター特典をいただけず、昨日は一般客の行列に並んで観ていましたから、「今日はサポーターとして優先入場しよう」と思ったものの、会場である金沢都ホテル・セミナーホールに着いたのが入場開始後だったため、サポーター効果を発揮できる機会少なかったです。立て続けに作品を観る時も、トイレに行ったり飲食物を購入したりして会場に戻ったら入場開始しており……サポーター効果を発揮したのは3日間で4回でしたね。もったいない……
 本日は、『フリッツ・ザ・キャット』、『ウォーター・パワー』、『バタリアン』の3本を鑑賞。

 『フリッツ・ザ・キャット』は……申し訳ないのですが、所々で寝てしまいました。
 音楽目当てで観たので、失礼ながら内容には大して興味なし。ありきたりですが「ファンキーでクール」という表現が最適な音楽に溢れており、特に印象的だったのは、ボ・ディドリーさんの「Bo Diddley」と、ビリー・ホリデイさんの「Yesterdays」がかかるところ。ディドリーさんのは、強力なリズムで昂揚感を与えてくれます。逆にホリデイさんのは、過ぎ去った幸せを懐かしむ哀愁が痛切に響きます(ちゃんと絵もそれに合わせている)。エンディング曲も良かったです。その他の音楽もとにかく楽しくて「爆音上映最高!」でした。
 
 しかし、音楽と絵は面白かったものの、画面全体の退屈さが上回ってしまい……撃沈。気付いたらフリッツが病院に入っていました。

 『ウォーター・パワー』は、初めて観る作品です。正直、全く期待しておらず、フィルム上映でないことが開始してからわかり(公式サイトやプログラムを見れば、ちゃんと「デジタル」と表記されてるのに、よく見てなくて知らなかった)、かなりガッカリもしたのですが……
 最っ高に面白かった! 何といいますか、明日をも知れぬ<カナザワ映画祭>の心意気を浣腸プレイに見た!
 どうでも良いことですが、これはサポーターとして優先入場させていただきましたので、サポーターの列は一般客のより短く、出入口により近い場所に並んでおりまして、そしたら何か4、5人の外国人グループが大きな声で会話をしておりまして、「日本人は糞を観るために並んでんのか!?」と、まるで日本人が発狂しているようなことを仰っておりました。どーせ何喋ってんだかわかんねーだろ、とか思っていたのだと思います。いや、これ、おらが国のもんじゃねーからな!
 内容は……えー、<カナザワ映画祭2012 XXX>って金沢市が助成しているのですよね……これ、上映して大丈夫なの!? 猥褻物頒布等の罪で逮捕されたりしない!? と心配になるくらいの作品でした。しかし、そこが凄いのでなく、『ウォーター・パワー』の凄さは、作品としての面白さにあります。
 物語を簡単に表現すると、『裏窓』+「必殺仕置人」または『タクシー・ドライバー』+浣腸。つまり、浣腸で世直しする物語です。ふしだらな女性を発見しては、体内から汚れを噴出させ、身も心も聖い改めさせる主人公の大河ロマンです。大河ロマンとは大袈裟な、と思うでしょうが、台詞には「人類の歴史は浣腸と共にあった」とか、「俺は浣腸の使者だ」とか、「浣腸には責任が伴う」とか、そんな感じの名言・格言がありますので、これは大河ロマンといって差し支えないと思います。やってることは単なる盗み見と不法侵入とレイプですが。
 とにかく徹頭徹尾メッチャクチャです。物語に何のカタルシスも解決もないまま「THE END」ですし。終わった瞬間、愕然とすること請け合いです。ただし、上映されたのは短縮版のようで、肝心要の噴出場面が全部カットされており、そこは大いに不満でした。普通のハードコア場面を残すより、浣腸からの噴出場面を重要視すべきだったと思います。いや、そんなに噴出場面が観たいわけではありませんが、「アブノーマルスペシャル」なのですから、カットすべき部分が逆じゃないかなぁ、と。
 あと、音楽にブライアン・デ・パルマ監督の『悪魔のシスター』を思いっきり使ってましたね。ハードコアな場面にバーナード・ハーマンさんの名曲がかかっていました。それだけで笑ってしまいました。なんちゅーセンスだ。


 『バタリアン』は、素直に面白かったです。ロビーにポスターが貼ってあって、欲しかった~。
k-eigasai-2012-3
 子供の頃に観て以来の久々の鑑賞ですが、全く古びていませんでした。アイデアとテンポの良さは、数多の「ゾンビ」ものの中でも別格です。久々に観て気付いたのは、登場人物に嫌な奴が誰もいないことです。少しは仲間割れの展開がありますが、基本的にみんなで協力して事態の解決を図ります。それがテンポの良さに繋がっているので、脚本の見事さに改めて感心しました。
 音楽も良かった。あったま悪そーな感じが。爆音上映に最適。ミュージカルになっても良いくらいです。ミュージカル版を作るべきです。
 「核ミサイルで一件落着」という、今までの苦労が徒労でしかない皮肉な結末から、『バタリアン』の上映は、原発問題で右往左往している日本の現状を皮肉った選定だったのでしょうか? そんなわけないと思いますが、そう妄想すると、<カナザワ映画祭>恐るべしです。

 本日は、『ウォーター・パワー』が最高でした。<カナザワ映画祭2012 XXX>で最も凄い作品決定かも。入場前に外国人集団がいってたことは間違ってませんでしたね。こんな作品に行列作る日本人、狂ってるわ!

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2012-09-20

<カナザワ映画祭2012 XXX>2日目(9/15)

 前日の野外上映について、北國新聞に記事がありまして、それによると集客数は400人くらいだったそうです。そんなにいたの!? 私の見積もりの倍! いやぁ、失礼しました。
 さて、本日からが<カナザワ映画祭2012 XXX>の見所である爆音上映の開始です。今年は何つっても「SEX爆音」ですからね、どれ程に悶え苦しむ音響なのか楽しみです。
 爆音上映を行う主会場の金沢都ホテル・セミナーホールがある都ホテル内にはポスターがあちこちに貼ってあり、それを見るだけで盛り上がります。
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 観たのは5本。『丑三つの村』、『』、『スペースバンパイア』、『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』、『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』。

 『丑三つの村』は、諸事情によって上映できなくなった『ヘンリー・ミラーの性生活』の代替作品。ギリギリになって発生する問題もあるのですね。
 有名な「津山30人殺し」を題材とした作品で、古尾谷雅人さんに「皆様方よ、今に見ておれでございますよぉ」、「皆様方よ、さようならでございますよぉ」という2つの名台詞をカメラ目線でいわせる演出の奇妙な味わいが忘れ難き名作です。これから皆殺しを始めようって時に、自分の首を自ら縄で絞めて「うぇー、うぇー、うぇー」とふざけてみせる不快な演出も素晴らしく、<カナザワ映画祭2012 XXX>の本格的な上映第1本目として最適な作品です。
 エロとしての実用性は高くないものの、犯罪ものというか殺戮ものとしての実用性(?)は高く、それは野村芳太郎監督版の『八つ墓村』よりも素晴らしい。古尾谷さんの悪人には決して見えない、身近にいそうな感じのする普通の学生風の演技が殺戮を際立たせているからです。市川崑監督版の方は音響によって迫力を上げていますが、『丑三つの村』には敵いません。やはり「皆様方よ、今に見ておれでございますよぉ」が効いています。
 ただ、爆音上映の効果は全くありませんでしたね。別に<カナザワ映画祭2012 XXX>で観なきゃならない作品でもありませんから、観客数も少なかったように見えました。

 『河』も爆音上映に向いていないと思っていたら、やはり向いていませんでした。映画としては素晴らしい傑作なんですが。
 得体の知れない首の奇病、食事、豪雨、雨漏り、サウナ、ゲイのセックス、親子関係、男女関係、男男関係、それらが整理されることなく、まとまることなく、主に固定画面の長回しで映され続ける『河』は、簡単に説明できる物語もなく、観客を先行き不安なまま最後まで運びます。
 クライマックスのゲイサウナの場面は強烈です。半裸の男たちが溢れているうす暗い通路を主人公は歩き続けます。男たちが個室のドアを開けては閉じ開けては閉じ、ガチャリ、バタン、ガチャリ、バタン、とただその音だけが鳴り響く画面。そしてようやく主人公が見つけた先には、実の父親とのラブシーンが待ち受けています。天井からの小さなライトだけで演出されるそれは、ギリギリまで相手が父親であることを判明させず、妙な緊張感を漲らせています。そして物語は、何も解決しないまま、終わります。
 実に<カナザワ映画祭>らしい作品ですが、爆音上映向きではないためか、やはり観客数は少なかったように見えました。

 『スペースバンパイア』には行列ができていました。皆さん、わかり易いですねぇ。
 ロビーには大きなポスターが貼られていました。隅に欠損がありましたので、どなたかのコレクションを拝借したのでしょう、ありがたやありがたや。
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 題名は「バンパイア」ですけど、実は『スペースゾンビ』といった方が正確な作品で、これは爆音上映向きでした。久しぶりに聴いたヘンリー・マンシーニさんの勇ましいテーマ曲に大興奮! マンシーニさんの作品で他にここまで勇ましいマーチはなかったと思います。初めて観た時、作曲がマンシーニさんだと知って驚きましたからね。とにかく超! 超超超名曲! それを爆音で聴けただけでも観た価値があります。

 子供の頃の記憶のままなので、音楽と枯れた死体と女バンパイアの裸とSFXのカッコ良さしか覚えておらず、どんな物語だったかは忘れており、新鮮な気持ちで観ることができました。そしたら、やはり音楽と枯れた死体と女バンパイアの裸とSFXのカッコ良さだけの作品でした。改めて観るとかなり間延びした作品で、途中で少し寝てしまいました。
 あと、アメリカ版を上映したのか、字幕を新たに作ったようで、字幕のタイミングが全てずれている上に不足が多かったのは、頑張りが足りなかったようですね。
 爆音上映には向いていましたが、<カナザワ映画祭2012 XXX>には向いているとは言い難い作品だと思いました。

 『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』は、鈴木則文監督の作品で、<カナザワ映画祭>お得意のところですね。
 クリスチナ・リンドバーグさんの特集としての上映ですが、やはり池玲子さんのカッコ良さの前ではリンドバーグさんの存在感は弱く、強引に物語に絡めた感が強い。アクションあり、エロは山盛り、展開のテンポも良く、とても面白い作品ですから楽しめることは間違いないのですが。
 今でも鮮烈な画面作りはさすがの鈴木監督作品で、安っぽい作品ではありますが、要所要所での素晴らしい画面がマイナス要素を全て吹き飛ばします。余りの面白さに、エロが邪魔に感じる程。エロが邪魔ってのも申し訳ない感想ですが。
 ようやく<カナザワ映画祭2012 XXX>の本格始動って感じの上映でした。が、やはり爆音上映の効果は殆どなしでした。

 『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』は、中島貞夫監督の作品で、これまた<カナザワ映画祭>お得意のところです。初めて観る作品ですので楽しみにしていたら、予想を遥かに超える物凄く素晴らしい作品でした。
 偶然と勘違いによる出会いと別れ、そう表現してしまうと面白くありませんが、互いが何をいっているのか全くわからない者同士となると、とてもドラマティック。まず、リンドバーグさんの役が何者なのか後半まで判明させないのが巧いです。単なるコメディなのかと思ったら、徐々にドラマの様相が変化し、それはリンドバーグさんが集団レイプされる場面以降、特に顕著となります。何をいっているのかわからない者同士が、傷付け、慰め、心を通わせる。この一連の流れ、脚本が見事です。細かい伏線もちゃんと回収し、主役2人以外の登場人物も少ない描写ながら物語を盛り上げ、動かすことに貢献するよう配置されており、72分という上映時間を何1つ無駄にしていません。
 撮影、セットも素晴らしい。孤独を噛み締める主人公の部屋という主張が見事に表現されています。リンドバーグさんが傷心の末、主人公と橋の上で遭う場面、フォーカスの当て方が見事です。
 リンドバーグさんの清楚な感じも素晴らしいと思いますが、荒木一郎さんの鬱屈とした青年の演技が素晴らしい。
 エロとのバランスも見事。エロなしには表現できない物語です。子供のようなロマンスと夢を、大人の表現でコーティングした大傑作です。
 これも爆音上映の効果があるとは思えず、そこだけが惜しいと思いました。あと、<カナザワ映画祭>お得意の上映事故が発生したのも面白かったです。フィルムをちゃんと巻き戻さないままで上映したようでしたね。上映事故が面白いってのは失礼ですけど。

 『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』上映後はそのまま、リンドバーグさん、中島監督、柳下毅一郎さんの3人よるティーチインに入りました。中島監督のお優しいお顔には和まされ、リンドバーグさんのお美しいお姿には感嘆し、柳下さんには……特に何も感じませんでしたが、楽しいティーチインでした。
 リンドバーグさんは金沢市に来たのは『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』以来40年ぶりだったそうですが、実は実際に金沢市に来たのは初めてだそうです。『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』に金沢市が出ますが、実際の撮影は京都で行ったそうです。映画の中では金沢市にいたことがあるけど、実際に訪れるのは今回が初めてなので、とても不思議な感じ、と仰っていました。ま、そーゆーことは、金沢と京都は共に古都を売りにしていますから、日本のTVドラマや映画の撮影でもよくあることです。
 今、日本で撮った2作品を観ると、暴力場面の印象が強いため、観るのが辛いそうです。しかし、その作品を観るために日本中から若い映画ファンが集い、リンドバーグさんも初めて金沢市に来ることになったわけですから、役者をやって良かった、と。
 中島監督はリンドバーグさんのことを大変絶賛しており、英語を誰も理解できない撮影現場で1人奮闘するリンドバーグさんは、このまま女優だけで終わる女性ではない、と思ったとか。その中島監督がリンドバーグさんの面白いエピソードを語ってくれました。
 今も当時もリンドバーグさんは環境問題とか社会問題にとても強い関心を抱いており、撮影当時の日本は公害が大きな問題となっていたこともあってか、「日本は公害のせいで大気汚染が酷く、日本人はそのため鼻毛がボーボーなってしまい、『鼻毛切りはさみ』なるものが作られているそうですね」と話していたそうです。もしかしてそれ、『ドラえもん』が情報の出所? いや、確か、『ドラえもん』に「大気汚染のせいで未来の人類は鼻毛がボーボーになる」という描写があったと思うのですよ。うーん、どうなんだろう。で、リンドバーグさんの母国スウェーデンには「鼻毛切りはさみ」がないため、是非ともお土産にしたい、と。中島監督も「鼻毛切りはさみ」を知らなかったそうで、探して購入し、リンドバーグさんにプレゼントしたそうです。微笑ましいエピソードです。

 爆音上映の始まった2日目は、『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』が最高でした。こんな作品がDVDにもならずに埋もれて行くかもしれないと思うと、悲しいことです。<カナザワ映画祭>に大感謝ですね。
 あと、会場が21世紀美術館から金沢都ホテル・セミナーホールに移って、劇的に観易さが向上しました。座席数が多い! 座り易い! 飲食物の入手・飲食が容易い! 今後もずっと金沢都ホテル・セミナーホールで開催してほしいと思いましたが、何か、ちょっと寂しい感じもしました。贅沢な愚痴です。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

tag : カナザワ映画祭

2012-09-14

<カナザワ映画祭2012 XXX>初日(9/14)

 行って参りました<カナザワ映画祭2012 XXX>の野外上映に!

 夕方に一瞬、激しい雨が降ったため、金沢都ホテル・セミナーホールに場所移動かなぁ、と野外上映を危ぶみましたが、雨は30分程で止み、その後は何事もなかったように、多少は曇っていましたが、強風もなく、適度に涼しく、快適な状態で上映が開始されました。
 会場となった香林坊にぎわい広場には、老若男女が集まり、用意された150人分くらいのパイプ椅子は全て埋まり(ちゃんと数えてないので、何となくの数字)、座れない方々は思い思いの場所に腰掛け、または立ったままで、上映を今か今かと待ちわびていました。大体200人くらいは集まったのでしょうか。見渡すと、小さなお子様を連れた方もいて、おいおい、これは子連れ向きの作品じゃないの知ってんのか、と驚きましたが、まあ、情操教育には最適な作品でもありますから、何の問題もありませんので、良いことだと感動しました。小さなお子様は2人程いたと思います。『ショーガール』を観たそのお子様は、将来どのような大人に育つのか楽しみです。

 かなざわ映画の会による開始挨拶の後には、サプライズ・ゲストとして、クリスチナ・リンドバーグさんがご登場されました。作品で観られるお姿からはお年を召していますが、とてもお美しく、上品さがあり、しかしマイクのハウリングに「マイガッ」と驚くチャーミングさもあり、『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』の撮影から40年を経て金沢に来ることになった不思議を短く端的な感想としてまとめ上げ、<カナザワ映画祭2012 XXX>の開幕を盛り上げました。
 芸子さんが花束の贈呈をしていましたが、失礼ながらお名前をど忘れしました。

 そのすぐ後、さらにサプライズとして、ポールダンサーのKAORIさんがご登場され、見事すぎるポールダンスをご披露して下さいました。本当に見事すぎて、その魅惑的なお姿に見惚れる余裕もありませんでした。初めて実際のポールダンスを観たので、あんなに激しくもカッコイイものとは知りませんでした。映画なんかで映されるものはせいぜいがポールに掴まってクルクル回ってるくらいですから、あんな新体操みたいなアクロバティックなものとは! オリンピックはポールダンスを新体操に組み込んだらどうですかね。視聴率が万倍くらいに跳ね上がりますよ。出初式もポールダンスにしてみたらどうでしょうか。
 会場が大盛り上がりした後、遂に『ショーガール』の上映開始です。

 まあ、あれですね、何度観ても、すっごい下らない作品です。成り上がりの下剋上の女の戦いのロマンとエロスとバイオレンスが溢れる脂ぎった作品です。とにかく、内容の安っぽさが素晴らしい。アメリカン・ドリームな話なのですが、舞台が底辺すぎて空しくなりそうなのに、物凄く感動するのは、どこかから来て、どこかへ去るという構造ゆえだと思います。下らないけれど、ちゃんと「映画」してます。
 笑って、泣ける。そして画面を覆う裸体に裸体に裸体。しかもその表現は、エロスといよりバイオレンス。裸体が咲き乱れているのに、エロを感じる前に恐れ戦いてしまう。ポール・ヴァーホーヴェン監督は、美女たちの裸体を、ナイフかハンマーかチェンソーのように振り乱して描きます。「女の武器」なんて表現がありますが、むしろ凶器。
 <カナザワ映画祭2012 XXX>の華々しい開幕には最適の作品でした。

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

プロフィール

ばっどていすとさんどいっち

Author:ばっどていすとさんどいっち
テクノ好き。
アンダーワールドのRez大好き。
映画大好き。
ジャッキー・チェンが生涯の英雄。
生涯1位作品は『ミミズバーガー』。
2位が『溶解人間』。
泣き虫で、馬鹿。
itsuka-omoi-dasu-bts@hotmail.co.jp

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